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国会質問

140国会 環境特別委員会会議録 1997年04月02日

○山下栄一君 平成会の山下です。
 最初に、文部省にお聞きしたいと思います。
 先ほども広中委員の方からお話があったことでございますけれども、南極観測事業、そのことについてお聞きしたいんです。きょうは文部大臣は来られておりませんが、本当は文部大臣に聞きたいんだけれども、環境委員会でございますので。
 いずれにしても、南極についての活動、行動については文部省がやっぱり一番経験豊富であると。もちろんほかの省庁もかかわってきたけれども、文部省がこの統合推進本部の本部長も担当になってこられた。南極観測事業は南極における日本の活動、国家事業と言ってもよい、これは文部省を中心にやってこられた。突然環境庁やれと言われても、そんなのできるのかなというふうなことかと思うんですけれども。

 南極観測事業は、昭和三十年の閣議決定以来今日に至るまで、途中若干の中断もあったようですけれども、三十八次観測隊が帰ってきたと、現在三十九次の準備段階だということだそうですけれども、南極観測事業という国家事業の法的根拠というか根拠規定というか、これは一体どこに求めたらいいのか、お願いします。


○説明員(中西釦治君) 南極地域の観測事業につきましては、今先生御指摘のとおり、昭和三十年の閣議決定に基づいて行われているということでございます。


○山下栄一君 閣議決定に基づいてされている、それしかないと。その割には余りにも事業が、やっぱり国際的な責任もあるし、また人類貢献的な要素もあるし、これは閣議決定で始まったけれども、それで許されるのかなというふうに思うわけでございます。

 この閣議決定というのは、要するに、中身を見ますと、「南極地域観測への参加及び南極地域観測統合推進本部の設置について」ということから始まって、何回か改正されて、平成六年六月にも一部改正されている、途中から環境庁もこの組織の中に入ったと、毎年本部の総会も行われているというふうに聞いておるわけでございます。要するに、学術会議会長から内閣総理大臣あてに国際地球観測年における南極地域観測に日本も参加したいという要請があったので、閣議決定を経た上で始まったと。
 どういう目的で、どういう予算措置で、またほかの省庁の分担はどうだと。観測隊の任務はどういう任務か、定常観測それから研究観測ですか。
 また民間からの参加はどういうふうにするんだ、国際協力についてはどういうふうにやるんだという、そういうきちっとした規定を、基本方針なり基本計画というか、そういうものを私は設けるべきではないかと。そうしないと、こんな閣議決定という事務的な手続でやっていて、四十億のお金使って、そんなので済むのかと。
 だから、スタートはそれでよかったかもわからぬけれども、今こういうさまざまな南極に関する条約もふえて、基本条約は南極条約かもわからないけれども、また今回新しいこの議定書もあり、この南極における国家事業そのものを環境の観点から全部見直そうと、これが一九九一年の議定書の背景だと思うんですよ。だから、そういう観測事業そのものの性格も、環境の観点をわきまえて生活しなさいと。人間がおる限り生活もあるわけだから、ごみも出るし、運搬手段はどうなんだというふうなことも含めて、あるわけですから、やはり閣議決定ではこれはまずいんじゃないのかなと。
 目的も高らかにうたったそういう日本の南極地域における人類貢献計画というか活動についての法律を設けるぐらいでいいのかなとも思うんです。閣議決定で済ましてはいけない、そういう段階に来ているというふうに思うんですけれども、いかがですか。


○説明員(中西釦治君) 今、先生御指摘になったようなことは、毎年度、南極地域の観測統合推進本部で議論されておりまして、その中で行動計画、実施計画という形で決めさせていただいておるわけでございまして、年次計画あるいは五カ年計画を決める上でどうやったらいいかというところをやらせていただいているということでございます。
 法制化を考えたらどうかというようなお話でございますけれども、諸外国の例を見ましても、法律でこのような南極地域の観測事業をやっている国、あるいは法律に基づかないでやっている国、いろいろございます。我々といたしましても、国内の他の研究体制あるいは推進制度、それから諸外国の事例等もいろいろと調査をいたしまして、問題点の把握には努めてまいりたいというふうに考えております。


○山下栄一君 私は、閣議決定という事務的な手続だけでは、国際貢献をかけたこの南極における日本の国家的事業はそういうレベルなのかというふうに見られてしまうと。参加される観測隊のメンバーだって、そういう崇高な目的をうたったそれに基づいて私たちは行動しているんだ、閣議決定という事務的な手続に基づいて我々は行動しているのか、こんな大変な思いをし、大変な訓練を受けてというふうになるのではないかというふうに私は思うんですけれども、問題の指摘にとどめます。大臣来ておられませんからしようがない、統合本部長にお聞きしたがったんですけれども。

 それで、この予算措置も非常に画期的な予算の仕組みでやっているというふうに私は思うんですね。縦割りの予算配分じゃなくて、文部省で一たん受けて、それで建設雀、運輸省、郵政省、防衛庁に配分するという、こういうやり方は非常にいいなと思うんです。それぞれが勝手に各省庁予算を大蔵省に要求するんじゃなくて、一括で文部省が受けて、推進本部が受けてそれで配分すると。

 その中に私は環境庁も入れるべきではないか、国家事業なんだから。観測事業といったら、何か極地研究所が中心かもわからぬけれども、国家的事業なんですから。そういう環境の観点からの監督体制もこれは法律に書いてあるわけですから、お金がないのにどうしてこの法律をきちっとやっていくのかなという物すごい心配があるわけでございます。
 ちょっとついでに、今回のこの法案を受けた平成九年度の環境庁予算、どれぐらいですか。


○政府委員(澤村宏君) 環境庁といたしましては、南極地域の自然環境の保全ということで、例えば南極地域の自然環境保全推進のための事業、これは環境影響評価等の審査委員会の設置等の費用でございます。あるいは南極地域の環境情報のデータベース整備、あるいは南極地域の環境保全に関する普及啓発事業、こういったことの事業予算として二千百万円余を計上しているところでございます。


○山下栄一君 二千百万円のほとんどは、周知徹底のためのパンフレットをつくったり、そういう予算じゃないのかなと僕は思うんです。だから、こういう法律、南極における環境アセスをやる主体は環境庁なわけでしょう。そんなとてもできるような予算じゃないと。
 だから僕は、国家事業として観測事業というのをもっと広げて、もちろん観測事業の予算もあるわけだけれども、国家予算としてきちっと保障するような体制をつくったらどうかなと、こういうことを大臣が閣議なりで提案しないとこの法律はちゃんと実施できないんではないかというふうに思っております。大臣、いかがですか。


○国務大臣(石井道子君) 南極地域における問題につきましては、この法案が成立をすれば、さらに一層環境庁としてもそのかかわり合いを深めながら、予算の獲得にも努めていかなければならないというふうに思っております。これからもどうぞよろしく御支援のほど、お願いいたします。


○山下栄一君 文部省にお聞きしますけれども、この南極観測事業も環境庁長官の確認を受けないかぬと思うんですね、研究活動ですから。そのための南極地域活動計画を作成し、そしてアセスの評価書ですか、それもちゃんと準備しておかなきゃならないと思うんですけれども、その取り組みはいかがですか。


○説明員(中西釦治君) 南極地域観測事業におきましては、平成三年のマドリードにおきます環境保護に関する南極条約議定書が採択された際、先ほど申し上げました統合推進本部におきまして、環境に大きな影響を与える可能性がある研究観測については独自の環境影響評価をもう既に実施してきております。
 本法案が成立することによりまして、南極地域の環境に与える影響が軽微でないものにあっては環境影響評価を実施する必要が出てくるわけでございますが、環境庁とも十分に連絡をとりながら、環境保護に関する議定書及び本法律案を遵守しつつ南極地域の観測事業を実施してまいりたい、このように考えております。


○山下栄一君 もっとわかりやすく言ってほしいんだけれども、南極観測事業を国家事業として行う、その所管の文部省が活動の主宰者として環境庁長官に申請書を提出し、そしてアセスの準備関係の書類も提出するような体制になっている、これでよろしいわけですか。


○説明員(中西釦治君) はい、そのようなことでございます。


○山下栄一君 観測隊の具体的な訓練体制はどうなっておるのか、お聞かせください。


○説明員(中西釦治君) 観測隊の訓練についてでございますけれども、国立極地研究所におきまして、極地の活動に万全を期するため、民間人、他省庁の人々を含めまして、観測隊に参加する予定者を対象といたしまして毎年三月及び六月に各五日間の日程で総合訓練を実施しているところでございます。
 ちなみに申し上げますと、三月は冬期総合訓練という形で、乗鞍の山ろくにおきまして、隊員の候補者を対象とし、極地における行動の基本とサバイバルの技術の習得を目的とした訓練を行っておりますし、また、六月には夏期訓練といたしまして、菅平におきまして隊員決定者を対象といたしました観測、設営計画、それから環境保護及び安全対策等についての訓練を行っているところでございます。なお、この中で当然、環境保護の意義についても訓練が行われているところでございます。


○山下栄一君 だから、四省庁のメンバー、それと民間からの出向者も一緒になって訓練を受ける、それで年間十日間総合訓練を受けるということですね。
 それで、越冬隊、越冬される四十名の方というのは別の訓練があるわけですか、これ以外に。


○説明員(中西釦治君) 越冬隊の訓練もこの中において行われております。


○山下栄一君 わかりました。
 隊員が現地で事故に遭ったり病気になったり、亡くなった方が一人いらっしゃるとお聞きしているんですが、そういうことが今までもあったのではないかと思いますし、それから紫外線の被害、後遺症とかが参加された方でなかったのか。簡単で結構です、お聞かせください。


○説明員(中西釦治君) 従来の観測事業におきましては、基本的には、事故につきましては軽い外傷を負う程度のものがほとんどでございます。
 ただ、御指摘のように死亡事故としては二例ございまして、昭和三十五年の第四次の越冬隊におきまして一名の隊員が遭難して死亡するという事故、それから昭和四十九年の第十五次の「ふじ」の乗組員が氷山のクレバスに転落して死亡したという二例が残念な例としてございます。
 なお、紫外線による被害はないのかという御指摘でございますけれども、実は南極地域におきましては、太陽の高度が低いために本来的に紫外線量は低いというふうになっております。一九九一年から試験的に紫外線量も観測いたしておりますけれども、大体国内のつくばあたりと同じような紫外線量であるという結果になっております。それにつきましても観測を続けまして、事故につながらないような配慮をこれからもしてまいりたいというふうに考えます。


○山下栄一君 午前中の馳委員の質問の中で、廃棄物の処理計画のことなんですが、報告義務はないなんて言っておられたけれども、廃棄物の処理計画も南極における地域活動計画の中に入れないとまずいと思うんです。焼却炉はどんな焼却炉が現地にあって今後どういうふうに改善するのかとか、合併浄化槽もどうするのかとか、それから先ほどは汚水処理施設も新しく考えているという話がありました。こういうのは環境庁長官に提出する活動計画書の中に全部盛り込まなあかん内容なんでしょう、いかがですか。


○説明員(中西釦治君) 南極における環境保護のための改善措置につきましては、当然環境庁といろいろ相談をさせていただきながらやっていきたいと思っております。
 今、先生御指摘になりました焼却装置でございますけれども、実は現在も昭和基地においては可燃物については焼却をいたしております。ただ、この焼却につきましては、平成三年の議定書の趣旨を踏まえまして、平成五年から議定書の基準に合うような二段階焼却炉を設置しているところでございまして、この面での影響はないのではないかというふうに考えております。


○山下栄一君 相談しながらやると言うけれども、相談したらいかぬわけで、チェックを受けると。相談、なれ合いでやってはいかぬわけです、それは。事業官庁と言ったら怒られるけれども、要するに、国家事業を組む文部省が環境庁長官に審査を受けるための手続がこの法律なんでしょう。相談してやるものじゃないと私は思うんです。
 だから、申し上げた廃棄物処理計画も、廃棄物に関する対策をやりますとかいうことも計画書の中に入れないかぬのではないのかと、こういうことを言っているわけです。


○説明員(中西釦治君) 本法律案に従った処理をすることは当然だと思っております。


○山下栄一君 実際は、それは今まで環境庁は全然やったことがないわけですから、現地がどんな状況になっているかとか、そんなことわからぬのにチェックできるかというようなことがあるかもわかりませんけれども、少なくとも法律にのっとってやっていただかなくてはだめだと思うんです。
 それと、三十七次越冬隊は廃棄物を持って帰ったという話だけれども、最近の話ではなくて、それ以前ですね、そういう廃棄物のことを考えて日本に持って帰るなんというようなことをやったことは今まであったんでしょうか。


○説明員(中西釦治君) 先ほど申し上げましたように、議定書は平成三年に採択されております。
 それ以降、平成五年度の三十五次隊から南極の観測隊の中には環境保全隊員を配置いたしまして、可燃物の焼却処理でございますとか不燃物の持ち帰りなどの廃棄物処理をしているところでございます。


○山下栄一君 いずれにしても膨大なごみが、今まで何十年と積もり積もった、雪上車だけでも何十台とあるわけでしょう。クレーン車とか、また建築廃材、建物も昭和基地だけで三十九棟もある。そんな状況の中で、ごみもそのまま残ると思うんですよ。温度が低いわけだから生ごみもそのまま残っているというふうな状況で、今まで埋められ、捨てられしてきたのもあるのではないかと思うわけです。設営工学部門ではそういう廃棄物に対する研究もされてきたということも存じ上げておりますけれども、いずれにしましても膨大なごみを、先ほども馳委員もおっしゃっておりましたが、処理するのに五カ年計画でやるということですけれども、五年で全部終わるんですか。


○説明員(中西釦治君) 現在、基地にございます大型の廃棄物が約五百トンございます。この大型廃棄物五百トンにつきましては五カ年計画で国内に持ち帰りたいという計画でございます。


○山下栄一君 発電量もこの三十年間で十倍になったと。それはいろんな活動、先ほどもインターネットの話もありましたけれども、さまざまな機材も現地に、昭和基地にあるわけで、これは物すごいエネルギーが要ると思うんです。これで環境保全しようと言ったって何の意味もないと思うんですけれども、エネルギー源は何なんですか。急な質問で申しわけない。


○説明員(中西釦治君) 重油でございます。


○山下栄一君 昭和基地に限りますけれども、昭和基地に限って全物資の半分は燃料であると。重油が何百トンかわかりませんけれども、重油でやることについての見直しはどうなんですか。


○説明員(中西釦治君) 現在のところ、ほかの形によるエネルギーというのはちょっとうまい方法が考えられませんので、当分重油を使うことになるのではないかと考えております。


○山下栄一君 南極環境保護法がいよいよ審議されているわけでございまして、だから南極観測事業全体を私は環境庁がしっかり指導せにやいかぬのじゃないかなと思っております。だから、先ほど申し上げたように燃料が重油というのは、詳しくわかりませんけれども、これは環境汚染に貢献する、CO2にもなるわけですし。また例えば焼却施設も、日本が誇る最先端技術の焼却炉にするとか、ダイオキシンなんか一切出てこないとか、ダイオキシンも何かオットセイの中から出てきているそうですけれども、そういうふうなとにかく世界最高の水準の環境配慮で南極観測事業を行うというふうにしないとだめだと思います。いかがですか。


○説明員(中西釦治君) 失礼いたしました。重油と申し上げましたが、実は軽油でございます。大変申しわけございません。
 それで、我々といたしましても、南極の環境に影響を与えないような配慮をこれからも続けてまいりたい、そのための努力はしてまいる所存でございます。


○山下栄一君 野焼きは今もされているんですか。


○説明員(中西釦治君) しておりません。


○山下栄一君 観測ドームふじ、そこで燃料を燃やしているのは、焼却炉で燃やしていないと思うんですよね。そんなのは野焼きと同じと違いますか、ドラム缶で燃やしているという話だけれども。


○説明員(中西釦治君) ドームふじ観測拠点における廃棄物でございますけれども、不燃物それから可燃物等につきましては国内に持ち帰っております。――失礼いたしました。屋外に保管し、今後昭和基地に運びまして処理する予定にしております。


○山下栄一君 ちょっともとへ戻って申しわけない。この南極観測事業の予算なんですけれども、一般会計約四十億、平成八年度。それで、国立学校特別会計で十五億ですか。極地研への予算十八億。それ以外に臨時予算みたいなものは今まで組まれたことはないんでしょうか。


○説明員(中西釦治君) 補正予算等で措置された費用があるというふうに記憶しております。


○山下栄一君 環境庁にちょっとお聞きいたします。
 この法律は、今審議しているんですが、昨年の平成八年度もそういう条約承認、批准手続、そして法案の審査の可能性が強いということで準備されておったというようにお聞きしているわけですが、いずれにしても、この環境庁が南極環境アセスの中心的な役割を果たすための準備をやるために、現地は一体どうなっているのかということの派遣をされたというふうに聞いているんですけれども、それはどういう形で派遣されたのか、準備のための派遣ですね、これをお聞きしたいと思います。


○政府委員(澤村宏君) この現在御議論いただいております法律をまとめるに当たりまして、その準備段階といたしまして南極地域における自然環境の現状とそれから観光利用の状況を把握するという目的から、平成七年末に職員二名を現地に派遣しまして調査を行ったところでございます。なお、この調査は、特に観光利用が集中的に行われている南極半島地域を訪問する日本からの観光ツアーに同行する形で実施をいたしました。


○山下栄一君 準備のために現地をやっぱり体験しておかなきゃならない、見ておかなきゃならないということで行かれたことはいいと思う。昭和基地には行かれていませんよね。


○政府委員(澤村宏君) この法案の準備等の関係というとちょっと言い過ぎになりますが、かつて、昭和四十九年だったと思いますが、職員をして昭和基地の方に滞在させたということがございます。


○山下栄一君 法案準備のためには現地、研究活動の実態というか、これはまあ視察して、観光ツアーで行っているわけじゃないから、それきりにするわけはないと思う。
 この予算、お金はどこから出たんですか。


○政府委員(澤村宏君) これまでの準備等につきましては、通常の経費の中から必要なものを計上して賄ってまいっております。


○山下栄一君 一般会計の中から捻出したということで、そういう理解でいいですか。行った方の報告を見ますと、財団法人環境調査センターの海外研修制度で行ったと、こういう御報告されているんですが、これはじゃ違うわけですね。


○政府委員(澤村宏君) 経費につきましては、一部そういうところの助成をもらって行ったという形になっていると聞いております。


○山下栄一君 環境調査センター、公益法人、ここから全額出て行ったんと違いますか。


○政府委員(澤村宏君) ちょっと訂正させていただきます。
 基本的には、その一名につきましては調査センターの予算を基本として行っているということだそうでございます。


○山下栄一君 だから、それも私は物すごい問題だと思うんですけれども、それぐらい金がないわけですよ、環境庁は。そんな観光ツアーで、これは環境庁所管の公益法人だと思いますけれども、そこからお金を出してもらわないと行けないと。
 そういうこの大事な法律の準備のための派遣も環境庁予算でできないぐらい大変な状況にあるというふうに私は理解したんですよ。
 だから、先ほど冒頭申し上げたように、この観測は文部省を中心にやっているかわからぬけれども、国家事業、環境を保護するための大事な日本の国の人類貢献の活動、それも国家的な活動だから、そういう枠組みをつくって、そこから環境庁予算も措置したらどうかなということを閣議で訴えたらどうだということを私は思う。法律準備のための派遣をそんな民間の財団から金を出してもらわないと行けない、これはものすごく問題だという、きょうはちょっとテーマが違うから言いませんけれども、もう一回、だから環境庁長官、予算厳し過ぎる、これは。どうですか。閣議ででも言ったらどうなのか。


○国務大臣(石井道子君) 山下委員から大変力強い御発言をいただいたわけでございまして、今後もできるだけ環境庁の予算が多くなりますようにいろいろと頑張っていきたいと思います。


○山下栄一君 それで、その観光の話ですけれども、観光によって汚染されるよりもそこにずっとおる人によって汚染される率の方が圧倒的に僕は多いと思うわけです。それで、先ほどの環境庁職員が行かれたツアーの話ですけれども、この報告が、もう本当に立派な報告されているんです、派遣に行かれた方が。
 それで、その前に、日本人の観光客がどれぐらい南極に行かれているかということをきちっと掌握されているんでしょうか。


○政府委員(澤村宏君) 関係の業者等からお伺いしているところでは、昨年のシーズンにおきましては約六百名の方が行ったというふうにお伺いしております。


○山下栄一君 それで、その旅行業者への指導をどこが行うかなんですけれども、運輸省なのか環境庁なのか。今回の法律に基づいて業者がツアーを組むときにも、やっぱり添乗員の方も行かれると思うんですね。添乗員がどんな姿勢でこれに参加されるかによってこれ大分変わると思うんです。したがいまして、業者への指導をしっかりせにゃいかぬと思うんです。これはどちらの省庁がやられるんですか。


○説明員(城石幸治君) この法律が成立いたしますと、この法律に基づく南極地域活動計画の確認等の各種施策については環境庁が行うこととなっておりますので、旅行業者を含む南極地域活動を行う者に対するこの法律実施に当たっての指導等は、第一義的には環境庁の方で行われるものと理解しております。


○山下栄一君 私は、これは環境庁に任せっ放してはだめだと。この業界への指導、また許認可権というのはこれ運輸省が握っていると思うんですね。だから、業者への、特に南極にかかわる、南極の観光にかかわるその計画を組む、企画を組むというか、そういう業者もあると思うんですよ。
 それについてはやっぱり運輸省の方からもきちっとこの法律の精神、中身を指導すべきであると思う。いかがですか。


○説明員(城石幸治君) 旅行業務を行うに当たりましては、国の内外を問わず、各種の法令に基づいて、それに従って旅行の日程を組むとか旅行を行うということが重要でございまして、今回もこの法律が制定されましたならば、私どもとしても、日本旅行業協会を通じまして各旅行業者に対しこの法律をきちんと守っていくよう周知徹底を図ってまいりたいと考えております。


○山下栄一君 しっかりお願いします。
 今まで、現在も含めまして、南極ツアーを企画した日本の旅行業者というのは何社ぐらいあるのか、お願いします。


○説明員(城石幸治君) 先ほど環境庁の方から御答弁がございましたように、昨年は約六百六十五名の日本人の観光客、旅行者の方が行っておりますが、取り扱った会社は三十七社というふうに承知しております。


○山下栄一君 日本のですか。


○説明員(城石幸治君) 日本の旅行業者は三十七社ということでございます。


○山下栄一君 それでよろしいですか、環境庁。


○政府委員(澤村宏君) いわゆる三十七社という数字そのものにつきましては直接的には存じ上げませんが、それらの業者はアメリカ等における観光事業というものにいわゆるパッケージで加わっている、そういった実態ではないかと考えております。


○山下栄一君 だから、ちょっと運輸省と環境庁の見解が違うんですけれどもね。
 僕が申し上げているのは、その旅行を企画した会社は、今度この活動計画を申請して環境庁長官の確認を受けないかぬわけですよ。だから、そういう旅行業者は環境庁はないとおっしゃるわけですね。運輸省はあると。はい、どうぞ。


○説明員(城石幸治君) 先ほど御答弁申し上げました三十七社というのは、日本の旅行業者が主催旅行として組んだものが三十七社あったというものでございまして、実際上は、例えば海外のランドオペレーターなりを使いまして、そちらの行為に人を送るというような格好になっておりますので、日本の旅行会社がすべてを実施するということではなかろうというふうに考えております。


○山下栄一君 ちょっとわからぬな。
 環境庁の職員の方が行かれたのは、アメリカの会社が企画したんですよ。日本の旅行代理店がそれをアレンジして日本のお客さんを募って、成田から飛行機で、アメリカへ行ったのかアルゼンチンに行ったのかわかりませんけれども、アルゼンチンの旅行業者がそれを手配して、ロシアの船を手配してそこに十一カ国八十四名のお客さんを乗せて、氷を砕きながら南極に行くわけですよ。
 だから、職員の方が行かれたのは、アメリカの旅行会社が企画して、日本がそれをアレンジして日本のお客さんを集めて、これは企画したと言えないと思うんですけれどもね。日本の国の旅行業者が企画した南極ツアーというのは今までないのかあるのか、それを聞きたいわけです。それは環境庁はないと言うんだけれども、ないんでしょう。どうなんですか。


○政府委員(澤村宏君) 誤解のないようにもう一回申し上げますと、今回の法律で予定しておるような意味におきます、南極におきます観光事業を主宰するというそういう意味における業者というものはないというふうに理解しております。


○山下栄一君 それもちょっとわからぬのやけれども。
 日本の旅行業者が企画して、それでアルゼンチンの会社に手配をお願いしますわということを言うのは、企画したんだから、それは僕は総合的な計画をつくって環境庁長官の確認を得ないかぬと思うんですよ。そういう理解じゃだめなんですか。


○政府委員(澤村宏君) 現在、この法律において考えられております。その主宰者というものは、例えば砕氷船そのものを持っている、あるいは砕氷船そのものを契約してリースで借りているというようなことをベースといたしまして、具体的に南極地域におきまして観光活動を行う者、そういったものを予定しております。
 したがいまして、今お話出ておりましたような、いわゆる日本国内で南極観光の希望者を募ってそれをそういう事業にパックでもって加わるといったもの、そういったものは考えておりません。


○山下栄一君 それじゃ、私が今申し上げたように、日本の旅行会社が企画して、それは船の手配まではしないと、船の手配は全部アルゼンチン、国際南極旅行業協会に加盟しているそういう業者にお願いした場合、だから、先ほどの例えば日本の国の旅行会社が企画してアルゼンチンの会社に手配を頼んだという場合は今回の確認の対象には入らないということなんですが、そうしたら、アルゼンチンの会社はアルゼンチンの国でその場合受けるということですか、向こうで。


○政府委員(澤村宏君) この議定書は、先ほど来議題になっておりますように、各国がそれぞれの国内法でこの議定書に書いてあることを担保する措置をとるということが前提になっておりますので、例えばアルゼンチンならアルゼンチン、アメリカならアメリカという国におきまして我が国と同様な制度というものができると、そういうことを前提に成り立っているわけでございます。


○山下栄一君 ということは、日本の旅行業者が環境庁長官の確認を受けるようなことはあり得ないと、こういうことですね。


○政府委員(澤村宏君) 繰り返しになりますが、例えば日本の業者が砕氷船を一つのシーズン借り切ると、その中で、何回かそこに南極地域に観光団を連れていくというような業態であるならば、日本のこの法律によって確認を受けなければならないことになります。


○山下栄一君 わかりました。
 それで、この環境庁職員の方がおっしゃっているんですけれども、参加され実際に経験されて、船に乗っている時間が物すごい長いと。その間に環境教育ができるというわけですよ。それで、日本人が参加しておっても、アメリカの旅行会社が企画すると配られる資料が全部英語であると。だから、日本の旅行会社の添乗員がこれを翻訳して、それで研修のできるような体制を一生懸命考えているということだそうなんですね。場合によってはそういうことを考えないで参加する場合も旅行業者によってはあるかもわからないということで、しっかり旅行業者に対する指導が大事だというふうに思うわけです。

 だから、船内の研修が非常に大事であるということを参加された職員の方がおっしゃっておりまして、南極エコツアーというのは、観光気分で最初は行っていたけれども、船内の研修によって南極の地域の役割がいかに大事かということを、研修をしっかり受けて参加することができた。この南極旅行というのは、準備によっては非常に大事な環境に貢献できるツアーになる。だからエコツアーという形で啓蒙すべきだというふうなことをおっしゃっているんですけれども、そういう観点からの日本の旅行業者に対する指導を行うべきであると。いかがですか。


○政府委員(澤村宏君) この法律が施行になりましたならば、新聞、テレビ、ラジオ等、各種広報媒体を使用した普及活動のほか、地方自治体等に対するパンフレットの配付、あるいは南極の環境保護の重要性に関するシンポジウム、そんなことは当然考えていきたいと思いますが、今特に先生から御指摘のございましたように、観光業者に対します説明会の開催、これは運輸省等関係の機関とも相談しながら開催するとともに、特に、船の上におきます環境教育と申しますか、南極地域における環境の重要性というような説明、そういったことは非常に重要でございますので、そういったことにつきましても何らかの形でもってガイドブックをつくる、あるいは業者に対しまして協力をお願いしていく、そんなことをいたしたいと考えております。


○山下栄一君 別のテーマに移ります。ダイオキシンの問題、お願いします。
 ダイオキシン汚染が今大変、先週でしたか、民間テレビ、NHKでもやっておりましたが、非常に不安が広がっているわけです。それで、この未然防止という観点が昨年の大気汚染防止法改正のテーマでもあったと思うんですけれどもね。未然防止の観点から言うと、大気が汚染され、土壌が汚染され、水も汚染されているという実態のさまざまな調査も大事なんですけれども、人体の汚染ですね、人間がどれだけダイオキシンに汚染されているのかという調査をしっかりと取り組まないけないと、このように思うんです。もうそういう段階に来ていると思いますが、厚生省、環境庁、それぞれお考えをお聞かせください。


○説明員(内田康策君) お答えいたします。
 厚生省といたしましてもダイオキシン汚染の問題は重要な問題であるというふうに受けとめているところでございます。したがいまして、関係省庁との連携もございますので、十分に相談してまいりたい、このように思います。


○政府委員(田中健次君) ダイオキシンの汚染の実態でございますが、先般も申し上げましたように、環境庁といたしましては、環境汚染がどうなっているかということで、一般環境調査とそれから発生源の調査をこれまで進めてきたわけでございます。
 それで、環境庁といたしましては、ダイオキシンの健康影響につきまして最新の知見に基づきますリスク評価を行っていくことがまず重要と考えておるところでございます。
 そういうことで、一般環境調査の充実強化あるいは健康影響に関する情報収集に努めまして、有識者の御意見も伺いながら、ダイオキシンの暴露によって人体にどのような影響があるのか、またどの程度の暴露によってどのような人体への影響が生じるのか、こういったことについて調査、検討を進めるということで進めておるところでございます。
 有識者で構成をする検討会におきまして近々取りまとめられる予定の最終報告を踏まえまして、私どもとしてはダイオキシンの排出の抑制対策を進めていきたいと、このように考えております。


○山下栄一君 人体へどのような影響があるかということの調査研究が非常に大事だと思うんですけれども、現在、人間の体にどれだけダイオキシンが入っているのかという、そういう調査をする段階に来ているのではないかなと申し上げているわけです。そういう不安、心配のある地域で、民間レベルで、また研究者のレベルで調査も行われているようでございますが、浴びるほどダイオキシンをかぶらないと調査しないということですか。


○政府委員(田中健次君) 私どもといたしましては、健康影響につきましていろんな世界的な知見も集めて、それによってリスクの評価をしていくということでございまして、人体への健康影響調査というのは、これは科学的に調査をするためにはやはりきちんとした疫学調査をやる必要があるわけでございまして、大変大規模な長期にわたる調査を要するわけでございます。
 こういうことで、現在の時点において果たしてそれをやって明確な結果を得ることが期待できるかどうかと、こういう点もございますし、また疫学調査を実施するに当たってはいろいろ難しい科学的な問題もございます。年齢や性別の補正、あるいは喫煙等のほかの発がん要因の排除や、あるいは統計上の解析上の十分なサンプル数の確保をどうやってやるか、あるいは死亡要因を個別に検討する必要がある、こういういろいろ技術上の問題もございまして、こういった点も踏まえて慎重に検討をしなければならないと、こういうふうに思っております。いずれにいたしましても、有識者の意見を伺うことも大切でございますので、その辺のことも意見も伺って検討いたしたいと、こういうふうに考えております。


○山下栄一君 所沢市で先日、国は法的な規制措置もやってくれない、業者はもう産廃焼却施設でどんどん煙を出している、それで業者には危機感何にもないと。そこに住民は大変な危機感を持って、不安いっぱいである。所沢市の行政、議員さん、もうたまらなくなって条例をつくったわけです。だけれども、法規制がないから事業者に対する具体的な指導もできない。努力義務を設けて、勧告なり、勧告無視の場合は氏名を公表するとか、そういう内容を含んだ条例を制定されたんですけれども、この取り組みについてどのように評価されますか。


○国務大臣(石井道子君) 所沢におきますダイオキシン対策については、今委員がおっしゃいましたところでございますが、このたび条例をつくったということでございまして、ダイオキシン類及び有害物質の発生を抑制するために市と市民と事業者の責務を明らかにしたということでございまして、ダイオキシン類等の規制計画を策定することを定めたということを聞いております。
 ダイオキシン対策を進めるに当たりましては、国、地方公共団体また事業者、国民のすべての主体がそれぞれの役割に応じて的確に排出抑制に努めることが重要でございます。このような観点から、この条例は大変意義があるというふうに思っております。
 環境庁といたしましては、先ほど局長からも答弁ありましたけれども、有識者で構成する検討会を設けまして、昨年十二月に中間報告があったわけでございますが、今後のダイオキシン対策のあり方については、さらに鋭意検討を進めてきているところでありまして、近々その報告が最終報告としてまとめられるということでございまして、それを踏まえてできるだけ早期に規制的な措置の導入も含めて対処してまいりたいと考えております。


○山下栄一君 埼玉県の方々、所沢市周辺の産廃の焼却施設の周辺においては、生まれた赤ちゃんの死亡率が県平均のレベルよりも大変高いという、そういう具体的な調査もされて、報告もされているわけですよ。不安が広がっている。

 こういうときには、県の取り組みも大事ですけれども、先ほど広中先生もおっしゃいましたように、そのときこそ国が危機管理意識を高めて、それで乗り出して、どんな影響があるかじゃなくて、人間の体にどれだけダイオキシンが入っているのかという、そういう調査を私はするべきだと。本当にそれを私は申し上げているわけです。
 難しいことじゃない、難しいのかもわからぬけれども。とにかく人体にどれだけ入っているのかという、どんな影響があるかはそれから長期にまた調べにゃいかぬかもわからぬ。現在、今どれだけダイオキシンに汚染されているのかという調査を例えば埼玉県なら埼玉県を例にとって、茨城県であれば茨城県を例にとってやるべきだ、それが環境庁の使命だと。いかがですか。


○政府委員(田中健次君) 先生おっしゃいます人体の汚染状況の調査につきましては、関係省庁とも相談をしてまいりたいと、このように考えます。


○山下栄一君 だから、ほかの省庁をリードするのが環境庁だから、相談したらだめですよ。やればいいわけや。そんないいかげんな答弁したらだめですよ。国民の命を守ろうというそういう使命感が感じられません。

 もう時間がございませんので。先日の報道によりまして、今まで発生源の中で、もちろん金属製造の関連の施設も調べられておったわけですけれども、アルミ加工工場からも検出されたと、その濃度が大変レベルが高いということがNGO、民間の環境保護団体によって指摘を、そういう報告があったということなんです。これについて発生源の、現在の取り組みの対象にはなっていないけれども、アルミ加工工場、全国約一千事業所があるということだそうでございますけれども、この指摘された工場におきましては香川県の豊島の濃度よりも四百五十倍の濃度のダイオキシンが検出されたということでございますので、アルミ加工工場も発生源の一つとして調査対象に加えて調査すべきであると思いますが、いかがですか。


○政府委員(渡辺好明君) 必要な発生源についてダイオキシン類の排出状況について調査することは非常に重要でございます。検討会の御意見も伺いながらこれからのことは考えたいと思いますが、去る三月二十六日の新聞報道のアルミ工場に関しましては、現在、工程、つまり有機塩素系の溶剤の使用実態、そういったものがまだ私ども明確にわかっておりませんので、この実態をつぶさに調べまして、調査も含めまして必要な対応をいたしたいと考えております。


○山下栄一君 それと関連して、ダイオキシン発生の可能性のある、ダイオキシンはつくろうとしてできるものではなくて非意図的にできるという物質だそうでございますので、化学物質を使って事業を行っている工場、事業所については、化学物質の種類や量の公開を義務づけるべきではないか、こういう意見があるわけですけれども、これについてはいかがでしょうか。


○政府委員(田中健次君) 先生御指摘のように、工場から環境中へ排出されます有害な化学物質の種類あるいは量を事業者が行政に報告をいたしまして、行政は何らかの形でこれを公表する、こういうシステムがございます。これはPRTRと申しまして、環境汚染物質の排出・移動登録のシステムでございますが、このPRTRのシステムはアメリカあるいはイギリス等では既に導入がされております。平成八年二月にOECDが加盟国に対しましてこの制度の導入を勧告いたしておりまして、加盟国は三年後の平成十一年に取り組み状況を報告するということになっておるところでございます。
 こうしたOECDの勧告を受けまして、環境庁におきましては昨年十月にPRTRの技術検討会を設置いたしまして、PRTRに関する技術的な事項につきましてただいま検討中でございます。
 平成九年度、本年度からは、この検討結果に基づきまして特定の地域で試験的にこのPRTRを実施いたしまして、その結果を踏まえまして我が国にふさわしいPRTRのシステムにつきまして検
討していきたいと、こういう予定にしております。


○山下栄一君 終わります。




○委員長(渡辺四郎君) 全会一致と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 山下君から発言を求められておりますので、これを許します。山下栄一君。


○山下栄一君 私は、ただいま可決されました南極地域の環境の保護に関する法律案に対し、自由民主党、平成会、社会民主党・護憲連合、民主党・新緑風会、日本共産党及び自由の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 南極地域の環境の保護に関する法律案に対する附帯決議(案)
 南極地域の環境保護の重要性にかんがみ、政府は、−本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一 本法の実効性を確保するため、南極地域への環境庁職員の派遣など審査及び監督体制の確立を図ること。
 二 環境保護に関する南極条約議定書に基づく査察と本法に基づく審査及び監督との効果的な連携を図り、本法及び議定書の実効性の確保に努めること。
 三 南極地域活動に係る環境影響評価の十分な実施に努めるとともに、締約国間における同制度の運用方針の確立を急ぐこと。
 四 昭和基地に集積・保管された雪上車、ドラム缶等の廃棄物の適切な処理を行うなど、同基地の環境保全体制の確立に努めること。
 五 増加する観光客に対し、「基本的な配慮事項」の周知徹底を図るとともに、旅行業者に対する適切な指導を行うこと。
 なお、指導に当たっては、一九九四年の南極条約協議国会議で合意された「南極観光及び非政府活動に関する勧告」に基づく「南極の観光及び非政府活動に関する手引き」を配慮すること。
 六 ペンギン、アザラシ等から、重金属、有機塩素系化合物などの有害な物質が検出されていること等にかんがみ、南極を含む地球環境保全対策に努めること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ御賛同いただきますようお願いいたします。


○委員長(渡辺四郎君) ただいま山下君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕


○委員長(渡辺四郎君) 全会一致と認めます。
 よって、山下君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、石井環境庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石井環境庁長官。


○国務大臣(石井道子君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。ありがとうございました。


○委員長(渡辺四郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○委員長(渡辺四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。

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