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国会質問

142国会 予算委員会会議録 1998年01月29日

○山下栄一君 公明の山下です。簡潔に質問させていただきたいと思います。
 まず初めに、参議院の予算委員会、本日の冒頭、総理から、今回の大蔵不祥事に対しまして総理として、また大蔵大臣として、両方だったと思いますけれども、決意表明がございました。この総理の決意は深刻な実態を踏まえての厳しい御認識とその前提の上における深い決意だったとは思いますけれども、またこれが口先だけだったのかと、このようにならないようにするために先ほどの決意のお言葉をもう一度確認したいと思うわけでございます。

 先ほどのお言葉でございますが、今回の事態を厳粛に受けとめ皆様におわびを申し上げます、このようにおっしゃった上で、事態の徹底究明の努力を約束する、このようなことが二度と起こらないように的確な対策を講ずることが政府の責務であると。政府というのは総理の責務であるという意味でもおっしゃったと思いますけれども、ところがきょうの午前中の質疑を聞きながら、本当に事態の徹底究明の努力をやるのかな、また二度と起こらないように本当にできるのかなという疑問がわいてまいりました。
 その一つが事態の真相究明のために徹底した努力ということですけれども、なぜ金融部門だけなのか、このことをお聞きしたいと思います。大蔵全般じゃなくて金融部門だけをどうして原因究明をするのか、こういう質問でございます。


○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどと申しますより委員会冒頭に私が申し上げましたことを確認するということで御質問がございました。
 そして、まさにこの問題は、御承知のように金融検査部の職員二名の逮捕、そして昨夜に至りまして銀行局の職員一名が自殺の道を選ぶという事態であります。そして、今まさに事態の徹底的な解明の努力を行うということを申し上げ、同時にこういうことが起こらないようにするのが政府の責務だと考えていると申し上げましたけれども、今例えば金融検査部あるいは銀行局、証券局といったところの過去一定期間に勤務をいたしておりました全員に対して改めてきちんとした調査をし直せというのが臨時代理を受けた私の官房長に対する指示であります。そして、まさに一番急ぐべき調査、そして同時に司法当局が立件される段階におけるその捜査の内容というものを見て対応すべき部分はこの部分だと思います。


○山下栄一君 過剰接待とそれに見合った官僚の収賄という問題であります。大蔵行政の根幹にかかわる、そして国内のみならず国際社会からも日本の金融行政を中心としてこの国の経済行政はどうなっているんだという大変な不信が高まっている。単に金融部門だけじゃなくて大蔵省そのものの大改革を求められている。これは大蔵省全体の風潮を反映したものである、構造的な腐敗である、金融部門だけじゃなくてほかのところにも同じような問題があるかもわからない。捜査そのものは金融行政から始まったことかもわからない、しかしそれは全体にかかわるという認識なくしてこの根絶はあり得ないと私は思うわけでございます。
 もう一度総理の御答弁をお願いいたします。


○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、私は、まず今という状況の中で官房長に指示したことを率直にそのとおりに申し上げました。同時に、内閣の立場におきましては、私自身から閣議におきまして、この点は私自身の不明を恥じなければなりませんけれども、倫理規程をきちんと整備すればそれが守られるという思いでおりましたものが守られなかったわけでありますから、公務員倫理法までを検討せざるを得ない状況、大変情けない思いでありますが、同時に昨日、倫理法の制定に向けての準備を正式に古川副長官に指示を出しております。
 また、議員が指摘をされましたような形でありますならば、既に官房長官から全省庁に対し、またその際にはそれぞれの所管に係る特殊法人までを含めまして改めてその倫理規程に準じた内容のチェック、特殊法人等については今倫理規程を置いておりませんが、公務員の倫理規程に準じてこうしたものを早急に制定するようにという指示を官房長官から既に行っておりますし、各省庁はこの指示の趣旨を踏まえて接待問題に対する実態調査を含めて適切な処置を講じ始めておるものと思います。
 午前中からの御議論は金融検査部の問題についてお尋ねでございましたので、金融検査部の問題について御答弁を申し上げてまいりました。公務員及び特殊法人の役職員に関する倫理規程の整備についてまで既に内閣としては官房長官が指示を下したところでございます。


○山下栄一君 過去五年にさかのぼって、現役だけじゃなくてOBも含めて実態調査をするということでしょう。だから、私はそれは金融部門だけじゃなくて大蔵全体に広げて、接待の実情をも含めてきちっと調査したらどうだ、こういうことを申し上げているわけです。


○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、それをしないと申し上げているんじゃないんです。だけれども、やはり今急ぐのは大蔵省の中においては金融検査・監督部門並びにそれに関連する銀行、証券といった各局。そうした中で接触を持った諸君がどの程度あり、その持ち方はどうであったのか、まず急ぐものはこうした点ではないか、私はまずこうした分野から急ぐべきだと思います。それはほかのところを何も全部ないがしろにすると申し上げているのではありません。そういう意味で、大蔵省の諸君自身が、私は心ある諸君はみずからを恥じながらそうした調査は全力を挙げて行うと信じております。
 いずれにいたしましても、今そういう体制で急がせておるということであります。


○山下栄一君 午前中の質疑にまた関連してですけれども、MOF担の問題がございました。
 それに関連して、総理は民間からの行政への出向者をなしにしているとかいう御答弁だったと思いますが、人事交流、一方通行じゃなくて官僚の天下りも同時になしにするということでないと、MOF担の問題を含めて今回の不祥事の根本的な対策にならない、天下り対策、天下りをやめるということにならない、これは中途半端である。どうでしょう。


○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員の御質問には私は二つの問題点を含んでおると思います。
 まず一つは、そのMOF担というものの存在と、同時に大蔵省に対する出向のほとんどが金融機関からで占められていた。私は、MOF担というものは実際上民間のことですから国がどうこうと言えるものではありませんけれども、そういうものがあっても意味がない状態をつくらなければならないということとともに、既に民間から金融機関の人を大蔵省が受け入れるというそのことは中止をし、現在残っておられる方も、たしか三月であったと記憶をいたしておりますが、には自分の親元と申しましょうか、もともとの企業に戻る、そしてそういう人材はいなくなると聞いておりますということを申し上げました。その上で、天下りという言葉で通常想像される、大蔵省の高級公務員としての地位を背景にいわば指定席のようにして特定のところに退官後行くということ、私はこれ自体は本当に考え直さなければいけないことだと思います。考え直すべき問題を持っております。
 同時に、お考えをいただきたいことは、今これだけ平均寿命が延び、高齢者の就職問題というものが深刻な一つの課題を私どもに与えております。公務員の諸君の引いていく年齢は五十代の前半、そしてその後の人生を全く何もしないで過ごせるかといえば、私は過ごせないと思います。そして、しろもう少し長いこと役所に在籍していられるように年齢構成を変えていくという公務員の人事運用制度のあり方も含めて私はこれは考えなければならないことだと思います。
 そして、大蔵省のOBであったから、それが再就職をすればすべてが天下りと言われるのであったら、彼らには第二の人生は与えられないということになります。しかし、それを本当にできるかといえば、今五十過ぎに引いていく諸君がそのまま全く第二の人生を仕事を持たずに暮らしていけるほどの処遇を官僚に与えている状況にはない今日の日本におきまして、むしろ公務員の定年制の問題、退職後の人生設計の問題、人事管理・運用の問題、これらを含めて考えなければならない問題だと意識をいたしておりますし、公務員制度調査会において御論議をいただいている分野であります。
 ただ、特権官僚としての地位をもって、その特権官僚という背景のもとに仕事がないような場所で高給をはむ、天下りという言葉をそのように限定させていただきますなら、そういうものは許されるものではないと思います。


○山下栄一君 腐敗が大きな問題になり、うみを徹底的に出し尽くすという観点から私は質問しているわけでございまして、二度と起こらぬようにするためには、この癒着が大きな問題になっているわけですから、最後に総理もおっしゃいましたけれども、官僚の金融機関の頭取や会長や相談役等への天下り問題については厳格に見直しをしないと、抜本的見直しをしないと本当の解決にならないと申し上げておきます。

 今回の大蔵現役官僚の逮捕、宮川容疑者という方がいらっしゃいますけれども、この方は去年の七月二十九日に大蔵省から処分されておる。大蔵省の処分は国家公務員法上最も軽い戒告処分であった。それが今回、この一月逮捕という状況に至ったという、この処分がいかにいいかげんででたらめだったかということをあらわすものであると言わざるを得ない。
 この昨年の七月二十九日の処分について、極めてでたらめであったということについての反省、責任、これをお聞きしたいと思います。


○政府委員(武藤敏郎君) 昨年、第一勧銀の検査忌避事件に絡みまして検査官の何人かがいろいろ癒着があったという批判がございまして、この第一勧銀との関係におきまして、一定の検査期間中に飲食でありますとか会食でありますとかゴルフでありますとか、そういうものが行われたという事実をつかみました。それは一定期間の約六カ月ぐらいの間の行為を中心に調べてそういう結果を得たわけでございます。その結果に基づきまして処分をした、こういうことでございます。そのときにそれ以外の、今回の逮捕の容疑事実が見つからなかったということに対しましては、確かに当時の調査が甘かった、不十分であったということでございまして、大変申しわけなく思っております。
 もう一人の方の谷内容疑者につきましては、当時この第一勧銀の検査に参加していなかったということでありましたので調査の対象外になっておりました。
 いずれにいたしましても、調査が不十分であるという反省を踏まえまして、現在総理からの厳格な指示を受けまして、一定期間さかのぼって、現在在職している者及びその期間に在職した者を自主的にまず調査する、さらにはその裏づけとなるようなことがあれば、今回金融服務監査官というのを昨日発足させましたので、それに基づきましていろいろな周辺の事情も調査するといったような手だてを講ずることによりましてより正確な調査をしてまいりたいというふうに考えております。その上で、事実を把握しましたならば、当人たちの処分はもとよりのこと、関係する監督者の監督者責任についても厳格に処分をしてまいりたい、かように考えております。


○山下栄一君 この問題は先ほど問題にいたしました事態の徹底究明の内部調査にかかわる話ですから、今不十分だとおっしゃいましたけれども、私はでたらめだと申し上げているわけでございまして、また同じように徹底してやるという言葉自身が口先だけで実はいいかげんにやるということが繰り返されるかもわからないという問題である。去年の七月二十九日の処分のときにも調査したはずであります。でたらめだったから今回の事態に至っているわけである。だから、総理が幾らおっしゃっても何の保証もないということを私は申し上げているわけでございます。

 七月二十九日の処分の前に行われた調査のいいかげんさを申し上げたいと思いますけれども、これは第一勧業銀行の例の総会屋への不正融資、これを九四年の十月から十二月に大蔵が検査に入った。検査官の一人が、上席検査官が今回逮捕された宮川容疑者であります。
 その調査において、不正な処理が行われていて、それを見逃したということが今回の逮捕に発展したわけでありますが、去年の処分は直前に第一勧銀の会長、副頭取が逮捕されている、それを受けて去年の処分が行われているわけでございます。
 それに基づいて不正を見抜けなかったというよりも見過ごした、一緒に隠ぺい工作をやったのではないかという観点からの調査が本来あってしかるべきであった。それがお茶を濁す程度の調査をし、一番軽い戒告処分に至ったということであります。

 今日から見ますと、過剰接待をしていた銀行も第一勧銀だけじゃなくて、あさひ、三和、拓殖銀行、ほかにもあったということ、接待そのものの中身も大蔵省が調査した程度の接待どころではなかったということも今わかってきているわけです。また、服務規程を一昨年の十二月につくり、そして徹底された直後の、この発覚した問題点をわかりながらそういういいかげんな調査をした、こういう問題点もあります。
 そして、今回逮捕された谷内という容疑者は、この処分を受けた以後も繰り返し接待を受けていた、こんなことを考えますと、去年の七月二十九日の処分の前の調査がいかにいいかげんで、そしてこの処分が形だけのものであったかということがわかるというふうに思うわけです。

 したがいまして、総理にお伺いいたしますけれども、同じ問題で今回逮捕された方を去年大蔵省が調べて処分しておった、それがいかにいいかげんな処分をやっていたかということが露呈された今回の逮捕劇であったということを踏まえて、昨年の処分の責任、そして反省のお言葉を総理からお聞きしたいと思います。


○国務大臣(橋本龍太郎君) 事実問題として、そうした不正な、また不当な行動をとり続けておることを把握できず、それが結果として今日の事態に立ち至りましたことは私の口から改めておわびを申し上げます。本日の冒頭の中でも私はおわびを申し上げましたけれども、改めておわびを申し上げます。
 そして同時に、今私は大蔵大臣を兼務する立場でありますのでその立場でお答えをさせていただきたいと存じますが、恐らく私は心ある大蔵省の諸君はこの事態を心底恥じておると思います。そして、いいかげんな調査をしたんだからそのいいかげんな調査をした人間がまた調査をするといったって信じられないと議員は言われましたけれども、私は倫理法をつくらなければならないとまで今回は思いますが、同時にまず大蔵省自身がみずからを正す努力は全力を尽くしてやってもらいたいと思います。
 そして、例えば司法権あるいは捜査権限を持って行う調査ではありませんからそれには限界はあるでしょう。しかし、その中で彼らにできるだけの調査は本当にやってもらいたいと思います。それもできなかったら、この役所は一体何だということをみずから立証することになります。
 そして同時に、その意味でいわゆる強制捜査の権限を持たない範囲の中でつくられた新しい服務監査官、また官房、全力を挙げてその調査を行うと考えておりますので、それだけの時間を彼らにかしてやっていただきたい、そうお願いを申し上げます。


○山下栄一君 総理の気持ちはわからぬでもないけれども、事態の徹底究明をやるとか、生まれ変わって出直すとかということを何度も繰り返してまた今回の事態になっておるわけですから、二度と起こらないように的確な、二度と起こらないようにするといっても、総理そのものの命がけの覚悟がないとこれはとてもじゃないができないということを申し上げたいと思います。

 次の問題に移ります。
 同じ本年一月に起きた事件で、大蔵省OBの日本道路公団理事の接待、汚職事件の問題であります。今回の汚職事件の舞台となりました政府保証債の発行業務について、あらかじめ公団より資料をいただいております。これはちょっとお手元に資料が行っていると思いますけれども、資料1を見ていただきたいと思います。(資料を示す)

 これを見ますと、外債発行につきましては曲がりなりにも入札を行った形跡が見られる。といっても、引受主幹事会社、また幹事会社、昭和六十二年から平成八年まで、どちらかに興銀の名前が載っておる、日本興業銀行。さらに、私が驚きましたのは、次のページの国内債、国内における債券の発行にかかわる引受幹事を、昭和六十二年から平成八年の最近十年間、日本興業銀行が独占している。これは異常な事態であるというふうに思います。見直されぬままに今日来ているということでございます。
 なぜこんな事態になっているのかということを御説明ください。


○参考人(鈴木道雄君) 今回、当公団の経理担当役員が収賄容疑で逮捕され大きな社会的不信を招いたことを公団の責任者として深くおわび申し上げます。また、二度とこのようなことが起こらないよう綱紀の粛正につきましても厳に徹底してまいります。
 今お尋ねの国内債の引受幹事会社につきましては、昭和三十一年度の第一回発行当初から現在まで日本興業銀行が務めております。これは国内債の発行の準備段階で既に先行しておりました国鉄、電電公社等を参考にしたこと及び日本興業銀行が証券分野に精通し、債券全般における取扱件数も多く、また引き受け販売能力も高いこと等によるものであります。


○山下栄一君 建設大臣、この道路公団の監督官庁は建設省でございます。今回の事件につきましては非常に深刻な認識をされていると思うわけでございますけれども、今の問題、どのように感じられますか。内債の幹事会社を一つの銀行が独占し続けてきている、今も続いているというこの問題、いかがでしょう。こういうことを見直さずして国民は信用しない。癒着そのものじゃないか。どうでしょうか。


○国務大臣(瓦力君) 山下委員にお答えいたします。
 ただいま日本道路公団総裁がお答えをいたしましたが、道路公団の内債の引受幹事会社は昭和三十一年度の第一回発行から現在まで日本興業銀行が務めておるということでございます。これを総裁が答弁をいたしましたが、国鉄、電電公社等を参考にして、証券分野に精通をして、証券全般における取扱件数も多い、こういうことで日本興業銀行に、これらの引き受け販売能力も高いということで今日に至っておるということであります。
 よって、今回の問題につきましては、大変国民の不信を招く不祥事でありますので、一月二十一日でございますが、建設省所管の公庫・公団長会議におきまして、資金調達システムの透明性、客観性を高めるために改革を行うように指示をいたしたところでございますし、また道路公団におきましても、これを受けまして、一月二十三日でございますが、資金調達の業務改善委員会を設置したと伺っております。必要に応じまして、内債の引受幹事の決定方法につきまして検討がなされておる、かように理解をいたしておるわけであります。
 日は少のうございますが、公団といたしまして信用回復をしなければなりません。今全力を挙げて取り組んでおる、かように聞いておりますので、私からさようお答えをさせていただきます。


○山下栄一君 では、建設大臣、今おっしゃった改革の観点なんですけれども、独占している状態をやめるということですか。どうですか。


○国務大臣(瓦力君) 経緯につきまして総裁並びに私も徴しておることを今ここでお答えをさせていただきました。これからいかなる方法がいいかということを全力を挙げて検討して信頼を回復したい、さようなことをただいまもお答えさせていただいたところであります。


○山下栄一君 だから、独占状態を見直すことも含めて考えていらっしゃるということですね。
 ほかの大臣の皆さんもお聞きいただきたいわけでございますけれども、道路公団だけじゃなくて他の特殊法人が発行する政府保証債、これについても債券発行の引受幹事が日本興業銀行である、またその債券の登録機関も興銀となっていると。こういう事態について、これはまさに金融行政のひずみであり、構造腐敗を物語っていると私は思うわけでございます。昭和三十一年以来こういう状態が続いているということ自体異常だと。
 総理大臣、いかがでしょうか、御所見をお伺いしたいと思います。


○国務大臣(橋本龍太郎君) なるほど、確かにちょうだいした資料を拝見しますと、特に資料2―(1)としてちょうだいをしました主な国内債、すなわち政府保証債発行一覧を見ますと、引受代表幹事、登録機関ともに日本興業銀行が並んでおります。私もどうしてこういう状況になっているのかわかりません。しかし、いずれにしてもそういうものが透明な姿で選ばれ、そして透明な姿で運営されるということがわかるように努力をしたいと思います。


○山下栄一君 総理大臣、そんなのだめですよ。今回の大蔵OBの事件はこの幹事会社をめぐる不祥事であるわけでございまして、そういう大変メリットのある、後から申しますけれども、その引受幹事会社、登録機関が日本興業銀行に独占されている。日本道路公団を初めとして公営企業金融公庫、日本道路公団の発行総額をごらんになっていただきますと、昭和六十二年からの分ですけれども、十年間で一兆七千億。これまた公営企業金融公庫、自治省所管、十四兆。その他、首都高速道路公団、住宅・都市整備公団、水資源開発公団、阪神高速道路公団、中小企業金融公庫、本州四国連絡橋公団、北海道東北開発公庫、石油公団。全部、引受代表幹事日本興業銀行、登録機関日本興業銀行。
 だから、これは透明性とかという問題じゃなくて、こういう一つの銀行が独占しているということそのものが異常な事態じゃありませんかということを申し上げているわけです。


○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、私も今ちょうだいした資料を拝見して、本当にそうだということは申し上げたつもりであります。その上で、私はこういう選定というものがどのようなルールで行われているのか存じませんから、そういうものがきちんと透明な形で行われることが大切だと思うし、そういう状態にしたい、そう申し上げました。


○山下栄一君 初めて知ったということ、やむを得ない面があるわけですけれども、ぜひ勉強していただいて、抜本的な見直しをお願いしたいと思うわけでございます。
 日本道路公団法に基づいてこういう債券を発行できる、そして道路債券令では第二条に「道路債券の発行は、募集の方法による。」と書いてあるにもかかわらず、もうずっと長年独占されてきているということを指摘しているわけでございます。
 このメリットの方ははかり知れないということを御指摘したいと思うわけでございますけれども、まずこういう代表幹事になることによってさまざまな情報の集中化が起きるということ、そして日本興業銀行が常に幹事会社であるということによってその信用力を興銀は強化している、有利な契約で手数料その他の率も興銀が独占的に決めることができる、受託手数料、最近のもので〇・〇二%、登録手数料〇・〇四%を独占できると。

 例えば、これは日本道路公団の国内債の発行額等一覧表でございますけれども、(資料を示す)平成七年分だけを見ましても、二千九百四十億円で換算して、受託手数料、登録手数料、これが合計で約二億円。これは平成七年分だけです。それも道路公団の分だけです。これが全部興銀に独占的に転がり込んでくる。まして、ほかの政府関係機関のものを合わせますと莫大な手数料収入を興銀は受けるという大変大きな問題であると思うわけです。

 今回大きな問題になっております癒着行政の象徴的なものだと。これが全然見直しされないままに今日に至っているということ、これは今回一端として逮捕事件があったわけでございますけれども、こういうことも見直しをしないと国際社会は信用しない、このように考えるわけでございます。
 今申し上げました道路公団だけじゃなくて、ほとんどの、すべてと言ってもいい特殊法人の国内の債券発行についての独占状態、これはもう抜本的に見直しをしてすぐに取りかからなきゃならない、このように思うわけでございます。それをしないと今回の事件の反省は何もしないということになる。
 総理、いかがでしょうか。


○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は発行体と金融機関の間で決めるべき問題だという整理が本来のものだろうと思います。しかし、その上で監督当局が仮にその金融機関の業務運営の中に適正さを欠くものがあると認められた場合、法令にのっとって適切に処理することが必要である、そのように思います。
 その上で、私自身が今拝見をし、確かに非常に不思議な感じを持つぐらいすべての、殊にこの資料2―(1)の場合に、ここにあります登録機関、引受代表幹事すべてに興業銀行が並んでいるというのを見て、確かに私自身が率直に本当に違和感を持ちました。ですから、透明さを必要とするということを申し上げております。
 議員は私が申し上げた意味をおわかりいただいたと思うんですが、本来ならそれこそ発行体と金融機関の間の問題というお答えをするのが筋道の部分でしょう。その上で、これを見て私も本当に変だと思いますし、変というか異様な感じを持ちますし、これが選定をされていくプロセス、そこが透明になれば、議員が主張されるような問題があるのか、それともそれだけのノウハウを有することによって競争力を持ち、政府保証債をここから発行させることが本当に国民のメリットになるのか。今ちょうだいをした資料を拝見しただけではそこまではわかりませんので、私はいずれにしても透明さが求められるというところまで踏み込んで申し上げたつもりなのでございます。そこはおわかりをいただきたい。


○山下栄一君 今回の道路公団の理事、元大蔵OBの問題でございますけれども、この資料2―(1)の発行機関、もう一度ごらんになっていただきたいと思います。
 ここには書いてございませんが、日本道路公団からずっと書いてございますね、特殊法人の名前が。この日本道路公団の財務担当理事が井坂容疑者であったわけです。公営企業金融公庫の理事も大蔵OBなんです。住都公団の副総裁、理事も大蔵OBです。水資源開発公団の理事も大蔵OBです。中小企業金融公庫の総裁と理事、監事まで大蔵OBです。本州四国連絡橋公団の理事も大蔵OB。北海道東北開発公庫の総裁、副総裁、大蔵OB。石油公団副総裁、理事、大蔵OB。さらに、この経理部長、資金部長につきましては、道路公団、公営企業金融公庫、首都高、住宅・都市整備公団、水資源、阪神高速道路公団、本州四国連絡橋公団、石油公団、今申し上げた各特殊法人は全部これが大蔵OBでございます。こういう実態がある。

 接待の問題は特殊法人まで含めて調べるというお話がございましたけれども、これはまさに先ほど申し上げた再就職、天下りの大蔵OBが財務担当理事をやっていること、そのことが今回の不祥事につながっているわけですから、全部見直しをしないと、調べれば調べるほど同じような問題がぼろぼろ出てくるという可能性がある。これはもう最近始まっておるんではなくて、指定席のごとくそういうポストが大蔵OBによって占められているというかなめの部門でございますから、これは内債、国内債発行にかかわることですから、これはもう大蔵大臣としての総理、本格的に取り組んでいただいて、天下り問題も含めて抜本的な見直しをすると。
 この天下り問題についての感想をお聞きしたいと思います。


○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員が例示で挙げられました以外の組織、団体におきまして大蔵省のOBが存在する場所のほかにも存しておることを私も承知いたしております。私自身は何の気なしにそれはそれとして受けとめておりましたけれども、今全部を、全部ではありませんね、まだあったはずです、並べられてみますと、非常に大蔵省のOBが多分野にポストを占めているという実態は改めて感じます。
 そして、先ほども申し上げましたように、既に特殊法人について官房長官を通じまして各省庁に対して、その所管する特殊法人などに対しましても、各法人の性格、業務の内容等を踏まえ、公務員の倫理規程に準じて役職員の倫理規程を早急に制定するよう指導することなどにつき指示を行い、各省庁はこの指示の趣旨を踏まえて接待問題への実態調査を含めて適切な処置を講じるものと考えておりますし、今改めて議員からこうして御質問があり、全閣僚はこれを拝聴しておるわけでありますから、当然ながらその努力をしてくれると思います。


○山下栄一君 現役官僚の汚職事件だけじゃなくて、今申し上げたのは大蔵OBの道路公団理事の汚職事件にかかわる、まさに同じ構図が実は道路公団だけじゃなくてあるんだということを御指摘して、事態の深刻さを私は申し上げたわけでございます。

 残された時間、自民党総裁にお伺いしたいというふうに思うわけでございます。
 これは党の献金問題でございますが、政府与党である自民党と銀行業界との癒着の問題という観点から御質問したいと思うわけでございます。
 衆議院でも議論がございましたけれども、自民党は大手都銀八行から現在百億を超える借入金がございます。この借り入れの経緯についてお聞きしたいと思うわけでございますけれども、金利や担保や返済計画、これについてお伺いしたいと思います。

 これは四年間で百四十億から百十一億に減っているわけですけれども、減り方が極めて少ない。何年かかってこれを返済するのかなと。これは有利な特別の条件で借りているのではないかという疑問がございますので、金利の問題、担保の問題、返済計画の問題をお聞きしたいと思います。


○国務大臣(橋本龍太郎君) 自由民主党は住専問題などによりまして都銀、地銀などからの献金を自粛していたところでありますけれども、先般改めて金融システム安定のために公的資金が投入されることにかんがみまして、銀行業界からの政治献金を自粛することといたしました。
 なお、党の過去における借入金の返済につきましては、これに充当することに限定した上で平成七年からの五カ年計画として各方面から御協力をいただきながら返済を行っております。
 内閣総理大臣という立場でなしに自民党総裁として言えというお話でありますけれども、私どもの党はそれぞれのつかさつかさにおきまして、例えば今のような御質問の問題であれば党の経理局が詳細を行っておりますということを申し上げておきたいと思います。
 その上で、つけ加えさせていただきますならば、自由民主党本部が入っております自由民主会館そのものが担保になっております。また、金利は中小企業並みの高い金利を支払っていると聞いております。


○山下栄一君 担保、返済計画は。──わからない。事前に申し上げておいたんですけれども。
 献金を自粛されているというお話を既にお伺いしているわけでございますけれども、(図表掲示)借りた銀行は大手八行、献金を受けている銀行は三十行。これは借入金を充当するための献金と言えないと。いかがでしょうか。


○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変申しわけありませんが、私は経理局でないとわかりませんと今申し上げましたけれども。
 その上で、過去の借入金の返済について、それに充当することに限定した上で平成七年からの五カ年計画として各方面から協力をいただき、そして返済を行っております。


○山下栄一君 私が申し上げているのは、総理が先日の衆議院予算委員会でおっしゃったからですよ。
 要するに、住専以来献金は自粛している、それは借金の返済分の献金についてはもらっているけれどもと、こういう話があったわけです。ところが、借りている銀行は八行で、もらっている銀行は三十行にわたり、借りている銀行以外のところからいっぱい献金をいただいているわけですから、それは借金返済のための献金と言えない、こういうことを申し上げているわけです。


○国務大臣(橋本龍太郎君) 衆議院の方で言ったというお話、多分この答弁を申し上げたことではないかと思うのですが、こういう御答弁を申し上げたことがございます。
 御指摘のものは、我が党の過去の借入金の返済に充当することに限定した上で、平成七年からの計画として各方面から御協力をいただいているものであり、我が党の経費に充てるための通常の献金とは性格が異なるものと考えております。過去の借入金返済に充てるため平成七年からの計画として各方面から御協力をいただく政治資金は我が党の経費に充てるための通常の献金に関する一般会計に入れておらず、両者は性格が異なるものとして全く区別して扱われているものであり、そのように御理解いただきたい。そうした過去の答弁の際に使用した資料が今ございました。
 恐らくこのやりとりのうち、どこまでをそのとき御答弁を申し上げたかはわかりませんが、御質問に対しこのようなお答えをした、あるいはそのうちの一部、お答えした中からのものと思います。


○山下栄一君 金融安定化法案、参議院でも審議される、衆議院でも審議されておるわけでございますけれども、自民党が銀行から献金を受けているということ、このことについては非常に今回の法案にかかわる大きな問題である。
 銀行を公的資金で救済する、その銀行から献金をもらうということは、公的資金が自民党の献金に行くことになるじゃないかということを考えたときに、自粛していると言いながら、借りている銀行以外のたくさんの銀行から献金をもらっているということ、これは経費に充てるか借金の返済に充てるかはそれは御自由ですけれども、こんなことは自粛にも何にもならない、こういうことを申し上げているわけです、それはへ理屈だと。
 最後に御答弁いただきまして、終わりたいと思います。


○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど来、党としての立場でのお答えは申し上げました。そして、我が党の中でそれぞれのつかさつかさの仕事はつかさつかさで責任を持っております。
 先ほどお答えをいたしましたように、私どもの党が入っております自由民主党本部そのもの、会館、これが担保となり、相当程度に高い金利を支払っておると聞いております。

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