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国会質問

140国会 環境特別委員会会議録 1997年06月06日

○山下栄一君 平成会の山下でございます。
 私はダイオキシンの問題につきまして、ダイオキシンの環境影響につきまして総理に御質問したいと思っております。これは、私は非常に緊急の事態を迎えていると、したがって対策をもう早急に講じなければ大変なことになるという、そういう認識のもとに総理に御質問したいわけでございます。

 ダイオキシンは史上最大の毒物とも言われておるわけでございまして、日本はこの焼却量の大変な多さから先進国でも最もダイオキシンの汚染の進んだ地域、国ではないかと、このようにも指摘されておるわけでございます。
 ところが、今回のアセス法案では、ダイオキシンの排出源となっておりますそれらの中間処理焼却施設、これが事業対象になっておりません。地方自治体は国がダイオキシンの基準をつくらないから規制のしようがないと、このように言っておるわけでございまして、ところがダイオキシンは遺伝子にも影響を与えると。この有害化学物質への政府の取り組みが西欧の先進諸国と比べて極めて生ぬるいと、このように思うわけでございます。現時点においても法令の規制措置は全くない、ガイドライン等の行政指導的なものはあるかもわかりませんけれども、そういう状態になっておるということは大変な事態であると、このように思うわけでございますけれども、国の対応が極めておくれておるということにつきまして、総理の御認識をお伺いしたいと、このように思います。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、基本的にこの問題は、我が国の廃棄物行政の持つ一つの問題点を示すとともに、他国に比して非常に多くの焼却を必要とする廃棄物を排出している国民一人一人にもこの点についての自覚を願わなければならない問題だと思っております。
 現在、例えばこの東京都において排出されます廃棄物、産業廃棄物は除きましても、東京都内で処理し切れない状況にあることは御承知のとおりであります。また、埋め立て等によって処理できる量にも限界が既に生じております。そうなりますと、どうしても我々はその廃棄物の処理を焼却という手法に頼らなければなりません。今、そうした問題点は承知をいたしながらも、なおふえ続ける廃棄物に対して必死の努力を傾けている状況の中で、今後、国会におかれましても、私は廃棄物そのものをいかにすれば減少させることができるのかという一つの視点をぜひ御論議の中に加えていただきたいと考えております。
 その上で、我々はこのダイオキシンの問題というものは、まさに議員からも御指摘がありましたように、遺伝子レベルまでを含めた極めて将来にわたる国民に健康上の危険を及ぼす問題と、そうとらえております。主な発生源が廃棄物処理施設と推定されております状況の中で、我々として今後ともに一生懸命に努力をいたしてまいりますけれども、御承知のように廃棄物行政というものが直接国の手を離れておる部分を持っておりますだけに、実行上問題点があることも議員が御指摘のとおりであり、こうした点についても環境庁ばかりではなく、厚生省あるいは産業廃棄物をそれぞれ所管いたします各省庁を含めて努力をしてまいりたい、そのように考えております。

○山下栄一君 政府全体として早急に取り組んでいただきたいことにつきましてはまた後から質問させていただきますが、その前に埼玉県所沢市の状況でございますけれども、この所沢市には環境庁の国立環境研究所附属の環境研修センターがあるわけです。非常に所沢というのは環境のすぐれた地域であると、このように宣伝されてきたわけでございますが、ところがその所沢市が現在最もこのダイオキシン問題の象徴的な場所になっておると。住民からの非常に深刻な不安、ダイオキシン汚染に関する健康被害も含めまして訴えがあるわけでございます。

 それで、例えばお母さんの母乳からダイオキシンが検出されていると。その所沢周辺、くぬぎ山周辺のところの子供さんが生まれたばかりのお母さんの十人調べると十人ともダイオキシンが検出されておるという、そういう研究もあるわけでございます。近くに小学校とか幼稚園もたくさんあるわけですけれども、聞くところによると、六キロ範囲内に百校近くの幼稚園を含めた学校施設があると。そういう不安から、子供を抱えている御両親はこういうところでは子供を育てられないということで引っ越しをされている、言いかえれば子供が疎開していると。

 また、狭山茶とかその他の農産物の地域でもございますので、風評被害まである。地価が下がって家を売りたくても売れない、そんな報告もございまして、私はこれは放射能汚染で大変有名になりましたチェルノブイリのそういう感じの状況が所沢周辺では起きておる、このような認識が大事であると、このように思うわけでございます。
 環境庁の環境研修センターのおひざ元でそういう状況になっておりまして、この点につきまして総理がどのような状況把握をされておるのかということをお聞きしたいと、このように思うわけでございます。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 所沢という地域に限定してのお尋ねでありますと、細かいデータまで私は承知はいたしておりません。しかし、その周辺、所沢市及びその周辺地域に産業廃棄物焼却施設が集中している、そうした状況の中で、埼玉県及び地元の市あるいは町から国に対してダイオキシン対策の強化の要請がなされておることは承知をいたしております。そして、これが猛毒であることも承知をいたしておりますし、人体にどの程度の汚染が蓄積しているのか、及んでいるのか、こうした点についての実態の調査につきましては、現在厚生省、環境庁が連携をしながら、その実態を把握するためにどのような調査をなすべきか、またその内容及び規模について部外の専門家の御意見も伺いながら、鋭意検討しておるというふうに承知をいたしております。
 そして、母乳中のダイオキシンというものにつきましては、昨年、厚生省の検討会におきましては、現在の知見からは直ちに問題となる程度ではないという報告をいただいたと聞いておりますが、母乳の安全性を確保することがいかに重要かは我々も十分存じておるつもりでありますし、できるだけ早く有効な調査が行われますように、私としても関係者を督励して努力をしてまいりたい、そのように考えております。

○山下栄一君 今、人体汚染の対応について少し総理の方からお話しいただいたわけでございますけれども、この人体汚染につきましては、私は五
月十四日のこのアセス法案に関する本会議における代表質問でも総理にお聞きいたしまして、今お話あったことをお聞きいたしました。関係省庁連携とって今検討を進めておる、調査方法含めてと、こういう御答弁をいただいたわけでございます。

 それに関してちょっとお聞きしたいんですけれども、この五月の初めにアメリカのマイアミで先進国の環境担当大臣が集まられて環境サミットが行われた。その合意事項の中に、要するに乳幼児を基準にと、健康に最も被害を受けやすいそういう乳幼児を基準に各国の環境規制を強化すべきであるということが合意されたと。この合意事項は、この六月に総理も御出席されますデンバーにおけるいわゆるサミットにも反映されるというふうにお聞きしておるわけでございますが、これと今のダイオキシン、所沢だけじゃないわけでございますけれども、母乳そのものがダイオキシンで汚染されていると。母乳は非常に子供を育てるためには大事な成長の力になっていく部分でございます。その母乳がダイオキシンに汚染されている、大変な事態であると思うわけであります。

 今、総理おっしゃったわけでございますけれども、厚生省また環境庁の健康リスク評価に関する検討会の報告では、要するに先進国と比べても同レベルの汚染状況だと、確かにこういう報告があるわけですけれども、詳しいことについてはまた後から環境庁、厚生省に質問させていただきたいと思っているんです、総理質疑が終わってからの話ですけれども。
 これ、データがほとんどない。特に母乳のダイオキシン汚染に関するデータがほとんど蓄積がない。民間の研究、個別の学者の研究等はある、国立環境研究所が若干かかわった一地域とか若干の地域のはあると。そのレベルで、なぜ、先進国でどんどん研究が進み、データが蓄積されているそれと比べて、同じレベルであるということが言えるのか。問題の状況になっていないというようなことを言うことは私はおかしいと思っておるわけでございます。そういう観点から私は、母親の母乳から出てきているような状況がある、この深刻な事態を、総理また政府として受けとめていただいて、そして緊急実態調査を即刻やるべきだということを本会議でも申し上げたんですけれども、そのための体制、予算、これが今実態は極めて貧しい状況にある。

 厚生省にもお聞きしましたですけれども、今までやってきた、平成六年、七年、八年やっておられるんですけれども、それはダイオキシンそのものの人体汚染とかそういう調査費はつけられていないわけでございまして、その調査にかかるコストは大変値段がかかる、調査技術も徐々に進んでおるけれども、調査機関自身が非常に少ないという現状もあるわけでございまして、これは大変な状況なのではないかと。

 そういう意味で、やっぱり国が積極的にこれにかかわって、体制の問題もございますし、体制の状況は、今検討といっても厚生省、環境庁、労働省ぐらいかなと思うんですけれども、関係省庁はそれぐらいかもわからぬけれども、専門家も少ないと思いますので、そういう方々が総結集して、そして実態調査の具体化を予算をしっかりつけてやるべきだ。平成九年度も非常にまだ貧しい予算である。来年度は、これは来年度と言わずに予備費を使ってでも私は今年度やるべきだと。特に来年度予算にも反映させるべきだと。このことをきょうは特に総理御出席だからお訴えしたいということで、私、ダイオキシンに絞ってこれをお聞きさせていただいているわけでございます。

 マイアミ宣言の趣旨もしっかり受けとめながら、また母乳そのものからもダイオキシンが検出されているという状況を勘案して、これは危機管理の問題であるという観点から、体制の問題、予算の問題、今、財政構造改革の状況かわかりませんが、これはちょっと別問題だということで、強力な予算措置も含めて取り組んでいただきたいということを強く総理にお訴えしたいと思うわけでございます。御答弁をお願いしたいと思います。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は先ほども、厚生省、環境庁の連携の中で、部外の専門家の意見も聞きながら調査を進めようとしているということを御報告申し上げたつもりであります。
 .そして、これまでの取り組みは、既に議員も御承知のようでありますけれども、平成六年度厚生省の研究から始まりまして、昨年の母乳中のダイオキシンに係る検討会報告まで毎年この問題についての調査を行ってまいりました。そして、それを受けたものとして現在出されておりますのが「母乳中のダイオキシン類の安全性及び今後の母乳栄養の在り方について」でありまして、この中に含まれておりますのはそれなりに私は現在の専門家たちの最高の知見を集めたものだと考えております。しかし、同時に私は、人工栄養が非常に中心でありました時代に母子保健の視点から母乳による育児というものを進めてきたかつて経験を持つ一人であります。そして、母乳の汚染というものが、将来の蓄積を考えたとき、いかなる予見すべからざる事態を発生するかはある程度素人なりに存じておるつもりであります。
 そうした上で、平成九年度におきましても母乳中のダイオキシン類についての研究というものは拡大していく予定でありますし、特に部外の専門家の御意見も伺いということを先ほども申し上げました。どうぞ、こうした調査にもまた御協力を賜りたいと存じますし、こうした問題から、本当に我々がこの問題を解決しようとするならば、焼却を必要とするごみの量を減らすところから始めなければ本当の対策はできないということまでをぜひこの場で私も訴えたい。全力を挙げて政府は努力をいたしますが、それぞれの御家庭までを含めまして、いかにすれば焼却を必要とする廃棄物の処理が減少することができるか、こうした視点につきましてもぜひ御協力を賜りたいと、この場をかりて心からお願いをいたします。




○委員長(渡辺四郎君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題とし、飯能中央病院問題等に関する件について、石井環境庁長官から報告を聴取いたします。石井環境庁長官。


○国務大臣(石井道子君) 病院内のアスベスト工事につきましては、五月二十一日に本委員会で報告をいたしました内容と異なりまして、アスベストを除去した事実がございました。
 既に本委員会で報告いたしました内容と異なった結果になりましたことにつきまして、陳謝させていただきます。


○委員長(渡辺四郎君) 以上で報告の聴取は終わりました。


○委員長(渡辺四郎君) 環境影響評価法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。


○山下栄一君 アセス法案の質問はきょうしっかりやりたいと思っておりますが、その前に、今長官から御報告いだだきましたことにつきまして少し言いたいことがございますので、言わせていただきたいと思います。
 今の長官の御報告は私は大変重要な報告であったと、このように思います。したがいまして、幾つか指摘させていただきたい。

 まず第一に、飯能中央病院のアスベスト工事、これは囲い込み方式ではなくてアスベストを除去したと、こういう新しい御報告が今あったわけでございますけれども、これは大変重要なことでございまして、労働安全衛生法上の問題が残るということを指摘しておきたいわけでございます。
 すなわち、届け出義務違反、作業上の法令違反、これらは罰則を伴うものであり、公人として責任が問われるということを自覚して厳格に対処すべきである、このことを指摘したいと思うわけでございます。

 第二に、本来患者の健康を守るべき病院で、患者及びそこで働く従業員を有害物質アスベストによる重大な健康被害の危険にさらした当時の理事長として、責任は極めて重大である、当然そこにかかわった人たちの健康被害調査など早急に事後対策をとるべきであります。

 第三に、一連のこの飯能中央病院問題についての質疑の中で明らかになった石井長官自身の環境意識の低さについてであります。アスベストは環境庁所管の大気汚染防止法の法律規制物質であり、その扱いに対する長官の環境配慮は著しく欠如していたと言わざるを得ません。ことし十二月の地球温暖化防止京都会議など、先ほどの質問にもございましたが、今後メジロ押しとなる環境に関する国際会議に中心的役割を果たすべき我が国の環境庁長官としては、極めて適性に欠けると、このように申し上げておきます。

 第四に、長官の国会議員としての遵法意識、法を守ろうという意識の欠如であります。既に明らかになっているスプリンクラーの設置に関する消防法令上の問題、アスベストに関する労働安全衛生法上の問題、医療法人の理事長としての職務に関する医療法上の問題、以上諸法令に対して、だれよりも法を守るべき国務大臣として、また国会議員として、その遵法意識の低さを露呈した。これはまことに遺憾であります。

 そして第五に、何よりも国権の最高機関である国会の本委員会において虚偽の報告をされた事実は、国権の最高機関たる国会を軽視するものであり、その罪は甚だ重大である、このように考えます。私たちの先輩が最初に国会にアセス法案を提出して以来、実に二十二年が経過し、長年の国民の念願であった本アセス法案の審議が、このような長官のもとで行われることは極めて無念であります。我が国の環境行政にとって分岐点ともなるべきこのアセス法案の審議に汚点を残すものであると言わざるを得ません。

 以上、本日の長官の報告に対し、率直に感想を述べさせていただきました。長官の真摯な、かつ厳しい反省を求めるものであります。
 なお、現在私は、政府に対し、アスベスト問題以外の案件につきましても質問主意書を提出しております。その結果を踏まえまして改めて質問させていただく場合があるかもわかりません。そのときはどうぞよろしく、また真摯な対応をお願いしたい、このように申し述べておきたいと思います。

 次に、ダイオキシン問題について、先ほども総理に質問させていただきましたが、質問させていただきたいと思うわけでございます。
 ダイオキシンがことしに入りましてからいろんな、去年からかもわかりません、厚生省、特に環境庁を中心として検討会で検討され、そして中間報告、また最終報告も出ておるわけでございます。何か今どんどんダイオキシンから環境を守るための具体化が進んでいるような感じを受けるんですけれども、ところが、今現在この時点におきましても、法令上の規制措置は全くない、このように私は思うわけでございます。行政指導レベルのガイドラインの設定とかそういうのはあるかもわかりませんけれども、法令上の対応は全くないと、このように思うわけでございます。
 環境庁、厚生省それぞれ、現在はそうであると私は思うんですけれども、この認識は間違いございませんでしょうか、それぞれお願いしたいと思うわけでございます。厚生省は廃棄物関係の担当の方、お願いしたいと思います。


○政府委員(野村瞭君) この委員会におきましてもお答え申し上げているかと存じますけれども、昨年の五月にダイオキシンの排出抑制に係る検討会を設けまして、専門の先生方に排出抑制に係る基本的な考え方を検討していただきまして、去る五月に、大気汚染防止法で有害大気汚染物質等にかかわりまして指定物質制度を設けておりますが、それに指定することが望ましい旨の御報告をいただいたところでございます。
 これは基本的な考え方ということで、具体的な数値等も含めまして、規制基準につきまして、現在、中央環境審議会で御議論をいただいておるところでございます。できるだけ早く結論を出していただくべくお願いをしているところでございまして、でき得れば八月、夏ぐらいまでには出していただきたいということでお願いをしているところでございます。


○説明員(坂本弘道君) 廃棄物の焼却施設の構造基準それから維持管理基準につきましては、現在、生活環境審議会に設けられました廃棄物処理基準等専門委員会において検討しておるところでございます。
 ダイオキシン対策に係る基準に関しましては、一つは完全燃焼の確保のための廃棄物の定量供給、一定温度以上の燃焼温度の確保。二つ目が排ガス処理の適正化のための集じん器入口の排ガス温度の低温化、十分な集じん効率を有する集じん器の設置。三つ目が排ガス中のダイオキシン類濃度の定期的な測定等につきまして具体的な基準を設定する方向で検討しておるところでございます。
 また、スケジュールについてお尋ねでございましたが、ダイオキシン対策の重要性にかんがみまして、早期に取りまとめることとしておりまして、この夏に基準の改正を行い、年内にも施行することができるように努めてまいりたい、かように考えております。


○山下栄一君 私が質問したことに全然答えてくれていないんですよね、質問してないことに答えているから。
 だから、現在、今この時点で法令、行政指導じゃなくて法令ですよ、法律または政省令でそういう対応をなされておるかと。環境庁、大気汚染の関連で結構です、厚生省、廃棄物関連で結構です、それぞれお答えくださいと申し上げているわけです。時間を食われて困るよ。


○政府委員(野村瞭君) 先ほど申し上げたわけでございますけれども、中央環境審議会の御議論を踏まえまして、法的な措置も含めて、私ども早期に対応してまいりたいということでございます。


○説明員(坂本弘道君) 廃棄物処理法上の特にそういう規制ということじゃございませんが、ただいまガイドラインというのを設けまして、それに基づいてやっておる、こういうことでございます。


○山下栄一君 だから要するに、環境庁所管の、また厚生省所管のそれぞれにおいて法令上の対応はしておらない、今はないということ、現在。そういうことでよろしいでしょうか。今はないと、この時点では。もう一回ちゃんと。あるかないかだけ。


○政府委員(野村瞭君) 現時点におきましては、大気汚染防止法上の規定は、排出口における濃度規制という意味でございません。


○説明員(坂本弘道君) 廃棄物処理法上も、同じくないということでございます。


○山下栄一君 昭和五十八年の段階でダイオキシンが日本でも焼却施設から発見された。非意図的物質で、人工的にできてしまう猛毒の物質であるということ、以来今日に至るまで、先ほども総理からお話がございましたけれども、日本は大変ごみを焼却する国でございますが、一九九七年の今の時点までも法令上の対応はしていない。これが日本の実情であるということを私は指摘したかったわけでございます。

 それで、今緊急の対応をされておるということでございますけれども、それぞれ先ほど御報告いだだきましたけれども、環境庁は大気汚染防止法の観点から指定物質というあり方で今進めておる、そういうことでございますが、スケジュールですけれども、中環審で結論を得て、いつごろその指定物質が具体化されるんでしょうか。


○政府委員(野村瞭君) 先ほど申し上げましたように、現在、中央環境審議会で御議論中でございまして、できるだけ早くということで夏ごろまでに御結論をいただきたいということをお願いしております。それを踏まえまして、早期に私どもとしては法令的な措置を講じたいということでございます。


○山下栄一君 厚生省の方でございますけれども、政省令の行政指導は、ガイドライン等やったかもわからないけれども、政省令という観点で今対応されようとしておるというふうにお聞きしておるわけでございまして、中間処理施設の焼却施設の規制、それと最終処分場の規制、この二点に分けてどういうことをやろうとしておるのか。検討会レベルでは案が出てきているようですけれども、それぞれ今申し上げた焼却施設、処分場に分けてどういう法令上の規制措置になるのか、そしてそれはいつ結論が出るのか、いつ実施の方向になるのかということをお聞きしたいと思います。


○説明員(坂本弘道君) 今お尋ねの点は、一つは焼却施設、一つは埋立地、こういうふうに理解いたしましたわけでございます。
 焼却施設につきましては、今ガイドラインや何かでやっておるわけですけれども、これをもう少しどういう形でやればいいかということを、例えば完全燃焼をどうやってやるかとか、それから排ガスの処理をどういうふうに適正にやっていくかとか、濃度管理だとか、ばいじん、焼却灰をどうするかとか、こういうことを決めていくわけでございます。これは政省令の段階でもこの話が出てまいるということでございます。
 それから、埋立地のことでございますが、これも同じく先ほど申し上げました専門委員会で御検討いただいておる点でございますが、今の廃棄物処理法に規定する処理基準等の見直し、強化を図ろうということで作業を続けております。
 現在どういうことを考えていますかといいますと、管理型最終処分場、埋立地ですね、これの浸出水、出てくる水、これの処理等に関する基準を今より強化しようというようなことだとか、それから許可の対象とならない、いわゆるミニ処分場と言われておりますが、小さな埋立地、これも許可の対象にしようとかいうようなことを今の審議会の専門委員会で検討していただいておる、こういうことでございます。
 それで、スケジュールでございますが、先ほどのちょっと繰り返しになりますが、この夏に基準の改正を行って年内にも施行していきたいと、こんな段取りで進めております。


○山下栄一君 基準をつくるという、特にそれぞれ焼却施設、処分場の基準をつくる、これは要するに廃棄物処理法の政省令で明確に基準を設けると、そういうことでよろしいんでしょうか。


○説明員(坂本弘道君) 政令の部分もございますし省令の部分もございます。それからまた、行政指導みたいなガイドラインみたいな形のものもございます。こういうことでございます。


○山下栄一君 もうちょっと具体的に申し上げます。
 一般ごみ焼却施設、産廃焼却施設、それぞれ構造基準、維持管理基準の基準を明確に政省令で設けるとか、これは入っておりますか。


○説明員(坂本弘道君) それは入っております。


○山下栄一君 これは確認させていただいておりますけれども、衆議院でもそういう議論があったんです。
 許可対象施設の範囲、廃掃法上は五トン以上ということがあるけれども、その範囲を見直しをして五トン未満でも、要するに小規模の焼却施設、一般ごみにしろ産廃にしろ、これも引き下げると。これは入っておるわけですね。


○説明員(坂本弘道君) 現在、許可対象になっておりません小規模の産業廃棄物焼却施設の中には粗悪な構造のものもございまして、何か野焼き同然の処理が行われているというような例も見られますので、規制の強化が必要だということ、これが一つです。
 そのために、小型焼却炉のあり方につきまして今の専門委員会で検討していただいておるんですが、現時点ではどんなことかといいますと、五トンよりも小さいより小規模のものも許可対象として構造、管理の基準を適用するようすそ切りを見直す、これが一つ。
 それから、野焼き同然の処理を防止するために、許可の対象か否かにかかわらず、満たすべき基準としまして廃棄物の焼却処理方法を明確化する、こんなことを今検討していただいておるところでございます。


○山下栄一君 その具体化が本年度中だと、こういうことでよろしいですね。


○説明員(坂本弘道君) こういう基準につきましてはこの夏ごろまでにつくって、施行は本年内、こういうことを予定しております。


○山下栄一君 次に、最終処分場の基準の見直し、これは新たな基準の設定なんでしょうか。見直しなんでしょうか。それも含めて、それについて具体的な中身はどうなっていくのかということをお聞きしたいと思います。


○説明員(坂本弘道君) 処分基準、これは現在もございますが、これにつきまして見直しという形でやっておるわけでございます。


○山下栄一君 具体化。いつごろ。


○説明員(坂本弘道君) これも全体の話はちょっとダイオキシンとはまた違いまして、秋までに専門委員会で結論を出してもらおうと、こんなことを考えております。


○山下栄一君 最終処分場の基準がちょっとおくれるということですね、焼却施設ということと比較すると。


○説明員(坂本弘道君) 全体は秋までにやるんですけれども、ダイオキシンについては急ごうと、こういうことでやっております。


○山下栄一君 今年度中ですか。


○説明員(坂本弘道君) はい、施行は。


○山下栄一君 最終処分場の特に焼却灰の点なんですけれども、これは各焼却施設からそれぞれ運ばれてきまして、最終処分場に、管理型の処分場でというお話でございますけれども、焼却灰についてはダイオキシン濃度が非常に高いということが予想される、焼却された後に残る灰ですから。
 もちろん焼却された施設の、高温度で処理されたのか低温度なのかということによっても変わってくるでしょうし、どういうダイオキシンの防除装置がついているのかによっても変わるかもわかりませんけれども、いずれにしても焼却灰の処理につきましてはこれは厳格にやるべきではないか、このように考えておるわけでございまして、ほかの物質と同じように管理型の処分場に焼却灰を埋めてしまう、ほかのものと一緒にというやり方はちょっとまずいのではないかと、このように感じておるわけでございます。

 この前、テレビを見ていましたら、ドイツにおきましては地下貯蔵庫にこの焼却灰だけを固めて、固化して、そしてまさに放射能汚染物質と同じような扱いでされておるということをテレビで見たわけでございますけれども、今お話を聞いておりますと、管理型の処分場にほかのものと同じように埋めるというふうな、処分場そのものはそれは管理型の処分場かもわかりませんけれども、ちょっと対応が、甘い考え方でやっておられるんではないかなと、このように感じるわけです。焼却灰そのものを固化するなり、きちっとした環境上の配慮をした処理方法で、別の扱いで焼却灰そのものの処理方法を考えるべきではないかと、このように感じるので、どうでしょうか。


○説明員(坂本弘道君) 焼却灰につきましては、今先生御指摘のとおり二種類といいますか、大ざっぱに分けますと二つございます。一つは電気集じん器なんかで集めますいわゆる飛灰、それからバグフィルターという布袋のところにたまった、これがダイオキシンが割に高い、こう言われておりますので、これについては、家庭用ごみの一般廃棄物につきましては特別管理廃棄物という取り扱いになっておりまして、特別に処理することになっております。
 ただ、いわゆるストーカーなんかから出てまいります、下へ落ちてきました灰、いわゆる焼却灰、これにつきましては現在管理型の方に埋めておるという実態でございます。その辺につきましても、今の専門委員会の方でどういう形にするかということをまた御検討いただくということになろうかと思います。


○山下栄一君 わかりました。
 先ほど総理にも質問させていただいたんですけれども、ダイオキシンの人体汚染の実態調査にかかわる話なんですけれども、これは厚生省にちょっと、現在の実情、この人体汚染の調査、どういう取り組みをされておるのかということをお聞きしたいと思います。


○説明員(内田康策君) ダイオキシンの人体汚染の調査の今の実情ということでございますが、ダイオキシン類に対します調査につきましては、厚生省としては従来から発生源調査や魚介類等の食品に関する調査などを進めてきたところでございますが、ダイオキシン類の総合的な対策を一層強力に進めていくためには、さらに広範な調査研究を行う必要があると考えております。
 ダイオキシン類の汚染実態の調査を意義のあるものとするためには、人体汚染の状況、環境汚染の状況、食品等からの暴露量などの種々の要素を総合的に評価、考察できるよう、調査計画や調査方法について十分に検討をする必要があると考えております。
 また、人を対象といたしました調査につきましては、対象とすべき指標、調査の期間、対象者の選定等、調査の方法が重要であるため、これらにつきまして専門家の意見を踏まえ、十分議論の上、実施に移す必要があると考えております。
 このため、厚生省におきましては、省内における連絡体制を整備いたしまして、調査研究の全体計画の取りまとめ、必要な調査の企画調整等を行うことを検討しております。さらに、関係省庁とも十分に連絡をとりつつ、調査研究の効率的な実施を図ってまいりたいと考えております。


○山下栄一君 人体汚染に絞って今質問をしておりまして、調査そのもののデータの蓄積はほとんどないと私は思うわけです。国レベルの、国が乗り出してそういう人体汚染の調査をした例はほとんどない、母乳以外はデータがないと、こういうことでよろしいですか。


○説明員(内田康策君) 今まで人体汚染の調査を私どもは国としてやってきておりません。ダイオキシンによる人体汚染の調査はピコグラム単位の極めて……


○山下栄一君 結構です、調査は困難でお金もかかることはわかってはおりますので。
 母乳以外にはない。先ほども申し上げましたけれども、母乳そのものも、調査は極めて貧しいデータしかないと、このように感じているわけですけれども、母乳そのものの実態調査の実情、これをお聞きしたいと思います。


○説明員(伊藤雅治君) 母乳の調査につきましては、平成六年度から心身障害研究の中で調査をしてきております。平成六年が二十六検体、平成七年が二十六検体、平成八年が二十一検体でございまして、合計七十三検体の調査を行っているところでございます。


○山下栄一君 それで、今二十数検体を平成六年から、六年、七年、八年でやってきた、九年はまだだと思うんですけれども。その調査の体制と費用、これをお聞きしたいと思います。


○説明員(伊藤雅治君) 従来、平成六年からの母乳中のダイオキシンの調査につきましては、環境要因と母子保健という視点から、大きな研究班の中で一名の先生がダイオキシンを担当するというような、そういう体制になっておりまして、具体的には国立環境研究所の森田先生でございますが、このダイオキシンの調査には、六年、七年、八年と、それぞれ約百万円の調査費がいっているということでございます。


○山下栄一君 だから僕は貧しいと申し上げたわけですけれども、要するに人体汚染の、日本の国民、人体がどれだけダイオキシンで汚染されているかという調査は、要するに百万円単位でですよ、一年間に百万円で、それも国立環境研究所のお一人の方で、お一人というか、お一人を中心としたボランティアを中心とするチームでしかやっていない、これが実態であると。この認識に誤りございますか。


○説明員(伊藤雅治君) そのとおりでございます。


○山下栄一君 これは驚くべきことである、このように思うわけでございまして、だから緊急実態調査を国を挙げてやるべきだと、このように申し上げておるわけでございまして、母乳からダイオキシンが検出されているという話、ちょっと先ほど総理質疑のときに申し上げましたけれども、そういう調査をしているのは民間とか個人レベルの学者とか、こういう形でしかデータがない、こういうことであるわけでございます。

 だから、私はこれはもう大変なことであるというふうに思うわけでございまして、もちろん、先ほどちょっと触れられましたように、総合的な取り組みが必要だと思うんです。発生源の焼却施設の、そこからどれだけダイオキシンが発生しているのか、その周辺の住民がどれだけ健康被害を受けているのかという、そういう発生源と切り離して人体汚染調査をしろとは申しません。こんなのばらばらにやっても費用対効果の観点から非常にむだ遣いになってしまう。やるのであれば総合的に発生源別の調査と人体汚染調査、これは並行してやるべきだと思うわけでございますけれども、いずれにしても体制を強化して、体制の中に予算も含めてこれは強力にやってもらいたい。

 これはお金を出すのは、環境庁ほとんどお金ないわけでございまして、したがって厚生省の方に期待がかかっておるわけでございますので、その辺はどのようにお考えなのか。来年度、まだこれから要求されるかもわかりませんけれども、お聞きしたいと思います。


○説明員(伊藤雅治君) 母乳を含めましていわゆる人体への影響、安全性について調査するということは大変重要なことだと考えております。特に、私どもといたしましては母乳につきまして今申し上げましたようにいわゆる母子保健の観点から、大きな研究班の中の一部分としてあるということではなくて、今後厚生省として総合的なダイオキシン対策の一環として位置づけまして、環境庁とも連携をとりながら調査を強化してまいりたいと考えております。


○山下栄一君 強力にお願いしたいと思います。
 それで、今も申し上げましたように日本列島広いわけでございまして、モニタリングの抽出調査というやり方じゃなくて、やはり地理的分布を考慮しながら、特に住民の皆さんが不安に陥っておられる例えば所沢、埼玉県とかそういうところを重点的に配慮しながらこの人体汚染調査もやるべきだと、こういうことを提案したいと思いますが、いかがでしょうか。


○説明員(伊藤雅治君) 具体的な調査の内容、例えばどういう地域で行いますとか、それから例えば最初の赤ちゃんと二番目の赤ちゃんでは違うというふうなこともわかっておりますので、そういう具体的な調査のやり方につきましては、今後十分専門家の方の御意見を聞きながら早急に調査の具体策を検討してまいりたいと考えております。


○山下栄一君 ぜひ住民の皆さんが不安に陥っておるところをよく配慮しながら、地理的な選び方ですね、御配慮願いたいと思うわけでございます。
 環境庁にお伺いします。リスク評価検討会の最終報告、五月に出たわけでございますが、この中で母乳汚染のデータの部分がございますが、私はこれは非常におかしいと結論的に申し上げまして思っております。

 日本の国で国レベルの調査はほとんどないと、これはこの検討会の報告でも書いてあるわけでございます。我が国の母乳からのダイオキシン摂取量のデータの蓄積は十分とは言えないと。ここに書いてあるのも県レベルの調査とか個人レベルのデータでございます。「今後一層の調査、研究の積み重ねが必要である。」と、日本の国レベルの個別のデータはほとんどないという状況の中で、それを認識している文章が書いてある一方で、現時点では母乳中のダイオキシンの摂取が乳児に与える影響は直ちに問題となるとは考えられない、こういう結論を出しております。諸外国と比べてもそんなに高くない、同程度である、こんな結論を出しておるのは全然おかしい。

 国でデータも持っておらないにもかかわらず、日本の母乳汚染度は大したことないんだと、諸外国と比べても、先進諸国、データの蓄積がたくさんあるドイツ、オランダを中心とする地域と比べても同じレベルなんだというようなことを結論づけておるのは、これは基本的におかしいと思うわけでございますが、いかがでしょうか。


○政府委員(田中健次君) ただいま御指摘のリスク評価検討会におきましては、母乳中のダイオキシン類の影響につきましての各方面の現在の見解というのを注という形で紹介しております。そこでは、まずWHOにおきましては、母乳にはダイオキシン類が含まれているが、人工乳より依然として有利な点があることから、乳幼児の健康と発育を考慮すると母乳栄養を奨励し推進すべきであるとしておりまして、オランダも同様な評価を行っておると、こうしております。それからまた、我が国におきまして調査研究を行っている厚生省の検討会によりますと、母乳中のダイオキシン類は現在の知見からは直ちに問題となる程度ではないと、こういうふうに評価をしておるということを現在の各方面の見解を注として紹介しております。
 それで、ダイオキシンリスク評価検討会におきましては、これらの各方面の現在の見解も考慮した上で、我が国の母乳からのダイオキシン類摂取のデータの蓄積は、先生今御紹介ございましたが、まだ十分とは言えないので、今後一層の調査研究の積み重ねが必要であると、こういうふうに報告をされておるところでございます。
 環境庁におきましては、ダイオキシンリスク評価検討会を踏まえまして、今後とも厚生省とも連携して必要な調査研究を進めてまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。


○山下栄一君 私が申し上げているのは、これは国の検討機関の報告なわけですけれども、国のデータがほとんどないのに、日本の国民の母乳の汚染状態は直ちに問題とはならないなんて何で言えるのかと。環境庁独自の何か汚染調査をやっておられるんですか、人体汚染の調査ですよ。


○政府委員(田中健次君) これはこの検討会におきましていろんな各方面の見解を考えながら結論を出したということでございまして、環境庁におきましても、国民の健康影響を未然に防止する、こういう観点からダイオキシン類の人への汚染状況を把握するということは非常に重要な課題だと認識をいたしております。
 そういうことで、現在厚生省等と連携をして、調査対象の選び方あるいは調査実施体制などにつきまして、関係省庁の担当者で構成をいたしておりますダイオキシン調査関係省庁の担当者連絡会議、こういうのをつくりましてただいま検討を進めているというところでございまして、環境庁としても関係省庁と一緒になってこの人体汚染の状況についてこれから調査を進めていくということで検討をいたしておるところを御理解いただきたいと思います。


○山下栄一君 局長、私が指摘していることをやっぱり率直に素直に受けとめていただきたいと思うんですけれども、国レベルのデータがないのに問題ないというのはおかしいですよ、こんな話、どう考えたって。これ、国の検討機関の正式の報告書だから、どこかの個別の研究機関の報告書だったらまた別ですけれども、これは国の権威ある研究機関の報告なわけですから。国レベルの独自のデータが何にもないのに。民間とか個別の研究データは確かに報告されていますよ。だから、国が権威づけて報告する中に日本の母乳の汚染状態というのは問題ないなんというようなことは、これはどう考えてもおかしいですよ。長官、そう思われませんか。どうでしょうか。


○政府委員(田中健次君) この検討会、我が国におきますこの部門の専門家、有識者に集まっていただいて、そこで出していただいた結論でございまして、私どもはそこの有識者の検討会の結論ということでそれを受けたということでございますので、御理解をいただきたいと思います。


○山下栄一君 厚生省、環境庁それぞれ、ほかも労働省等あるかもわかりませんけれども、人体汚染の、非常にこれお金かかるんでしょう、一検体三十万とか百万とか言われていますけれども、調査機関も大変少ないという状況の中で、体制を強化しながら、予算づけもきちっとやって、そしてデータの蓄積が大事だと指摘しておるわけですから、国レベルのデータ蓄積をきちっと集められる体制を組んで国民の不安の払拭に努めていただきたい、このように申しとどめておきたいと思います。

 土壌汚染の問題に移りたいと思います。
 ダイオキシンにおける土壌汚染の実態把握は大変大事だと思いますし、そして土壌そのものの規制基準といいますかダイオキシンに関する規制基準、これはやはりそういう仕組みを検討し、具体化する必要がある、このように考えておるわけでございますけれども、現在、環境庁におかれましてダイオキシンの土壌汚染の規制のあり方をどのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。


○政府委員(渡辺好明君) ダイオキシン類と土壌汚染、それから健康リスクということになると思うんですけれども、健康影響リスクの問題は、ひとり土壌だけではなくて食品、大気、土壌その他、暴露経路全体で評価するのが一番適当じゃないかというふうに思っております。
 そういう意味でいきますと、まず何はともあれ急がれるのは排出源対策でございますので、これは先ほど私どもの方からも答弁申し上げたところでございます。排出源を抑えて土壌への蓄積を防止する、そして土壌については、今先生御指摘ありましたようにしっかりとしたモニタリングを集中して実施していくということだろうと思うんです。
 ただ、法令上の規制措置ということになりますと、これは海外の事例でも、例えばドイツとかオランダ、そういうところではガイドラインをつくって指導はしておりますけれども、法律強制というふうなところまでは行っておりません。
 ただ、事実問題としてそういう指導があるということも承知をいたしておりますので、実は去る五月二十三日に土壌汚染にかかわる検討会を発足させました。この検討会を通じまして、どういう手法で調査をするか、どういう分析手法を確定していくか、どういう指導をするかといった総合対策を一年程度かけまして御議論をいただきたいというふうに思っておりますので、そこでの議論を拝聴しながら私どもの対応を決めていきたいと考えております。


○山下栄一君 法令上の規制を考えるべきだと言っていないんです。今、ドイツ、オランダはガイドラインでやっているとおっしゃいました。ダイオキシンの土壌の規制のあり方はどうなっているのかと聞いたわけです。それは現在、土壌汚染に関してそういう規制措置みたいなものは全くないんじゃないでしょうか、ガイドラインも含めて。


○政府委員(渡辺好明君) ちょっと先生の御指摘を敷桁して申し上げますと、土壌の環境基準というのがございますけれども、その中にはダイオキシンは入っておりません。それから、水質汚濁防止法の世界でやはり同様に排出基準がございますけれども、それの対象にもなっておりません。そういう状況でございます。


○山下栄一君 ダイオキシンに関する土壌汚染の環境基準を設けるべきだと私は申し上げているわけで、今はないということですね。だからそのために検討機関を五月二十三日に設置されたわけでしょう、調査方法も含めて。
 僕は、今までの日本の土壌汚染の規制の仕組みは、やはり結局水質汚濁に付随して土壌汚染というのが考えられてきたのではないか、このように考えるわけです。ところが、ダイオキシンに関してはちょっとそれではまずいんじゃないか。
 大気中の基準というのは、これは今指定物質ということも含めて考えておられるわけでございますけれども、土壌汚染についても、このレベルの基準であるならばドイツ、オランダであるようにそこには住宅は建ててはいけないとか子供等が遊んではいけないとかというようなことも含めた規制のあり方、土壌そのものの直接的な規制の仕組みをやはり考えるべきではないかと、このように思うわけです。
 土にダイオキシンが混入しておりましたら、舞い上がって呼吸器から入ってくる、そして直接皮膚からも入ってくる。ということは、土壌汚染のレベルがある一定のレベルに達すれば人体被害に直接かかわってくるわけですよね。だから、土壌そのものの汚染に関する基準を設ける方法で、大気と同じようなやり方でダイオキシンに関しては考えるべきではないか、このように申し上げておるわけでございますけれども、御見解をお願いしたいと思います。


○政府委員(渡辺好明君) 私のこの一つ前の答弁で申し上げたんですけれども、健康影響リスクというものをどういうふうに考えるかといったときに、土壌一つだけを取り上げてやるのではなくて、食品、大気、水も一部あるかもしれません、それに土壌も加えまして、トータルとしてそれが健康にどういう影響を与えるのかという分析の方から入ってまいりませんと、規制手法というのはその健康影響リスクの評価によって手法というものが出てくるわけでございますので、直ちに否定をするわけではございませんけれども、そういったことでどういう手法が一番適切なのかということの勉強をさせていただきたいということでございます。


○山下栄一君 私は、具体的な提案をしたいと思います。
 農地ですね、農用地。所沢周辺でも、先ほど申し上げましたように野菜をつくっている。ゴボウその他を栽培している、そしてお茶もつくっている。そこに、土が野菜等にかぶってそれが汚染された食べ物として人間の口に入るというようなこともあり得るわけでございまして、そういうことで農用地の土壌汚染防止法というのがあるわけですよね。これはカドミウムとか砒素とか、そういうことは有害物質になっておるわけでございますけれども、ダイオキシンも農用地に関しては有害物質の中に入れるべきではないか、こういう規制のあり方も考えるべきではないか、このように考えるわけですけれども、御検討いただけますか。


○政府委員(渡辺好明君) 総合的な規制のあり方をどう考えるかということについては、先ほど御答弁申し上げたとおりであります。
 今、先生から具体的に農用地土壌汚染防止法のお話が出ましたけれども、この法律は言ってみますといわゆる対策法という分野に入ります。規制法という分野ではなくて、具体的に作物障害が出る、あるいは農作物に一定の有害物質が添加をして人の口に入ったときに障害が出る、そういう場合には農用地を客土する、あるいは他に転用する、そういうふうな言ってみれば対策法でございます。したがいまして、規制をどうするか、あるいは指導をどうするかということにはちょっとなじまないのではないかなという気がいたします。
 それからもう一点、今、所沢地区の農業経営の実態を先生もお話しされましたけれども、我々もごく直近の農業センサスを使いまして実情を調べさせていただきました。当該地域での作物の状況というのは、これは農業の世界になりますけれども、マルチ栽培あるいはトンネル栽培というふうな状況でございまして、基本的にダイオキシンの作物への被害が極めて軽微といいますかほとんどないというふうに申し上げていいと思います。それから、お茶につきましても、収穫は新芽の時期に新芽の部分だけを摘み、そしてまたそれを茶に加工するということでございますので、直ちに規制を発すべき状況にあるというふうには考えられないわけでございます。
 ただ、全体の暴露経路の中でいろんなことを研究しなきゃいけませんので、先生の御指摘ありましたことも念頭に置きまして勉強を深めたいと考えております。


○山下栄一君 ごく最近設置されました土壌汚染に関する検討機関で今申し上げたことも含めまして御検討を、今ちょっとそういう御提案もございましたが、お願いしたいと思っております。

 先日取り上げましたこのアセス法関連の質問でございますけれども、環境庁の審査体制が私は今後飛躍的に拡大するであろう、環境庁長官の意見を述べられる機会もふえるであろうと思うわけでございまして、そのために中環審の活用とかまた環境庁そのものの審査体制の強化も大変大事であろうと思うわけでございますけれども、国立環境研究所の問題でございます。

 先日局長は、国立環境研究所は以前から、閣議アセスの段階からこの国環研を活用しておった、このようにたしか答弁されたように記憶するわけでございますが、そうだといたしましたら、国立環境研究所が具体的に関与された、関係されたアセスの件数は、例えばこの三年間にどれぐらいあったのかということをお聞きしたいと思います。


○政府委員(田中健次君) 先日、先生の御質問で御答弁申し上げましたが、「国環研のそれぞれの専門の方々の知見を伺っていろいろとそのノウハウを活用させていただいておる」、こういうふうにお答えを申し上げましたが、こうした国環研の方々の知見の活用は、さまざまな調査研究などを通じまして御提供いただいた知見を個別の審査に活用いたしましたり、あるいはまた担当官が必要に応じまして御相談をしたりしているものでございます。
 御質問の、件名とかあるいは件数等、これは統計的に記録をしておりませんのでちょっとお答えをするのは困難かと思いますが、代表的な例でお答えさせていただきますと、大気保全局におきましては大気汚染の予測シミュレーションに関する知見をまとめまして、窒素酸化物の総量規制マニュアル、こういうのを作成いたしましたが、ここに国環研の研究者にお入りをいただきまして、そうした知見を私どもは道路沿道のシミュレーションの審査等に活用をさせていただいております。
 それから、企画調整局におきまして実施をいたしました複数の大規模埋め立てが大阪湾の潮流等に及ぼす影響に関する調査、こういう調査も行いましたが、これにも国環研の研究者にお入りをいただきまして、いろいろと知見を出していただいて、その知見を大阪湾の埋め立て案件の審査に活用している等々、こういうふうな形でも随分活用をさせていただいておるということでございます。
 いずれにいたしましても、先生の御指摘もございましたように、さらに国環研を活用していくということ、私どもも今後ともそういう必要がある
と考えておりますので、そういう方向で、なかなか国環研の先生も忙しい状況がございますけれども、できるだけ協力をいただいて、審査の確度を高めるということで活用をしていきたいというふうに考えております。


○山下栄一君 だから、それは全く関係していなかったということじゃないかもわかりませんけれども、だけれども、アセスそのものの審査に国立環境研究所がかかわった、そういう感じじゃないのではないかと。個別の研究者に相談したとか、それで何か検討会にメンバーとして加わってもらったとか、知見を何か活用したというお話が今ございましたけれども、国立環境研究所というそういう組織としてアセスの審査にかかわった、こういうのではなかったのではないかと、このように思うんですけれども、そういう認識じゃないんですか。


○政府委員(田中健次君) 個別の、個々の具体的な一部分につきましていろいろとわからない点等を先生にお聞きする、こういうことで、組織としてかんだということまで言えないかとも思いますが、そういうことで、実態上参画もしていただいているというように私ども考えておりますけれども、はっきりいろいろとその形態等を言いますと、先生のおっしゃった方が近いのかなと、こういうふうな感じがいたします。


○山下栄一君 この前の質問はそういう意味で私申し上げたわけでございまして、だから審査体制が、環境庁がかかわるそういうアセスの具体的な場面で、実際に審査にかかわる、環境庁長官の意見にかかわるそういうメンバーが庁内にそんなたくさんいらっしゃらないわけで、今後もそんなたくさんふえないような状況の中で、国立環境研究組織の活用というのは非常に重要な観点ではないかということで私は申し上げたわけでございますので、趣旨をしっかりと御理解願いたいと思うわけでございます。これよろしいですか、これで。


○政府委員(田中健次君) 先生のおっしゃる点を踏まえまして、今後いろいろと考えていきたいと思います。


○山下栄一君  次に、具体的にアセス調査に携わられる業者というか、アセス調査の問題も先日質問したわけでございますが、具体的にこれも質問させていただきたいと思いますけれども、各省庁のアセス調査業務としていろんな発注のあり方があると思いますけれども、これ、前から懸案事項で申し上げているんですけれども、この発注契約の調査、これはいつまでに御報告いただけるんでしょうか。


○政府委員(田中健次君) 調査等の委託が一般競争入札あるいは指名競争入札、随意契約、いずれの方法により調達されているか等につきまして、現在関係省庁にお願いをいたしまして調査をしているところでございます。
 私どもが調査をしておりますのは、一回でも入札に参加した業者の数と、それから一回でも落札した業者の数、こういったことも調べておりまして、入札の台帳をそれぞれの調達ごとに調べて、業者名をすべてリストアップした上で業者の重複を整理しなければならないということで、実際の調査にかなり時間と作業を要しております。これは各事業主体の方の所管省庁の方にお願いをしておりますが、事業実施主体が地方公共団体にわたるものもございまして、その地方公共団体に同じ作業をお願いするということになっております。
 こういうことで時間がかかっておりますけれども、私どもとしてはできるだけ早くまとめたいということで関係各省にお願いをしておりますので、もう少し時間をいただきたいと思います。


○山下栄一君 アセス調査にかかわる業者の利益といいますか、非常にこれ高額になると考えられるわけですね。特に公共工事等、総額がそれこそ億単位の、何百億とかいう単位の中で、そのアセス調査にかかわる費用はその総工事費の何%とかいう、そういう形で決められている場合があると思うわけでございまして、その場合はもう何千万というそういう場合も考えられるということを考えましたときに、今申し上げました問題は非常に重要な問題ではないかなと、このように考えるわけです。
 そういう意味で調査をぜひとも、透明性を図る意味でも御報告をお願いしたいと、そのように思います。
 それで、各省庁の外郭社団、財団その他の法人以外のアセス業界のグループとして日本環境アセスメント協会、こういう任意団体があるというふうに聞いておるわけでございますが、この会員数はどれぐらいあるんでしょうか、お願いします。


○政府委員(田中健次君) ちょっとお待ちください。
 一九九五年一月現在、ちょっと古うございますけれども、会員数が二百三十九法人というのが手元に今データがございます。


○山下栄一君 この日本環境アセスメント協会は任意団体なんですけれども、任意団体なのに各省庁の大変偉い方が顧問という形で入っておられる。何でこんなことになるのかよくわからないんですけれども、具体的に一番最新の役員構成、特に顧問の中にどの省庁の方が入っておられるのか、この役職、直前の役職ですね、お願いしたいと思います。


○政府委員(田中健次君) お尋ねの顧問につきましては、現在の顧問が六人おりまして、その中の一人に元環境庁事務次官が入っておる、こういう状況でございまして、あとは他省庁の出身の方は現在おられないというふうに理解をしております。


○山下栄一君 私がいただきました日本環境アセスメント協会の冊子があるんですけれども、今おっしゃった顧問ですけれども、一番新しい役員表、名誉会長、会長、その他理事の方々、そのほかに顧問の方がいらっしゃるわけですけれども、今六人とおっしゃったが、八人の間違いじゃないですか。正確に答えてください。


○政府委員(田中健次君) 私どもが任意団体である日本環境アセスメント協会から聞いたところでは、六人という報告を受けておるところでございます。


○山下栄一君 これは東京都千代田区麹町一の三の七、日本環境アセスメント協会はその住所にある組織ですね。別に日本環境アセスメント協会というのはないですよね。
 環境事務次官出身の方で船後正道さんでしょう。秋山龍さんとか小坂忠さんとかいらっしゃらないですか、柳沢米吉さんとか。


○政府委員(田中健次君) 私どもが手元に持っております資料では設立時の、昭和五十三年が設立時のようでございますが、そこの顧問に今先生がお出しになりました秋山龍さん、元運輸事務次官という方の名前はそこにはございます。これ正確かどうかわかりませんが、私どもいただいた資料では、設立時は顧問が四名ございまして、その四名ともに役所のOBという、こういうデータでございますが、現在は私どもの理解としては一名という理解でございます。


○山下栄一君 任意団体ですし、別に環境庁の責任ある団体じゃないので、厳しく追及できない面もあるんですが、日本環境アセスメント協会というのは任意団体だけれども、これが非常に権威づけされているのではないか。この会員であるから非常に発注しやすいとか、そういうことが現実にあると考えられる。今の局長の報告は極めて不正確であると。
 これ私も持っているんですけれども、運輸省事務次官、建設省技監、海上保安庁長官、元ですけれども、こういう方々が顧問に入っていらっしゃるんですよ、建設、運輸、それから環境庁と。ということになってくると、顧問連ねているだけで、これ顧問という方々の報酬とかは掌握されていますか。


○政府委員(田中健次君) 私どもが団体からお聞きした範囲では、顧問料は支払われていないと、こういうふうに聞いております。


○山下栄一君 顧問料は支払われていないと。わかりました。
 ただ現実には、この環境アセスメント協会というのはこういう役所でもトップの方々が、元ですけれども、入っていらっしゃるよということで、この発注するかどうかの中に会員であるかどうかが非常に大きなウエートを占めておるという実態が私はあると考えられるといいましょうか、何でこういう法人格のないアセス協会にこういう方々が顧問、環境庁も入っていらっしゃるわけですから、あるのかということをお答え願いたいと思います。


○政府委員(田中健次君) 環境アセスメント協会というのは、先ほどから申し上げておりますように法人格を持っておりませんし、当庁の管轄下にある団体でもございません。
 それで、当庁離職後の個人として顧問になられたということについては、基本的にはその方が判断をされて顧問につかれたということでございまして、私ども環境庁といたしましては、そうした個人の方々の顧問になられた理由とかそういうことは掌握をしておりませんので、御理解をいただきたいと思います。


○山下栄一君 これ、調査契約料が大変高額になってくる、件数もふえてくる、利権が集まる、こういうふうなことが考えられるわけです、今後は。だから、非常に私懸念しておるわけでございまして、今は任意団体かもわからないけれども、各省庁の共管でそれが財団になりとか公益法人になり、補助金が出るとか、特に生態系に関する調査業務がこれから非常に増加することも考えられますし、このアセスメント協会に入っているかどうかが非常に大きな問題になってくるんではないかと。そこで各公共事業の受注業務が談合で決められているというふうなことになったら大変なことですし、そんなことを指摘する一部の方もいらっしゃるわけでございます。

 そういう意味で、このアセス法が通過した後に日本環境アセスメント協会にかかわる不祥事等が発生しないようにという意味で私は申し上げておりますので、直接の所管の組織でないかもわからない、任意団体かもわかりませんけれども、今後の心配が考えられますので指摘したわけでございますので、その点の観点もよく踏まえていただいてお願いしたいと、このように思っております。
 時間が参りましたので、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。




○委員長(渡辺四郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について山下君及び有働君から発言を求められておりますので、順次これを許します。山下栄一君。


○山下栄一君 私は、ただいま議題となっております環境影響評価法案に対し、平成会、民主党・新緑風会及び自由の会を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。

 環境影響評価制度を法制化することは、来るべき二十一世紀を持続可能な社会とするために、また、今年十二月の地球温暖化防止京都会議をホスト国として成功に導くためにはぜひとも必要なことであります。しかし、同時に、この法案が多くの不十分な点を有していることも事実であります。これらの点は、本会議における本法案の趣旨説明に対する質疑、本委員会でのさまざまな質疑、公聴会での公述人の意見を聴取する中で、むしろ深まったと言えます。

 まず、環境庁に対する事業官庁の優位性です。
 主務大臣が定める主務省令によって運用されるこの法案の手続に対し、環境庁長官は、基本的事項を定めて公表するほかには、二回しか協議または意見を言うことができない制度となっています。
 これに対し、環境庁長官の積極的なリーダーシップが発揮されるような制度とする必要があります。

 第二に、環境基準クリア型と言われた現行の閣議決定による環境影響評価制度からの脱皮を目指すとしながら、新制度の核となる複数案の比較検討の義務づけが規定上明確になっていないことであります。

 第三に、地方公共団体が先行的に整備した環境影響評価制度の条例等が、この法案を制定することで後退するおそれがあるとの指摘がなされました。とりわけ、第二種事業に係る判定手続において、特別区の区長を含めた市町村長が意見を述べることさえ認められていない制度となっているのは問題であります。

 第四に、方法書及び準備書の作成に際し、環境保全の見地からの意見を有する者はだれでも意見を述べられる制度となり、意見を聞く範囲は現行制度と比べはるかに広がりました。しかし、準備書の記載事項の説明会の目的を周知のためとし、参加した者の意見を聞くことが含まれていないことは、諸外国の例から見ても不十分であると言わざるを得ません。

 最後に、実施の後、制度の運用の実態を十分検証し、対象事業の追加など、適宜必要な修正を行う必要があります。そして、規制緩和や地方分権の推進による対象事業のとらえ方等を再検討するなどの事態にも対応していく必要があります。同時に、戦略的環境影響評価制度の導入、地球環境への対応の明文化、海外進出企業や政府開発援助事業等にも適用できる制度とすることなどをできるだけ早く行う必要もあります。しかし、この法案では、検討を加える時期を法施行後十年としており、これらの課題に対し適宜適切に対応できるとは思われないのであります。

 以上の点について、不十分な点を修正し、より有効な環境影響評価制度とするために本修正案を提案する次第です。

 次に、修正案の主な内容について申し上げます。
 第一に、環境庁長官は、第三条第一項に規定する国の責務が十分に果たされることとなるよう、関係行政機関のこの法律の規定による環境影響評価その他の手続に関する事務について必要な総合調整を積極的に行うものとすることとしております。

 第二に、第二種事業に係る判定手続において、免許等を行う者等は、特別区の区長を含む市町村長の意見を求めなければならないものとすることとしております。

 第三に、準備書及び評価書に記載すべき環境の保全のための措置には当該措置以外の環境の保全のための措置についての検討の状況を含むことを規定するものとすることとしております。

 第四に、説明会の開催目的に、準備書について環境の保全の見地からの意見を有する者の意見を聞くことを加えるものとすることとしております。

 第五に、環境庁長官は、免許等を行う者等に対して評価書についての意見を述べようとするときは、中央環境審議会の意見を聞くことができるものとすることとしております。

 第六に、第二種事業及び対象事業に関し地方公共団体が条例で定め得る事項として、当該地方公共団体における公聴会の開催に関する事項を規定するものとすることとしております。

 第七に、環境庁長官は、第二種事業に係る判定の基準及び環境影響評価の項目等の選定の指針に関する基本的事項の策定に当たっては、関係行政機関の長に協議するとなっているのを、意見を聞くものとすることとしております。
 また、免許等を行う者等は、評価書につき事業者に対して意見を述べるに当たっては、環境庁長官の意見を勘案するとなっているのを、尊重しなければならないものとすることとしております。

 第八に、この法律の施行の状況について検討を加えるべき時期を、法施行後十年となっているのを、五年に改めるものとすることとしております。

 第九に、その他所要の規定の整理を行うものとすることとしております。

 以上が修正案の主な内容です。
 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
 以上でございます。


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