134国会 宗教法人等に関す特別委員会会議録 1995年11月29日
○山下栄一君 平成会の山下でございます。平成会を代表いたしまして質問をさせていただきたいと思います。
参議院における宗教法人法の改正論議が二十二日の本会議趣旨説明、代表質問からスタートしたわけでありますけれども、極めて異常な、また異様な雰囲気の中で行われております。
審議の冒頭から特定宗教団体の攻撃、ねらい撃ちをするような質問が続いております。審議スケジュールについても、二十二日の委員会の趣旨説明を委員長の職権で強行いたしました。我々は、これにつきましては不信任案を出しまして抗議したわけでございます。また、昨日も委員長の職権で委員会を散会せずに休憩とし、与党は参考人問題の採決を強行する構えを見せたのであります。このような与党の数を頼んでの強権的な国会運営に対し、昨日も強く抗議し、今ここで改めて強く抗議するものであります。
改正案の中身につきまして幾つか質問をさせていただきたいと思います。
昨日も、我が会派の魚住議員からも改正点の中の一つでございます提出義務につきまして質問がございましたけれども、時間の都合で途中で終わっておりますので、残りの部分を少しさせていただきたいというふうに思うわけでございます。きのうも質問があったわけでございますけれども、担当の方の答弁が非常に中途半端な答弁内容でございましたので改めてさせていただきます。
要するに、現行法で宗教法人に対して備えつけ義務を課している書類、これを所轄庁に提出させる義務、これが今回改正点の一つになっておるわけでございますけれども、現行法では提出義務を定めなかった理由があると私は思うわけでございます。
〔委員長退席、理事松浦功君着席〕
あえて信仰の自由、信教の自由を守るというこの観点から所轄庁に提出義務を課さなかったと、このように理解しておるわけでございますけれども、現行法で提出義務を定めなかったのはなぜか、このことについて大臣にお聞きしたい、このように思います。
○政府委員(小野元之君) 現行法で提出義務を定めていないのに今回なぜ定めるのかという御質問でございますけれども、現行法で書類の提出、備えつけを義務づけておるということはあるわけでございますけれども、それを所轄庁に対して提出義務はないというのは御指摘のとおりでございます。
これは、立法当時、昭和二十六年の時点の状況でございますけれども、この時点におきましては、規則の変更でございますとか合併、任意解散の認証、それから一定の登記事項の届け出等、こういったものが現行法で規定として設けられておるわけでございますけれども、そういった規定によりまして認証後の宗教法人の実態把握についてはこの時点においてはこれで足りる、実態の把握がある程度できると。そして、二十六年当時の時点におきましては、こういった今定められております権限を適正に行使することが可能であるというふうに考えまして提出を義務づけていないものでございます。
したがいまして、この書類を新たに義務づけるから、そのことが信教の自由を侵害するということではもちろんないわけでございます。
○山下栄一君 文部大臣、十一月一日からですか、その前の十月三十一日から衆議院でも本会議からスタートいたしまして、今回の法改正の論議のやりとりはもう繰り返し行われてきているわけです。
それで、この改正案の提出の最高責任者である文部大臣も、この法改正を実現するためにさまざまな勉強もし答弁に備えておられたと、こういうふうに思うわけでございますけれども、僕もこの二十七日から聞いておりまして、肝心なことになると専門家に答えさせると、こういうふうにおっしゃるわけですよ。法改正案の最高責任者として、専門家になんというのはおかしいと私は思うわけでございます。大事なことは専門家に答えさせる、そういうのじゃ困るわけでございまして、私の質問につきましては大臣からお答えいただきたい、このように思うわけでございます。
今回、宗教法人に備えつけの書類の提出義務を課した目的、何のために提出させるのか、このことについて、大臣、お答え願いたい。
○国務大臣(島村宜伸君) 初めに申し上げておきますが、私は確かに宗教法人法の改正案を提出するにつきましては私なりの勉強はさせていただいておりますけれども、文部大臣の仕事というのはそればかりではございません。例えば、私は、就任以来、もう北海道だけでも三回行っておりますし、全国各地かなりいろんなところを飛んで歩いております。いじめの問題もありますし、教育改革の問題等もございますので、細部にわたり、あるいはより専門的なことについては、いわば審議会のいろいろな御審議の経過等をよく踏まえて承知いたしております文化庁次長に御答弁させる方が礼にかなう、こういう意味も含めて、私の方はそういう場合には文化庁次長から答弁させている、この点をまず御理解いただきたいと思います。
それから、今回、いわば備えつけ書類を提出していただくということは、これも今まで再三いろんな答弁にも出ておることでございますけれども、今は、例えば収益事業の停止命令とか認証の取り消しとか、あるいはまた解散命令の請求等、七十九、八十、八十一条と法は規定してございますけれども、その実態の把握が全くできないというのが現実でございます。
それで、この法は、制定当初は宗教法人も規模も小さかったし、いわばそれぞれの地域で御活動いただくというのがほとんどでありましたから、そういう意味では当初はそれでよかったかもしれませんが、今日のように、これだけ世の中が変わり、宗教法人の実態も変わり、広域化してきて複雑化してくれば、当然所轄庁としてはある程度の実態把握をしておく必要がある、そのことによって今回は、この備えつけ書類の御提出を願うということが例えば宗教法人審議会の御報告の中にも出ている、こういうことでございます。
○山下栄一君 先ほど、専門家としての文部大臣、宗教法人法の改正案については私は専門家であると思うわけでございまして、それについては大臣から答えてほしいと、このように申し上げたわけでございますが、詳しく知っている事務当局から答えさせるのが、私はいろいろとほかにも仕事がある、礼儀を失すると、こういう発言があったわけですけれども、事務当局の方じゃなくて法改正の最高責任者からお答えいただく、これが私は礼儀であると、このように思うわけでございます。
今回のこの臨時国会の文部省所管の法案はこれ一つでございますから、今のところ。したがいまして、改正案提出の最高責任者としてしっかり答えていただきたいと、このように思いますので、よろしくお願い申し上げたい。
実態把握のために、状況はもう変わった、実態把握をする必要が出てきた、そのために備えつけの書類を提出させるんだと、こういう御答弁でございますけれども、ということは、現行法では今まで全く認証後は掌握をしてきておらないと、こういうことですか、大臣。
○国務大臣(島村宜伸君) 備えつけ書類の義務づけはあっても閲覧権等を持たないということは御存じのとおりですね。したがって、知るすべがなかったということがあります。
それから、今ほどのお話でございますけれども、議事録としてきちんと残る、そのことをもとにまた質問や、あるいは時には究明をされることもあるわけでございますから、無責任な答弁はできないわけです。そういう点も御理解いただきたいと思うし、これは国会の、今までの議会の運営の中にも決してまれなことではないわけであります。
○山下栄一君 無責任な答弁は困るわけでございます。責任ある答弁を大臣からお願いしたいと、こういうことでございます。
それで、閲覧するすべもなかったというお話でございますけれども、文部省みずからが、都道府県の認証事務の担当の方からこういう場合はどうですかという質問があったときに、その回答として、例えば宗教法人の了解が得られれば報告を徴したりあるいは事情を聴取することができると、このように昭和四十一年に文部省が既に都道府県からの質問に対して回答をしているわけでございます。
それに基づいて、その宗教法人の了解を得て報告を徴収したり、また質問をしたり、現地に行って確認したり、そういうことを通して今までも文部省はやっておられるわけでございまして、認証をして以後何も実態把握も掌握もすべて全然やってこなかったということではないわけです、現行法でも。この点についてはどうですか。昭和四十一年に既にもう文部省は回答されておるわけですよ。大臣、答えてくださいよ。
○政府委員(小野元之君) 昭和四十一年の時点で、御指摘ございましたように、これは秋田県の総務部に対してお答えしたものでございますけれども、所轄庁として規則の適正な運用について指導監督の責任があるということで、宗教法人の御理解が得られれば、同意を得た上でいろいろお聞きをする、あるいは資料をいただくということはもちろんできるわけでございます。ただ、これは同意が得られればという前提は、もし同意が得られなければ、所轄庁としては知りたいと思っても、それは資料を得ることができないわけでございます。
現行法で、先ほども御答弁申し上げましたように、規則の変更をいたしますときでございますとか、それから一定の登記事項の届け出があるとき、こういった場合、非常に限られておりますけれども、認証後若干の情報が得られる機会はあるわけでございます。
○山下栄一君 だから、この認証事務、宗教法人として認証した後、現行法でも実態把握のすべもあったし、既にそのような通達ももうやっているわけでございまして、そんなもの全然掌握できてない、すべもないということはないわけで、その辺の大臣の認識を変えないかぬわけですよ。今もうできているわけやから。
大臣、宗教年鑑は御存じですか、宗教年鑑という本は。どうですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 承知いたしております。
○山下栄一君 これはどこが発行し、どこがそういう調査をし、本になっておるわけですか。大臣、どうですか。
○政府委員(小野元之君) 宗教年鑑につきましては、午前中の御質疑もございましたけれども、私どもの方で宗教法人にお願いをいたしまして一定の事項について御回答いただいて、それを書類としてまとめてオープンにしておるものでございます。
○山下栄一君 文化庁の担当から、そういう各宗教団体の信者数とか教会数とか教師数とか、そういうことを具体的に問い合わせをやっているわけでしょう。実態把握の努力をやっているわけです。だから、現行法も実態把握のすべがあるわけですよ。全くできないことはないわけですよ。それをしっかり確認せなだめですよ、大臣、それは。
その次です。提出させてそれをどうするのか。全国十八万、今回文部省所管はふえると思うんですけれども、各宗教法人から備えつけの書類を、収支計算書、財産目録等を提出させてそれをどうするのかということです。何のために提出させるのか。どうですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 文部省であれ地方自治体であれ、所轄庁という立場に立てば、一たび認証を与えれば法人格を与えたという責任があるわけですね。したがって、ある程度の実態把握は必要だと、こういうことでございます。
○山下栄一君 今さっき言いました。ある程度の実態把握はもう既にやっているわけですよ、さまざまな形で。宗教年鑑をつくるための実態把握もやっているし、そして任意の報告徴収もできますよ、質問もできますよ、現地へ行って確認もできますよということを文部省は回答しているわけだから、ある程度の実態把握はやっているじゃないですか。
これを提出させて、文部省の文化庁の役所に積んでおくわけはないと思うんですよ。そうでしょう。それを、いろいろと問題点が見つかったと、指導したくなるわけですよ。だから、具体的にそれを集めて、たくさんの書類をどうされようとするわけですか、大臣。
○政府委員(小野元之君) 財務関係書類等について提出を義務づけるということをお願いしているわけでございますけれども、その趣旨は、宗教法人がその目的に沿って活動しておられるということを所轄庁として継続的に把握をする、そして宗教法人法を適正に運営することができるようにしようという趣旨があるわけでございます。これによりまして、所轄庁といたしましては、先ほど申し上げましたように、任意でお答えいただける場合はもちろんできるわけでございますけれども、拒否なさればそれは全くできないわけでございます。
そういうことでございますので、宗教法人が認証後、毎年度その目的に沿って活動しておられるということを継続的に把握できるということで、所轄庁が責任を果たしていく上で最小限度必要な改正であるというふうに考えているところでございます。
○山下栄一君 様式についてもどういう形で報告させるのか。統一的なものでやるのか、それとも各宗教法人の報告のそれぞれのやり方で報告させるのか、その報告の様式ですね。大臣、お答えください。――大臣、だめですよ。何遍も繰り返し質問している内容なんだから、逃げたらだめですよ。大臣、答えてくださいよ。
○国務大臣(島村宜伸君) せっかくの御要望ですけれども、質問通告も何もなさらずにいきなり細かい点をいろいろつかれても、こちらも責任ある答弁ができません。通常の方々は皆さんそういうことをあらかじめ、責任ある答弁を求めるために質問通告をなさるわけでございまして、この点だけは御理解をいただきたい。
○理事(松浦功君) 小野文化庁次長。
○山下栄一君 いいですよ、もういいですよ。(発言する者多し)私は答弁求めてませんから、大臣答えてくださいましたから結構です。
○理事(松浦功君) いいんですか。
○山下栄一君 結構です、いいです。
こういう質問は初めてと違いますねん。もう今までも何回もされているんですよ。だから答えなだめですよ。
提出させてどうするのかということで、国政調査権と役所の守秘義務との問題があるわけでございます。これについても既に衆議院等でも質問があったわけでございますけれども、この基準がはっきりしてないわけです。議会の国政調査権とそして役所の守秘義務とどちらが優先するのかという基準もはっきりしていない。大きな問題点の一つでございます。
これを例えば各党の都合で、多数を頼んでと言ってもいいと思いますけれども、党利党略で、国会の方で国政調査権を発動して各宗教法人の実態を質問したときに、これを文部省の方でどういう基準で答えさせるのかということですね、それについてお答え願いたいと、このように思います。
○政府委員(小野元之君) 提出いただいた書類のそれにつきまして、もちろん所轄庁といたしましては公務員でございますから守秘義務があるわけでございます。これに対して、国政調査権でそれを提出せよということがあった場合どうなるのかという御質問でございますけれども、今回の宗教法人法の改正によりまして、所轄庁に提出される書類の内容につきましては、公務員の守秘義務によって保護されるべき秘密に属する場合があるというふうに考えております。
一方で国政調査権に基づく要請があるわけでございますけれども、これにこたえて職務上の秘密を開披するかどうかということにつきましては、守秘義務によって守られる公益、それと国政調査権によって得られるべき公益、この二つの公益があるわけでございますけれども、これを個々の事案ごとに比較考量することによって決定すべきものというふうに考えているわけでございます。
したがいまして、今回の法改正によりまして、提出を求める書類の中身について、国政調査権に基づいてこれを出せという御要請があった場合の取り扱いでございますけれども、これは個々の事案ごとに判断すべきものだというふうに考えております。一概に言えないわけでございます。
ただ、一般論として申し上げれば、これらの書類の内容が秘密に属するというふうに認められる場合には、これを開披するということは控えざるを得ない場合があるというふうに考えておるところでございます。
○山下栄一君 だから、個々の状況によって国会の場に明らかにする場合としない場合がある、それは文部省で決めるんだと、こういうことでございますから、極めて基準が明確でない、大きな問題である、このように思うわけでございます。多数を占める与党の都合でどうにでもなる、こういうふうな実態が明らかになったと、このように思うわけでございます。
次に、文部省の場合は、今回の法改正に備えて、提出させるその書類に対応するために担当職員の方の増員を既に予算で要求されておる。五人ふやすんだというふうな備えをされておるわけでございますけれども、都道府県の場合は、これは同じように事務量が膨大にふえてくる、こういうふうに思うわけでございます。こういうことは当然きちんと役所間の連絡体制で備えがされておるのではないかと、こういうように思うわけでございますが、自治大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(深谷隆司君) 今回の宗教法人法の改正によりまして、例えば地方自治体から文部省に所轄が移るところもあります。そこは逆に事務量が減るわけであります。あるいは宗教法人が提出する財務関係の書類等々が今度は出てまいりますから、そういう新たに生じる事務量増というのは予定しなければなりません。したがって、今回の法改正の結果、それぞれの地方公共団体で具体的にどのように事務量がふえていくのか、これを今後の状況をきちっと見守って判断をしていく必要がございます。
いずれにしても、それぞれの地域によって事情が違うわけでありますから、各地方公共団体におきまして必要な事務量を勘案の上、適正な職員配置を行うようにすべきだと、こう思っています。
○山下栄一君 自治大臣、例えば文部省の場合は、既に現在四百弱の包括法人ですけれども文部省所管になっているわけです。今回、法改正で文部省の所轄の宗教法人数がふえるわけですね、約千ぐらいと言われておりますけれども。ところが、都道府県によりますと、現在もう既にその県に宗教法人が非常に膨大にある、そういう県もあるわけです。
余り細かいことでございますので申しますけれども、愛知とか新潟とか兵庫とかが多いわけでございます。例えば新潟県であるならば八千を超える。八百じゃなくて八十じゃなくて八千でございますけれども、宗教法人がある。それを専任一人でやっている、こういう実情があるわけです。見たらもう明らかに、これはこういう備えつけ義務だけで提出させるわけですから、そんなたくさんの、若干それは減るでしょうけれども、それは五百か六百は文部省に移ると思いますが、全国の数ですから、新潟県においても八千からそんなに激減するわけではないわけでございまして、それを一人でやっている、専任の方は。明らかなことなんですよ。
そのように各都道府県の実態をこれから考えてと、そういうのじゃ対応できぬわけです。中央はきちっともう対応しているわけでございますし、五人増員している。もう既に予算措置もせないかぬ状況になってくるわけですよ。どうですか、それ。
○国務大臣(深谷隆司君) 委員の御質問の趣旨は、定員管理をきちんとやれよ、それで賄えるのかという話ではないかというふうに私の方で受けとめます。
申し上げるまでもないことでありますけれども、ほっておいても黙っていても事務量というのは複雑多岐な社会情勢から考えますとふえてまいります。そういう中で、定員をふやしてはならないというのが今日の原則でございまして、我々といたしましてはどうやって定員をふやさないで対応するかということに全力を挙げています。
そういう意味では、スクラップ・アンド・ビルドという原則を守っていく、つまり配置転換等々を行うことによって定員管理をきちんとしながら対応していく、そういう姿でなければならぬと思っております。
○山下栄一君 だから、今回の改正は行政改革の流れに逆行する改正なんですよ。
それで、大臣、財産目録とか収支計算書を出させるわけですよ、提出義務があるわけですから。新潟県の場合も出させる。それも膨大な数の、何千という書類が出てくるわけです。それをそのままほっておくわけにいかぬわけでしょう、毎年提出させるわけですから。それだけでも大きな倉庫をつくらないかぬという。どう整理するかということがあるわけです、一人の専任でやっているわけですから。だからそれは全然実態に合わないことをやろうとしているというふうに私は思うわけです。どうでしょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) 私が今申し上げたように、この宗教法人法の改正がなくても、いろんな国民の要望が多いものですから一般的に事務量がふえていく、しかしそのたびに定員をふやしたのでは大変だぞというのでスクラップ・アンド・ビルドの原則で定数をふやさないようにしておこうと、今私はそう申し上げたので、その私の言葉から行政改革に反するなんという答えが出てくるはずがないので、どうぞ素直に人の話を聞いていただきたい。
地域によってさまざまな事務量の違いが生じます、例えば文部省に所管が移ったところは減るわけですから。だから、地域の実情に応じてさまざまに変わっていきます。具体的に出てきた事務量に応じてそれぞれの地域でそれらを勘案して、いわゆる定員の配置がえであるとかそういう形で補っていくようにしていただきたいと、こう申し上げているわけで、この分を数をふやせと言っていることは全くないわけで、できなくはありません、可能です。
○山下栄一君 要するに、全国で何百という宗教法人の移管が、文部省に移るわけです。何百の単位ですと。新潟県の例で言いますと八千を超えるものが既にある。文部省に移管する宗教法人が全部新潟県としましても、七千を超えるものが残るわけです。七千を超える宗教法人から提出書類を出させるわけですよ、毎年。だから全然仕事の量からいって無謀な実態なんです。具体的にそんなものをイメージして考えてください。どうするんです、こんな膨大な書類を。一人の職員しかいないという実態に合わないことをやっているわけだ。
だから、私が言いたいのは、これは全部毎年実態把握すると言っているけれども、そんな気はさらさらない、初めからねらい撃ちをして特定の宗教団体だけを見るんだ、こういう発想としか考えられないわけですよ。大変大きな問題である、私はこのように思うわけでございます。
○国務大臣(深谷隆司君) 宗教法人法の改正の目的は別にあると、答弁した私に言われても、それは所管が文部大臣でありますから筋が違います。
それからもう一つ大事なことは、国としてやらなければならないことというのは、数が足りないのではないかという前提でやめればいいという筋合いのものではないのであります。必要なことはやらなければならない。しかし定員管理はきちんとしなければならない。その場合にどうするかということになれば、スクラップ・アンド・ビルドのそういう方法で全国の皆様、地方自治体の協力を得て配置転換等で賄っていかざるを得ない、そのように指導していきたいと考えていると申し上げているんです。
○山下栄一君 これはもちろん文部省所管でございます。だけれども、今申し上げた都道府県の事務量の増大にかかわることだから定員の問題も出てくるわけです。そういう協議もされていると思うんです、当然のことですから。これからそんなものやると言うたかて、もうすぐ始まるわけですから、だからそういう極めていいかげんな準備しかできていない、このように私は思うわけでございます。
じゃ、きちっと文部省から、自治省と地方交付税の予算措置も含めましてそういう協議をされたんですか、どうですか。
○政府委員(遠藤安彦君) 交付税のお話が出ましたので私から御答弁をさせていただきたいと思いますが、こういう法律が通りますれば、やはり事務量の増減という問題がありますので、今御審議中でありますので確定的な議論はいたしておりませんけれども、文部省の要望その他については聞いておるところでありますが、法律その他の動向がはっきりしました段階で、先ほど自治大臣が御答弁したような線に沿ってきちっと交付税措置をしてまいりたい、かように思っております。
○山下栄一君 法案の動向を考えて準備すると。だけれども文部省は既に予算もされているわけですから、この辺の協議はしっかりやってなきゃおかしいわけですよ。基本的に非常に拙速なそういう準備しかされていない、こうとしか言いようがありません。
附則二十三項につきまして御質問いたします。
この提出義務につきまして、小規模法人については提出の免除がある。ただし、たとえちっちゃい規模でも収益事業をやっている場合は、これは収支計算書の提出義務がある、こういうことになっているわけです。附則二十三項というのはこう書いてある。公益事業以外の事業を行わない場合は、一会計年度の収入の額が少ない額として文部大臣が定める額の範囲内にあるときは、収支計算書の作成を免除すると、こう書いてあるわけです。
この附則二十三項の問題でございますけれども、小規模法人につきまして負担を軽減させるためにこういう免除を設けている。小規模法人は出さなくてもよろしいと、小規模法人に配慮したそういう規定になっているわけです。ところが、先ほど申しましたように収益事業を少しでもやっておればこれは出さなきゃいかぬわけです、たとえ小規模であろうと。
ということは、実態をどれだけ調査されたかわかりませんけれども、規模の大小にかかわらず収益事業を、例えば境内の中に自動販売機を置いてあるとか、それからまた公衆電話を置いてあるとか、そういう小さいお寺もあるわけでございます。そういうところは出さないかぬわけです。そうですね、大臣。
○政府委員(小野元之君) 収益事業を実施なさっておられる場合でございますと、これは税法の関係で経理をきちんとしなければいけないことがあるわけでございます。そういった関係で、仮に規模が小さくていらっしゃっても、そういう収益事業を実施しておられるところであれば、それは既に収支計算書をおつくりになっているはずでございますから、それは備えつけがなされていると思うわけでございまして、それをお出しいただくということでございまして、特に大きな負担をおかけすることにはならないであろうということから、収益事業を実施しているところについては、小規模であってもお出しいただくということとしているわけでございます。
○山下栄一君 だから、先ほども申しましたように、これは宗教法人がたくさんある中で、要するに一定の金額が全然決まっていません。本来こんなものは、法改正を出すわけですから、一番大事なところを、どこのどの段階から免除をされるのかということが全然実態がわからないままに、それは後から決めますというふうな形で法案が出されてきているわけです。これは極めてこの法改正案の不備であると私は思うわけでございます。
先ほど申しましたように、収益事業を少しでもやっておればこれは提出義務がある。だから、負担を軽減させる配慮をする装いをしながら、だけれども小規模法人の中で、先ほども一つ例を挙げましたけれども、少しでもこういう自動販売機等を置いてあればこれは出さないかぬようになるわけです。だから、何かたくさんの宗教法人が免除されるように思うけれども、これは小規模法人であったとしても報告義務を課せることになる、このようになってしまうわけです。これは非常にごまかしの配慮である、このように私は思うわけです、収益事業を少しでもやっておれば出さないかぬわけですから。どうですか、大臣。大臣、答えてください。
○政府委員(小野元之君) 今回の小規模法人の方々で新たに収支計算書をおつくりにならなければいけないということは事務上の御負担もあるであろうということで審議会の中でも御意見がございまして、そして今まで全く、例えば神主さんもいらっしゃらない、御住職がいらっしゃらないお寺であるとか、今までそういうきちんとした処理ができないところにとっても新たに大きな義務を課すというのは問題があるということで、配慮すべきだという御指摘があったわけでございます。
一方で、この収支計算書の作成というのは、基本的には本則の方では義務づけをしておるわけでございまして、特段の事由があるといいますか、そういった事務の困難であるところについて附則で例外措置をしているわけでございます。
収益事業を実施していらっしゃるところは、先ほど申し上げましたように、税法の関係で既に区分経理等もなさっておるわけでございまして、収支計算書をおつくりになっているわけでございますから、その写しをお出しいただくというだけでございまして、そんなに大きな負担をお願いすることにはならないというふうに考えているところでございます。
○山下栄一君 そんなに大きな負担をかけないというようなことは実態調査しなきゃわからぬわけです。じゃ、どれだけ実態を出されたんですか、日本全国十八万の宗教団体、どうですか、大臣。これきちんと実態を出されてからの法改正案ですか、どうですか。なぜ負担がそんなに軽くなる、少ないなんて言えるんですか。
○政府委員(小野元之君) これは国税庁さんのお調べでございますが、宗教法人のうち収益事業を行う宗教法人の数というのは明らかになっておりまして、平成六年度で一万七百七十八件というふうになっております。
〔理事松浦功君退席、委員長着席〕
○山下栄一君 これは、ある一定の限度以上の収入のあるところだけが税務報告するわけでしょう。この法律はそんなのじゃないわけです、金額の制限なしに、少しでも収益事業をやっておれば出さないかぬわけですから。ごまかしちゃだめですよ。
だから、小規模法人といいながら、少しでも収益事業の収入があれば報告手続も出てくるわけです。一見何か負担が軽くなるような装いをしていますけれども、多くの宗教法人に網をかけるようなこれは例外規定である。これは実態を本当にどれだけ掌握したか極めて疑問の法改正内容である、このように私は思うんですけれども、大臣、答えてください。
○国務大臣(島村宜伸君) 再三申し上げてきたことですが、いわば我々の法改正に当たって、宗教法人審議会に御検討願っていろいろ御検討いただいた審議委員の皆さんの中には十一名の宗教法人の代表者がおられる。それも五つの宗教団体の代表者の方がそれぞれ代表として加わって御審議願っている。宗教の実態はだれよりもよく詳しいはずの方々が長い時間をかけて、わずか三点に絞って徹底的な御審議を願ったという結果を踏まえてのものでございますから、その点は十分配慮がされていると、こう考えます。
○山下栄一君 大臣の御答弁は常にそこに戻ってくるわけですよ。だけれども、大臣が本当に信頼されている宗教法人審議会の審議の結果はこれだと、こうおっしゃいますけれども、これも大きな問題ですけれども、その宗教法人審議会のメンバーが半分もこの報告の内容に疑義があると、こういう抗議をされているわけですよ。都合のいいときだけ宗教法人審議会の権威あるとか言うけれども、文部大臣が任命した宗教審議会のメンバーが審議をもう一回やってもらいたいという、そういう強い抗議が出る報告なんですよ、これは。都合によって答弁を変えているわけですよ、大臣。
だから、おかしいとこの宗教法人審議会のメンバーが言っているわけですから、それをそういう都合のいいときだけ権威ある専門家が審議した報告だから信頼せいと、私も信頼するんだと。だけれども、非常に内容的には納得されていないメンバーが半分もいらっしゃるわけです。これはだれが任命したんだ。文部大臣が任命したわけですから、責任を持たなきゃだめですよ、それは。それで、なおかつこの小規模法人の問題は宗教審議会の意見を聞いてから決めますという。これは意見を聞くだけですからね、聞いて、文部省が勝手に告示で金額の基準を決めるという、そういうことになっているわけです。
だから、一つ一つ今回の法改正案は非常に恣意的な内容といいますか裁量権の余地のある内容である、このように私は断ぜざるを得ない、このように思うわけでございます。
報告徴収・質問権の問題に移りたいと思いますけれども、これは例外的な現行法における所轄庁の権限といたしまして、七十九条、八十条、八十一条の収益事業の停止命令とか認証の取り消しとか解散請求の問題につきましては取り消し権限もあるしという、そういうことですね。
それについて肝心のそういう権限はあるけれども、所轄庁は報告徴収また質問の権限を与えられていない、だから今回改正するんだということでございますけれども、これはもともと、この宗教法人法は昭和二十六年に制定された法律でございますけれども、しっかり理由があって、そういう取り消し、解散請求もできる権限を所轄庁に与えながら、あえて信仰の自由の観点から、基本的な人権の根幹にかかわる自由を守るためにそういう報告徴収とか質問権を規定しなかった、こういう背景が私はあると思うわけでございます。
これは法の不備でこういう権限を与えながら報告徴収・質問権を与えなかったと、こういう御認識でしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 宗教法人法制定当時と今日では社会も変化し、宗教法人の実態も大きく変わったということはお認め願えると思います。
そして同時に、例えばオウムの事件にしても、サリンの事件が起きてすぐ慌てて騒ぎ始めたのではなくて、その前からいろいろオウム真理教という宗教法人の活動についてはうわさなどを私などもかなり耳にいたしておりました。しかしながら、実態把握ができない。
例えば、所轄の問題もあり、あるいは報告も何も受けておらない、備えつけ書類の閲覧権も持たない。こういう中で放置されたことがやはりオウム事件の遠因の一つになっていることは事実だと思います。こういうことを放置しておったのでは、私は法で治める法治国家でなくて、いわばほったらかしたままの放置と言われても仕方がない。この際、国としても責任ある対応をする必要がある、そこで最小限度の法改正をお願いしている、こういうことでございます。
○山下栄一君 大臣は、昭和二十六年の宗教法人法制定の過程といいますか、どういう流れで、この宗教法人法の制定というのは極めて慎重な、時間をかけて、審議を経て、準備もして、打ち合わせもしてつくられた法律であると、私はそのように思っております。決して拙速につくったものではない。
当時の状況をどれだけ大臣が御存じかなと思うんですけれども、営利法人で、営利団体で宗教法人の認証を得て、そして非課税の収入を得ていたという、そういうえせ宗教法人といいますか、実体は商店であったりとか、そういう実態が当時あったわけですよ。だから、こういう権限を取り消し、そういういいかげんな宗教法人は収益事業取り消しとか、また認証取り消しとか、こういう権限が与えられたわけです。だけれども、あえて報告徴収とか、それから質問権というような調査権とか、戦前のものは与えなかったわけです、所轄庁に。理由があるわけです。先ほど申しましたような理由から、信仰の自由を守らないかぬという観点から、そういう権限を与えながら報告徴収・質問権を与えなかったわけでございます。理由があると思うわけでございます。
それを今回、似たような状況にもかかわらず、この八十条、八十一条の取り消し権とかまた解散請求権を、ある権限に伴う報告徴収・質問権をあえてつくるという、そういう法改正をやるということは、これは大臣、宗教法人法のもともとの条文、現行法に欠陥があったと、こういう認識ですか。もともとの法律に不備があったんだと。どうですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 少なくも現行の宗教法人法では宗教法人に対する所轄庁としての責任を負いかねると、こう判断していることは事実であります。
○山下栄一君 先ほど冒頭申しましたように、実態把握を現行法でもいろいろやっているわけですよ。やっているわけだけれども、これは認められませんか。――認めないと。じゃ、現行法は全く現状把握できないということですか。どうですか、大臣。
○国務大臣(島村宜伸君) 不備と言われながらも、所轄庁としては最善の努力をして宗教法人の実態というものの把握に努めていることは事実であります。しかしながら、それでは所轄庁として今の宗教法人法で責任ある対応ができるかといえば問題がある。その不足を補う最小限の改正が今回お願いしている改正案であります。
○山下栄一君 今、大臣は、昭和二十六年の法律は法の不備があったんだ、不備にもかかわらず、できる範囲で現状把握と、今そうおっしゃいましたね。――そうおっしゃいましたよ。だけれども、先ほども申しましたように、確認をする手段は今でも既にあるんだ、現行法でもあるんだと。当時は、制定の趣旨から権限は与えたけれども、取り消し権も与えたけれども、宗教法人を管理監督したらだめだと、こう言うから、あえてそういう質問権とか報告徴収権というのを与えなかったわけです。そういう信仰の自由といいますか、基本的人権にかかわる極めて大事な法の中身なのでという観点から、質問権、報告徴収権を所轄に与えなかったという背景があるわけでございまして、不備じゃないんです、これは。ひとつしっかり勉強していただきたいと、このように思うわけでございます。
じゃ現在、具体的に解散請求を文部省が行った例、去年で結構ですけれども、どれぐらいあるんですか。
○政府委員(小野元之君) 八十一条の解散命令請求でございますけれども、これにつきまして、平成六年度で二十八件ございます。これはいずれも都道府県知事の所轄法人でございまして、いわゆる休眠法人でございます。過去十年間これらにつきまして少しずつやってきたわけでございますけれども、平成五年度が十七件、平成六年度が二十八件ということで、この規定を適用しているところでございます。
○山下栄一君 だから、今でも解散請求をやって解散を具体的にさせているわけですよ、去年も二十八件。(「休眠法人だから」と呼ぶ者あり)だから、休眠法人だということが八十一条に書いてあるわけですから、それをちゃんと現状を把握する、今でも実態把握できる方法があるから休眠法人と認定して既に解散をさせているわけでございます。だから現行でもできるわけですよ。
では、オウムの場合は法改正をしなかったら解散請求できないんでしょうか、現行法では。
○政府委員(小野元之君) オウムについての解散命令請求でございますけれども、これは衆議院、参議院でもいろいろ御議論があったわけでございますけれども、東京都としては把握する手段がないということでございまして、なかなか資料が得られなかったわけでございます。そして、警察や検察の御協力をいただいた上で解散命令請求を出すことができたということでございまして、現行の宗教法人法では必要な情報なりデータというものが集められないという実態があったわけでございます。
○山下栄一君 今、大臣も答弁を聞いておられたと思いますけれども、ということは、あのようなオウムの犯罪、それは今回の法改正で文部省の所轄できちっと解散請求できるような体制になると、こういう御認識でしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 宗教法人法は本来規制とか取り締まりを目的とするものではありません。したがって、今回の法改正でオウム真理教事件のような事件の再発を防止できるかと言われても、それは困難だと答えざるを得ません。
しかしながら、従前と違うことは、これからは宗教法人の実態というものを継続的にある程度把握できるわけでありますから、その意味ではいわば対応もしやすいわけでありますし、また同時に、法七十九、八十、八十一条に該当する疑いがあるというときには宗教法人審議会にお諮りして、そして質問権を行使したりあるいは報告を求めることができる、こういうふうに変わるわけですから、その意味では従前とは大きく違うものになることだけは事実であります。
○山下栄一君 だから、これを改正しても、そういう捜査機関みたいな、そんなような犯罪事実というのは掌握できないわけですよ。
もともとこの法律の現行法というのは、そういう八十一条一項一号にあるような公共の福祉に反するようなことを起こすような宗教法人については、検察官等の解散請求によって裁判所がきちっとやるというふうになっているわけです。だから、別にあえて所轄庁にそのような権限を与えること、それは刑法に基づいて警察とかまた検察の観点からきちっとそういう掌握を任じているわけでございまして、所轄庁にしゃしゃり出て新たな権限を与える、もともとそういうことを求めていないんです。先ほどおっしゃったように、こういう改定したかて犯罪事実を捜査できるようなそのような掌握はできないとおっしゃっているわけですから、要らないわけです、こういう改正は。
では、八十一条一項一号、これは現行法における解散請求事例、解散命令請求ができる事例というのは犯罪事例以外に何か考えられるんでしょうか、それ以外にあるんでしょうか。
○政府委員(小野元之君) 八十一条の一項一号でございますが、法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたということでございますから、これは恐らくほとんどの場合、犯罪行為といったもの以外には余り事例がないのではないかというふうに考えられます。
○山下栄一君 大臣、聞いておられましたか、今の答弁。だから、現行法でも解散命令請求するための体制がちゃんとあるわけです。八十一条一項一号にもございましたように、犯罪捜査機関できちっとこれはもうそれに基づいて検察官も請求できるわけですから、任せたらいいわけです。残りの二号から四号というのは休眠法人のことですから、これは先ほど申しましたように現行の現状把握の体制でできるわけです。また、それに基づいてもうやっていた、休眠法人は先ほど去年も二十八件あったと言っていましたから、現行法でちゃんとやっているわけです。
だから、したがいまして、解散命令請求を出すための報告徴収や質問権というのは全く要らないという、そういう事実になってくるわけです。それはお認めになりませんか。
○国務大臣(島村宜伸君) 私とあなたの根本的な考え方のずれは、昭和二十六年当時と現在とは社会が大きく変化しているということや、宗教法人の実態も極端に変わってきているということの認識の違いだと思うんです。
私は、昭和二十六年当時ならあるいは今の法律でよかったのかもしれないし、あるいは戦前の暗い過去の反省に立った面もあったとは思いますが、少なくも現状の社会の実態やあるいは宗教法人の実態を考えますと、今回お願いしているいわば最小限の法改正はぜひとも必要と私は考え、ぜひともこの改正案を成立させていただきたい、こう願っておるところであります。
○山下栄一君 これは昭和二十六年の話じゃなくて、この八十一条の解散命令できる体制というのは今もあるということです。一項一号は犯罪捜査機関できちっとこれは解散命令、今回もオウムの事件で実際にやっているわけです、現行法で。解散命令請求やっているわけです、できているわけです。二号から四号というのは休眠法人の関係ですから、現行の現状把握の体制で今もやっているわけです。去年も二十八件あったわけですから、今の体制でちゃんとできるようになっているわけです。新たに報告徴収とか質問権は全く要らない、こういうふうに大臣、認識を変えなきゃだめですよ。だから、これはもう要らない、そういうふうに私は確信するわけでございます。今の答弁の内容で明らかになった、私はこのように思うわけでございます。
きのうも議論ございましたけれども、この報告徴収とかそれから質問をするときは宗教審議会の意見を聞いてと、こういうふうになっているわけでございますけれども、これは単なる手続を踏めばよい、宗教審議会の意見を聞くだけだと、これは。宗教審議会できちっと検討されて、全員一致なのかわかりませんけれども、そういうことを宗教審議会でやってよろしい、こういうことがあればできる、こういうことでしょうか。意見を聞くということの意味です。
○政府委員(小野元之君) 七十八条の二の規定によります報告、質問でございますけれども、昨日も御質問ございましたけれども、宗教法人審議会の意見を聞いて行うわけでございます。昨日も御論議ございましたけれども、私どもといたしましては、仮に宗教法人審議会がそういった報告徴収や質問をすることは必要がないという御判断があれば、その判断は尊重しなければいけないというふうに考えておるわけでございます。
いずれにしても、こういった審議会の意見を聞くということで、所轄庁が恣意的な感じで宗教法人に対していろいろ報告や質問を求めるということではなくて、手続的にもきちんと審議会の意見を聞くという最大の配慮を行った上で、今この法律の規定の改正をお願いしているわけでございまして、ぜひとも御理解を賜りたいと思うところでございます。
○山下栄一君 じゃ、宗教審議会の意見がだめだということであれば文部省は質問しない、報告徴収もしない、こういうことですか。
○政府委員(小野元之君) 昨日も御論議ございましたけれども、私どもとしては審議会の意見は尊重するというのが建前でございます。
○山下栄一君 尊重するということは、聞く場合もあるし聞かぬ場合もある、こういうことですか。大臣答えてください。大臣にお願いします。宗教審議会の意見を聞くというのはどういうことですか。
○政府委員(小野元之君) 宗教法人審議会に諮問いたしまして御意見を聞くわけでございます。私どもとしては宗教法人審議会の判断に従いたいというふうに考えております。
○山下栄一君 今、明快におっしゃっていただきました。従いたいということは、宗教審議会がだめだと言えば報告徴収、質問しない、こういうことであろうと、そう理解したいと思います。
この疑いがあるときという、こういう法律の八十一条の該当の事項の疑いがあるときにはそういう措置ができるという、そういう法の中身になっておるわけでございますけれども、この疑いがあるかどうかの判断はどこがやるんでしょうか。
○政府委員(小野元之君) これは所轄庁が判断するものだと考えております。
○山下栄一君 ということは、文部省が質問したいときに質問する、質問できるときは文部省の裁量でどうにでもなると、そういう恣意的な判断が働くということですか。
○政府委員(小野元之君) この七十九条、八十条、八十一条、これらの事態というのは、通常の宗教法人がきちんと運営なさっている場合であれば七十九条、八十条、八十一条には該当されないというのが通常でございます。したがいまして、七十九条、八十条、八十一条は、特別の場合、収益事業の扱いがおかしいとかあるいは解散命令請
末に該当している疑いがあるという場合でございますから、かなり問題がある場合というふうに考えざるを得ないと思うわけでございます。
そういう場合でございますけれども、一応この判断をいたしますのは所轄庁でございまして、しかし所轄庁が恣意的に行うというのでは問題があるという考えもございましたので、宗教法人審議会の意見を聞くということで、宗教関係者も入っていらっしゃいます審議会が公正な立場で御判断いただくということで、手続的にもそういった所轄庁が暴走することがないように保障しておる規定だというふうに理解をしております。
○山下栄一君 審議会の意見を聞くということにつきましても、またこの疑いがあるかどうかの判断も文部省が勝手にやるということですから、これは文部省に裁量権を非常に多く与える、そのような非常に信教の自由を侵害するおそれの強い法改正案である、このように言わざるを得ないと思うわけでございます。
質問を終わります。(拍手)