140国会 決算委員会会議録 1997年07月09日
○山下栄一君 平成会の山下です。
最初に、東京湾の原油流出事故につきましてお伺いしたいと思います。
今月の二日に大きな事故があったわけでございますけれども、大分落ちついてきたというふうなことを聞いておりますが、ちょっと基本的な疑問がございますもので、質問させていただきたいと思います。
その大きな疑問の一つは、流出量、これが途中で下方修正された、それもまたけた違いの量の、初めの報告が誤りであったという、根本的な対策変更を迫られるような内容であったわけであります。
場所が首都近辺でもございますし、最初の流出量は大変な史上最大の流出量であるというふうなこともございまして、連日報道もされましたし、国民にも大きな不安が広がったわけでございますが、一体、この流出量の計測、これはだれが最初にされて、途中でだれが変更したのかということをお聞きしたいと思います。
○説明員(田口弘明君) ダイヤモンド・グレース号からの原油の流出量の推計でございますが、いずれにしましても、このような油の流出事故があったときには、速やかに体制を組み、速やかに防除するということが一番大切なことでございます。
今回のダイヤモンド・グレース号の関係につきましては、事故が起こったという報告の直後に、どのぐらいこの船舶が油を積んでおり、どのあたりのタンクが破損し、そこにどのぐらいの油があるかということが一番のキーポイントになるわけでございますし、さらにこの時点におきましては、まさに船舶のサイド及び運航者サイド、そちらに情報があるわけでございます。それで海上保安庁といたしましては、二日に運航者側であります日本郵船からの報告それから提出された資料江どから、一万四千ないし一万五千キロリットルであろうというふうに推定をした。これが第一段階目でございます。
それから、その後の経過でございますけれども、その後、日本郵船と財団法人新日本検定協会、それが実際に計測をいたしました。このと去には、既に川崎に係留をした後でございます。そのときに計測をしたと。その結果、流出量が当初のものから大幅に下回って約一千五百五十キロリットルであるということが判明したという報告があったわけでございまして、その点につきまして、非常に誤差も大きいし、かっこの量というのは非常に重要な意味を持ちますので、精査し、そして海上保安庁といたしましても、当初の推計序改め、約千五百五十キロリットルであろうといらふうにするに至ったということが経緯でございます。
○山下栄一君 今の御答弁、確認しますよ。最初は運輸省が推定したと。
○説明員(田口弘明君) 最初は、当該船舶サイドすなわち運航者サイドである日本郵船からの報告及び提出された資料、これがベースでありまして、それをベースにそのような量であろうといろふうに当方としても判断したということまでございす。
○山下栄一君 民間の船であるけれども、政府がきちっと権威を持って発表するものだと思うんですよ。だから、調査主体の問題も私はあると思らわけでございますけれども、要するに最初は運輸省が最終的には推定を確認して発表したと。変革したときに、その日本郵船というどちらかといったら事故を起こした方ですね、それがかかわる報告に基づいて、また最終的には運輸省が権威づけをして発表したと、国民に対して。だから、両方とも運輸省であると、これでよろしいですか。
○説明員(田口弘明君) 若干繰り返しになりますけれども、事故が起こったという通報があったきに直ちにその十分な対応策をとる必要があるわけでございます。
したがいまして、事故が発生した当時に得られるいろいろなデータあるいは油種等につきましてはあくまでも運航者サイドが持っているわけでありますし、さらには当該船舶は事故を起こしその現場近くにいるわけでありますから、そういう状況においては、そのような状況で得られる知見、これがベースにならざるを得ないわけでございます。そして、これにつきましても、運航者側である郵船サイド、そちらがきちんとしたデータを持っているわけでございまして、こちらにはないわけでございますから、そちらの報告を受け、それがさほど、見て明らかにおかしいということがその時点で当方にわかれば別でありますけれども、そうでない限りはどうしてもその報告というのがベースにならざるを得ないというような状況でございます。
○山下栄一君 状況説明を聞いているんじゃなくて、要するに、最終的には運輸省がいろんな判断に基づいて、最初は一万五千キロリットルだと、途中からは千五百キロリットルというふうに変更したと。そんな民間の人が勝手に発表したわけじゃなくて、内閣がかかわって発表しているわけでしょう。政府の責任のもとに発表したのと違いますか、両方とも。それだけ答えてください。そうじゃないのかどうか。
○説明員(田口弘明君) 運輸省といたしましては、それぞれの時点において、運航者側からの報告等についてその時点でのできる判断ということで、そういうふうなことであればそのような量であろうというふうに判断をしたということでございます。
○山下栄一君 だから、運輸省が確認をして発表したということだと思うんです。
それで、途中で変更するときに、重大な変更やからね、これは。要するに、いろんな対策を打つ前提が全然変わってしまうわけですから。中和剤をまく量から被害の想定から、全然けたが違うわけでしょう。変更するに当たって、ちょっと最初と違いますよということを申し出たのは日本郵船なんですね。
○説明員(田口弘明君) 申し出をしたのは日本郵船でございます。
○山下栄一君 先ほど新日本検定協会という財団法人の話をされましたが、これは本来こういう流出事故のときにかかわるそういう基本的なルールか何かあるんですか。
○説明員(田口弘明君) 財団法人の新日本検定協会と申しますのは、技術的なノウハウを持って、このような場合に、残っている油でありますとかそういった計測をつかさどる協会でございまして、それを日本郵船も使って計測したということでございます。
○山下栄一君 日本郵船の依頼に基づいて新日本検定協会という運輸省がかかわっている財団、公益法人、これが検査したと。最初の時点では新日本検定協会はかかわらなかった、こういうことですね。
○説明員(田口弘明君) 当初、事故直後につきましては、新日本検定協会は加わっていなかったというふうに判断しております。
○山下栄一君 流出量が全然違いますということを事故を起こした責任がある日本郵船が政府に報告してきたわけですね。そのときに、これは重大な変更やから、私はこの変更が本当に間違いないのかということを確認せにやあかんと思うんです。単なる推定とかじゃ問題である。
航空機事故の場合は事故調査委員会があり、原因究明を徹底的にこれは時間もかけてやるんでしょうけれども、今回のこういうことが平気で行われておったら今後不安でたまらないわけですね。まして責任がある側の報告に基づいて変更するなんというようなことは、そこの依頼に基づいて、それは新日本検定協会に運輸省がかかわっているかは知らぬけれども、民間の財団でしょう、これは。そういうのだけの報告によってまた変更している。じゃ千五百キロリットルは本当に間違いないのかということになってくるわけですよ。そこに海上保安庁なり運輸省は立ち会ったのか。それはどうですか。
○説明員(田口弘明君) 日本郵船サイドから運輸省に、流出量をしっかりはかった結果、実は約十分の一の千五百五十キロリットルであるというふうなことが海上保安庁サイドにもたらされまして、まずは三管本部にもたらされ、そして本庁にそれの整理の結果がもたらされてきているわけでございますが、当庁といたしましても、いろいろな資料のほかに日本郵船等の責任者を直接呼びまして、いろいろな資料等をもとに検討いたしました。そのような過程を経て、流出量については訂正することが必要であろうというふうに判断したということでございます。
○山下栄一君 机の上で資料をチェックして最終確認して間違いないだろうということだということですね。現場においては政府はかかわっていないと、こういうことですね。
○説明員(田口弘明君) 当該船舶は当初、事故の現場付近にあって、余り詳細な検討はできませんでした。しかし、その後、川崎のシーバースの方に係留をいたしまして、そこで精密な測定ができた。あるいは、海上保安庁サイドといたしましても、それまでには当該船舶について、近寄っていっていろいろな流出量の状況でありますとか現実の生の姿を見ております。
したがいまして、先ほど申しましたが、三管及び本庁が判断する一つの判断としては、確かに今の状況からすれば、約一万五千前後というようなものではなくてもっと少ないであろうというふうな判断もそのころまでには、判断といいましょうか見方もあったという、そこらも判断のベースにはなっております。
○山下栄一君 いずれにいたしましても、今回の教訓から私は、こういうタンカーの事故がことしの一月にもあり、引き続きまた七月にもあったと。東京湾にもたくさんの、百隻を超えるタンカーがああいう狭いところを行き来している。ほかの船舶も含めるともう千隻に近い、そういう激しい状況の中で運航されているということもわかったわけでございます。日本海におけるタンカーの航行につきましても、日本の船のみならず、ナホトカの場合はロシアの船だったわけでございますけれども、非常に多くの量の油を積んだ、重油にしろ原油にしろ、行き交っているということがあるわけでございます。
今回の教訓から、流出量がどれだけであるかということ一点からしましても、今回の対応は非常にお粗末な対応であったのではないかなと思いますから、これを教訓に、計測にしろ確認にしろ発表のあり方にしろ、住民への情報開示も含めてルールづくりを検討していただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
その場合に、第三者機関も入っての専門的な調査能力のある、事故を起こした側の調査ではなくて、そういうことも含めてのルールづくりを検討すべきである。御所見をお伺いしたい。
○説明員(田口弘明君) 当庁といたしましては、ナホトカ号の教訓、あるいは今回東京湾においてこういう事故が起こったわけでございます。東京湾等につきましては防除の計画というふうなものも既につくったものもありましたけれども、今回の教訓をもとに、さらに改善すべき点があるかどうかという点につきましては鋭意検討してまいりたいと思います。
ただ、最も大切なことは、事故が起こったときに可及的速やかに体制を立ち上げるということでございますので、その点につきましては十分な御理解を賜りたいと思います。
○山下栄一君 ちょっと時間がなくなってきたんですけれども、もう一点疑問があるんですが、日本郵船側から政府に調査の結果違っていましたという訂正の報告があったのはいつでしょうか。何日の何時ごろ。
○説明員(田口弘明君) 日本郵船サイドから流出量が約千五百五十キロリットルであるというふうな通報がございましたのは三日の午前三時ごろでございまして、これは現地であります第三管区海上保安本部の方に通知があったわけでございます。
○山下栄一君 官房長官の発表は七月三日の正午前でしたね。その間に第二回の本部会議も開かれていますね、七月三日十一時。七月三日十一時の時点では、流出量の想定は一万五千キロリットルだったんですか。
○説明員(田口弘明君) 第三管区海上保安本部に三時ごろに郵船サイドからそのような報告がありました。これにつきましては十分にやはり精査する必要がありまして、事実関係を整理した上で本庁に報告があり、さらに直接日本郵船サイドから聞かないといけませんので、それを十分に確かめて精査をしたということであり、さらに運輸大臣は対策本部長でございますから、そちらにも御報告をし、非常にこれは重大な問題であって、仮に一遍訂正して再度また訂正するとしたら非常に混乱が大きくなってしまうというふうな判断もありまして、さらに精査をさせて、その後官房長官に御報告して公表したということでございました。
朝の時点でございますけれども、次のような状況でございました。
三日の早朝の時点と申しますのは、排出された油がまだ拡大をし続けておりました。そして、一部はとうとう横浜、川崎の埠頭に漂着しているというふうな状況でございました。それに即応して防除のための船艇、航空機の勢力を大幅に増強する必要があったわけでございまして、そういう意味でこの午前中というのは非常に重要な時点でございました。現に、三日、四日につきましては二日の三倍の体制を組みまして、これによって四日の夕刻までに油膜の濃い部分をおおむね回収することができたという結果でございます。
したがいまして、このように三日の早朝というのは防除体制を確立する上で極めて重要な時期に当たっておりまして、油の排出量が当初の予想の十分の一かどうかという問題がありましても、仮に十分の一であったとしても、やはり三日の体制というものはこのような体制を組む必要があったというふうに考えております。
○山下栄一君 だから、十一時の話、本部会議。
○説明員(田口弘明君) 本部会議は十一時に開いておりますが、その時期につきましてはまだ十分な精密な検討が続いていたという状況でございます。
○山下栄一君 十二時前には官房長官が発表しておるわけでしょう、正午前の記者会見で発表して
いるわけです。第二回本部会議は一万五千キロリットルの前提での対応会議をやっているわけでしょう。フジモリ大統領と首相との会談で首相もつかまらない。そんなことで、要するに最終判断が、結論が出せないという状況があったからおくれたのと違いますか。
○説明員(田口弘明君) 先ほども申し上げましたとおり、対策本部というのは政府全体をカバーするような体制を組んだ、非常に重要な体制を組んであるわけでございますから、その重要性にかんがみてそのような手続をとったということでございます。
○山下栄一君 とんちんかんな答弁ばかりしていたら困るわけでございます。
例えば、中和剤、凝固剤などの処理剤も一万五千キロリットルを前提に大量にまかれている事態なわけです。こういう緊急事態は初動期が大事だ、油の事故は四十八時間、二日間がもう勝負であると、そんな状況の中で、前提が全然変わるようなことが二日目に起こっているわけでございまして、そういう緊急対応が全然できないシステムで本部会議も行われている。総理大臣がつかまらぬからといって発表も延びるというふうな現状では私は先が思いやられるなと、こういうように思うわけでございます。指摘だけしておきたいと思います。
処理剤の問題、これは大変環境に大きな影響を与えるということが言われているわけでございます。一万五千キロを前提にした中和剤、凝固剤の大量投入が行われた、このようなことを聞いているわけでございますけれども、これについての環境への影響、対応されているんでしょうか。環境庁お願いします。
○説明員(渡辺好明君) 東京湾は、御指摘のとおり大変閉鎖的な海域でございまして、富栄養化の可能性を大分持っております。それから生物資源もたくさんすんでおりますので、油処理剤あるいは拡散をした油そのものが環境に影響を与えるということは十分考えられます。
こういう状況でございますので、今御指摘がございました処理剤それから油そのもの、そういうものも含めまして、これから先継続的かつ段階的に環境影響に対する調査を続けてまいりたいと考えております。
○山下栄一君 原油による環境被害よりも、中和剤の大量投入による環境への影響の方が大きいのではないかということが言われるぐらいの問題点であろうと思いますので、今回の政府の対応は非常にまずかった、今後の大きな戒めとしていただきたいというふうに思うわけでございます。
先に進みます。これも緊急の問題でございますが、環境庁にお尋ねいたします。
大分県におけるスポーツ公園整備事業、これは大変な自然環境への影響を与えるということが突然今大きな問題になってきておる。大分県は、環境アセスにかかわる制度のない県である、アセスの要綱なり、また条例もいまだにできておらない。そんな状況の中で、大分市近郊唯一の木がたくさん茂っている高尾山という山を崩して、そこにワールドカップサッカーの会場となるスポーツスタジアムを中心とするスポーツ施設を建設するという工事が既に始まっておるわけでございます。
実は、ないしょで大分県はアセスのコンサル業者にこの環境影響の調査を依頼しておった、六千万をかけて調査しておった。その調査によると、これは動物種、植物種、生態系に大変大きな影響を与えるということが指摘されておったけれども、これを二年間公表してこなかった、二年以上ですね。
これが今大きな問題になりつつあるわけでございますけれども、これに関して、環境庁はどういう御認識かということをお聞きしたいと思います。
○説明員(丸山晴男君) 今、先生お尋ねの件につきましては、大分県が公園整備に当たりまして、県として積極的に環境事前調査を実施して、公園実施設計に反映させるべく環境影響の事前調査を行ったものでありまして、いわゆる閣議アセス、具体的には建設省所管事業に係る環境影響評価の実施についてという建設事務次官通知の対象事業というものにはなっておらないものでございます。
この内容につきましては、そういうことがございまして、地元県当局から具体的な報告を受けておりません。その内容については承知していないところでございますが、昨日、地元県におきまして、担当幹部が口頭での記者発表を行い、また、その調査内容及び対策につきまして取りまとめた上、後日、記者クラブへ説明するといった会見をしたという報告が入っているところでございます。
○山下栄一君 環境庁がかかわっておりますレッドデータブックに記載されておる貴重な植物種、動物種が高尾山の自然公園の中にはたくさんある、こういうわけでございますけれども、この希少な動植物が絶滅ないし死滅してしまう可能性が大変高いという報告が、報告というよりも調査が、今申し上げた大分県が依頼した、委託したコンサル業者によって報告されておるわけでございます。したがいまして、これは閣議アセスにかかわる県の事業でもないからということで放置できないのではないか、このように考えるわけでございます。
例えば、動物種におきましては、その調査によって報告されておることでございますけれども、オシドリ、これは環境庁の希少種、レッドデータブック指定種、同時に国際自然保護連合レッドリスト指定種です。このオシドリが今回の公共工事の実施によりまして影響が甚大である、オシドリが飛来してくることは今後もう考えられないというような報告がされておる。それからハイタカ、これも環境庁の希少種、レッドデータブック指定種。以上、鳥類でございます。
クモの中にキムラグモというクモがあるそうでございますが、これも環境庁のレッドデータブーク指定種、世界自然保護基金、WWFの日本委員会が保存プロジェクトに指定しているキムラグモという種類だそうでございますけれども、これにつきましても生息そのものが消滅する、調査によってそういう報告がされておる。
両生類オオイタサンショウウオ、これも環境庁の希少種、レッドデータブック指定種、大分市の指定天然記念物。生息しているのは大分県が大半だそうでございますけれども、両生類オオイタサンショウウオも壊滅的な状態になると、大分県が委託をした調査会社の調査によって報告されておるわけでございまして、こういう事態を環境庁は放置していていいのか。いかがですか。
○説明員(丸山晴男君) ただいま先生お話しの幾つかの点につきましては、けさの地元紙の報道等で私ども散見いたしたところでございますけれども、いかんせん現時点では本件の具体的内容につきまして承知をしておらないところでございまして、今後必要に応じまして情報の収集に努めてまいりたいと考えております。
○山下栄一君 情報の収集は当然でございますけれども、今申し上げたような環境庁がかかわっておられる野生動物の保護に大変大きな影響を与える公共工事であるということでございますから、県に対してもきちっと御指導をする形で、場合によっては公共工事の変更なり停となり、そういろことも含めた対応をお願いしたい。もちろん、当然事前にきちっと調査する必要があると思うわけでございますけれども、いかがでしょうか。
○説明員(丸山晴男君) 私ども自然保護を担当しておりまして、貴重な動植物の生息地といいますのは、開発に当たって慎重な配慮が望まれるのは当然でございます。でございますが、本件につきましては、具体的な内容につきまして承知しておらないということでございますので、今後その情報の収集等に努めながら検討してまいりたいと考えております。
○山下栄一君 内容によっては今申し上げたようなきちっとした調査、大分県が委託した調査業者の報告によって今申し上げたようなことがあるわけですから、もちろんこれは私のきょうの質問でございますけれども、きちっと調べていただいて、場合によっては先ほど申し上げたような厳しい対応も国が直接やる必要がある、こういう事態も私は考えられるのではないか、積極的な対応をお願いしたい。再度御答弁をお願いします。
○説明員(丸山晴男君) 十分検討してまいります。
○山下栄一君 通常国会で、環境アセスメント法が非常に不十分な内容ではあったけれども成立したわけでございます。その直後にこのようなことが発覚したというか、わかったというわけでございますけれども、大分県はアセス手続を持っていない数少ない県である。念願のアセス法が成立した現在、環境庁として、いまだに環境アセスに対して意識が低いと私は考えるわけでございますけれども、こういう例、大分県のような自治体を今後どのように指導されるのか、お聞きしたいと思います。
○説明員(丸山晴男君) 当然のことでございますけれども、環境アセス法の趣旨をよく説明し、また各県内における周知徹底に、大分県のみならずすべての県ともども、アセスの趣旨を徹底するように普及啓発に共同して実施をしてまいりたいと考えております。
○山下栄一君 先ほども触れましたが、大分県が委託した環境影響調査は平成六年一月から一年間かけて行われているわけです。二年半前のことでございます。
本来、環境影響調査というのは環境にどのような影響があるかということで調べるわけでございますから、その結果は少なくとも公表するのが本来のあり方ではないか、それを環境影響調査というのではないか、このように思うわけでございます。
大分県は、非常に厳しい調査結果であったわけで、公共事業にも大変な影響を与えるかもしれない、市民運動も起こるかもしれない、そういう背景があったかもわからないけれども、場合によってはワールドカップの工事に間に合わないようになったら大変であるということがあったかもわからないけれども、六千万円もかけて住民のお金を使いながら調査したにもかかわらず、これを二年半も公開しなかった、こういう大分県の姿勢に対して環境庁はどのような見解をお持ちでしょうか。
○説明員(丸山晴男君) 動植物の希少種の存在につきまして、これを公表した場合に一部のマニアの方による盗掘、乱獲というおそれもあるということで公開をしなかったということを昨日県御当局が会見でも御答弁をされておりますが、加えまして、事前の環境調査でございまして、いわば公園整備のための環境調査であるということでありまして、厳密な意味でのいわば環境アセスメントというものとは若干位置づけが異なるために公表ということを考えておらなかったというふうに私どもとしては理解をいたしております。
しかしながら、当然情報公開条例もあるわけでございますし、積極的な情報の開示ということが必要であろうかということも同感でございます。
○山下栄一君 公共事業のあり方が今大きく問われておるわけでございまして、そういう観点から環境庁の役割が大変大きく国民の側に立って期待されておるわけでございますので、今回の問題……(「だれも期待していないよ」と呼ぶ者あり)だれも期待していないという声もありますが、大分県に対する対応を積極的にお願いしたい、このように思います。
文部省にお伺いします。
この公共工事は、先ほど申しましたように、スポーツ公園整備事業であるわけでございますけれども、この工事そのものが第一期工事だけでも六百億近い工事である。メーン会場となる競技怖設、そこで二〇〇二年ワールドカップが大分県で行われるわけでございますが、そのスタジアムの施設そのものだけでも二百五十億を超える。大変な財政負担であるということから、大分県の平松知事は、通常国会におけるスポーツ振興投票(サッカーくじ)実施法案が今国会で成立する見通しになった時点、ことしの四月二十六日、西日本新聞の記事でございますけれども、そういう国会の状況から判断して、平松知事は、ワールドカップの競技に向けて約二百五十億円のスタジアム建設を進める大分県にとっては大変ありがたいと声を弾ませたと、サッカーくじによる財政支援を期待していた、国も地方も財政難なので一つの安心材料になると、このように述べたというふうな新聞報道でございます。
この工事が大変な環境破壊につながることになってくると、これは何のための国の支援か、サッカーくじ法案か、このようなことにもつながるわけでございますが、このサッカーくじ法案が通った場合、競技施設の支援に使われる可能性があるのかないのか、お聞きしたいと思います。
○説明員(工藤智規君) ワールドカップの日本招致に当たりましては、政府として側面的に支援するために平成七年二月に閣議了解してございます。その中で、国、地方とも財政改革の推進が引き続き緊要な課題であるということから、次のようなことが了解の前提になってございます。
一つは、大会の開催に係る施設の整備その他の公共事業につきましては、通常の公共事業費の中での優先的配分により対処することとしまして、新たに国による特別の財政措置は講じない。それから、運営費につきましては、適正な入場料の設定等の事業収入により賄われるものとするといろことでございまして、この競技場の建設につき正しては、先ほど環境庁の方の御答弁にありましたように、都市公園整備の一環として行われるものと承知してございます。
今のサッカーくじとの関係につきましては、国会議員の有志の方々の御熱意により参議院に継続審議となっていると承知してございますけれども、私どもも含めスポーツ関係者がその早期成立を期待しているところではございますが、今の計画では、法案成立後二年程度の準備を経てそれからの実施ということが予定されておりますので、少なくとも大分県での施設建設に間に合うスケジュールはなかなか難しいのではないかと推測しているところでございます。
○山下栄一君 そうですが。平松知事は大変期待されておったんですけれども、無理だということですね。わかりました。
加藤委員もちょっと触れられましたけれども、ダイオキシン問題、厚生大臣にお聞きしたいと思います。
ことしの二月以来、私も何度かダイオキシン問題、有害化学物質の一種でございますけれども、取り上げてまいりました。六月六日の環境アセス法案成立の日の環境委員会におきましても、橋本総理にもお聞きし、厚生省の方にもお聞きしたんですけれども、きょうは大臣に直接お聞きしたいと思うわけでございます。
特にダイオキシンによる人体汚染、これがお母さんの母乳からも検出されておる、こういう報告が行われております。これは環境庁、厚生省ともにだったかもわかりませんけれども、健康リスク評価に関する検討会の報告にもあったように思うわけでございまして、母乳が汚染されておるということは大変な事態であると私は思うわけでございます。
ところが、人体汚染の調査、単独調査は難しいかもわかりませんけれども、いずれにしましても、国による調査がほとんど行われておらない。平成六年、七年、八年と、これは六月六日の厚生省の御答弁でございますけれども、わずか百万円の調査費によってボランティア活動で若干の調査がされたということでございますけれども、事態はそんな、事態といいますか、そういう対応でいいのかということだと思うわけです。
来年度の概算要求の時期ではございますけれども、緊急事態であると。既に日本人の赤ちゃんにまでこのダイオキシンの汚染が進んでおるという事態をどうとらえておられるのかということ。この調査に関する費用、これは一検体を調べるのに三十万とか、場合によっては百万円とか言われているわけでございます。大変費用がかかるわけでございますけれども、今まだ民間の調査とか研究機関にゆだねられておるというような事態で、なかなか実態がつかめないという状況の中で、私はこれはもう厚生省は全力を挙げて予算措置を含む強力な体制をしくべきである。大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小泉純一郎君) 母乳にも汚染が見られるということは、食物連鎖の関係からいっても、動植物全体に対して相当深刻な影響を与えているのではないかと考えられます。
この問題につきましては、いろいろ御議論をいただきましたけれども、厚生省としても、ダイオキシンによる人体の汚染等の状況については、現在国内における調査研究の報告も少ないので、その実態を把握するため、今後ともさらに調査研究の充実を図る必要があると考えております。このため、専門家の意見を聞きながら、その調査充実をどのように実施していくか、現在鋭意検討しているところであります。
ダイオキシンの問題というのは、人体に対する影響、国民の健康、そして環境保全といういろいろ重要な問題を含んでおりますので、汚染実態の把握のために必要な調査研究については、調査費の確保を含めまして、これからもより一層積極的に取り組んでいきたいと思います。
○山下栄一君 昨年度も百万円ですからね。一検体三十万円だと三検体しかできないという、国のそんな乏しい調査費なんです。
今、大臣から調査費の強化も含めて検討していくというお話がございましたので、もちろんこれはもう来年度の予算にかかわることだと思うわけでございますけれども、平成九年度はどうするのか。これは既にもちろんいろいろ研究費もあると思うわけでございますけれども、それを例えばダイオキシンの調査に振り向けるとかいう形でこの調査を強化して、国が、特に厚生省が中心となって、既存の平成九年度予算の中で計上されている費用もこのダイオキシン関連に振り向けるとか、また場合によっては特別の予算枠を考えるとかいう形の対応を私は今年度やっていただきたいと思うんですけれども、この辺は大臣、どうでしょうか。
○説明員(小野昭雄君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、総合的な対策の検討とあわせまして、調査研究につきましてもかなり広範囲な調査研究を、しかも継続的にやっていく必要があるわけでございます。
そういう観点で、現在、専門家の御意見を聞きながら進める体制を整備いたしておりますが、現在までのところ、平成九年度におきましては、食品あるいは毒性評価等で約四千万円程度、それから発生源対策の調査研究といたしまして一億五千万円程度の研究費を確保いたしておりますので、御指摘の点も含めまして、これらの研究費を効率的に活用いたしまして調査を進めてまいりたいと考えております。
○委員長(宮崎秀樹君) もう時間をオーバーしておりますので……
○山下栄一君 済みません。ありがとうございました。