139国会 決算委員会会議録 1996年12月26日
○山下栄一君 平成会の山下でございます。
今も円先生の方からお話がございましたが、大変緊迫した状況の中で御心労の日々を過ごされております外務大臣でございますけれども、私も一、二質問させていただきたいと思うわけでございます。
今もお話にございましたが、現地において日本政府を代表して即座のしかるべき判断ができる、そういう政治家の役割が非常に求められている、それが何となく影が薄いというふうになってしまっているという、今も山崎さんの方からお話があったわけでございます。もちろん今回の事件はペルー国内における事件であるわけでございますけれども、事件が起こったその場所は日本の主権下にあるところであるということで、今回の事件に対しまして橋本総理は即座に対応されて外務大臣を派遣されたわけでございます。
そこで、ペルー政府と緊密な連携をとりつつという今お話にあったわけでございますが、途中でお帰りになった。今現在、現地における日本政府を代表する立場の方は官僚である中南米局長である、現地対策本部長といいますかね、このことが今大きく問われているのではないかな、このように思うわけでございます。危機管理という観点から非常に素早い対応をされたけれども、何か中途半端に終わってしまった状況が現在なのではないか。
したがいまして、非常緊急事態が起こったときに即座にペルー政府も日本の政府の対応を求めるということが予想されるわけでございますが、そういうしかるべき判断、即座に決断のできる外務大臣並びにそれに相応する方が常駐しておらないと万全を期した対応はできないのではないか、こういう不安が私は国民にもあるのではないかな、現地の方々にもあるのではないかな、このように思うわけでございますが、このことに対する外務大臣の御所見をお願いしたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) 先ほども山崎委員に御答弁申し上げましたように、我が国としてはペルー政府と緊密な連携のもとに何としてもこの事件を平和裏に、そして人質の全員解放ということを実現したい、こう思っております。
そして、現地の体制が不十分ではないかという御指摘でございますが、私ども、先ほど申しましたように、壊滅状態になった大使館の機能というものを回復しながら、さらに対策本部を立ち上げていくということで、外務本省から、また近隣公館から、さらには関係の省庁等々の御協力も得ながら整備を進めてまいりまして、現在の時点で五十名くらいの体制、そうして現地の対策本部長には中南米局長を当たらせております。それからさらに、中南米の事情に詳しく、またフジモリ大統領とも従来から格別の親密な御関係をお持ちになっております寺田駐メキシコ大使に現地対策本部の顧問という形で現地にいてもらっておるわけでございます。
そういった体制で、今、この事件の早期の解決のために、また人質になっておられる方の関係者の方々のいろいろな御要請、ニーズにこたえるために遺漏なきを期しておるわけでございまして、私どもはこの体制で御批判を受けるようなことにならないように努めてまいりたいと思います。
なお、東京におきましても、御承知のとおり、外務省におきましては、この事件が起こりましたその日に外務事務次官を本部長といたします対策本部を設置いたしまして、自来、今日まで二十四時間体制、交代制でずっと対応しておりますし、また、政府全体といたしましては、橋本総理を本部長にしまして関係閣僚から成る対策本部をつくって遺漏なきを期しているわけでございます。そして、このような国内における、東京における体制と現地における体制との間の連携も、二十四時間常にとれる形になっておるだけではなくて、現に連携をとりながら対応しております。
そういうことで、私どもは御指摘のような問題が起こらないようにこれからも注意してまいりたいと思います。
なお、私がフジモリ大統領と二度目にお目にかかりましたときには、そういうふうな我が方の体制についてもお話し申し上げながら、現地に対策本部長、中南米局長がおりますし、それから寺田大使がそういう役割を果たしておられますので、こういった方々から大統領あるいはペルーの政府に協議をしたい、いろいろ御相談したいという要請を申し上げたときには、それに即座に応じていただくよう特に私からお願い申し上げまして、ペルー政府からもそれを快諾いただいておりまして、その後も現実に現地で密接な連携協議のもとに事に当たっている次第でございます。
そういったことでございますので、一番大切な目的は、何とか平和裏に人質に置かれた方々の御無事な全面解放を実現するということでございますので、現地における例えば政治家の影が、あるいは姿が見える見えないということではなくて、事態をいかに解決に持っていくか、そういう観点から政府としても全力でこれからも取り組んでまいりますので、どうぞ御理解のほどを賜りたいと存じます。
○山下栄一君 姿が見えるとかと言っておるのではなくて、政治家たるべき外務大臣、またそれに相当する方が現場で指揮をとるという状況があるのではないかということを申し上げたわけでございます。
きょうの午前中の答弁でも、また今の答弁でも、外務大臣の方から、我が政府の基本方針といたしまして、人命尊重、そして平和的解決、これを何よりも最優先するんだという、このメッセージは繰り返し日本政府の方針として表明されておるわけでございます。もう一方の、これは総理も繰り返しおっしゃっているんですけれども、そのメッセージが余り伝わっておらないのではないか、国際社会において、また対ゲリラ側に対して。それは、やはり国際社会におけるテロに対する断固たる対応といいますか、屈しない、戦うということが本年度のサミットでも確認されておる。この観点から、日本のメッセージが弱いのではないかと私は思うわけでございます。
今回の事件がまた後の方に繰り返し起こることのないようにするためにも、そういうもう一面の方の国際社会で繰り返し確認をされておりますテロに対する対応、屈しないまた譲歩しないというその強いアピールを、政府として、今申し上げましたようにゲリラ側に対し、また国際社会において日本の政府のもう一方の考え方といいますか、これも私、基本方針の一つであるべきだと思うわけでございますけれども、これを外務大臣また首相の方からやるべきではないか、このように思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(池田行彦君) もとよりテロというものは断じて認めることはできないわけでございますし、そこのところは国際社会全般としてもまた日本政府としてもきちんと踏まえてこれの対応をしておるわけでございます。
そういった意味では、フジモリ・ペルー大統領がテレビ、ラジオを通じて国民への訴えかけということで出されたメッセージ、これがペルー政府としての今回の事態に対する基本的な考え方を示しておるわけでございまして、それにつきまして、日本政府としてもそのペルー政府の対応、対処ぶりを支持するということを直ちに表明させていただいたわけでございます。
その中におきましても、平和裏に人質全員の解放を図るために、人質状態に置かれたあらゆる方々の即時の釈放を求めながら、そのために必要ないろいろな配慮はするにやぶさかでないということを明らかにしながら、一方において、テロの要求している、既に収監されているメンバーの仲間の釈放とかその他のMRTA側の要求に対しては、これを受け入れることはできないということを明らかにしておられるわけでございます。そのような、一方における平和解決、人質の即時釈放を求めながら、他方でMRTA側の要求に対しては、これを受け入れることはできないという内容のフジモリ大統領の姿勢というものを全体として我が国は支持しておるということでも、委員御指摘のようなテロリズムに対する基本的な対応の仕方について疑問の点はないというふうに御理解いただきたいと思います。
○山下栄一君 ペルー・フジモリ大統領のゲリラ側に対する強い姿勢は声明で発表されているわけですけれども、日本独自としてのそれはちょっと私は弱いように感じるので、テロ行為に対する日本政府の断固たる態度、それはやはり発信しておかないと私は後に大きな影響を与えるのではないかという懸念がございますので、質問申し上げました。
もう一点。つい昨日ですか、ウルグアイの国内でMRTAのメンバー二人がウルグアイ国内で判決を受けて釈放された、その後に要するに大使館内のウルグアイ大使が解放されたというふうなことがございまして、これに対してペルー政府もウルグアイ政府に対して非常に強い抗議の姿勢を示したというようなことを聞いているわけでございます。
きょうも午前中、関係各国と緊密な連携をとりながらというふうなことをおっしゃっておったわけでございまして、東京においても現地においてもまた各国に対してもというふうなことがあったわけでございますけれども、今回のこのウルグアイ政府のことに対しまして日本の政府として何か抗議の対応をされる用意があるかどうかをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(池田行彦君) ウルグアイにおきましてMRTAのメンバーがその裁判の結果釈放された、時間的にそれから間もなく人質状態にあったウルグアイの駐ペルー大使が解放されたと、こういうことがございました。その関係につきましては、ウルグアイ政府はこれは関係はないんだということを言っておられる、いろいろな説明をしておられるようでございますし、私どもとしても事実関係が果たしてどういうことであったのか、そこのところはつまびらかにしないところでございます。
しかしながら、結果においてこういうことがあったために今回の事件に対する対処といいましょうか、事件解決のための努力を難しくしたあるいは難しくなった、そのことは否定できない、かように考えております。そういったこともございますので、我が国としても、ペルーあるいは関係国におかれましても、今回の事態に対する対応、対処というのは慎重の上にも慎重に配慮しながらやっていかなくちゃいけないと考えている次第でございます。
そういった意味でこれまでも、午前中にも申し上げましたけれども、東京においてあるいはそれぞれの任国においてあるいはペルーの現地において、関係の国々に対しまして、日本の考え方そしてペルーの対応ぶりについての我が方の理解も話をしながら、適切な対応をお互いにしていこうという話をしていたわけでございまして、全体として見ればそういった我が国の努力はそれなりに効果を示していると思います。
御承知のとおり、早い段階におきましては事情がよくわからないということ、あるいはペルー政府がどういうふうに対応しようとしておられるか必ずしも明らかでないということもありまして、ある意味での疑心暗鬼と申しましょうか、そういったことで、各国においてそれぞれ独自の対応の仕方についての考え方が出てくるような可能性もあったわけでございますが、その後、ペルー政府の対応が基本的にしっかりしているんだということが明らかになってきた。そういったことが明らかになるについては我が国の努力もあったわけでございますが、そういったことで、全体としてはこれまで比較的慎重な配慮をしながらの対応を国際社会全体がしておるんだと思います。
そういった中で、ウルグアイの今回の出来事というものが、先ほど申しましたように少なくとも結果において事態への対処を難しくしたという点があると、この点は将来に向かっていろいろ考えていかなくちゃいけない、こう思いますので、我が国としても、先ほど申しましたようないろいろな機会、場あるいはチャンネルを通じて適切に対処してまいりたい、こう思っております。
○山下栄一君 今もちょっとお触れになりましたけれども、やっぱり協力体制、緊密な連携は大丈夫かなということの一端をちょっと今回のことがあらわしたのじゃないかと思います。
いずれにしましても、今回のペルー事件、日本の主権下にある場所が今現在も国際社会の大きな注目を集めている。日本の政府の対応をかたずをのんで見守っているという現実が私はあると思いますので、大変な御心労、御苦労があるわけでございますけれども、所期の目的を達成されますようにどうぞ御努力をお願い申し上げたい、このように思うわけでございます。
続いて、平成六年度の会計検査院の指摘事項につきまして御質問したいと思うわけでございます。
これは国保組合員、特に全国土木建築国保といいますか、国民健康保険組合員の厚生年金保険適用漏れ、こういうことで検査院の指摘を受けているわけでございます。
これが大変な金額になっておりまして、健康保険、厚生年金保険の徴収不足というのが平成六年度の検査院の全体の中で半分を占める百十三億、そのうちの半分が全国土木にかかわる金額である。こういうことで、これは検査院が非常に力を入れて本格的に取り組んだ件ではないかなと思うわけでございます。
これについて、私は厚生省の責任が大変重たいのではないか、このように感じておるわけでございますが、各都道府県の社会保険事務所の事務能力を疑われるようなそういう事件なわけでございますが、なぜこのようなことが、それもつい最近起こったのではなくて昭和五十九年以来十年以上にわたって続いておったということになるわけでございますけれども、これはもう大変な責任問題ではないかなというふうに思うわけでございます。
この原因は一体どのようにお考えなのか、社会保険庁に端的にお聞きしたいと思います。
○説明員(真野章君) お答えをいたします。
御指摘のとおり、全国土木の事業所のいわゆる第二種の組合員が厚生年金の適用を受けていなかったということでございます。これにつきまして端的に申し上げますと、事業主に対する私どもの制度に関する周知の指導が十分でなかった、また、全国土木からの手続に対します社会保険事務所における適用除外申請のチェックが十分行われていなかったということであろうかと思っております。
○山下栄一君 今も部長さんから御指摘ございました。私も、この適用除外の申請を承認した、ここに一番の原因がある、このように思うわけでございます。
日雇い労働の方でも常用的に雇用されている方については厚生年金保険の適用対象になる、そういうことが昭和五十九年以来確認されておるわけでございますが、これが常用的に雇用されながら日雇い労働者のままで扱われてしまった。この原因がいわゆる国保組合員の中で日雇い労働の方については日雇い労働者特例健保、この適用ではないんだという適用除外の申請承認を社会保険庁が行う。また一方、いわゆるサラリーマンも含めまして常用的雇用といいますか、そういう方々については一般健康保険組合ではなくて国保組合員対象になるから一般健保の適用除外の承認を社会保険庁がやるわけでございます。
要するに、常用的に雇用されながら日雇い労働者のまま扱われていた、この原因がいわゆる日雇い特例健保、この適用除外の申請を承認してしまった、ここに一番の問題があると私は思うわけでございます。承認されてしまったから事業主の方も、このメンバーは常用的雇用だけれども日雇い労働者の扱いにしていいんだということで雇用保険の資格取得申請を出さなかった、その原因をつくったのは社会保険庁である、こういうことだと思うんです。
それで、こういう日雇い労働者の中で常用的雇用をされていた方々、これは第一種組合員扱いになるという、これは具体的に全国土木の中で何人いらっしゃったのか、人数を教えていただきたい。
○説明員(真野章君) 本来という数字はなかなかはっきりいたしませんが、平成六年当時、第二種の全国土木の組合員が四万四千人おりまして、私ども、今回会計検査院の指摘を受けまして、各事業所に対しまして社会保険職員が出向きまして指導いたしました結果、平成七年度末には一千人になったということでございますので、四万三千人ほど職種が違っていたという結果になっております。
○山下栄一君 だから、常用雇用者といいますか正社員といいますか、そういう第一種組合員が約三十万人、日雇い労働者の方々が四万四千、その四万四千のうちの大半が、今千人とおっしゃっていましたが、それ以外の四万四千人中四万三千人が常用的雇用であった、その方々が年金保険の資格取得届を出していなかった、こういうことから適用漏れになったわけでございます。これがもう延々と十一年間続いておった、会計検査院の指摘でやっとわかったと。
この原因は、先ほど申し上げた日雇い特例健保適用除外対象者、いわゆる国保組合における日雇い労働者、これが日雇い特例健保の適用除外を受けて国保組合員の対象になるんだということを認めたと。このときに社会保険事務所は、会社における雇用関係が常用か否かということを十分審査することのできる資料、賃金台帳とか雇用契約書もお持ちであるのに、それの確認を怠ってこの申請を承認してしまったと。この承認によって事業主は厚生年金保険の資格取得届を出さなかった、こういうことが一番大きな原因であると先ほど申しましたけれども、このことについてお認めになりますか。
○説明員(真野章君) その適用除外申請は事業主から全国土木組合の組合員であるという証明をいただきまして私ども社会保険事務所に提出されるわけでございまして、その際に第二種の被保険者であるということでお届けをいただきましたので、私どもとしてはそれを信頼して承認をしているということでございます。
○山下栄一君 ということは、全国土木に責任がある、こういうことですか。
○説明員(真野章君) もちろん、全国土木にだけ責任があるというふうに申し上げておるわけではございませんで、実態として事業主に対する常用の労働者であるということであれば、二種ではなくて一種であるということを五十九年に私ども通知を出しております。それの周知を私どもとして十分個々の事業主にきちっと徹底したということが言えないということも問題であることは間違いございません。
○山下栄一君 わかりました。
じゃ、全国土木にも責任があるし、社会保険庁にも責任がある、こういうことであるわけでございますが、厚生大臣にちょっとこの件についてお伺いしたいわけでございます。
この日雇い労働者の大半が常用的に雇用されていた、若干名がまさに本来の日雇い労働者であったということであるわけで、この確認を社会保険庁が怠ったということでございます。
このために全国土木、これは健康保険の国保組合であるわけでございますが、この扱いを間違うと補助金の額が変わってくるわけです。この全国土木国保組合に対する厚生省から、国からの補助金が二百五十億あるわけでございますけれども、今回の扱いを誤ったために、平成七年度の検査院の指摘によると、五、六年度で約六億、これは検査院が調べた範囲内だけのものですから、二十数億になるんじゃないかと、年間の不正受給です。だから、これが十何年間になると大変な金額になるわけでございますが、そこまで言いませんけれども、例えば平成六年度における年間の本来補助をすべきでない補助金をどれだけ補助していたのか、金額わかりますか。
○説明員(高木俊明君) 平成七年度の検査院の決算検査報告で指摘されておりますのがトータルで六億五千九百五十七万三千円でございます。
○山下栄一君 それは今言いました。それはわかっています。
それは検査院が指摘した、検査院というのは悉皆調査をやっていないわけだから、一部の中でわかった、二年間における不正受給が約六億数千万だったと。だけれども、それは厚生省が国の補助金を渡しているわけだから、全国土木というのは、理事長は元厚生事務次官なわけですし、専務理事も厚生省の天下りになっているわけだから、これはまた大変大きな問題になりかねない、非常にまた不信感を抱く話なんです。だから、平成六年度において検査院から指摘を受けているわけだから、それに伴って余分の補助金をどのように渡していたのかということは調査していて当然だと。
先ほどもおっしゃったように、検査院が検査した以外の事業主に対しても、厚生省は、社会保険庁はと言ってもいいですけれども、約四万四千のうち大半の人が常用的雇用者だったんだということは調べられてわかったんでしょうけれども、その調べる過程で補助金もわかっているはずなんです。検査院の指摘でわかっているんですけれども、要するに大半の方が雇用労働者であった。日雇い労働者のままだったので補助金を置いているわけですけれども、日雇い労働者の本人に対して、また家族に対して。それはどれだけの金額なのかというのはわかっていないんでしょうか。わからないのはおかしいでしょう、これは。
○説明員(高木俊明君) 私どもが調べた額につきましては、データ等の関係もございますけれども、ただいま申し上げましたような過去二年分について調べた金額でございます。
○山下栄一君 平成六年度は、厚生省の調べでどれだけの金額が余分に、公益法人である健保組合の全国土木に余分に払っていたのを返してもらわなきゃいかぬわけですから、その金額はわかっているのかわかっていないのかということ、どちらか答えてください。
○説明員(高木俊明君) 今申し上げました六億五千九百万余の中身でありますが、平成五年度が......
○山下栄一君 そんなことは聞いていない、総額何ぼだと聞いている。六億というのは検査院が指摘したものだから。
○委員長(野沢太三君) 山下君、まず聞いてからにしてください。
○説明員(高木俊明君) 先ほど申し上げましたように、私どももチェックをいたしましたけれども、平成五年、六年、二カ年につきましてチェックしたものが先ほど申し上げた額に相当するわけでございます。
○山下栄一君 それは絶対おかしい。病院で診療を受けたときに国から三二%補助されているわけだから、四万三千人プラスその家族の分、その金額はわかるでしょう。それは要するに明確になつていないということなんですね。
○説明員(高木俊明君) 先ほど運営部長が御答弁しました四万数千人があたかも何か全体が間違っていたかのごとき印象を与えたとすれば、ここは訂正させていただく必要がありまして、先ほど申し上げました七年度末の人数が千人ということでありますが、その差の四万三千人が全部適用間違いということではありませんで、その間脱退等もございますから、それら等々を除きますと、必ずしも四万数千人が全部適用を間違っておった、こういうことではないわけでございます。
○山下栄一君 そんなことは聞いていないでしょう、人数は若干誤差があるのかもわからぬけれども。会計検査院が七年度で指摘した金額というのはごく一部なんですよ。調べた範囲内だけでも不正に受給していたということなんです、全国土木が。それはだから全部調べられたんでしょう、社会保険庁は。それに伴ってわかった補助金の不正受給額はわからないのですかと、こういうことを聞いているわけです。金額の話です。人数の話じゃないです。
○説明員(高木俊明君) 先ほどの金額は平成五年度、六年度における全体の数字でございます。
○山下栄一君 全然おかしいよ、それは。
会計検査院が指摘したのは全事業所じゃないわけだから。部分的な指摘なんですよ、五億円か六億数千万というのは。そんなことしっかり勉強してくださいよ。中途半端な間違った答弁しないでください。
だから、それは僕は調べてないというふうに、これはもうすぐ正確な報告書を、平成六年度で結構ですから、どれぐらい年間不正受給があったのか。これは二十数億円と言われているわけです。検査院が指摘したのが全部じゃないわけだから、一部。それを通して社会保険庁は対応して全事業所を調査したんでしょう。その金額を教えろと言っているのにわかってない。それはもう五億、六億の話じゃないんです。
こういう問題があるわけでございまして、だから厚生省のトップが理事長をされている全国土木に対して、公益法人に対して厚生省のお金というか、国のお金が補助金として行っているわけですから、これは大変大きな責任問題であるというふうに私は思うわけです。
と同時に昭和五十九年の日雇い特例、日雇い健康保険廃止に伴う中で、日雇い労働者でも常用的雇用の方については、要するに第一種組合員、常用一般正社員として扱うという、それに伴う今回の問題であるわけでございますから、本来これはきちっと雇用関係を調べれば社会保険庁はわかるはずです。それを関係外の会計検査院が入って初めてわかったというふうな問題であるわけでございますが、これは社会保険庁、厚生省の大変大きな責任である、このように私は考えるわけでございますが、厚生大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(小泉純一郎君) 委員御指摘のように、適用に対する調査確認や指導が確かに十分でなかったと思います。
今後、この適用が適正に行われるよう指導、監督を十分に行っていかなきゃならないと思っております。
○山下栄一君 社会保険庁、一万数千人、地方事務官も含めていらっしゃる。これが検査院の指摘によって十何年間にわたる不正が発覚したと。法改正に伴うきちっとした対応が社会保険事務所でできていなかったということが露呈されたわけでございまして、社会保険庁の、全国の社会保険事務所に至るまで事務能力が疑われる今回の事件であるわけでございます。
冒頭申しましたように、平成六年度検査院が指摘した半額がこれにかかわる、百十三億に上る。全体が二百四十数億ですから、そのうちの半分がこの全国土木にかかわる問題なわけです。この金額は厚生年金保険料の適用漏れの金額ですけれども、それとは別に、今申し上げた補助金も余分に払ってしまっていたという二重の大きな過ちを犯しているわけでございまして、この事務の審査が不十分であったために大変な税金のむだ遣いが行われているということ。一つの件数でこれほど多額の金額というのは会計検査院の指摘始まって以来のことであるという、このことに対する厚生大臣の再度の御答弁をお願いしたいと思うわけです。
厚生省はいつも毎年指摘、金額はちょっと少ないんですけれども、平成六年度、七年度は大変な金額になっているわけでございまして、もう大変な税金のむだ遣いがされておったということに対する厚生大臣の御所見を再度。
○国務大臣(小泉純一郎君) 適用における調査確認、指導が十分に行われていなかったことに対しては全く遺憾に思っております。
今後、適用が適正化されるよう十分指導していきたいと思っております。
○山下栄一君 済みません。ちょっと時間があれですが、労働省に先にお伺いいたします。
平成元年以来指摘を受けていることなんですが、これも検査院の指摘でございます。労災保険診療費、労働災害保険の診療費、これは通常の健康保険とは別に、労働省所管の、労働省が病院に対して支払うというそういう診療費でございますけれども、この地域特別料金、地域特掲料金を解消せないかぬという指摘が平成元年に行われているんですけれども、いまだに県によってはこの地域特掲料金が解消されていないという県がある。これどこの県なんでしょうか。現在いまだに解消すべき地域特別料金を使っているところ、適用している地域、教えてください。
○説明員(伊藤庄平君) 御指摘のございました労災保険の診療費につきましての地域特掲料金でございますが、平成二年に会計検査院より指摘を受けまして、私ども全力を挙げてその解消に努めてきておるところでございますが、当初、二十四労働基準局の管内でそういった地域特掲料金が見られたわけでございますが、私ども関係方面と懸命に調整し解消に努めた結果、現在二十二局において解消がされました。
したがいまして、残り二労働基準局の管内で残っておりますが、そのうち一局、これにつきましては地元医師会との調整が進みまして最終合意が解消に向けてできたところでございます。現在、最終的な詰めを行ってその解消について最終的に固めたいと、こう思っておるところでございます。これは茨城労働基準局の管内でございます。残る一局でございますが、これは東京労働基準局の管内でございますが、解消に向けての交渉を継続しておりまして、現在地元医師会、私ども、東京労働基準局も全力を挙げてこの問題の解決に向けて取り組んでいるところでございます。
○山下栄一君 平成元年に検査院が指摘して以来ずっとこれが続いてきて、いまだに解消していない県が茨城と東京、茨城は解決の方向だと。この最大のネックは何なんでしょうか。簡潔にお願いします。
○説明員(伊藤庄平君) 労災の診療費、労働災害を受けられた労働者に対する治療等でございますので、迅速的確な治療を行う必要があるわけでございますが、この地域特掲料金、過去、診療上の必要から全国一律の基準よりも高い料金が一部入っていたもの等でございまして、その解消に向けて努力しているところでございますが、そういった地元の診療側の皆さんとの調整、合意を得てそういった解消を図っていくということに必死で努めております。
そういったことを行って解消に向けてまいりませんと、診療現場でのいろんな混乱、場合によっては被災者の皆さん方が一時的に診療費を立てかえなくちゃいかぬといったような混乱が出るおそれもございますので、私どもそういったことのないように関係者の理解を必死に得ながら解消に向けて努力を重ねてきたところでございます。
○山下栄一君 労働大臣いらっしゃっていますか。
労災診療費の算定について、昭和五十一年に労働省が全国的な統一基準をつくって料金の設定をやったわけでございますけれども、それが守られていない。これは二十数件あって、徐々に減ってきているわけですけれども、平成元年の指摘なんですね。この問題がいまだに解決していないと、こういうことになっているわけです。だから、もう七年以上この問題が毎年検査院の検査報告に掲載され続けてきているわけです。
これは地元医師会と労働基準局との交渉が、やっぱり地元医師会の特別料金をおろさないということが一番ネックであると感じるわけでございますけれども、こういうことになってくると、一体会計検査院を軽視しておるのか、このようになるというふうに思うわけです。
労働省としては全力を挙げてこれの解消を約束しているわけですけれども、いまだに解決していないということに対しまして、労働大臣、どのような御認識をお持ちか。
○国務大臣(岡野裕君) 私どもの労災保険が負担をすべき労災の診療単価、これが全国的に地域によって差異がある、まことに残念といいますか、ゆゆしい問題だということで、去る昭和三十六年以来、累次にわたって医師会と各県の労働基準局との間で話し合いを進めてきた結果、先生がおっしゃいますような御論議もありましたので、とうとう東京都一都だけが残ったということであります。
しかし、一都道府県といえども大きな問題であることに変わりはありません。今後も一生懸命医師会との話を詰めてまいろう、こういう思いであります。
○山下栄一君 一県というよりも、一番中心の東京の話だからね、これがいまだに言うことを聞かないという。労働省の指導軽視、検査院の指摘軽視と、このようになると思います。
中央省庁と地方自治体の人事交流につきまして、各大臣にお伺いしたいと思うわけでございます。
この問題につきましては、特に地方自治体の出向に関する交流大事について、白川自治大臣が、指定ポストについては私が在任中はもう送らない、こういうふうなことを述べられておるわけでございますけれども、自治省本省から、全国に特別職も含めまして二百四十名になんなんとする方が出向されておるわけでございます。この役職が総務部長、財政課長、こういうあたりを中心といたしまして、副知事とか地方課長、これが指定職となっている。
空出張の不正経理が問題となった自治体、北海道、秋田、宮城、群馬、埼玉、福岡、空出張で大きく取り上げられている県でございますけれども、これはすべて自治省から財政課長として出向している、受け入れている、こういうことでございます。
これは一体どういうことだと。もちろん、予算決算の担当部局との関係はまたあるかもわかりませんけれども、自治省から出向している財政課長がいる県で空出張が起こっているということも大変大きな問題で、これは自治省みずからが責任を感じなきゃいかぬ問題ではないかなと、このようにも思うわけでございます。
また、一番金額的に問題になっております福岡県、これが副知事、財政課が入っている総務部長、財政課長が十五年以上にわたって自治省の官僚によって占有されている、総務部長も二十四年間にわたってずっと。そこで二十数億の空出張が発覚したということでございます。
これは、自治省が県の財政を握っておったにもかかわらずと、こういうような印象を与えかねないわけでございますけれども、これに関しまして自治大臣のお考えをお伺いしたい。
○国務大臣(白川勝彦君) 就任以来あるいはその前からこの話が出ておりまして、私は図らずも自治大臣になりまして、どうして見つかったら返せばいいのと、泥棒して見つかって返して済むのならば、世の中、警察も検察官も裁判所も要らないよと。不正経理ということで問題になっている都道府県等で、返す返すということでみんな話が済んでいるけれども、私にそこのところを教えてくれと、私は逆に自治省に問うておるわけでございます。
これは基本的には、各都道府県において一義的には論議され、そして本当に不正で違法な支出であるならば、それは公務員法に違反することであるから問題になるでしようと。しかしそうではなくて、そういう名目で他の費目に使われたというふうにあるものだからそうなっているんじゃないでしょうかと、こういうような答えが返ってきております。基本的には、これは各地方自治体において、特にそれぞれの議会において論議されるべきことであって、自治省においてこれを調査したりあるいは処分したりする問題ではないということであります。
ただ素朴な疑問、本当に悪いことであって、もしそれが違法なことであり、返せば済むという話ならば、私も法律家の端くれでございますので、どうもそこがわからないと疑問を投げかけているところであります。
さて、その原因が自治省から出向している総務部長あるいは財政課長のもとで起きたのかどうかは私は細かく承知しておりません。それが原因でそうなったのかは私は承知しておりません。
○山下栄一君 よく調査していただきまして、自治省にも責任の一端があるのではないかという私の問題提起でございますので、非常に意欲的な自治大臣に真剣な取り組みをお願いしたいと思うわけでございます。
指定職の出向について見直すべきであるということにつきましては、建設大臣も閣議かどこかちょっとわかりませんけれども同調されたというふうなことをお聞きしておるわけでございますけれども、建設省から自治体への出向というのはもう省庁の中でも一番多いわけですね、数的に。二百四十数名、これは建設省からお聞きした数で二百四十六名ですか。これに対して、反対に県の方から建設省へというのは八人しかいらっしゃらないということになっているわけでございます。建設部長、土木、建築関係の部長職、四十七都道府県中三十八県が建設省の出向で占められている。これは公共事業にかかわるポストというふうにも考えられるわけでございまして、国民に誤解を招く可能性が高いというふうに私は思うわけでございますが、人事交流のあり方について建設大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) まず、委員から誤解を招くというお言葉がありましたが、何が誤解を招くのか、私はちょっと理解しがたい点もあるわけであります。
建設省の職員は、私から見ておりましても極めて見識が高く、非常に技能の優秀な職員が多いわけでありますから、各自治体から建設行政と都道府県としての密接な関係を持ちたいというような一面からの強い要望があることは事実でございます。私は、交流人事が悪いというように断定することはできないと思います。ただ、特定の県の土本部長が常に建設省の交流の部長でないといかぬという、そういう考え方というのも間違いでありまして、それは各自治体の要望等との間で処理をすべき問題であります。
なお、御承知のように逆に都道府県から建設省への出向者がちょっと少ないんです。これも建設省としてはできることであれば、都道府県の職員の方に建設行政の中身をいろいろとお知りいただくという面からも、また都道府県の実態を建設省自体がそういう形で知る機会もふえるというようなことから、ぜひお願いしたいということを言っておるわけでありますが、なかなか花のお江戸に出てきてという気持ちを持つ人も少ないようでございまして、我々はお願いをしておるわけでございますが、実際としては非常に数が少ないということであります。
○山下栄一君 指定職の問題につきまして、きょう出席していただいております農水、運輸また厚生各大臣それぞれ、これは特に埼玉県の方で指定職とも言うべき職が長期にわたる厚生省からの出向で占められていたということもございますので、農水、運輸、厚生各大臣に、自治省と同じように見直す意思がおありかどうか、御見解をそれぞれお伺いしたいと思います。
○国務大臣(白川勝彦君) 私にそのことの質問があると思って来たのでございますが、空出張等の問題にどうかということだったのでございまして、私が最初に言ったことなのでお答えさせていただきたいと思うのでございます。
私は、出向人事のあり方について、特に厚生省の問題が起きてから国会の中で議論されている中で私なりに考えてまいりました。そして、自治省の場合は、大変率としては自治省本省が四百数十名の人数の中で二百四十名近くを出向させているという中で、一番深刻に考えなきゃいけないだろう、こう思ってきたわけでございます。
かつ、自治省は本来地方自治の健全な発展を図ることを任務としており、地方自治体との人事交流も数多く行っているわけだから、率先垂範、隗より始めよということで、私は実は十二月十七日に開かれた参議院の地方行政委員会でいろんな委員からお尋ねを受けるものでございますので、私としてまず答弁をし、そして答弁をした以上は実施をしようと、こういうことで事務当局に指示をしたわけでございます。自治省、そして自治省が置かれている地方自治の健全な発展を担わなきゃならないという立場で、隗より始めよということで私は事務当局に強く指示をし、少なくとも責任を持って実行させるつもりでございます。
自治省がこうしたのだから他の役所はどうかということを私はストレートに言うつもりもありませんが、ただ、自治省としては地方自治の健全な発展を願う立場で、特にあるポストをプロパーのそこの地方自治体の方がやれないというようなことになると、地方自治体全体の公務員の士気にも影響することだということで申し上げ、御理解を賜ったわけでございまして、自治省がこうしたんだからほかの役所はどうだというふうに言われると、置かれている立場も違いますので、どうかその辺のことについてはまた御理解を賜りたいと思います。
○山下栄一君 私が申し上げたのは、もちろん自治大臣のお考えはよくわかっておるわけでございます。それをわかった上で申し上げているわけでございます。
ちょっと時間がなくなってまいりましたので、先ほどの指定職問題について農水、運輸、厚生大臣からお答えいただきますが、官房長官も、人事交流のあり方なんですけれども、国と地方の人事交流というふうな言い方をするのであれば私は対等の関係であるべきだと。何か国が上で地方が下であるという、役職についても国の課長補佐が自治体で課長になるとか、そういうふうな役職における面、人数におきましても先ほど建設省のお話をしましたけれども非常にアンバランスである。
出向の場合は全部自治体が財政というかお給料の人件費は負担するわけでございますし、片一方の国への県からの出向というのは非常に少ないという、これはどこの省庁にも共通した問題でございますので、この辺も見直す必要があるのではないか。これは各省庁というよりも内閣としてこういうことについてのやはり一般概括的な見直しをすべきではないかということについての官房長官の御見解もあわせてお伺いしたい、このように思います。
○国務大臣(梶山静六君) 各省庁それぞれ自治体とのかかわりの度合いが、濃淡というか違いがあることは御承知のとおりであります。ですから、指定職的なことがあっていいかどうかという問題になりますと、特に惰性に流れるということは安易に流れるということで、今までの長いしきたりがある意味で能力、ある意味で惰性、ある意味で慣習というか、そういうもので今までの交流がなされたという側面があることは否定できません。
ですから、これからは必要に応じ、思い新たに、地方と中央、あるいは官民の交流、そういうものが適正になされることの方がむしろお互いに刺激があっていいというその前提に立って今までの惰性を直していきたい、このように考えます。
○国務大臣(藤本孝雄君) 地方へ我々農水省から出向さす問題でございますけれども、これにつきましては指定職的な考え方は持っておりません。農政上の一定の制約がございますから、限られた範囲に出向者が参りますけれども、しかしその場合に相手先の自治体と十分に話し合った上で対応しておりますので、このポストが固定化するというようなことも考えておりません。
○国務大臣(古賀誠君) 運輸省といたしましては、運輸省の出向人事、特に地方の運輸行政の展開の中で空港、港湾等にかかわるいわば専門的な技術を必要とする分野が非常に多いわけでございます。県側の強い要請に従って出向人事を行わせていただいておりますが、今後とも、さらに県の要請を受けた中で、十分協議をしていく中でこれらの問題については研究をしてまいりたいというふうに思っております。
○国務大臣(小泉純一郎君) 厚生省としても、地方と中央との人事交流については、特定のポストを長期間占め続けるというのは望ましいこととは思っておりません。これからは多様な分野で人事交流ができるように、また視野を広げることができるような望ましい形を検討していきたいと思っておる次第であります。
○山下栄一君 どうもありがとうございました。