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国会質問

140国会 環境特別委員会会議録 1997年05月21日

○山下栄一君 平成会の山下でございます。
 法案の質問に入ります前に、本日、委員会の冒頭で石井長官に述べていただきました飯能中央病院並びに後援会の党費負担といいますか、問題を四つにつきまして取り上げたいと思うわけでございます。
 冒頭、非常に丁寧に御報告いただいたわけでございますけれども、御報告を受けながら私、気づく範囲で、気がついた点、ちょっとこれはおかしいなと思った点等もございます。詳しくはまたきょうの内容を検討させていただきまして後日質問させていただきたいと思いますけれども、以下の点につきまして、今から申し上げる点につきまして長官からさらに御報告をいただければなと、こう思いますもので、ひとつ聞いていただきたいと思うわけでございます。

 初めの問題は、これは長官が理事長をやめられてからの話ですけれども、病院の事故にかかわることで、転落事故のお話がございました。九十一歳のおばあちゃんでしたですか、その件につきまして、まず、これは私厚生省の方に確認しましたんですけれども、御報告を受けたところによりますと、この事故について、ことし一月十八日の事故について、看護日誌に事故そのものについての記載がないというふうに、厚生省を通しての報告でございます。ちょっときょうは厚生省に来ていただいておりません、また今度質問しますけれども。タイムカードとかその他調べられているわけですけれども、看護日誌に記載があってしかるべき事項であるにもかかわらず、ないと。
 これは長官に本当に調べていただきたいんですけれども、本当に看護日誌に記載が、厚生省からそれは聞いているんですけれども、だからこの事故について報告がちょっと余り、信憑性にかかわる話ですので、看護日誌にすら記載がないというのはおかしいんじゃないかなと私は思いますもので、この点確認をお願いしたいということです。

 それから、当直医師が本当にいらっしゃったのかなという疑問の問題でございますが、これは先ほどの御報告、たしかこうだったと思うんですけれども、午前五時に看護婦さんが処置の治療に関してお医者さんに連絡をとったという。そのお医者さんは、当直医師じゃなくて主治医に連絡をとったと。先ほどの御報告でたしかそうだったと思うんです。じゃ、そのとき当直医師はどうしていたんだと。本来は当直医師に連絡をとるべきところを、なぜそんな午前五時の段階で主治医に連絡をとったのかということが、ますますちょっとこれは疑問になってくるわけです。これは非常に大事な問題でございますので御報告をお願いしたいと思うわけでございます。

 それから二点目、薬剤師の問題でございますけれども、これは平成四年から八年の五年間ちょっと不足していたと。それでそれを、たしかことしだったと思いますけれども、先ほどの報告では、常勤の方一人、非常勤が二人ですか、という形できちっともう充足したということだったんですけれども、この五年間にわたって一生懸命、人手不足で困ったけれどもなかなか見当たらなかった、やっとことし資格ができたと。
 これに関連して、先日も私質問させていただきましたけれども、病院がお休みのときに五人の方でローテーションを組んで担当していたと。ことしの一月の時点ではそのローテーションの中に一人、まだ充足前だったので、薬剤師の資格を持っていない方が入っていらっしゃった、正規のローテーションの中に。
 だから、これは資格のない人が調剤した疑いがあるということについて質問させていただきましたが、このローテーションはどういう形で行われていたのかということです。その日は一日じゅうその方がやるのか、それとも時間でローテーションを組んでいるのか。休日ですから、月間の休日体制でローテーションを組んでいたのかというそのローテーション、これも無資格の調剤にかかわる大事な問題点でございますので、お調べいただきたい。そのローテーション、無資格の方が正規のローテーションに入っていたのはいつからいつまで、いつまでというのはことしの一月までですけれども、いつからだったのかということも御報告をお願いしたいと思います。

 それから、看護婦さんの数の話なんですけれども、先ほど三・五対一というルールの規則といいますか、これはちゃんと充足していたというお話がございましたが、大変申しわけございません、ちょっと詳しく御報告願わにゃならぬと思うんです。
 これは診療報酬にかかわることでございまして、診療報酬の問題は私の出身の大阪でも今非常に大きな問題になっていまして、つい先日も大きく取り上げられておりました。医療法の違反それから健康保険法違反ということで、この大阪の病院は非常に悪質だったので警察の捜査が入るというふうなことも言われているわけですけれども、保険医の指定取り消しとかいうようなことも大阪府は考えているとかいうような報道がありました。
 これも三・五対一は充足しているということでございますけれども、ちょっと詳しく御報告をお願いしたい。それは看護婦さんの内訳なんですけれども、正看護婦、准看護婦、看護補助要員がそれぞれ何人いらっしゃるか。それと、今度はそれぞれ正看、准看、看護補助要員の常勤、非常勤の内訳、これも診療報酬にかかわることでございますので、その内訳別の看護婦さんの数を教えていただければなと思います。
 これは基本的に何か四月一日に毎年診療報酬の関係で報告することになっているらしいんですけれども、ことしもう四月一日を過ぎましたから、これもできましたらことしも含めて過去三年間の看護婦さんの内訳別の数、正看、准看、看護補助要員、常勤、非常勤、これも診療報酬の問題で非常に報道等その他でいろいろ言われておりますもので、その疑念を晴らす意味でも御報告を願えればと思います。

 それからアスベストの問題、これは環境行政そのものにかかわることでございますので、今アセスメント法の審議をやっておりますけれども、これもやはり病院の中にいらっしゃる患者さんの健康にかかわる、環境影響評価にかかわる、また工事をやりますとその周辺の住民の環境影響評価にもかかわることでございます。
 アスベスト工事は既に終了したわけでございます。この問題も長官が理事長時代のことでございますので、先ほど御報告がございましたが、すべて囲い込み方式だったと。封じ込めとか除去というのではなくて囲い込み方式で行ったという御報告を先ほどしていただきました、たしかそうだったと思いますが、中央病院のアスベスト工事は全部囲い込みでアスベスト工事をやられたのかどうか。これもちょっと疑問が私ありますもので、具体的な、すべて囲い込み方式でやられたのかということを、ほかのやり方はなかったのかということをお聞きしたいと思います。
 それに伴いまして、施工業者、法律では事業者ということだと思いますけれども、工事の施工計画書、それから工事記録、これも労働安全衛生法上、調査義務と保管義務があるそうなんですが、工事記録。それからアスベストの濃度測定記録、これも事業者がやる必要があるそうなんですけれども、これはもうまさに環境行政そのものにかかわり、今回の法律にもかかわることでございますので、きょう朝報告していただいたんですけれども、詳しい御報告をお願いできればなというふうに思っております。

 以上、ベッド転落事故の問題、薬剤師の問題、看護婦の数の問題、それからアスベスト問題、以上四点にわたりまして、非常に疑いがさらに深まるような内容もございましたので、さらに御報告をいただきたいと、こういうふうに思いますけれども、長官、いかがでしょうか。

○国務大臣(石井道子君) 山下委員の御質問につきましては、過去二回の委員会のときに、わかる範囲ではお答えをしてまいりました。
 そしてまたきょうも、調べ得た限りのことについては先ほど御報告をしたところでございますので、何とぞ御了承いただきたいと思っております。
 重ねての御要請がありますけれども、本日報告をしたばかりでもありますし、現在、理事長を退任しておりますので、なかなかそれ以上の対応はしかねるということもぜひ御理解をいただきたいと思っている次第でございます。

○山下栄一君 先ほどのアスベストの問題は、長官が理事長のときの話でございます。それと、先ほど申しましたように、環境行政そのものにかかわることでございますので、ぜひ御報告をお願いしたい。
 それから、ベッド転落事故の問題につきましても、看護日誌に記載がないという、これは厚生省の報告でございますので。それと、主治医、先ほどの報告でますますこれちょっとおかしいなと。
 当直がおらなかったという大きな疑惑、これは医療法違反でございますから。当直の医師に看護婦さんは指示を受けないで、なぜ主治医にわざわざ連絡するのかというのは、これはさらに疑いが深まる話でございますので、これは先ほどの報告そのものに対してのさらに疑念が深まった話でございますし、薬剤師の問題も看護婦の問題もこれはもう長官が理事長のころの話にかかわることでございますので、直接かかわる話であると。
 そしてさらに、今大きな、この病院の問題につきましては世間的に問題視されておりますので、その疑惑を晴らす意味で、きちっとお調べいただきまして、さらに追加の報告で申しわけございませんけれども、御報告をお願いしたいと。
 再度御答弁をお願いしたいと思います。

○国務大臣(石井道子君) いろいろもう答弁が済んでいる部分もあるというふうに思いますが、先ほどアスベストの問題がございました。このことについては、前回、委員会のときにもお話ししたと思っておりますが、建物の解体とかそのようなときに飛散することが危険であるということがアスベストの取り扱いについては心配をされておりますが、現在の飯能中央病院の場合にはそのような工事ではありませんでしたので、騒音とかあるいは危険性とか、そういうことについては工事をした時点で心配がないということを私は報告を受けております。
 それから、ドクターの問題につきましても、現場の病院の院長、管理者、その立場での役割でありますので、私の場合にはそのようなことについて直接タッチできる立場ではありませんので、何とぞ御理解いただきたいと思っております。

○山下栄一君 事実確認の御報告のお願いと、要するに疑惑が深まっている面が先ほどの報告に関することでございますので、アスベストの問題は、何遍も繰り返して申しわけありませんけれども、すべて囲い込み方式で行ったかどうかということをお聞きしたいわけです。
 それと、それに関連して、これはもうまさにアセスの法律にもかかわることだから、工事の施工計画書、工事記録、濃度測定記録、これを示していただきたいと。これも法律違反に伴う、今回の法律の事業者にかかわる話だからということなんです。
 それと、看護婦の数も薬剤師の数も、これは無資格の人がローテーションに入っているという、調剤した疑いがあるということだから、それについても御報告を、ローテーションの形がどうなっていたかということを事実確認の意味でお願いしたいと。それはいつから行われたのかということですね。それはいろいろ疑念があるわけでございますので、それをもう一挙に払拭していただきたいと思いますので、事実確認の御報告をお願いしたいということなんです。

○国務大臣(石井道子君) アスベストのことにつきましては、本日御報告をしたとおりでございまして、それ以上の何物もないというふうに思います。
 それから、薬剤師の問題につきましては、前回の委員会で、たしか厚生省の方からもおいでになっていただいたと思っておりますが、そのときに御説明をしたわけでございまして、私が現在理事長職を退任しておりますので、先ほどの御報告の範囲内でのお許しをいただきたいと思っております。

○山下栄一君 薬剤師の問題も、だからいつから始まったかによっては、長官が理事長のころの話になってくるわけですよ。看護婦の数も、先ほど平成七年三月の話でしょう。平成七年三月ということは、これは理事長時代の話なんですよ。これは診療報酬にかかわることなんですよ。内訳の数によっては診療報酬の値段が変わってきます。だからその内訳を御報告願いたいと言っているわけですよ。それは疑惑を晴らしてもらいたいから私言っているんですよ。
 先ほどの、主治医もおらなかったというのは、全然それは報告、さらに疑惑が深まったと、何で
当直の方に報告をしないで看護婦さんは主治医にわざわざ報告したのかということがいろいろあるので、それに対して御報告願いたいと申し上げているわけです。

○国務大臣(石井道子君) 当直医の問題につきましては、やはり当直医を置かなければならないという、そういう責任があるわけですから、そのことを御指摘していただいたことがありましたので、そのように報告をさせていただきました。
 主治医に対する連絡をして、そして指示を仰ぐということは、そのようなことはたびたびあり得ることではないかと思います。医療の現場のことは私も十分わかっておりませんので推測の域を出ませんけれども、そのようなことはないということは言えないというふうに思うわけでございます。
 そのようなことで、いろいろと時間をかけまして調査をし、調べました結果をきょう御報告させていただきましたので、どうか御理解をいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○山下栄一君 報告を丁寧にしていただいたことはわかっているんですけれども、それをさらに証明するための追加の資料をお願いしたいということを申し上げているわけです。
 例えばアスベストの問題も、アスベストが含まれているかどうか、労働安全衛生法上、事業者は調査して、それで調査した記録を残さないかぬという法規定があるわけですよ。それをちゃんとやっていたのかということなので、だからそのための工事記録等を示していただきたいと申し上げているわけですよ。
 このアスベストの問題については、これはもうアセスの法律そのものにかかわる話でございますので、患者さんにそういう処置をしていなかったら大変なことですから、病院の話ですからね。薬剤師の話も。だから、報告だけいただければなと思うんですけれども、それは長官の先ほどの報告をさらに深めるための報告なので、ぜひお願いしたいと思うんです。そうしないとますますこれは、私次に質問させていただきますけれども、このことに関しては。

○国務大臣(石井道子君) 私の報告に対しまして御疑念があったり、御理解いただけないという点が今おっしゃられましたけれども、しかしそう言われましても、私自身といたしましては、現場からの報告をきちんと受けまして、そして一応丁寧に報告をさせていただいたと思っておりますので、先ほど報告をいたしましたとおりでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○委員長(渡辺四郎君) これは委員長が言うことじゃないかもしれませんけれども、理事会あるいは理事懇談会で協議をしまして、前回の委員会で出た質問項目を議事録を精査して、そしてそれぞれ質問者に手渡しをして、この部分について長官の方に回答を求めるということで、その項目について……(「速記ストップ」と呼ぶ者あり)
 速記をとめてください。

   〔速記中止〕

○委員長(渡辺四郎君) 速記を起こしてください。

○山下栄一君 今、委員長からアドバイスいただいたんですけれども、私はアスベストの問題がすべて囲い込み方式でやられたかどうかということを再度御報告願いたいということなんです。それを今報告していただけますか。すべて囲い込み方式で工事がやられたのかどうかということなんです。

○委員長(渡辺四郎君) 速記をとめてください。

   〔速記中止〕

○委員長(渡辺四郎君) 速記を起こしてください。

○国務大臣(石井道子君) 先ほど御報告いたしましたときに申し上げましたが、今度のアスベストの工事につきましてはすべて囲い込み方式でございます。

○山下栄一君 というふうに言っていただいたらいいんですよ。今答えられる部分は答えていただいて、答えられない部分は後から答えますよと、これでいいんです。だから、看護婦さんの数につきましても、先ほど平成七年三月の話だから、これは理事長時代の話ですから、これは診療報酬にかかわることなので、だからその内訳を詳しく御報告くださいと申し上げているわけです。
 転落事故につきましても、報告いただきましたけれども、それに対する疑問を申し上げているので、今すぐ答えられなければ後から答えてくださいよと。薬剤師のことにつきましても、無資格の問題があるので、これも法律違反にかかわることだから、疑念を晴らす意味でちゃんと報告してくれたらどうですかと、こういうことを申し上げているわけでございまして、何もひねくれた、ねじ曲げて質問しているわけでも何でもなくてということなんですけれども、よろしくお願いします。

○国務大臣(石井道子君) 医療の現場の問題であります、そして私が理事長をやめた時点の問題でございますので、やはりこのことについては私が直接かかわることがしにくいということでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○山下栄一君 今、長官のお言葉でございますけれども、理事長をやめてからではなくて、理事長時代の話を言っているわけですよ、看護婦さんの数も。内訳を教えてくださいと。薬剤師の無資格のローテーションも、いつから始まったかによっては、ことしの一月に修正されたんですけれども、去年の十一月まで理事長をやっておられるわけだから、それをだから御報告くださいと。転落事故についてはさらに疑問が深まったから、それを晴らす意味の御報告をくださいと、そういうことなので、御無理なことを申し上げていないつもりなんですけれども。

○国務大臣(石井道子君) 病院の監督とかあるいは医療の現場の問題は、医療行政の立場から調査をしたり判断すべき問題であるというふうに思っておりまして、厚生省の所管に属することではないかというふうな感じがしております。どうか御理解をいただきたいと思っております。

○山下栄一君 長官からきょう御報告していただいたことに対して私は質問させていただいているわけですから、何もそのほかのことを、それでは何のためにきょう報告いただいたかわからなくなってしまいます。

○国務大臣(石井道子君) 先ほど答弁の中でかなり申し上げていたつもりなんです<が、できるだけの努力をして十分時間をかけて調べた結果の報告でございますので、どうぞ御理解いただきたいと思います。(発言する者多し)

○委員長(渡辺四郎君) それでは、理事会で協議させてもらいます。
 速記とめて。

   〔連記中止〕

○委員長(渡辺四郎君) 速記を起こしてください。
 それじゃ、先ほどの、長官の発言もありましたが、これは議事録を精査をして、理事会で責任を持って取り消す部分を取り消すということで実施をしていきたいと思いますから、協議させてもらいます。

○国務大臣(石井道子君) 私の報告についての理解の問題について、あるいは失礼なことがあったかもしれませんけれども、私としては、ただいま山下委員からさらに御質問があったことについては今までいろいろと答弁を済ませてきたというふうに理解をしておりまして、その点を御理解いただきたいと思っております。

○委員長(渡辺四郎君) それでは、先ほど長官の方の回答の中で質問者の方が聞き漏らした等々の御発言がありましたから、この部分については委員会としてもちょっと聞き捨てならない問題でありますから、その部分を削除させてもらいます。
 それでは、あと質問を続けてください。

○山下栄一君 だから、この問題で私、全然納得できないんです。私の質問は、以前に求めたことに対してきょうは御報告いただいた、それについて不十分な内容であると。確かに私は全部問題を取り上げておりません。一部しか取り上げておりませんけれども、私がひっかかった問題、特に印象に残ったところで不十分であるということと、それからさらに疑惑が深まった点を申し上げたわけですから、ぜひこれを御報告いただかないと進まないんです、本当に。特にアスベストの問題は、これは環境行政そのものにかかわることですから、私の認識が違うなら違うということで結構ですから、これはきちっと御報告をお願いしたい、こういうことでございます。
 だから、先ほどの工事の計画書、工事記録、また測定記録も含めて御提出をお願いしたい、こういうことでございますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

○委員長(渡辺四郎君) そのことを含めて理事会で協議をいたします。
 質問を続けてください。

○山下栄一君 午前中の報告に基づいて今ずっと質問させていただいたんですけれども、それにかかわること、私自身も長官の報告を精査しまして、私自身も調査させていただいて、この問題についてはまだ改めて質問させていただきたいと思います。
 それから、環境アセスの法案のことで質問させていただきたいと思いますけれども、きょう午前中の質疑の中で、自民党の委員の方からも環境庁長官のこのアセスの法案における役割、そしてまた影が薄いのではないかという御発言もございました。私もそう感じております。
 環境庁の存在感をもうちょっと示すような中身にしていただきたいなと思っておるわけでございますけれども、今回の法案の中で環境庁長官が前面に出てくる内容というのは具体的にどこにあるかということをまずお聞きしたいと思います。

○政府委員(田中健次君) この法案におきましては、まず、各主務大臣が環境庁長官と協議をして指針をつくりますけれども、その基本的事項につきまして環境庁長官が主務大臣と協議をして定める、一番基本的なことを環境庁長官が主導権を持って定める、それに基づきまして各大臣がそれぞれの指針をつくるということになってまいります。
 それから、事業者がだんだんとアセスが進んでまいりまして評価書をつくるという段階に至ります。その評価書につきまして環境庁長官が主務大臣に意見を申し上げて、主務大臣から事業者にそれを伝えて事業者の方で配慮をする、こういうことでございまして、これまでこの意見は閣議アセスでは求めがあった場合に意見が言える、こういうことでございましたが、これからは必要に応じて意見が言える、こういう重要な役割を担うことになるわけでございます。

○山下栄一君 その二点が大きな役割ではないかなと思うんですけれども、ともに他の事業官庁との関係なんですね。それが午前中にもありましたように受け身ではないかと、私もそう思うわけです。
 例えば環境影響評価に関する評価項目、調査、それから評価そのものについての指針、その指針に係る基本的事項については長官がそういう担当行政官庁と協議をして決めるということになっている。本当に協議して主導権を握れるのかということがあるわけです。

 それともう一つは、評価書の作成に当たって事業官庁に長官は必要に応じて意見を言うことができる。これも非常に受け身であるなど、こういうように思うわけでございまして、逆転させるというか、事業官庁に対してリードできる、そのような環境庁であっていただきたいし、今回の法案ではそうなっていないわけですけれども、私は、そういう役割を本来環境影響評価法案の総則の中に明確に位置づけて、環境庁の、また並びに長官の存在感を示す規定を設けるべきであった、このように意見を申し述べておきたいと思うわけでございます。

 これも午前中お話がございましたが、環境庁の審査体制が弱いのではないかということでございます。これで事業官庁のプロと、事業官庁のプロといったらおかしいけれども、建設省その他の技官の方々と渡り合えるかという、そういう非常に寂しい体制になっておらないのかということで、先ほど十一人の審査官というお話がございましたが、これは専任であるのか、そしてそれはころころかわらないのか、行政職じゃなくて技官なのか、この辺をちょっと確認させていただきたいと思います。

○政府委員(田中健次君) 環境影響評価の審査体制でございますが、私ども企画調整局に環境影響審査室というのがございまして、そこには室長以下スタッフが張りついておりまして、総員で専任十一名ということでございます。そのほかに、これは内容によりまして各局にわたりますので、各局の専門の方々も併任として審査に張りつけております。それから、その十一名の中の専門性でございますけれども、十一名の中で十名は技官でございます。
 そういうことで、今先生お話がございました各省と渡り合えるのか、こういうことでございますが、ただいまはその専任と各局の技官を合わせまして、環境庁の体制を挙げてやっております。そういうことで、少数精鋭でやっておるということになるかもわかりませんが、おっしゃるように、審査の件数もこの法律の設立の暁には倍以上にふえてまいると思います。そういうことで、ますます体制の強化が重要になってまいります。私どもは、あらゆる努力をして体制強化に努めていきたいと思っております。

○山下栄一君 非常にますます寂しくなってまいりましたですけれども。
 専門的な役割を果たす組織として、環境庁の附属機関に国立環境研究所というのがあると思うんですよね。この国立環境研究所はアセスそのものについてどの程度かかわっておられてきたのか、この法律の制定を期して大分変化するのか、その点お聞きしたいと思います。

○政府委員(田中健次君) 国立環境研究所は我が国の環境研究の中心でございまして、公害あるいは自然環境を初め幅広い領域において研究を進めますとともに、環境情報の収集等の業務を行っているところでございます。
 私ども本庁におきましても、必要に応じまして国立環境研究所の有する専門的知識あるいは経験等も活用をいたしております。現に私どもがいろんな制度を検討する場合におきましても、国環研の研究者に参加をいただきまして、いろいろと知識、経験を生かしてもらっておりますし、また個別のケースにつきましても、国環研のそれぞれの専門の方々の知見を伺っていろいろとそのノウハウを活用させていただいておるということでございます。
 先般の日本海の重油の流出に際しましても、国環研の方々が非常に重要な役割を果たしておるわけでございます。
 今後とも、国環研の積極的な活用を図りまして、例えば私どもの環境庁長官がそれぞれの主務大臣にアセスメントの意見を申し上げるというときに当たりましても、十分にこれまで以上に活用して、一緒になってひとつ取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。

○山下栄一君 この国立環境研究所の積極的な活用、それでなくても寂しい体制なわけですから、フルに活用するような体制にしていくべきであると、今も御答弁ございましたので。
 それから、これも午前中御質問がございましたけれども、事業者が実質的にアセスの調査だけじゃなくて評価もするわけでございますけれども、実はその調査そのものを委託の形でやる場合がほとんどであるということで、その委託をする場合に、これは評価の観点というのは非常に幅広くて専門的な技術力を要求される。そういうことで、またこの調査にかかわる費用も大変コストが高くつくと。
 これに関連しまして、特に公共事業の場合に、実際の調査を行うコンサルタント会社、また委託を受けた公益法人等あるのかどうかはわかりませんけれども、そういうものが一たん受けて、
それをピンはねして下に丸投げする、こういうふうなことも考えられると。これについての議論も衆議院で若干あったようでございます。丸投げなんて考えられないというふうなことを局長が答弁されているわけでございますけれども、そんなことはあり得ないと。そういうことをきちっと懸念を払拭するような仕組みをやはり今回を契機につくっておかないと、私はそういうことは十分考えられる、そういうふうな仕組みに日本の行政構造がなっておるのではないかということがございまして、国民の疑念もその辺にあるのではないかと思います。この点についての環境庁の御意見をお伺いしたいと思います。

○政府委員(田中健次君) ただいまお話のございましたアセスメントの調査、これは各事業官庁なり、あるいは民間の事業体がそれぞれやっておる問題でございまして、私どもとしては実態は承知していないところでございますが、先般衆議院で議論がございまして、実態を調査する旨御答弁を申し上げました。
 現在、その点につきまして作業を進めているところでございますけれども、関係省庁も多岐にわたっております。ということで、まだ調査が終わっておりません。もう少し時間をちょうだいいたしたいと思います。

○山下栄一君 私、調査の話はしていないんですよ。調査していただいて報告していただきたいとは思いますけれどもね。
 丸投げのもたらす弊害なんてない、考えられないという御答弁をされておりますので、そんなことはない、そういうことはあり得ると、そういうことを想定してやはり未然の防止の仕組みを考えておかないとだめじゃないですかと、この点についてのお考えをお聞きしたいわけです。

○政府委員(田中健次君) 環境影響評価におきます調査、これは科学的な知見に基づくものである必要があるわけでございまして、十分な能力あるいは経験を有する者によって行われる必要があるわけでございます。これは調査が委託される場合も同様でございます。そうしたことで、調査の中身というのが非常に重要でございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、アセスの実施を他の者に委託して行った場合、その名称等が準備書に記載されて公表されることになっておりまして、これによりまして十分な能力や経験を有する者が受注することが促されるということを考えております。
 そういうことで、要は調査の中身でございますので、委託からさらに下請に出されてルーズな調査がされるということは、これは非常に困ったことでございますので、私どもとしてはそういうことの調査の内容が、質が低下しないようにいろいろと考えていく必要はあると思っております。

○山下栄一君 今の御答弁の中で、委託を受けた業者の氏名、代表者の氏名、住所、その他、記載されるような話がございましたが、それが再委託した場合も、その再委託を受けた業者も含まれるのでしょうか。

○政府委員(田中健次君) 私どもは、再委託をしたところのことまでは、名称までは考えておりませんが、委託をしたところの名前が出ますので、委託をしたところはさらにいいかげんなところに再委託はできないということを考えておりまして、したがいまして、元委託のところで十分ではないかということでございます。

○山下栄一君 元委託では十分じゃない、こういう意見でございますので、御検討していただきたいと思います。
 先ほど申しましたように、さまざまな分野の、評価項目が多岐にわたりますので、全部一手に委託を受けた業者ができるはずがないと思うのですよ、非常に専門的知識なんかが必要ですから。そういう意味で、悪質な委託ではなくて正当な委託というか、そういうような部分的な委託とか、特に生態系にかかわる委託なんというのはそういう商売でやっているところはほとんどないと思うし、そういうことについてもある程度やむを得ない面もあるのじゃないかな、こう思いますから、再委託についてもきちっと考慮して、準備書、評価書に記載するということも含めて積極的な御検討をお願いしたいと。どうですか。

○政府委員(田中健次君) 先ほどの繰り返しになりますけれども、私どもといたしましては、下請の対応、先生もおっしゃいましたように、さまざまなものがあると考えられますので、元請をした法人等が記載されることによりまして、その責任を果たすことによってアセスの信頼性の向上を図れるというふうに考えておるところでございます。

○山下栄一君 この丸投げ問題につきまして、昨年の十月に、地方裁判所の段階ですけれども、富山県の富山地裁で公共事業について丸投げ違法判決が出ているんですよ。これは林野庁の富山市に対する補助事業です。公益法人の財団法人緑化センター、これは建設省と農林省の共管の公益法人だそうですけれども、この法人が一割ピンはねして丸々、その緑化センターというのはほとんど技術力がありませんので、具体的にそれを下に委託した、そういうことについてこれは違法であるという、そういう丸投げ違法判決が出ているわけでございます。これが昨年の十月の判決でございます、今控訴中でございますけれども。
 こういう判決も出ておりますので、そういう今の御答弁じゃちょっと私はまずいのじゃないかというように思います。これは丸投げの違法性ということが具体的に公共事業にかかわることとして指摘されておりますので、これも含めて再度御検討をお願いしたいと。やりませんとかだけじゃなくて、検討せいと言っているわけだから、そうせいとは言っておりませんので、検討もしっかりしていただきたいということですが、どうですか。

○政府委員(田中健次君) 環境影響評価につきましては、十分な能力あるいは経験を有する者によって行われることが重要であることはもう申すまでもございません。
 御指摘の丸投げにつきましては、これはアセスについて全く能力あるいは経験を有さない者が調査等を事業者から受注をしてそれを再発注することを意味するものと受けとめるわけでございますが、私どもは、そのようなことがあればこれは適切ではないというふうに考えておりますけれども、そういう意味も含めまして、先ほど申し上げましたように、元委託の責任を課しておけばそれでいけるのではないかというふうに思っておるところでございまして、御理解をいただきたいと思います。

○山下栄一君 そうかたくなに言わぬと、要するに富山地裁の判決を勉強していただいて、御検討していただきたい。
 それで、この衆議院の答弁はだめですよ、丸投げのもたらす弊害はないなんてね。あったら適当じゃないと言っているわけだから、考えられるわけだから、弊害はないなんというようなことを言うとこれはまずい。この答弁撤回してください。

○政府委員(田中健次君) 趣旨は、丸投げの弊害はないということではありません。丸投げをしているということが考えにくいという趣旨で申し上げたところでございまして、御理解をいただきたいと思います。

○山下栄一君 時間が来ました。

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