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国会質問

136国会 決算委員会会議録 1996年09月12日


○山下栄一君 平成会の山下でございます。
 私は、厚生省並びに厚生大臣を中心に御質問したいと思います。
 七月二十三日でしたか、当決算委員会の総括質疑でも厚生大臣にも御質問申し上げたO157問題につきまして、私も大阪の出身でもございますので、堺で大変な今状況になっております。亡くなった方もいらっしゃるわけでございます。厚生省によります原因究明の成果も八月七日に発表され、十二日には追加資料、そして二十七日にも資料が出ておるわけでございます。それに基づきまして御質問したいと思うわけでございます。
 まず大変な、七千人になんなんとするそういう集団感染が堺市で起きたわけでございますが、O157の菌も子供だけではなくて大人からも発見されております。それで、今回最初にこういうO157に感染したのはいつだったのか。どういう状況の中でどなたが、それは一人か複数かわかりませんけれども、それは原因究明する必要があると思うわけでございますけれども、これは何日から始まったということはわかっているんでしょうか。


○説明員(小野昭雄君) お答えいたします。
 集団下痢症の有症者の集計をいたしましたところ、九日から十日の間から発症し始めてピークを迎えたというふうになっております。


○山下栄一君 あいまいにおっしゃいましたですけれども、この場所でこの方ということはわかっていないんですか。


○説明員(小野昭雄君) 疫学的な調査におきましては特定の者の名前まで特定はしてございません。


○山下栄一君 名前を発表してと言っていないんですけれども、どの地域のどなたが、それこそ何時何分とまで僕は調べるべきだと思いますけれども、明確になっているんですか。


○説明員(小野昭雄君) 名前を特定はいたしておりませんが、個々の方々につきまして、発症状況、症状、喫食状況等については把握をいたしております。


○山下栄一君 あいまいに答えてもらったらだめなんですよ。この堺の七千になんなんという数になっていった、そのスタートは原因究明にもう大変大事なことでございますから、ぼやっとしたんじゃなくて、この日、この方、この症状はどうだったというふうなことはわかっているのかわかっていないのか、これを言ってください。


○説明員(小野昭雄君) 個表ではわかっております。


○山下栄一君 さっき九日とか十日とかおっしゃいましたけれども、じゃ何日の堺のどのブロック、そして何時何分、何時何分までわからなくても何日のどの地域、わかりますか。


○説明員(小野昭雄君) 現在手元にある資料では、九日から十日にかけて北・東地区で発症が始まったという資料がございます。


○山下栄一君 九日から十日、もう一度。


○説明員(小野昭雄君) 九日から十日でございます。


○山下栄一君 どこで。


○説明員(小野昭雄君) 北・東地区でございます。


○山下栄一君 そんなあいまいなのはだめですよ、九日から十日。初発というか、初めて発症したそのスタートがはっきりしていなかったら困るわけですけれども、明確にはなっていないんでしょう。どうですか、なっていないんじゃないか。言ってくださいよ。九日から十日なんてそんないいかげんなのはだめですよ。


○説明員(小野昭雄君) ただいま申し上げましたのは集団として申し上げたのでございますが、個々の症例についてはいつ何日発症したということはわかっております。


○山下栄一君 わかっておりますか。


○説明員(小野昭雄君) はい。


○山下栄一君 それはだから何日ですかと言っているわけです。


○説明員(小野昭雄君) 現在、個々のケースの個表が手元にございませんので、先ほどは全体としてそれを集計したものの結果としてお話を申し上げました。


○山下栄一君 局長、そんないいかげんなことはだめですよ、それは。今回の事件はもう七千になんなんとする数ですから、これは世界的にもこんな集団発生の例はないわけですよ。今後の研究のためにも、また来年大変な集団発生が起こるかもわからない。そういう状況の中で今回の堺の事例というのは非常に大きなO157という菌の原因究明並びにその解決のために、集団発生を防止するための大事なこれは例になっていくと思うんです、世界的にも国際的にも。だから、最初いつで、その方はどんな症状でどういう経過を経てどうなっていったのかということがはっきりしていないとおかしいと私は思うわけです。今のそんな答弁じゃ、そんな答弁は症例として役に立ちますか、今おっしゃっているようなことは。


○説明員(小野昭雄君) 先ほども申し上げましたが、個々の方、名前を特定することはできませんが、個々の方についての発症日、症状、それから喫食状況等についてのデータは個表ベースではございます。ただ、私どもといたしましては、集団発生例の原因究明に必要な集団の把握という形で把握をいたしておりますので、個表ベースまでの分析は必ずしも、必要があれば行いますが、今回の場合には集団のケースの分析で十分であるというふうに考えたわけでございます。


○山下栄一君 今おっしゃる個表というのは、それは病院のカルテという意味でしょうか。診療所または保健所で明確に把握されているのがこういう例なんだという形で明確になっているということですか。


○説明員(小野昭雄君) 集団食中毒に関します調査の場合、一般的には食中毒の調査個表というものを作成いたしまして、今申し上げましたように発症日等について行っております。なお、症状その他についても必要な記載がなされておりますし、検便の結果等についてもその個表には記載がなされております。


○山下栄一君 学問的に将来の研究のためにも役に立つ明確な資料ですか、それは。


○説明員(小野昭雄君) とりあえず原因究明のために共通する因子で分析をしたわけでございますが、個表ベースにつきましては、それはカルテのようなものかどうかというのはちょっと今私も把握をいたしておりませんが、将来これをまたさらに分析していく際には有用な情報が収録されているというふうに考えております。


○山下栄一君 今の御答弁は、明確になっていないということをおっしゃっているんですよ、こんな大変な事件で最初の例も発症の具体的な事実も。そして医療機関の権威ある方の追跡調査で例えばO157が検出された、検体の検便から検出されたと。その方のたどっていった最初の発症はこの日であるということは医療機関、保健所等の資料を見ればわかるはずなんです。そういう形で調べられて明確になっているのかいないのかということを聞いているわけです。


○説明員(小野昭雄君) 食中毒の報告につきましては、通常その患者さんを診察した医療機関から報告がなされるわけでございまして、例えば頭痛、下痢あるいは下痢の性状、それからおなかが痛かったかどうか、あるいは微熱があったかどうか、何を食べたか、それからいつごろ発症しましたかというふうなこと、あるいは医師への受診の有無等々について届け出がなされるわけでございます。


○山下栄一君 何を言っているんですか、本当に。でたらめな答弁はやめてください。明確になっていないことなんでしょう。カルテそして保健所の資料を通して初発者、最初の発症者を調べたんですか、調べていないんですか。


○説明員(小野昭雄君) 届け出のありましたケースにつきましては保健所の職員が全例調査をいたしております。


○山下栄一君 それは、じゃわかりました。
 疫学情報として岡山等の事例については初発者、最初の発癌者が明確になっておると聞いております。そういう形で報告されておりますか、厚生省等に。


○説明員(小野昭雄君) 先ほど来申し上げておりますように、現在手元に個表はございませんが、最初に症状を訴えた人、それから最初に検便でO157の検出された方、これはさかのぼれば特定可能でございます。


○山下栄一君 確定可能という言い方じゃなくて、明確になって、疫学情報として明確に報告されておりますか。


○説明員(小野昭雄君) 把握をしなければ分析ができないわけでございまして、それの把握はいたしております。


○山下栄一君 だから申し上げている。疫学情報としてきちっと報告するというふうに私は聞いているんですけれども、岡山の幼稚園の場合はちゃんと報告されたと聞いております。そういう形で堺の場合報告されているんですか。権威ある情報として、大切な最初の発症者、初発者の事例として報告されているんですか。


○説明員(小野昭雄君) 把握をされております。


○山下栄一君 じゃそれが七月九日ということですね。


○説明員(小野昭雄君) 七月九日でございます。ただし、検便の結果が出たのは七月十四日でございます。


○山下栄一君 そんないいかげんな答えはあり得ないですよ。将来のために大切な、大事な情報なんですからね、資料なんですから。さかのぼっていって、いつから始まったか、最初の発症者はだれかということは調べられていないというふうに局長の答弁から感じる以外にないと私は思っております。
 それで、これは私の個人的な調査でございますけれども、保健所そして学校の教員、お医者さん等、直接私お会いいたしまして調べた一つの調査の結果でございますけれども、北・東地区のある保健所に正式に入った報告では、O157が検出された方で、その方の発症日は六月二十八日であると、こういう報告が保健所に報告されております。
 それからもう一つ、これ学校関係者の報告でございますけれども、向こうの知り合いでございますが、その方に調べていただきましたら、これは一年生の女の子ですけれども、七月八日に発症して血便が出ていると。この方はO157が検出されておりませんけれども、そういう症状がございました。
 だから、保健所の資料、そしてお医者さんに残っているカルテ等きちっと調べればさかのぼっていけると思うんです。どこまでさかのぼれるか、今の局長の話では七月九日とおっしゃっておりますけれども、私はそうではないという今認識を持っております。私、具体的に保健所の報告を聞いたわけでございますので、もう一度調べ直していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


○説明員(小野昭雄君) 本年の夏におきましては、大阪府下におきまして、堺市を中心にした集団発生事例のほかに散発的に個別事例の発生も見ております。
 したがって、今先生御指摘のケースにつきましては、まずはO157による食中毒なのかどうか、それから通常夏季は食中毒がよく多発するわけでございますが、そういうケースなのかどうかという点につきまして、今の私どもの手元の資料では判断をすることはできません。あくまでも私どもでケースとして収集をいたしましたのは、七月九日から十日に発症し始めました、集団発生した食中毒の集団を分析したわけでございます。


○山下栄一君 じゃ、今回は厚生省としては将来のために正確な調査の結果として七月九日が発症日であると、こういう発症日の方はこういう方でこういう事例であるということを具体的に将来のためにも残し、世界的にも報告できるに足る信頼できる資料である、そして疫学情報として正式に残していく資料であると、このようにおっしゃるわけですね。


○説明員(小野昭雄君) 中間報告をいたしましたデータあるいは解析の手法につきましては、国内の疫学者あるいはアメリカのCDCの関係者等にも御意見を伺いながらまとめていったところでございまして、先生御指摘のように、できる限り今後の教訓に生かすためにも私どもとしてはきちっとした書類で残し、必要があれば国際機関あるいは外国にも情報を伝えたいと考えております。


○山下栄一君 ということは、まだ正式に伝えていない中途半端な情報を僕におっしゃっているわけですね、そういうことですか。答弁が変わっていますよ。


○説明員(小野昭雄君) 第一回の報告、第二回の報告は、それまでの調査結果として公表して差し支えないと考えられる事項につきまして疫学者等の関係する学会の先生の御意見も聞きながら取りまとめたものでございますが、なお八月末に報告しました第二回の報告書におきまして幾つかの問題点が残っておりますので、現在それについては補足的な調査を行い、私どもといたしましては今週中にはそのデータがほぼ出そろいますので、改めて学者、研究者の御意見等を伺いながらできるだけ早い時期に全体の取りまとめの方向に向かいたいと考えているところでございます。


○山下栄一君 次は、DNAパターン分析、きのうの夜、最新の調査研究班の中間報告をいただきました。きのうの報告と八月七日の報告を比べますと問題があります。
 DNAパターン分析によって、堺の学校集団食中毒と大阪の羽曳野市の老人ホーム、そして京都の会社、これのDNAパターンが一致したということで、カイワレ大根の可能性があることを否定しないという非常に有力なDNAパターンの分析結果が一致したと、堺と羽曳野市と京都が。ということが非常にカイワレ犯人説の有力な根拠になっているわけでございますが、最初の八月七日の報告では、DNAパターンはA、B、Cの三分類、五十一種あると。Aグループ十四種、Bグループ二十一種、Cグループ十六種、合計三グループ五十一種がある。その五十一種の分類を調べてみてパターンが一致した、こういうことでこのカイワレ大根説をおっしゃっているわけでございますけれども、きのうの報告によりますと大分後退した内容になっておると私は思います。
 全国の大半に広がったこのO157の感染事例が、この五十一種に基づくものじゃなくてAグループ、Bグループ、Cグループに基づいて、Aグループが十六都道府県、Bグループが二十二都道府県、Cグループが二十七都道府県、堺はBグループに入っていると、こうおっしゃっているわけですけれども、五十一種類の分類については抜け落ちておる。このような報告になっておるわけでございますけれども、五十一種の分類に基づくDNAパターン分析というのは、七日の時点では報告したけれども調べていくとちょっとこれは余り意味がない、こういうふうになったということなんでしょうか。


○説明員(小野昭雄君) A、B、Cというのは、別に国際的にこういう分類があるというわけではございませんで、便宜的に一応三つの大きなグループに分けられるということでございますが、堺市の例に関しまして申し上げますと、堺市のいわゆるサブグループの、大きなグループのうちのもっと下のDNAレベルにおいて堺市の事例と一致するタイプといたしましては、大阪府の羽曳野市あるいは京都市等の事例がございます。
 また、そのほかに実はこのタイプと一致するものといたしまして、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山に散発例として発生したものが同じグループのDNAパターンであったということでございます。


○山下栄一君 そんなこと言ってませんよ。
 今回の報告は、五十一分類に基づいて全国のDNA。ハターン分析、解析の結果を報告する予定だったけれども、それはできなかったということですか。


○説明員(小野昭雄君) 五十一のタイプに分けられるわけでございますが、その五十一のいわゆるサブ、もう少し下のランクのDNAパターン、サブグループのパターンも一致をしたということでございます。


○山下栄一君 局長、あなた全然わかっていない、私の質問を。きのうの報告を見ましたか、この中間報告を。調査研究班の中間報告を読んだんですか、あなたは。私の質問に全然答えていない。


○説明員(小野昭雄君) 大変申しわけございません。
 一応私が報告を受けたわけでございますが、昨日の報告はいわゆるサブグループを、いろいろ菌の検索をしていきますといわゆるDNAのサブグループレベルにおいていろんな種類のサブグループが特定されたということでありまして、どういうサブグループが特定されたかということを公表したものでございます。


○山下栄一君 だから、大きく三つに分類したと。さらに細かい分類をしようとしたけれども、それは結局うまくいかなかったということをあらわしているんでしょう、この資料は。


○説明員(小野昭雄君) むしろサブグループのタイプとして明確になったものが昨日発表したグループでございます。むしろはっきりしてきたというふうに御理解を賜りたいと思います。


○山下栄一君 報告の二ページ、「(4)その他 (1)同一府県においても時期により見られる菌のグループが変化している例が認められた。」。同じ地域で発見された菌のパターン分析をやったけれども、また変化してくる、最初の分析とはいかないと、こういうことがここに書いてあるんでしょう、(4)の(1)というのは。そして、ページ六を見ますと同じ堺でも分類が違うのが書いてありますね。予研番号二二五、二二八等はほかと違いますね、これ。こういうこともわかってきたんでしょう。どうですか。


○説明員(小野昭雄君) いわゆるパターン分析を進めていった結果、従来、例えば大阪府なら大阪府においてこういうパターンのDNAパターンを示す菌があったけれども、新たにこういうパターンを示す菌も明らかになったということを御報告申し上げたわけでございまして、先生御指摘の趣旨は、そのような趣旨でございます。


○山下栄一君 では、ページ六の今申し上げた番号、二二五、二二八は同じ堺だけれども違う事例ですね、これは。違いますか。


○説明員(小野昭雄君) 御指摘の点は、いわゆるUa、Ubの間違いであろうと思いますが、最終的にもう一度確認をいたしたいと思います。


○山下栄一君 これ間違った報告を出しているの。どういうことですか、それは。ミスプリントというわけ。そんなでたらめな。それなら全部ミスプリントで済ますわけ、今までの報告も。何というあなたひどい答弁やっているんですか。


○説明員(小野昭雄君) かなり急いで公表するためにミスがあったのかもしれませんが、もう一度よく調べまして御報告を申し上げます。


○山下栄一君 何でそんな急いで公表する必要があったんですか。公表するときはきちっと点検して公表しないんですか。これはミスプリでしたと言ってまた修正するわけ。厚生省は今までそんないいかげんな報告してきているんですか。それならみんな中間報告信じられないよ、こんなのは。


○説明員(小野昭雄君) 堺市の事例につきましては、DNAパターンは皆同じというふうに報告を受けておりましたが、今先生御指摘のように若干違うあれが出ておりますので早急に調べまして、訂正すべきは訂正をさせていただきたいと思います。


○山下栄一君 同じ堺のこの集団食中毒の中で菌が違ってきたら、この分析方法は全く崩壊するわけですよ。
 だから、私が最初申し上げたように、三つの分類は世界的にも通用する分類だけれども、今回、予防研究所がやった分析方法はこれは世界的に通用しない、そういう分析方法だったということを認めた報告書なんでしょう、これは。


○説明員(小野昭雄君) 細かいUa、Ubだとかという分類はこれは国際的にも十分通用する分類であり、また国際的にもそういうレベルで議論をされております。
 A、B、Cというのはあくまでも予研がグルーピングをする際に便宜的に用い九名称であるということでございます。


○山下栄一君 今、大事なことをおっしゃいましたけれども、この五十一分類というのは世界的に認められた水準の高い分類方法であるということですね。


○説明員(小野昭雄君) 分類方法につきましては国際的に標準化された方法があるわけではございませんが、内容につきましては十分国際的にも通用するといいますか、議論にたえ得る内容でございます。


○山下栄一君 そんなあいまいなことを言ってはだめだ。五十一分類をなしているんでしょう。七日よりもさらにこの五十一分類の正当性が証明された報告なんですとおっしゃっているでしょう。それが正反対の報告であると私は申し上げているんです。
 じゃ、アメリカのCDCも、イギリスとかカナダとかそういう分類方法も、この五十一分類のやり方を使っているんですか。


○説明員(小野昭雄君) 五十一というのは、それまでDNAパターンを進めてきた段階で五十一のパターンがわかったということでございまして、実はいろいろパターンが現在では約五十九ぐらいあるというように聞いておりますが、いろんな遺伝子のDNAパターンがあるということでございまして、それの新たに発見されたものを次々と公表をしているということでございます。


○山下栄一君 じゃ、七日の報告にございますパルスフィールドゲル電気泳動法、ランダムPCR多型解析法、こういう解析を予研、国立予防衛生研究所はこれを使ってやっているわけですけれども、こういうやり方は国際的に認められたというか、よくやられる方法なんですか。


○説明員(小野昭雄君) 国際的に権威のある研究機関も同様の方法を用いております。


○山下栄一君 じゃ、CDCもこういう研究方法でやっていると、こういうことですね。


○説明員(小野昭雄君) CDCも米国の権威ある機関でございますから、当然同じ方法を用いております。


○山下栄一君 私が聞いておる内容と全然違うお答えをしておりますので、国会答弁でございますから、これは大変なことになりますよ。よろしいですか。
 私は、国立予防衛生研究所のこの解析、パターン分析方法というのは世界でも特異な例であると。ということは、東京都の予防衛生研究所とか、それから国立小児病院、これも同じ方法を日ごろから使っていると、こういうことですね。


○説明員(小野昭雄君) 同じ方法で分析をされているというふうに聞いております。


○山下栄一君 イギリス等で行われておりますファージダイビングという分析方法がございますが、ウイルスを使った型別検査、通常はイギリス等でやっているのはこういう検査が非常に経済性があり即効性がある、有効な方法であると。それをまずやった上でこのDNAパターン分析、解析は意味があるけれども、このファージダイビング法という分析方法、これで今回の日本のさまざまなO157問題の分析をやるというおつもりはございませんか。


○説明員(小野昭雄君) ファージダイビング法というのはサルモネラ菌等でよく用いられる方法でありますが、今回もその方法を用いております。


○山下栄一君 この方法を用いた。この方法を用いた上でDNAパターン解析、分析もやったと、こういうことですね。


○説明員(小野昭雄君) 御指摘のとおりでございます。


○山下栄一君 はい、よくわかりました。
 じゃ、昨日公表されたDNAパターン解析、分析のこの書類でございますけれども、資料のページ一のところに「発症日・分離日」と書いてあります。発症日というのは、この日にちは六月十三日と書いてありますけれども、これは分離日ということですか。


○説明員(小野昭雄君) 「発症日・分離日」といいますのは県から報告があった日を記載しておりますので、発症した日または分離した日ということでございます。


○山下栄一君 堺の場合は書いてございませんけれども、これはどういうことですか。


○説明員(小野昭雄君) 堺のは今回のところでは特に書いておりませんが、一連の堺市の分析の段階でのデータとして用いたものでございますし、公表もしておりますので書かなかったということでございます。


○山下栄一君 発症日を報告しているんですか、そういうことですね。


○説明員(小野昭雄君) どの地域におけるケースがどういうDNAパターンを示しているかということをきちっと明らかにするということでございますので、先生御指摘の、県から報告のあった日というのは必須の要件ではないということでございます。


○山下栄一君 だから、既に報告があったから書かなかっただけだと。七月九日と本来は書くべきところを書かなかったということだけですね。


○説明員(小野昭雄君) 報告があった日ですから、発症した日で報告が上がる例、それから菌を分離した日で報告の上がる例がございますので、必ずしも七月九日がそういう日であるかどうかということは堺の例ではわからないわけでございます。


○山下栄一君 さっき九日と言ったじゃない。何を言ってるの。もうでたらめな答弁いいかげんにしなさいよ、あなた。七月九日と言ったじゃないの、あなた。それが公表されているからここにわざわざ書かなかっただけで、そういうことなんでしょう。


○説明員(小野昭雄君) 菌が分離をされなければ、これはDNAパターン分析をする必要はないわけでございますから、菌の分離されたものについて都道府県から報告があり、それのDNAパターン分析を行った結果を記載したものでございます。


○山下栄一君 じゃ、わかりました。
 わかっているんでしたら、これを全部書いて報告してください、堺の各菌の。だから、この発症日はいつであるということを書いて報告してください。よろしいですか。


○説明員(小野昭雄君) 冒頭申し上げましたように、個表は堺市にございます。ですが、非常に膨大な個表でございますので、突合していくのに若干時間がかかるということを御容赦いただければ可能であろうかと思います。


○山下栄一君 はい、わかりました。
 このカイワレ大根説ですけれども、これは、報告によりますと堺の学校の集団食中毒、東・北地区、そして中・南地区とも発生日は七月十日であると、こういうふうに報告されております。今さっき七月九日とおっしゃっているけれども、十日と書いてあるわけです。そして、この中・南地区は七月九日に食べたカイワレが原因である、その疑いが強い、そして北・東地区は七月八日に喫食したカイワレ大根の疑いが強い、こういうふうになっております。
 ところが、中・南地区の有症者数、子供の有症者、症状のあった方の数ですけれども、七月九日、食べた日に五十六人、七月十日、翌日百六十六人にふえております。北・東地区、七月八日、カイワレ大根を食べた日、その日に二十名有症者、九日に二十五名、十日に百六十三名。要するに、食べたその日にもうすぐ症状を訴えた方がいらっしゃる、こんなあほなことはない。翌日、給食を食べて一日もたたないうちにもう中・南地区の場合は百六十六人も症状を訴えている。これがどうしてカイワレ大根が大きな原因であると言えるんでしょうか。この分析の非常に大きな問題点だろうと、このように思いますが、いかがですか。


○説明員(小野昭雄君) 堺市の教育委員会のお話をお伺いしておりますと、この季節は大体バックグラウンドとして平均的に下痢を訴える方あるいは夏風邪を訴える方が数%いらっしゃるというのが通常であるというお話を聞いております。したがって、先生御指摘の数の中には、これは有症者を非常に幅広く何らかの症状を訴えた人みんなとっておりますから、O157による集団食中毒例と、あるいはそういうバックグラウンドとして普通の夏にも存在をしておられるような学童の方も入って足し合わされた数字というふうに御理解をいただきたいと思います。


○山下栄一君 ほとんど発症者が出ていない堺・西地区は二人とか五人なんですよ。それが通例でしょう。中・南地区の場合は七月九日、カイワレ大根食べた日に五十六人も症状を訴えている。翌日は百六十六人になっているんですよ。これが通例ですか、これ。堺・西地区は数少ないんです、二人とか五人です。こんなの明らかにカイワレ大根じゃないということをあらわしている資料でしょう、これは。


○説明員(小野昭雄君) 先ほど申し上げました堺市教育委員会のお話によりますと、学童の一%から二%は年間を通じて何らかの症状を呈しているということでございます。また、七月十六日現在の病原性大腸菌O157の食中毒発生のない堺・西地区での発症者は五十二名、学童の〇・三%であるということから申しますと、今申し上げました堺市教育委員会のお話も考え合わせますと、通常の状況と考えることが適当であって、この地区には集団発生がなかったというふうに考えるべきであろうと思います。


○山下栄一君 そういうこと言って、おかしいよ、それは。堺・西地区は八日二人、九日二人、十日六人、十一日七人、十二日七人、十三日十一人、十四日六人、こんな数なんです。一けたです。今申し上げているのは、中・南地区の七月十日、百六十六人ですよ。これが通例ですか、これ。こんなのでたらめ、おかしいでしょう、そんな。
 大臣、聞いていただいておりましたですか。だから、この中間報告というのは、冒頭私申し上げましたように、私の調査ですけれども、保健所の報告によると、O157の菌検出者をたどっていくと六月二十八日に発症した例もあるわけです。余り調べてくれてないらしいですけれども。今、中間だからまだ後から出てくるかもわからないという先ほど答弁もございましたですけれども、いろいろ分析していくと、おかしな内容がいろいろわかってきているわけですよ。
 例えば、同じカイワレ大根を食べながら南・中地区でも一つの学校では有症者ゼロという学校もあると、北・東地区では十一校も同じものを食べながら一人も有症者がおらないという学校もあるわけです。これはどう説明をするんだと。先ほどのDNAのパターン分析につきましても非常に不透明なそういう報告がなされておる。
 こんなことを考えましたら、この八月七日に大臣が発表されたカイワレ大根という固有名詞を明確におっしゃったことの大変な問題点が私はあると思うわけです。その羽曳野の生産者のところには厚生省の方はだれも一回も行っていない。それにもかかわらず、厚生省という権威ある、それも大臣が発表すれば、明確にカイワレ大根という固有名詞を使って可能性がないわけではないというような言い方をすれば、どんな影響があるかということは予想されたと思うわけです。
 カイワレ大根といえばもう堺の場合は納入者となってきて、この中間報告によりますと、特定されてしまうわけです。この生産者であるという、そういうことが明確にわかるような内容で発表されているわけです。羽曳野のその生産者がもうわかってしまうわけです。言い方としてはカイワレ大根が可能性ないとはしないと言ったとしても、そういう言い方をすればマスコミはどんな扱いをするか。あの生産者だと、そこに報道陣も殺到することは目に見えているわけですよ。そんなこともわからないで発表したというのがまた大変な問題ですけれども、現地に一回も行っていない。それは可能性ないとはしないという言い回しかわからぬけれども、結果的にはもうその犯人と言ってもいいような内容の報告である。そして、中間報告は極めてあいまいな形で報告されておる。
 こんなことを考えると、そしていまだに厚生省は疑いがあるというままで、別に再開しなさいとも言わなかったし、だからその生産者の方はシロでもないクロでもない灰色という状態にいまだに置かれているわけです。不幸な状態に置かれているわけですね。こんなことでいいのか。奈良の生産者はもう廃業されてしまったと、こういう例も具体的にあるわけです。
 だから、私はやっぱり、大臣、いろんな立場があったかわからぬけれども、カイワレという言葉を言ってしまうと、その生産者ということが特定されて大変大きな、もしそれが違えば冤罪にも等しい内容になってしまうということが予想された。それにもかかわらず、あえて言ってしまったことの問題点が大いにあると、私はこのように思うわけでございます。そして、いまだにその生産者はシロでもないクロでもない状態に置かれたままである。いつまで、ずっと続くかもわかりません。これについての大臣のお考えをお聞きしたい。それで終わりたいと思います。


○国務大臣(菅直人君) 今、山下委員からいろいろ御指摘をいただきまして、私もこうした問題の情報を公開するということの難しさを改めてかみしめているわけです。
 私なりにその公表した経緯といいましょうか考え方を申し上げてみますと、まさに今回の場合、それより前に岡山等でも出ておりましたけれども、堺において六千人を超す実際に児童の患者が発生をいたしたわけであります。
 私も七月十六日に出かけて以降何度か足を運びましたが、とにかく六千五百人を超す患者さんが出て、出方からして学校給食あるいは学校に供給された水、そういうものではないかということがまず当然のこととして疑われ、私が出かけたときも、給食にどういう食材が使われたかということを決めているその場所にも行きまして、いついつ何が食べられたか、そしてそれぞれの食材がどの業者から搬入されたか、それはその時点でももう既にデータはあったわけであります。そういった意味で、それらを分析し、疫学的に調査をしていろいろと詰めていけば、かなりの確率で原因の究明ができるのではないかということで、それを急がせたわけです。
 もちろん、一方で直接それらの食材について菌の検出ができるかどうかやってみたわけですけれども、結果的には直接食材からは菌の検出はできなかったわけです。これは、岡山の例でも直接には食材から菌の検出はできておりません。
 そこで、私のその時点での報告を受けた中では、一つには堺の患者さんから出たいわゆる検便による菌がある型のDNAパターンであると。そしてもう一つ、たしか羽曳野でしたが老人ホームにおいてもある集団発生がありまして、その中の菌のDNAパターンがあると。その両パターンがほぼサブグループのレベルにおいても一致すると、そういう結果が出たわけです。
 もちろんその前に、ちょっと前後しましたけれども、いろいろ食材等を堺について調べておりましたら、私に上がってきた報告では、共通食材として考えられるのはパンと牛乳とカイワレであると。パン、牛乳については複数の業者から納入されているのでそれらがすべて同じような菌を含むことは考えられないので、そういう点では、疑わしいという意味ではカイワレが残っていると、残っているという言い方がいいんでしょうかどう言ったらいいんでしょうか、少なくともまだ外せていないと。
 そういう堺自身における知見と、今申し上げた全然別の羽曳野における老人ホームの発生がありまして、その両者のDNAパターンを比べた中でそれも一致をしたと。そして、その羽曳野の老人ホームにおいても同じ業者のカイワレが納入されていたと。こちらは他のものももちろん食べておりますからそれだけで認定をするわけにはいかないんですが、そういう幾つかのものを重ね合わせてあの段階で、カイワレ自体からは菌は発生していないけれども、この間のいろいろな疫学的調査ではまだ疑い、疑問は残るという形で発表をさせていただいたわけです。
 今言われました、人権の問題とかそういうような問題、疑わしきは罰せずという言葉があるわけですけれども、こういった問題でそういう考え方をとるのか、それとも感染をするという、そういう病気で言えば若干疑わしいものについては注意を喚起してそれについてそれぞれ対応するという形をとるのか、これは私はぎりぎりの一つの考え方であろうと思っております。
 これは薬害エイズの場合でもいろいろな議論がされておりますけれども、非加熱製剤についていろいろな議論があったわけですが、その危険性を感じたときに、言うのか、いや大したことはないといって隠すのか、それはそのときの担当者の判断であったでしょうけれども、少なくとも今日、非加熱製剤についてはそういうことを隠したことが強く問題になっているわけです。
 もちろん、それと全く同じということで申し上げているわけじゃなくて、やっぱり六千五百人を超える実際の患者さんがいて、そして少なくともかなりのレベルで調査をした結果、これもこれもこれもまだ怪しいんだというものがたくさん残っているという状況であったのならば、もう少し漠然とした表現もあるいはすべきであったかと思いますが、先ほど申し上げたような報告でありましたので、後はもう簡単に言えば、まだ調査中という形で何も言わないか、それとも中間過程においてここまではわかっているけれどもまだ特定ができないんだということで言うか、そのどちらかだと考えまして、最終的には省内に設けた対策本部、私が本部長ですが、その中で議論をし、最終的に私としても、それは中間報告ではあるけれどもその過程を明らかにしようと、そういうことで決断をしたわけであります。もちろん、菌が直接出ていないということも中間報告に盛り込んだわけです。
 確かに、結果において全国のカイワレ業者の皆さんに大変ある意味で打撃を与えたということについては予想を超える問題として大変申しわけなく思っております。しかし、今申し上げたように、それではあの段階で、まだまだはっきりしないから何かわからないと、もうかなり日にちが発生してからたっていた中でもそういう形をとるか、あるいは今申し上げたような形をとるかということは、その発表の仕方等について御批判があることは十分承知しておりますし、それについては今後もさらにどうであったかという議論があることは理解はできますけれども、私としてはその時点で、そうした六千五百人を超える患者さんが出ているという非常に重い現実を踏まえて、可能性として残っているその実情を発表した、そういうことでありまして、批判をいただくことはいたし方ないと思っておりますが、考え方についてはぜひ御理解をいただきたい、こう思っております。


○山下栄一君 結構でございます。ありがとうございました。極めて、極めて不満な答弁でございます。


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