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国会質問

138国会 決算委員会会議録 1996年11月20日


○山下栄一君 平成会の山下でございます。
 御就任早々の両大臣ではございますけれども、平成六年度の会計検査院の決算検査報告の中から、また昨年度の本決算委員会における私の質疑のフォローの観点から、最初に両大臣に御質問したいと思います。
 まず、文部大臣の方にお伺いをいたしますけれども、ことし一月に国会の方に提出されました平成六年度の決算検査報告の文部省にかかわるものの中に、「職員の不正行為による損害が生じたもの」というのがございます。これは静岡大学、香川医科大学における職員の方の不正行為であるわけでございます。
 特に、その中で静岡大学にかかわるものが六千百万円余り、不正行為の行われた期間は十一年間にわたっておるということでございます。だから、こういう不正行為が常態化していた。金額は六千百万円だと。これは検査院が調べて見つけたというよりも、公金詐取ということで職員の方が逮捕されて、そこから検査院が入ってずっと調べていったら延々と十一年間にわたってというふうな話でございます。
 これは静岡大学教育学部附属の学校が幼稚園、小学校、中学校、養護学校、七つほどある。その教育学部の附属学校の事務長がそういう不正行為を働いていた。要するに、物品購入の架空伝票を切って、それでお金をプールしまして、たまったお金を大学本体の方の事務局長に上納して、そのお金で接待したり贈り物を贈ったりというふうなことが行われておった。それだけじゃなくて、それ以後の、裁判中でございますけれども、公判の中における被告の発言の中から、その事務局長や庶務部長ですかの方に一千万円になんなんとする現金を供与していたというようなことを被告の方がおっしゃっている。
 これは判決おりていませんので途中経過でございますけれども、そういう公判の途中の中でいろいろと、単に個人の、附属の学校の事務長個人の問題ももちろんあるわけですけれども、それが常態化していて、附属の学校の予算が少ないものだからいろいろ便宜を図ってもらってたくさん予算をいただくということとか、学校事務の方というのはよくわかりませんけれども、附属の学校の事務の方々というのは事務長以下地元採用だと。その人事の面でも事務長が采配を振れるような、そういうふうなことをしていただくために上の方にいろいろと上納金、物品その他を贈っていたというふうなことが公判の中で明らかになっているわけでございます。
 こういうことは、今いろいろと役所の不祥事が、行政改革ということが叫ばれる中で起こっておるわけでございますが、今まだ裁判が続いている途中でありますが、平成六年度決算検査報告の中から始まった事件の中で、大臣も御存じだと思いますけれども、この事件についてどういう認識を持っておられるかということをお聞きしたいと思います。


○説明員(佐藤禎一君) 事実関係につきまして、最初に私からお答えを申し上げたいと存じます。
 ただいま委員から御指摘ございましたように、静岡大学の教育学部附属学校を中心に、平成六年の六月から九月にかけまして物品の架空購入などによりまして公金が騙取をされたという事実が判明をいたしました。大変遺憾なことでございます。
 当事者につきましては、今お話がございましたように、現在公判中でございますが、文部省といたしましては、厳しい姿勢を示すために、既に平成六年の十二月二十二日付で当事者三名を懲戒免職にいたしますとともに、監督責任者などを含めまして五十六名の懲戒処分を行っているところでございます。
 なお、これ以後、静岡大学の中におきましても、学長を中心に綱紀の粛正の徹底を図っでございます。
 御指摘のありましたようなことを公判の中でいろいろ言われているわけでございますが、審理の途上でございますので、そしてまた間もなく結審をするというようなことも予想されておりまして、私どもも相応の関心を払っているところでございます。


○山下栄一君 関心を払っているということでありますけれども、確かにまだ判決に至っておりません。要するに一大学本体の事務局長、庶務部長さんというのは本省採用だと。そういう方々に現金供与が行われて、受け取ったけれども返したというふうなことをおっしゃっている。また、場合によっては予算の便宜を図ってもらうために文部省OBの方を通じて本省の方に商品券を配ったりというようなことをいろいろと公判の中では言われているわけです。今、官房長からお話があった状況であろうとは思いますけれども、この静岡大学における事件というのは、確かに公金をだまし取った上でそれを上層部に上納しているということがもう十一年間にわたって行われたということは極めて厳しい現実である。教育現場、国立大学の中に起こったわけでございます。
 後から大臣にあわせてお聞きしたいと思うわけでございますけれども、関連はしませんけれども、以前にも本委員会で取り上げられた問題でございます。北海道教育委員会における空出張といいますか、によりまして、空雇用もあるのか、そういうためにためた、それも北海道の本庁の教育委員会、また地方局、十四あるそうでございますけれども、さらに道立の学校、高校、養護学校その他、さらに今度は市町村の小、中。一番下は小学校から、上は北海道本庁の教育委員会に至るまで、上からの指示で空の、虚偽のもの、にせものの予算の書類をつくらせて、今度は現金を下から上に上げていったという、こういう上納システムというのが、これもまた延々と、一年二年じゃなくて、何年さかのぼるのかわかりませんけれども、四年になんなんとする、調べられたのがその範囲で、制度化しておったというふうなことがあるわけです。
 これも一番下の小学校、中学校、高校、校長先生がそういう最終の決裁権、予算の収支の書類についても決裁を図っておられるわけでございますけれども、校長先生も御存じの上でそういうことが、教育現場で不正な経理が行われておったという現実がある。こんなことが北海道を挙げて行われておったわけでございますので、現場ではもう学校の教師が、校長先生が指導しても生徒に入らない。校長先生が廊下を通ると空出張と言って冷やかされるということが現実に延々と、延々とというか、あった上で、ことしですか発覚し、大量の一千五百人になんなんとする教育長以下処分されておるわけでございます。
 こういう実態があると、幾ら文部省から、また教育委員会がいろんな生徒指導をやろうとしても全然入らないというように私は思います。保護者ないし生徒に至るまで、こういう不正経理が校長先生も御存じの上で続けられておったわけでございますから、一たん失った信頼というのは、生徒の信頼、保護者の信頼というのはそう簡単にこれは、倫理観も教えなければいかぬそういう教育現場が全然正反対のことを行っていたという、そういうことであるわけでございます。
 非常にこれも私は深刻な事態であると思うんですけれども、この北海道の教育委員会挙げての不正経現実態については、文部省はどのように対応されたかということをお聞きしたいと思います。


○説明員(小林敬治君) 文部省といたしましては、北海道教育委員会から詳しい事情をお聞きいたしますとともに、教育行政に対する保護者や地域の方々の信頼を一日も早く回復するための改善に取り組むよう御指導申し上げました。道教委といたしましては、これを踏まえて再発防止のための取り組みを行っているところと承知をいたしております。
 それで、その一環として実施されました公認会計士等の調査グループによる分析がこの十月にまとまったところでございまして、これによりますと、今回の不正経理問題の背景といたしましては、以前から指摘されておりました北海道教育委員会における教育局と道立学校等との間の上下意識の存在だけじゃなしに、例えば除雪の予算を公務員宿舎の補修に流用するなど、必要な分野に必要な予算が措置されておりませんで、硬直化した予算編成がなされたことなどもあるというふうな指摘があるわけでございます。道教委におきましては、この調査グループの指摘も踏まえまして改善にさらに取り組むこととなっていると承知をいたしておりますが、いずれにいたしましても、文部省としては教育行政に対する信頼回復のために今後とも一層の努力を重ねていただく必要があるものと考えておるところでございます。
 このような問題を生じさせないための具体的な防止策につきましては、基本的には各地方公共団体においてそれぞれの実情を踏まえて主体的に取り組んでいただくべきものだというふうに考えているところではございますが、文部省といたしましても、教育行政の適切な運営が確保される観点から、今後とも適時適切に指導してまいりたいというふうに考えております。


○山下栄一君 法律の範囲内ではこういう教育行政にかかわる文部省の地方における都道府県教育委員会等の指導、助言ということなんですけれども、非常にデリケートな、非常に微妙な難しい問題にもかかわってくると思います。例えば、こういう北海道の小中高の教育挙げての不正事件に対して、文部省は適時適切に指導、助言と言ってはるけれども、それは具体的にはどんなことをするのか、どういうことが考えられるんだと、それをちょっと教えていただけますか。


○説明員(小林敬治君) ただいま申し上げましたように各教育委員会で、例えば今回の北海道教委のような問題が生じましたときに、私どもとしては、まず第一義的にはその団体自身が自浄作用を発揮いたしまして、その不正の部分に係る事実をはっきりさせ、それからそのようなことが二度と起こらないように適当な対策を立ててくれるということが最も望ましいと考えております。
 私どもとしてもこの教育行政、これは国もそうでございますが、地方公共団体の教育委員会等の行政機関に対する地域住民あるいは国民の信頼というのが大変大事でございますので、その地方教育行政機関の信頼というものが適切に確保されますように適切な指導をやっていく必要はやはり大事な仕事として私どもは持っているのであろう、こんなふうに考えているところでございます。


○山下栄一君 全然よくわかりませんわ。全然わからぬな。
 大臣、この問題につきましては、ことしこの事件が発覚して新聞に載った段階で奥田前文部大臣が、驚嘆すべきことだ、びっくりしたと言って、とにかく実情を把握するために調査したいというようなことをおっしゃっていたわけですけれども、調査するいうて、どんな調査をするのかなと。
 実際北海道におきましては、文教委員会等でもう既に北海道教育委員会の調査がされて、道議会にも報告されているわけです。冊子もいただいております。ちゃんと調査は終わっているわけです。だから文部省として何をするのかというようなことも大変難しい問題であるなというふうに思うわけですけれども、大臣、それに対する本省として指導、助言で何をするんだということ。
 それからもう一つ、先ほど決算検査報告における静岡大学教育学部の不祥事件、これはもう一年二年じゃなく、先ほど申し上げたようにわかった範囲だけでも十一年間にわたる不正経理が常態化し、本省採用の文部省の大学事務局長の方にも上納されていたということ、これは事実として明らかになっておるという大変な問題、それも被告の発言によると一千万を超える金を渡したんだということを言われておるわけでございます。それで、またこれもうすぐ判決がおりるのかもわかりませんけれども、そのときに本省がどの程度までかかわっておったかというようなことが明らかになってくると大変なことになってくると思うんです。それから、今申し上げた北海道の全道挙げてのこういう不正経理の実態という、先ほど申し上げましたようにこんなことが起こると教育にならぬという現実があると私は思うわけでございます。
 私は、大臣の御認識をしっかりとお聞きして、そういう実態があるということをわかった上で大臣としての教育行政のお取り組みをお願いしたいと思いますので、大臣の御認識をあわせてお伺いしたい、このように思います。


○国務大臣(小杉隆君) 今回御指摘があった静岡大学、北海道教育委員会の不祥事に関しましては、文部大臣としても大変残念という気持ちであります。
 今事務方から御説明申し上げたように、それぞれ適切な処置をとってきたと思いますが、本来、教育行政は保護者や住民の信頼ということが基本でございます。そうした信頼が損なわれることのないように、私どもこれからも注意をしていきたいと思っております。
 文部省と教育委員会との関係というのは、あくまでも地域の教育委員会が主体であって、文部省が直接やるということについては、地方分権との関係もあり、また日本の教育制度との関連もあって制約があるわけでございますが、聞くところによりますと、北海道教育委員会におきましては、不正経理の再発を防ぐための改善プログラムを決定してその取り組みを進めているというふうに承知しております。
 文部省といたしましても、そうした地域の教育委員会の努力を見守るとともに、保護者や地域住民の信頼を一日も早ぐ回復するように最大の努力をしたいと思っているところでございます。


○山下栄一君 都道府県の教育長の人事は知事が任命し文部大臣が承認するということですか、これは地方分権との問題で私は承認というようなこともやめた方がいいと思うわけでございます。
 見守る――見守らなきゃいかぬわけですけれども、私は、一つは、処分を行うことはできないと思いますが、ただ、大臣が例えば全国教育長会議等があったときにこういうことを具体的に話をして触れるだけでもやっぱり、指導、助言というのはそういうことなのかなというようなことを思うんです。何かこう見守って、例えば課長さんが教育長の報告を受けるという、それだけじゃまずいんじゃないかなと。全体の会合等の中とかで具体的な、こういうことは大変な問題で、生徒の皆さん、児童の皆さん、保護者の方の不信感というのは大変なことだと私は思うんですよ。そういう形でぜひかかわって、かかわるというか、適切な指導、助言を文部大臣のお立場で知恵を出していただいてやっていただきたい、こういうように私は考えております。
 次に、冒頭も触れましたけれども、昨年の九月に本決算委員会で郵政互助会、これは郵政職員の方々の互助組織で、公益法人になっているという。この問題につきまして、昨年の九月は、平成四年度の公益法人にかかわる行政監察で改善しなさいということがあったので、途中経過ではございました。それで、さらに改善に取り組んでまいりますという御答弁をこの中でいただいておるわけでございます。そのフォローの形で質問させていただきたい、このように思うわけでございます。
 まず、公益法人なので公益事業をやらないかぬと、当たり前の話ですけれども。公益事業を郵政互助会の場合はほとんどやっていない、去年の段階で全事業の〇・〇四%だと。それが公益法人かというふうなことがあったわけでございますが、その改善状況と、時間の関係もありますので、もう一つは、一〇〇%近い出資率で、要するに株式を保有しているというか子会社をつくったというか、そういう会社が四つある、それについても出資比率を引き下げるようにという行政監察結果が出ておるわけでございます。それについての、努力いたしますという、改善状況を御報告いただきたいと思います。


○説明員(安岡裕幸君) 郵政互助会の平成七年度の事業報告によりますと、まず公益事業に対する取り組みでございますけれども、一つは地域社会への貢献施策ということで、各郵便局の施策とタイアップいたしまして、車いすを老人ホームヘ寄贈する、あるいは手話教室を開催するなどの施策を展開いたしております。事業費といたしまして約五百七万円という格好になっています。それからもう一つでございますけれども、遺児への育英金支給ということでございまして、平成七年度におきましては遺児三百十五名に対しまして二千五百万円等の事業を行っているということでございます。
 御指摘を踏まえまして、平成八年度は公益事業に一層積極的に取り組もうということを考えておりまして、まず一つでございますけれども、今までは不特定多数を対象にしました公益事業、退職給付事業、それから収益事業、これが一緒になりまして一般会計というふうにされておりましたのをそれぞれの事業に分割をして、公益事業の事業規模等が、その内容がよくわかるように公益事業会計を独立させたということでございます。この公益事業会計に新たに公益基本金ということで十億円をファンドという格好にしております。この結果、平成八年度の予算規模は七千万円というところになっております。今後とも、この公益事業規模を一層拡大するように指導していきたいというふうに思っています。
 それから、もう一つの子会社の問題でございますけれども、現在郵政互助会は互興建設と弘信観光、二社の株式のほぼ一〇〇%を保有しておるわけでございますけれども、ぜひ株式保有の分散化をやるべしということで郵政省として互助会を強く指導しているところでございます。
 まず互興建設の方でございますけれども、当該株式の二分の一にするということを考えております。それから弘信観光の方は、経営権の譲渡による会社の整理、清算、これを方針にいたしまして今取り組んでいるところでございます。
 しかしながら、大変長引く不況の中で結構苦労いたしておりまして、まず互興建設の方につきましては、受注する工事高が先細りするんではないかという見方から株式の譲渡先が見つからないという状況になっています。弘信観光につきましては、現在ホテルを四ホテル保有しておりますけれども、その一ホテルを売却できましたけれども、他のものはまだ売却先が見つからないという状況になっておるわけでございます。
 今後とも先ほどの方針に即して株式の分散化に努めてまいりたい、このように考えております。


○山下栄一君 郵政互助会の全事業における公益事業の比率が、七千万と金額おっしゃっていましたけれども、要するに〇・〇四%が〇・一%になったということですな、そういう実情。
 じゃ、これはどこまで高めるんだということになってくるわけですけれども、それはどうですか。


○説明員(安岡裕幸君) 私どもとしては、公益事業につきましては、互助会といたしましても時代の要請に応じるということで高めてまいりたいというふうに思っておるわけですけれども、現在の公益法人の指導監督基準の取扱指針の中では「公益事業費の規模は、可能な限り総支出額の二分の一以上とする」というふうに定められているわけでございますけれども、一方、その基準の中には、「経営状態が悪化している法人に対して性急な公益事業の拡大を要求すれば、更に事態を悪化させる可能性もある。」ということで、「法人の経営の実態を見て、収支の安定を図ることが先決」だということでございますので、「その上で可能な範囲で、徐々に公益事業を充実していくことが望ましい。」と示されておりますので、その線に沿いまして公益事業の拡大に取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。


○山下栄一君 今おっしゃった基準というのは、閣議決定の基準ということですか。それでいいんですか。


○説明員(安岡裕幸君) 閣議決定の基準でございます。
 もう少し補足させていただきますと……


○山下栄一君 結構です。
 ことしの九月二十日の閣議決定によりまして、公益法人の設立許可及び指導監督基準というのが非常に厳しくなったと、公益法人に対する。本来、この郵政互助会というのは現在の法的な基準から考えると公益法人に当たらないものだろうと思うんです。したがって、今おっしゃった経過措置の中で、できる範囲でこの基準に背かない努力をしていくということになっていくのであろうとは思うのでございますが、ちょっともう時間がありませんので、具体的に聞かせていただきます。
 だから、この閣議決定の基準でいくと、公益事業の比率は二分の一以上でなかったらいかぬのだろうけれども、それは現段階ではあり得ないと、できないということ、それでよろしいですな。できるかできないかだけでよろしいわ。


○説明員(安岡裕幸君) 大変失礼しました。
 先ほど申し上げたのは旧基準ということでございまして、その趣旨は今度の閣議決定でも承継されているわけでございますけれども、今後とも、私どもとしてはそれに即していきたいと思っています。
 ただ、先般の閣議決定において言われている中では、真にやむを得ない事項につきましては、法人に関する抜本的法改正を待って対応するということにもなっておりますので、真にやむを得ないかどうかということについて関係部門の御意見、解釈を参考にして、閣議決定の趣旨に沿うように公益事業の充実に努めていきたいと、このように考えております。


○山下栄一君 この閣議決定の中では、株式保有についても「営利企業の株式保有等を行ってはならない。」と、こういうことになっております。ところが、先ほど申し上げた四つの会社は、もうそのうち三つまで九九%なり一〇〇%の出資、株式を保有している。一つだけ努力して、津久井湖観光だけは半分以下になっているということなわけですね。ただ、清算したり、株式を譲渡したり、ホテルを売却したりということもなかなか思うように進まないという実情があると、こういう実態であろうと思うわけです。
 だから、これは非常に重荷を背負いながら、郵政互助会は、職員の方々の積立金といいますか、退職給付を夢に見ながらというか、退職のときに給付金をいただけるように一生懸命ためていたお金がそういう形で使われ、その事業が非常にうまくいっていない。中には弘信商事みたいにノンバンクでもう特別清算六百億になんなんとする負債をつくって、損失を抱えて、それをどう運営していくかというような事態になっておるという厳しい現実があるわけでございます。
 これは、特に株式保有の問題につきましても全くゼロにしなさいということにはならぬと思うのですけれども、今のお話で、二分の一以下になるように努力するというふうに理解いたします。
 それから役員でございますが、理事五人、互助会の方いらっしゃるわけですけれども、これは閣議決定の基準によりますと、官庁に関係する方は三分の一以下にしなさいということは、五人のうち三分の一といったら何人ですかな、一・七人か、まあ二人。
 この現在の理事の方の御出身の役職というか、お願いいたします。わかりませんか。


○説明員(安岡裕幸君) まず会長でございますけれども、これは郵政省のOBでございます。理事二人が郵政省OBということになっています。それから、もう一人が民間の方がなっておられますし、それから組合の全逓、全郵政の御出身の方も理事になっていると、こういう構成でございます。


○山下栄一君 「所管する官庁の出身者が占める割合は、それぞれ理事現在数の三分の一以下とすること。」と。だから、五人中一人だけでなかったらいかぬと、こういうことですな。あとの四人は官庁出身者であってはいけないと、こういうことになると思うんです。官庁OBは一人だけだったらいいけれどもと、そういうふうに理解するんですけれどもね。
 ところが、会長は東京貯金事務センター所長、理事は東京中央郵便局長、あと全逓、全日本郵政の組合の方というふうに、これはまあ官庁OBと言えないのかもわかりませんけれども。一人だけ第一勧業銀行の方だと。五人中四人が郵政関係の方で、そのうち組合の方を除いて二人がお役人OBだと。一人以下でなかったらあかんのに二人いらっしゃる。これはどういうことですか。だから、これは閣議決定違反ということですか。


○説明員(安岡裕幸君) ただいま申し上げましたように、この「所管する官庁の出身者」という意味で言いますと郵政省のOBでございますので、五人中二名という格好になります。


○山下栄一君 だから、閣議決定違反かどうか。


○説明員(安岡裕幸君) ということでございまして、五人中三名ということでございまして、三分の一にしていこうということからいいますと、まだ基準に達していないということでございますけれども、閣議決定の中には経過措置がございまして、「既に設立されている法人で、法人格を取得する手段が民法第三十四条によることに限られたため、公益法人となっている業界団体等に関しては、真にやむを得ない事項については、法人に関する抜本的法改革を待って対応することとする。」ということでございまして、「それまでの間は、所管官庁においては、当該業界関係者又は所管する官庁の出身者以外の者を、可及的速やかに監事とする」ということにされておりまして、そういう意味合いで言いますと、互助会の監事についてはその規定どおり措置されておるというふうに考えております。


○山下栄一君 万やむを得ないから経過措置の範囲内だと、こういうふうに認識されて、これはだから努力しないということでしょうか、結論は。


○説明員(安岡裕幸君) 我々は閣議決定に向かってその趣旨に即して進めていくわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、基本的な抜本的法改正を待って対応をするということでございまして、それまでの間はまず監事でもって公平さを担保する、こういう格好になっていますので、差し向き監事を所要の措置をいたしておるわけでございまして、将来的にはこの閣議決定の趣旨に沿って考えていくというのが方向でございます。


○山下栄一君 じゃ、だから抜本的改革までは仕方がないと。
 次に、その仕方がない間は、所管官庁においては、郵政省においては、当該業界関係者または所管する官庁の出身者以外の者を可及的速やかに監事としなさい、やむを得ないのかしらぬけれども、監事だけは官庁の者以外にしなさいよというふうに書いてあるわけだけれども、その監事の方は一人が郵政OBの方で、もう一人は全逓の方だと、こうなっているわけですね。そういうことですよね。だから、これは全然閣議決定に、これこそまた違反していると私は認識しますけれども、どうでしょうか。


○説明員(安岡裕幸君) ただいま監事二名とも郵政省の出身者でないかというお尋ねでございますけれども、申し上げたように郵政省OBが一人で、それから全逓の出身者が一人ということで、私どもとしては全逓の方は省の出身ではないというふうに思うわけでございますけれども。ただ、郵政省で明快に説明できる立場でございませんで、私どもとしてはここで言う「所管する官庁の出身者」というのは、本省の課長相当職以上経験者と解釈をするということで関係の部門から聞いております。
 いずれにいたしましても、その閣議決定の中身をよく吟味して、それに沿うように努めてまいりたいというふうに思っております。


○山下栄一君 中身の精神が大事だと思うんですけれども、逆の方から中身の精神の空洞化を図るようなことをされているというふうに私は思うわけです。だから、郵政互助会の場合は、設立当時の状況から考えて公益法人に関するルールがなかったからやむを得ない面があるだろう。しかし、それであっても監査ですね、監査する人、監事というのですか、これは所轄する官庁の者以外の人にしなさいと言っているのに、一人はOBで一人がやはり郵政の関係の組合の方だったら、これは閣議決定の精神に全然合わないと私は思います。大臣、どうでしょうか。


○国務大臣(堀之内久男君) ただいまの役員の選任の問題について、先ほどからお尋ねがございますが、先ほど事務当局から答弁申し上げましたように、まだ解釈の違いもあるようであります。いずれにいたしましても、この郵政互助会の立て直しにつきましては、先ほど先生から御指摘をいただきましたが、今後一層公益事業の充実拡大、こういうことに努めながら、そしてまた弘信商事問題で大きな損害をこうむった後でありますので、これの立て直し、そして改善に引き続き努力するよう強く指導してまいりたいと思っておる次第でございます。
 いずれにいたしましても、この互助会が国民と郵便職員の期待にこたえられる郵政互助会となるよう今後発力していく所存でございます。


○山下栄一君 大臣、だから職員の方が不信を抱いているわけですよ、本当に。これはもう先ほど申し上げたとおりでございます。ノンバンクの問題も、損失六百億を抱える、郵政互助会の年間予算の一・五倍ぐらいの損失を抱え込んでいるわけです。退職金をちゃんともらえるのかなというふうな、それは心配のないように処置されているとは思いますけれども、そういう信頼をかち取っていくという観点であるならば、この公益法人の設立許可及び指導監督基準というのは、圧倒的な国民の行政に対する不信感を払拭しようとしてこういう公益法人の監督基準を二カ月前に、選挙の前に決定されたばかりのはずですから、これの精神にやはり少しでも近づける努力をしないと職員の方の不信感は払拭できないと私は思います。
 次に移ります。
 本決算委員会でも私が取り上げた問題でございますけれども、文部大臣にお聞きいたします。
 国体の件なんですけれども、国民体育大会、これは日本体育協会の方で開催基準要綱というのをつくっておりまして、その中の参加資格ですけれども、外国籍の方でもできるだけ参加できるように配慮していこうという流れが数年前から始まっておる。特に昨年ですか、ことし開催の広島、来年開催の大阪、再来年開催の神奈川、三県の知事さんが一緒に国籍条項の見直し、外国籍の方もできるだけ参加していただけるような形の見直しをお願いしたいという要望を文部大臣に直接おっしゃっておるわけでございますが、まず体協小委員会における検討状況、いろいろさまざまな議論の中で前向きに検討されているとお聞きしておりますので、簡潔にその御報告をお願いします。


○国務大臣(小杉隆君) 従来、国体の参加資格は、日本体協の規則によりまして日本国籍を有する者ということで決められておりました。ただ、例外的に学校教育法第一条の学校に在籍する外国人については認めてきたところでありますが、今回、体協の小委員会におきましてこの枠をさらに広げて、今まで参加を認められてきた外国籍の学生、生徒については卒業後も社会人になっても国体に参加できるという方向で取りまとめたと伺っております。私は、こうした取り組みに対しては前向きに評価したいと思っております。


○山下栄一君 大臣みずから前向きに評価したいという御答弁をいただいたわけでございますけれども、国体というのは主催はもともとは日本体育協会だったんでしょうけれども、現在は地元開催県も主催者である、さらに文部省ももちろん主催者である。こういう三者共同主催の国民的行事である、こういうことになると思うんです。
 それで、私は大臣から今御答弁ありました今回の体協小委員会における検討事項も本当に評価したいと思うわけでございます。この学校教育法の一条校の生徒が国体に参加した、社会へ出てから参加できない、そういう事態は解消しようという今回の案であるということでございまして、それは前向きに評価したいというお話があったわけでございます。
 また、地元開催県も主催者の中心であるわけでございまして、その地元開催県からは、社会人の参加なんですけれども、今回の検討内容に加えまして、一定居住年限の、例えば十年以上日本にお住まいの方については、地域の住民として税金も払っておるというふうな状況の中で、地元開催県も参加の中心であるということから考えましても、そういう地元の要望も私は合理的なのではないか、このように思うわけでございますけれども、このことについての大臣のお考えをお聞きしたい、このように思います。


○国務大臣(小杉隆君) 国体の歴史的な経過を調べてみますと、終戦直後の昭和二十一年に、広くスポーツを国民の間に普及させ、そして地方のスポーツや文化を交流させよう、こういう目的でスタートしたと承知しております。
 そういうことから日本国籍を有する者というふうに限定をしてきたわけですが、最近における日本の国際化あるいは外国人が大変ふえてきた、あるいはまたスポーツというのは世界共通の文化であるという観点からできるだけ門戸を広げよう、こういう方向をたどってきたと思います。そういう観点からいたしますと、今回、一定の条件つきながら社会人、卒業生にも認めたということは一歩前進だと思っております。
 先生が言われるように、いろいろまた他のことも考えよということですが、これは今の段階で云々することはちょっと差し控えたいと思いますが、基本姿勢としてはできるだけ門戸を広くしていく、オープンにしていく、そういう構えでこれからも取り組んでいきたいと思っております。


○山下栄一君 どうもありがとうございます。
 最後に、青少年の薬物汚染の問題でございますけれども、これは今、大変大きな問題になってきていると私は思います。特に教室、学校、校舎内、そこで薬物汚染が広がっておる、麻薬、覚せい剤、これが非常に広がっているという実態があるわけでございまして、これはもう本当に深刻な問題であろうと思うんです。
 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、実情についての御報告、警察の方も来ていただいているんですけれども報告いただけませんけれども、実はさっき昼間のニュースで、東京の八王子市、国立市の方で高校生が覚せい剤で補導、逮捕された。高校生を含む七人、女子高校生二人、男子高校生二人、無職の青年三人、ほかに三十人の未成年の方がかかわっておった。仲間の家で覚せい剤を使って、これは仲間同士で販売していた。外国人の方から購入し携帯電話を使ってそれを転売してというふうなことでございます。やせたいと思って軽い気持ちで使いましたというふうにある女生徒は言っていたということです。
 本年一月から十月、未成年千百六十九人、うち高校生が百六十七人。二十年間で過去最悪の事態である。総理府の最近の世論調査によりましても、一般の親御さんがもう大変心配されておるという実情がございます。ことしの三月には千葉県松戸市で小学校六年生の児童が覚せい剤で補導されたと、こんなのはもう氷山の一角だと私は思うわけです、こういうふうに上に上がってきているのは。
 だから、大人も大分深刻になってきておりますけれども、子供の世界というか小学生、中学生の世界ではもう全国に大変な勢いで蔓延しているのではないかというふうに私は憂えるわけでございますけれども、これに対する大臣の御認識をお伺いしたいと思います。


○国務大臣(小杉隆君) 御指摘のとおり、薬物乱用の問題は青少年にとって非常に憂慮すべき問題であると受けとめております。
 政府におきましては、総理府に薬物乱用対策推進本部というのを設けまして関係機関、団体と連携して強力に進めておりますし、また青少年対策を総合的効果的に進めるために関係省庁の局長クラスで青少年対策推進会議というものが設置されておりまして、ことしの七月に青少年対策推進要綱を定めまして、深刻な状況となっている覚せい剤等の薬物乱用問題について家庭、学校、関係機関、団体等の地域社会が一体となって取り組みを行うという考えのもとに関連施策を一層充実させようということに取り組んでおります。
 文部省といたしましても、関係省庁と連携をして、これからも施策の一層の充実を図って青少年の薬物乱用の防止に取り組んでいきたいと思っております。


○山下栄一君 大臣、これは私、啓発も大事だと思うんです。パンフレットとかをつくり、ピデオもつくられている。総理府でもつくり、厚生省でもつくり、麻薬・覚せい剤乱用防止センターと言われる警察、厚生所管のところではもう大変な啓発活動をやっている。文部省としても教師用教材をつくり、千三百億だったか来年度予算ではビデオもつくる、そういうことをやっているんですけれども、連携が問題なんです。
 麻薬防止センターでは一生懸命考え、たくさんのビデオをつくっているわけですよ。その中には文部省の体育局の方も参加している。ところが、今おっしゃった薬物乱用対策推進本部というのは、官房長官中心の、各省局長クラスなんだけれども、官房長官は一回も出席されたことがない。局長も参加されているのかどうかは非常に疑問だ、課長レベルの会合になってしまっているのではないか。この薬物乱用対策推進本部に参加されるのは初中局長、生涯局長なんですよ。ところが、もちろんそこでもやっておられるんですけれども、体育局の方も非常に熱心にやっておられるのに参加されない、推進本部の中のメンバーになっていないということもある。
 それから、きょうは御答弁いただく予定だったんですが時間があれですけれども、警察の生活安全局でプロジェクトをつくって一生懸命、どうしたら早くこの実態を乗り越えられるかということで、中学、高校においては適切な指導書がないから効果的な薬物乱用防止教育の実施は困難だ、小学校においてほとんど実施されていないと、こういう提言がされておるわけですよ。適切な指導書がない、指導書はつくられているんですけれども適切じゃないということだと思うんです。警察の方ではそういう提言があるわけですよね。
 文部省でも三つの局の連携、そして政府全体でも、総理府、総務庁でも青少年対策で頑張っている。厚生省、警察庁。それで、民間レベルでは、法務省の保護司の方とか、それから厚生関係では民生委員とか児童委員とか、警察関係では防犯協会とか、さまざまな組織がある。それを有機的に使っていけばもうちょっと効果的なものができる。そのためには、民間レベル、草の根レベルでの取り組みも大事だけれども、これは国際社会の、本年のフランスのサミットでも薬物のことが一項目触れられている、最高首脳の会議の結論として提言の中で。
 そんな中で、私は、閣議というか閣僚会議の中で文部大臣が先頭に立って、教室がもう薬物汚染されている、小学生まで補導されているという大変な実情の中で、国を挙げて取り組む。こんなものと言うと怒られますけれども、課長さんのレベルではなくてもっと、あえて言えば局長さんのレベルじゃなくて閣僚レベルでこれは、サミットでも確認されておることでもございますので、大臣が音頭をとっていただいて、日本国の将来を託する子供たちが大変な事態にならないようにぜひ真剣な、深刻なお取り組みをお願いしたい。
 最後に御答弁をいただきたいと思います。


○国務大臣(小杉隆君) 文部省としてやるべきことはしっかりやると同時に、これは政府全体で取り組むべき課題であるという受けとめ方をして、今後真剣に取り組んでいきたいと思います。

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