136国会 金融問題等に関する特別委員会会議録 1996年06月17日
○国務大臣(大原一三君) 六月十三日の本委員会において山下委員の御指摘を受け、野呂田前農林水産大臣に確認いたしましたところ、平成七年十二月十三日、衆議院予算委員会における前原、米沢両委員に対する答弁において母体行の責任を申し上げる過程で、母体行の大蔵省に対する誓約書の提出と、大蔵省と農林水産省とで結んだ覚書との時点を前後して答弁したことについて訂正させていただきますとのことでありました。
これに関する農林水産省の対応について遺憾の意を表し、心からおわびを申し上げるとともに、今後かかることのないよう十分指導してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
○山下栄一君 総括質疑の前に一般質疑の続きということで、前回、十三日の私の質疑を保留させていただいたわけでございますけれども、ちょっと限られた時間でございますので若干延びるかもわかりませんが、理事会のお許しも得ているようでございますので、主張すべきことはしっかり主張させていただきたいと、このように思います。
今の大臣の答弁は、前の委員会の私の質問のときの最後にされた答弁とほとんど変わらない内容になっておるわけでございますけれども、中身はその程度の問題ではないと私は思うわけでございます。
もう一度ちょっと繰り返させていただきますけれども、去年の十二月十三日、衆議院予算委員会における前農林大臣、野呂田大臣の答弁、これが虚偽の答弁であったということになるわけです。それを農水省はお認めになったわけでございますけれども、これが今日まで放置されてきたということでございます。
答弁の中身は、今もお触れになりましたけれども、要するに、住専の「再建計画を策定するに当たりまして、」、これは前大臣の答弁の中身でございます、「母体行から母体行の責任において対応するという誓約書を大蔵省に出しており、それに基づいて大蔵と農水が、この問題については母体行の責任で対応してこれ以上系統に負担をかけないという覚書を結んでいるわけであります。」と、こういう内容でございます。
これは全く事実に反することであったと今おっしゃったわけでございますけれども、これは、ちょっと記憶間違いであったとかという、そんな程度の問題ではない。正式の農水省としての見解である。しかも、それは農水省だけではなくて、大蔵省もかかわった覚書、そして誓約書でございますので、きちっと予定された正式の内閣の見解であると、私はこのように思うわけでございます。
中身は系統の住専貸し出しの元本保証の担保にかかわるものである、したがって住専処理の根幹にかかわると私は思うわけです。しかも、この大臣の答弁は、新進党の米沢さんの質問に対する答弁だけではなくて、今もお触れになりまして後からわかったことでございますが、与党さきがけの前原質問に対しても同じ趣旨の答弁をされている。
これは、系統の方が担保をしっかりしていただかないと元本を、住専の貸し出しを引き揚げるという大変な事態になったわけでございまして、これをされると金融全体に大変大きな影響を与えるということから、必死になって系統の元本引き揚げに対する対応を阻止するための工作が行われた。これが念書、そして覚書の問題であるわけでございます。
それが、母体行の方が自主的に自分らで元本保証をいたしますということをまずやった上で、そして自主的な要請に基づいて大蔵、農水両省がそれの覚書を交わした。大蔵省が母体行に対して責任を持って指導をしていきますと、そういう中身によって、これで安心して系統は元本の引き揚げをしなかったということになるわけでございますけれども、事実は反対で、この念書が交わされて、平成五年の二月三日にこの覚書は出たけれども、だけれども母体行からそんなことやりますという保証は何にもない。
不安になった系統は、二週間後ですか、二月十六日に、母体行からそんな保証何もありませんよ、本当にやっていただけるんですかという問い合わせを大蔵、農水にそれぞれやって、それで二月二十六日に、慌てた大蔵省が母体行を集めて、そこで再建会議の中で、日住金に対する八つの銀行、三和銀を初めとして、その銀行からのちゃんと元本を保証いたしますという念書を無理やりまとめ上げたと、こういう中身になっておるわけでございます。詳しい中身は衆議院の予算委員会における草川質問で明らかであるわけでございます。
したがって、自主的に母体行が責任を持って元本を保証いたしますと言ったのでも何でもないということになるわけでございます。
したがって、この野呂田大臣の答弁の中身は、当時の状況を考えまして、正式な農水省としての見解を発表されたものであると。しかも、今日まで農水省は、前委員会でも御答弁がございましたように、その状況を知らなかったので前大臣の答弁内容をもう一回調べますということで、きょうの大臣答弁になったわけでございます。
したがって、この見解を変更してこなかった。この半年間の国会論議はこの誤った見解に基づいて積み重ねられてきたことになるというふうに私は思います。したがって、この六カ月問の答弁は誤った見解に基づく議論が展開されてきた、中身は全く欺瞞であったとも言うべきゆゆしき大問題だと、国会軽視の大問題であると、こういうふうに言わざるを得ないと思うわけでございます。
また、前大臣の正式の答弁を次の大臣が訂正したり取り消すということは、憲政史上今まで一度もなかったと、このように聞いておるわけでございます。
だから、どのようにこれを収拾するか。前国会の大臣答弁だから議事録の修正もできないということだそうでございまして、これは私の考えでございますけれども、衆議院の予算委員会を開いていただいて、大蔵省の見解と違いますので訂正いたしますというレベルの問題ではないので、前大臣に出席していただいて、そこでどういう意図でこの答弁が行われたのかということをきちっと問いただされた上で対処するしかないと、このように思っておるわけでございまして、衆議院の予算委員会でもう一度この議論をしっかりやっていただきたい、これしかないと私は考えるわけでございます。
ちょっと時間が延びてしまいましたけれども、これは委員長にお願いしたいんですけれども、今日まで内閣の正式の見解ともいうべき、大蔵、農水の考えも正式にあらわれておったこの見解が全く違った虚構に基づく答弁であったと、中身も、住専の根幹にかかわる住専処理の問題、そして今検討されています追加措置にかかわる問題でもございますので、この扱いを厳重に、きちっと収拾のために努力されますように委員長の方から衆議院の方にお願いしていただきたいと、このように思いますので、よろしく対処をお願いしたいと思います。
○委員長(坂野重信君) それでは、委員長としてただいまの山下君の質疑に関しまして見解を申し上げたいと思います。
去る十三日、本委員会におきまして、山下君の質疑に際し、大原農林水産大臣から、衆議院における昨年十二月十三日の予算委員会での野呂田前農林水産大臣の米沢議員の質問に対する答弁の訂正について発言がありました。
この件につきまして、翌十四日の理事会に農林水産省の上野事務次官の出席を求め、ただしたところ、次官は前大臣の発言について釈明するとともに、農林水産省の対応について陳謝しました。また、大原農林水産大臣は、ただいま重ねて遺憾の意を表明されたところであります。
委員長といたしましては、国会答弁の重要性にかんがみ、今後かかる失態のないよう関係者に厳重に申し入れます。
今後もさらにチェック機能を持つ参議院にふさわしい審議を行いたいと存じます。
○山下栄一君 関係者に厳重に注意したいという、関係者というのはどなたのことになるわけですか。
○委員長(坂野重信君) 関係者は、政府関係もあるし、衆議院に対しては、院が違うことですから、参議院でこういうことがあったということを実質的によくお話をして、衆議院においても、先ほどおっしゃったように、予算委員会等でこの問題をひとつ取り扱っていただくような趣旨のことをお伝えしたいと思います。
以上です。
○山下栄一君 ちょっと確認させてください。
今、小さい声でちょっとぼそぼそと……
○委員長(坂野重信君) 小さい声じゃないよ。
○山下栄一君 元気よく言っていただきたかったんですけれども、国会の参議院の特別委員会の、また非常に国民が注目しております税金投入にかかわる今審議をやっておるその金融特の委員長の立場でございますので、非常に言葉に重みがあると思うんですけれども、私が先ほど申しましたが、衆議院の方に正式にきちっと、政府関係者は当然だと思います。
そして、これは与野党の質問に対する答弁が、正式の大臣の答弁が、僕は意図を持ってされたと思いますけれども、全然間違った答弁をされておったわけでございまして、その前後どちらになるかによって全然変わってくる中身でございます。だから、国民が納得し、また参議院としても納得できるような対処をきちっとしていただくように正式の要請を衆議院に対して、また予算委員会に対してやっていただきたいと重ねてお願いするわけでございますけれども、よろしくお願いします。よろしいですか。
○委員長(坂野重信君) 発言者の趣旨はよくわかりますので、できる範囲内において衆議院にこの事情を説明いたしたいと思います。
○山下栄一君 できる限りの御努力を全力を挙げてお願いしたい、このように思います。
以上でございます。(拍手)