136国会 決算委員会会議録 1996年07月23日
○山下栄一君 平成会の山下でございます。
私の質問を具体的にやらせていただく前に、委員長にちょっと確認というか御要望というか、があるんです。
本日の決算は平成六年度の決算で二回目の委員会でございますけれども、一回目、二回目は総括質疑になっている、したがって基本的には全大臣が御出席いただくことができる態勢になっていると思うんです。ところが、確かに閉会中ということもございまして、日にちによってはやむを得ない事情で出席できない場合がある。だけれども、それはもう特例というか、例外扱いだと思うんです。基本的にはやはり大事な決算委員会に出席を最優先させて準備するはずだと思うわけでございます。
いろんな日程の関係で六月二十日、そして第二回目、本日は総括の二回目でございますけれども、七月二十三日に設定されて、この日に出席できないというふうに私が聞きましたのは五名の大臣だったわけです。この方々は、理事会でも検討して、出席できませんと、だからそれ以外の大臣に質問してくださいというふうなことだったんですけれども、委員部からもそういう連絡をいただきました。
私ちょっと理由が気になりましたもので、外務大臣はASEAN、きょうは地域フォーラムですか、あと自治大臣は、午前中は全国知事会の総会か何かがあって午後から出席できる。文部大臣も、当初いろいろ予定があったけれども、決算委員会に出席するんだということで出られるということをお聞きしました。ところが、建設大臣と運輸大臣なんですけれども、これはちょっとはっきり理由が、私が聞きましたのは、神奈川県の交通事情視察というふうに聞いているわけですけれども、そんな理由で初めから出席できないんだと、だからそれ以外でということにはちょっとならぬのじゃないかなと私は思います。
したがって、ちょっと委員長に、建設大臣、運輸大臣は七月二十三日に出席できないんだというふうなことでそれ以外でということになったわけでございますけれども、この参議院の決算委員会の重要性は常日ごろから訴えられ、国会改革の大事なポイントにもなっておると思うわけです。若干それがマンネリというか、おざなりになっている面が、各省庁の受けとめ方がですけれども、というふうなことを感じましたので、建設大臣、運輸大臣が七月二十三日は出席できないという理由を委員長にもう一回きちっと明確にしていただきたい、このように思います。
○委員長(野沢太三君) 大臣出席の件につきましては、事務局より各省庁に問い合わせの上、それぞれ理由を伺っておりますが、委員御指摘の点につきましては、なお再度調べまして善処をいたしたいと思います。
○山下栄一君 ありがとうございます。
じゃ、私、今大きく問題になっておりますいわゆるO157問題につきまして、関係大臣に質問させていただきたいというふうに思います。
私、大阪出身でございますけれども、大阪も堺市で大変な感染患者が出ておるわけでございます。また、堺だけではなくて、これはもう各市町村に広がっておるわけでございまして、堺以外でも約二十を超える市で発症者が出ておるわけでございます。全国的には八千名を超えると。それで三十九都道府県に広がっておる、四十七都道府県ですから三分の二を超えているといいますか、日本列島全体がいわゆるO157で汚染されている、このように考えてもいい状態になっているのではないかなと思うわけです。
それで、このO157というのは私も余り詳しくわかりませんけれども、O173ぐらいまであるそうでございますけれども、このO157というのはどんな病原菌で、どのような症状をもたらして、157を検出するにはどんな検査体制があってというようなことが何かはっきり、一応言われているんですけれども、その情報は非常に不正確ではないかと、このようなことを感じております。
例えば潜伏期間と給食の保存期間、これも初めは通達では、九十六時間ですから四日間が方が望ましいというふうな通達を出されているわけですけれども、厚生省または文部省から、それがいろいろ検討されて最低一週間保存しなさいという通達が出された。ところが、きのうまた再度検討があったのかわかりませんけれども、二週間だと。また新たに追加、保存期間が長くなる。保存期間が長いということは、それだけたくさんの保存場所が必要である。二週間分の給食を保存しようということになったら、また保存場所が大変やから国からも応援しようかという話も出ていると。こういうことで、潜伏期間それから保存期間、一番正しいのは一体どういう期間なんだということもはっきりしなかったということがあると思うんです、きのう変更されたわけですけれどもね。
それから、発病年齢も乳幼児それからお年寄りという抵抗力の弱い人と聞いておりましたら、よく調べてみると二十代、三十代、四十代、五十代、それぞれいらっしゃる。確かに症状は軽いかもわからぬ。ところが、きょうの朝刊によりますと、まだ確定までいっていないようですけれども、新聞報道によりますと京都では五十六歳の会社員の社員食堂か何かでの食中毒の報告があったということで、発病年齢も一概に小さい子供さんとかお年寄りとは限らないという面もあるのではないか。それが何となく我々成人というのは大丈夫なんだという、そんなニュアンスが伝わっている。
その他いろいろ、いわゆるO157以外のO25なんかも神奈川ですか、どこかではあったんだというふうなことも言われている。となってくると、この報告の数はO157だけ調べているのか、こういうことになりますし、保健所経由の食中毒の報告だけなのか、ほかの、保健所を通過しない、食中毒ではない、病院でわかったものでO157と報告されていないものがあるのではないかとか、実態がはっきりしないものがいろいろあるように感じるわけです。
それで、まずこれちょっと厚生大臣にお聞きしたいんですけれども、患者数の報告は正しいのかということがございます。八千名を超えるというのはO157だけで、それ以外のO何とかという、腸管出血性大腸菌ですか、の報告はO157だけなのか、また厚生省が掌握されているのはそれだけなのか、それちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(菅直人君) O157に関しましては本当に国民の皆さんに御心配をかけておりまして、全力を尽くしておりますが、今ありましたように、確かにいろいろな情報を含めて多少新たな状況に対して混乱しているところもあるかと思います。
まず、今お尋ねの患者さんの数の問題ですが、一都二府三十五県で現在O157による食中毒が発生していると認識しております。患者さんの数は、七月二十二日十八時現在、きのうの午後六時現在で、有症者累計が八千三百十四人、入院中の者が五百六十五人、亡くなった方が五名に及んでいると認識しております。
このうち、堺市につきましては、同じく昨日二十二日の十六時現在で、有症者が六千三百三十三人、入院中の者が四百七十八名あると報告を受けております。
おっしゃるとおり、このO157に類するものとして幾つか、26とか111とか128、145、あるいはさらに1とか25とか125とか127とか、いろいろ存在しております。先ほど申し上げた数字はその疑いのものも若干含まれておりますが、基本的にはO157についての有症者数の現在の把握の数字であります。
○山下栄一君 ということは、O157以外の数は掌握されておらないということでしょうか。
○国務大臣(菅直人君) 実は、これも御存じだと思いますが、ベロ毒素という赤痢菌と同じような毒素を発生するものとして他にも種類があるんですが、それらの中ではこの157以外は現在確認されておりません。今、患者が確認されているのは、157以外ではO1とかO25とかというのが岐阜や横浜で確認されておりますが、これらの方はベロ毒素が出ない菌でありまして、そういう点もありまして、報告は来ていると思いますが、今この手元に、これと同列での数字の把握はこの場ではちょっといたしておりません。
ただ、今言いましたように、一番きつい毒素を出すものは現在のところ157だけですので、それについては今申し上げたとおりです。
○山下栄一君 先ほどO157関係で亡くなった方が五名という報告があったと思いますけれども、それは昨日の京都の方がカウントされているということですね。
これ、生活衛生局の関係のいわゆる食中毒ということで保健所経由で吸い上がってくる数じゃないもの、食中毒でない状態で、例えばきのうの京都の場合はそういう例ではないかなと思うんですけれども、結果的には社員食堂だったかわかりませんけれども、要するに生活衛生局の管轄でない医療局の管轄の形の、お医者さんで、腸の病気で、実は食中毒という判断じゃなくてO157が原因となって発症したというふうな場合があったとしたら、それは報告されない仕組みになっているわけですね。
○国務大臣(菅直人君) 先ほど申し上げた現在の数字は、必ずしも食中毒によって報告された数字だけではなくて、病院の中で、例えば何の原因かわからなくて来ている患者さんとか、あるいは入院している患者さんとか、あるいは二次感染のおそれがあるということで調査をした人たちから検出をされた、それらの例をすべて含んだ数でありまして、基本的には他のルートについてもできるだけ掌握するように努めているところであります。
○山下栄一君 大臣、例えば大阪の例もそうですけれども、これは保健所経由の掌握なんですよ。保健所以外から、病院でO157というふうなことが原因であるかどうかも、ちょっと本当に検査体制が各全医療機関にあるのかなということも私は心配なわけですけれども、報告は八千何名と言われているけれども、実は潜在的な、医療機関をしっかり調べたら保健所経由ではわからない、そういう患者さんが実は、それは程度は別として、もっとたくさんあるかもわからぬという非常に不安な調べが出てきたわけですね。だから、今申し上げたように、生活衛生局ではない医療局の関係で調べたら、O157の患者の数はもっとふえるのではないかという不安があるわけですけれども、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(菅直人君) 先ほど申し上げましたように、保健所経由以外の、医療機関から直接のものもカウントしております。
それから、もちろん全国民にということでの検査はできておりませんが、例えば感染者が出たところの家族あるいは学校関係者あるいは給食関係者等々については検便検査をできるだけ広くするように指導しておりまして、そういう中での検出も出ております。
ただ、私も心配しておりますのは、ごく一部ですが、病状がないまま保菌をしているというケースが少数ですがわかっておりまして、そういう点では、確かに委員のおっしゃるように、今調べている範囲の外にあるいは保菌者と言っていいんでしょうか、そういう人たちが存在をしている可能性というのは必ずしも否定できない。そういうことも含めてどういう対応をとるか、官邸の方でもいろいろ御議論いただいておりますが、厚生省としては、今保健医療局にもこの問題でしっかり動くようにということで、食品衛生という分野といわゆる感染症の対応をしている保健医療局と両局挙げて対応を進めていきたい、そう考えて今進めているところです。
○山下栄一君 私も、お役所の方、お役人の方にヒアリングする中で、これは生活衛生局だけがかかわっておられるのではないか、保健医療局の方はどうなっているのかなという疑問がわきました。
それで、例えば尿毒症、HUSという病気があるそうでございます。これはO157によって場合によれば重症になっておられる方、そういうことだそうでございますけれども、HUSにかかられた方というのはもっとたくさんあると思うんです。病院でそういう診断をされた。ところが、それが実はO157が原因だったということが後からわかる可能性はないんでしょうか。
○国務大臣(菅直人君) これは今までの報告の中ではそういうケースは聞いていませんが、しかし確かにおっしゃるとおり、先ほど申し上げたように、保菌をしていても症状があらわれていない例もありますし、あるいは一部あらわれていてもそれが当初はこの病気というふうに認識されないで治療を受けられている方も可能性としては存在は否定できないと思っております。そういう点では、今の御指摘も含めて各医療機関に、症状から見てそういうおそれが若干でもあれば調べるように、その点は徹底をさせたいと考えております。
○山下栄一君 大臣、申しわけありませんけれども、確認いたしますが、このO157、いわゆる腸管出血性大腸菌の検出、検査できる医療機関の体制は整っておるのですか。全国の医療機関の方ですよ、保健所じゃなくて。
○国務大臣(菅直人君) 今、各地の地方衛生研究所の方へ持ち込んでいただければすべて、相当の数であっても検査できる体制をとっておりますので、もちろん場所によっては医療機関みずからも検査できるところはあるということですが、少なくとも持ち込んでいただければできるという体制は各地で全国的にとっているわけです。
○山下栄一君 医療機関というのは診療所もあれば病院もある、個人病院もある。その中で腸の病気で、それがこのO157が原因である、いわゆる腸管出血性大腸菌であった疑いがあるけれども、例えば病名が感染性腸炎とか別の形で処理されてしまっている、そんな例もあるのではないかと。と申しますのは、今申し上げましたように、各医療機関できちっと検査体制が整っていない、そういうふうに私判断しておりまして、そんな状況の中で、余りこの知識のないお医者さんは腸炎という別の形の扱いをした可能性があるというようなことも考えられるわけでございます。
ちょっと時間がなくなってきまして大変あれでございますけれども、いずれにしましても、これは過去、日本の場合は平成二年から昨年まで十の例が言われているわけで、亡くなった方も三名いらっしゃるというふうに聞いておるわけでございます。これは原因究明がきちっとできた平成二年以降、日本のO157の発症例の中で、集団中毒の例もあるわけでございますけれども、感染経路が解明された例は今まであったのでしょうか。
○説明員(小野昭雄君) お答えいたします。
我が国におきますO157による食中毒事故は、先生御指摘のとおり、平成二年、埼玉県内の幼稚園での発生報告が最初で……
○山下栄一君 時間がないから結構です。感染経路が解明された例があるのか。
○説明員(小野昭雄君) このケースにおきましては、井戸水が原因というふうに判明をいたしたところでございます。それから、それ以降散発的な発生はございますが、これらについて調査を行いましたところ、これは原因がはっきりいたしておりません。
ただ、最近の一例……
○山下栄一君 結構です。
今の埼玉の例、浦和の例も井戸水と言っているけれども、それは途中までの原因がわかっただけであって、その井戸水がどうして汚れたのかというようなことは全然わかっていないわけですよ。合併浄化槽の漏れとか言われておりますけれども、その上は全然解明されていない。したがいまして、今まで平成二年から発症例があるわけですけれども、今回の大量感染者にほとんど生かされていないと私は思うわけです。
O157の潜伏期間、先ほど申しましたように給食の保存期間も二転二転して延長されている。それから、発病年齢も、きのうの場合は五十二歳の方が発症して驚かれているという。病院の方でも検査薬が不足してきて、今需要がどんどん、要求が広がっているというようなことを考えていきますと、私は、このO157問題というのはいわゆるO157問題だけであって、本当はいろいろな病原菌はほかにもある、ベロ毒素に基づく病原菌という、そういうとらえ方が正しいとらえ方であろう、そういう観点からとらえ直すと、新たな例も出てくるんじゃないかという疑問も持ちます。
日本列島は今O157に汚染されているわけでございますので、過去に犠牲者があったにもかかわらずこの取り組みが全然今回生かされていないことを考えましたら、抜本的な体制の見直しですね、研究班もつくられているけれども、その研究班そのものが、保存期間も延長、再延長なんというような指示を出しているということ自身にあらわれていますように、非常にこれは研究体制、検査体制も不十分であるというふうに思うわけです。
したがいまして、これは内閣を挙げて取り組んでいただきたい、厚生省の生活衛生局だけに任せるのではなくて、というふうに考えるわけですけれども、官房長官いかがでしょうか。
○国務大臣(梶山静六君) 今、厚生大臣の御答弁にもありましたし、それから、前々から文部大臣から学童のいわば中毒現象についてのいろんな報告がございましたけれども、確かに特定することができない条件、それから、今まで普通ですともっともっと短く早く判断ができて一つの対処ができたわけでありますが、大変そういうものに不確定要素が多いということで、今朝来、既に何遍か対策会議は開いておりますが、もうちょっと広範な意味で、急速に何かできる方法がないかどうか、総理のもとで今検討を進め、そしてこれは全省庁、いや、自治体もひっくるめ、あらゆる民間研究機関もひっくるめて早く対策をしませんととんでもないことになる可能性がある。
そういうことを考えまして、総理はきょう午後に、自治省あるいは経企庁、もちろん当然文部省、厚生省あるいは農水省、そういうものをひっくるめ、大学の病院や病理を研究されるあらゆるすべてのものを動員して、今までともすると一つの固定的な観念にとらわれたものをもう一回見直しする、そういうことから始まりませんと、幾ら心配をしても心配のし過ぎはありませんから、早く防圧ができるような体制を組もうではないか。そして、官民挙げてできるように、あるいは総理の談話でも、下手に発表してパニック状態になっては困りますが、お互いに関心を払ってもらうような方式をとろうということでさらに検討を深めております。
○山下栄一君 ありがとうございます。
ぜひ内閣に格上げしていただいて、対策を練っていただきたいと思います。
厚生大臣、最後に、これ、私はいろんな不備が出ているというか、何かあいまいな形で不十分な対応をされている背景に、食品衛生法でやるからだと。これはもうまさに食中毒じゃなくて伝染病なんだという扱いで、伝染病予防法ですか、その体制でやっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(菅直人君) 確かに今回の問題は、いわゆる食中毒という側面と、それから感染症、つまりは伝染病という側面と両方が重なった形で出てきているというふうに認識をしております。
ただ、現在の伝染病予防法はかなり古い法律で主に隔離ということを中心とした法律になっておりまして、現在の患者さんを、じゃ隔離することがより効果的なのかといいますと、なかなかそれだけの体制がありませんし、必ずしもそちらの方だけで対応するというものではないと思っております。
例えば、食べ物からきているということは十分やはり同じように予想されているわけですが、食べ物のいろいろな検査などはやはり食品衛生法に基づく検査になっておりますので、そこは両方の法律、あるいは不備があれば、まさに先ほど官房長官にも言っていただきましたが、政府の方針として各省庁にお願いをしていただいて対応する、そのことが今の段階ではとにかくまず必要ではないかと、こう考えております。
○山下栄一君 文部大臣、申しわけありません、一言だけ。
国体の国籍条項、参加資格の問題でございますけれども、この見直しを私はぜひやっていただきたいと、このように考えております。日体協で国体委員会でも御検討中というふうにお聞きしておりますけれども、外国人の参加の道を開くという、特に成人の方のですね、その文部省のお考えをお聞きしたいことと、日体協の現在のお考えもあわせてお聞きしたいというふうに思います。
○国務大臣(奥田幹生君) 国民体育大会は、政府と体育協会、それから地元の都道府県、この三者が毎年共同開催という形をとっております。
今、先生御指摘の件につきましては、やっぱり一番体育協会がどういう考えでおられるのかなと。体育協会は、開催してまいります県の意向も十分に聞いて判断をしたいというお考えのようでございますので、体育協会が固められる判断、それを私どもは早く聞きたいなと、そんな感じでおるわけです。
今、平成十三年まで開催します県が決まっております。これは同じく、最後、十三年が宮城県だったと思いますけれども、それぞれの県の知事さんあるいは体協の府県の皆さん方にも意見を聞いてもらえるものと期待しておりますが、できるだけ早くそういうものを参考にしながら判断をしたいと思っております。
○山下栄一君 どうもありがとうございました。