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国会質問

142国会 予算委員会会議録 1998年04月01日

○山下栄一君 公明の山下でございます。
 何点か大事な問題を取り上げさせていただきたいと思っておりますけれども、時間の配分に悩んでおりまして、できるだけ御出席の大臣に漏れなくお聞きしたいというふうに思っておるわけでございます。
 最初に取り上げさせていただきたい問題は、二カ月ほど前になりますけれども、一月二十九日に本委員会で平成九年度の補正予算の質疑のときに取り上げさせていただいた問題でございます。
 ことし一月に入りましてからさまざまな公務員不祥事が続いておるわけでございますけれども、大蔵官僚また日本銀行、その発端となりましたのが日本道路公団の財務担当理事、大蔵省OBの逮捕から始まりました。この問題は、日本道路公団という特殊法人が発行いたします債券、特に外債の主幹事の選定をめぐる接待攻勢の見返りとして不祥事があったというようなことがはっきりしたことが逮捕につながったわけでございます。
 私はこの問題を取り上げまして、道路公団のみならず、さまざまな特殊法人が発行される特に国内債にかかわる政府保証債の引受幹事、そしてまた登録機関、これが日本興業銀行に独占されている、これはもうここ数年というよりも昭和三十二年以来四十数年にわたり独占され、受託手数料、登録手数料、引受手数料等が独占的に興銀に入っているという仕組みがあったという問題を取り上げさせていただきました。図表も使わさせていただきました。これに対しまして、総理は、詳しく存じ上げていなかった、しかし委員の指摘によって非常に違和感を覚えると、こういう率直な発言がございまして、勉強をしたいというふうなこともあったと思います。

 それで、この見直しの動きがあるようでございます。特に、日本道路公団につきましては、政府保証債じゃございませんけれども、政府引受債、後から表を見せますが、政府引受債の三月度の債券発行の引受幹事を日本興業銀行を外して入札制度で決めた、こういうことをお聞きしておるわけでございますけれども、この点につきまして、建設大臣にお願いしたいと思います。

○国務大臣(瓦力君) 先般の日本道路公団における外債発行にかかわる不祥事を踏まえまして、一月二十一日、所管の公庫・公団長に対しまして資金調達システムにおける客観性、透明性を高めるよう改善を指示したところでございまして、委員御指摘のとおり、二十九日の委員会で御質問もあり、指示いたしましたことをお答えさせていただいたわけであります。
 公団では、早速、資金調達業務改善委員会を設置いたしまして、資金調達業務の客観性、透明性を高めるべく、外債及び国内債発行手続の見直しを行ったところでございます。
 国内債につきましては、受託候補会社の選定に関して受託候補会社選定基準を定めまして、受託手数料、登録手数料の入札によって受託会社を決定するということにしたわけでございます。
 なお、国内債の政府保証債の引受幹事の選定方法につきましても、次回の発行、本年の九月ごろになると聞いておるわけでございますが、客観性、透明性を高めるべく見直しを行うことといたしておりまして、委員御指摘のように、公団は先般の不祥事を踏まえて全力を挙げてさように取り組んでおるということを御報告させていただきます。

○山下栄一君 入札制度を採用することによって、政府引受債につきましては富士銀行が落札したということを、今御報告ございませんでしたが、というふうに聞いております。
 手数料が興銀のときと比べると十分の一以下で落札した、このように聞いておるわけでございます。十分の一というと、これは今までいかに興銀が癒着の中で暴利をむさぼっていたか、公的な機関とも言うべき日本道路公団の発行業務に絡んで独占的にこういう引受業務をやっていたことが暴利につながったというふうになっていくわけでございまして、このことについて、建設大臣、これでよろしゅうございますか。

○国務大臣(瓦力君) 今ほど答弁申し上げましたように、資金調達システムにおけるいわゆる客観性、透明性を高めるということは重要なことでございますので、さきに公庫・公団長に指示をいたしまして、それらのことを踏まえて、それぞれの責においていかにあるべきかということを検討し、今御報告をさせていただいたわけでありまして、これらの方途が改革、改善されますようにこれからも見守ってまいりたい、また適切な指示をいたしたい、こう考えておるところであります。

○山下栄一君 ちょっと具体的に答えていただきたい。今回六千億の債券発行についての政府引受債の具体的な問題でございます。
 手数料の割合が興銀と比べると著しく低い。入札制度を導入することで、私は十分の一以下と聞いておるわけでございますけれども、今までよりも相当安い手数料で富士銀行が請け負ったということを聞いておらないんですか、大臣。

○国務大臣(瓦力君) 具体的な御指摘でございますから、今、道路局長にかわりまして答弁をいたさせます。

○政府委員(佐藤信彦君) 入札の結果でございます。
   〔理事岡部三郎君退席、委員長着席〕
 富士銀行が受託会社になった手数料でございますが、額面百円につきまして一厘三毛五糸であるので八百二万円ということになっております。それから、興銀の場合の手数料でいきますと、額面百円に対しまして二銭五毛ということで、この手数料を計算しますと一億二千百九十万円。したがいまして、差額といたしまして一億一千三百九十万円の節減というふうになっております。

○山下栄一君 明確にございましたように、興銀の場合は六千億の政府引受債の発行に伴ってやる手数料が一億を超えていた。総理、しっかり聞いていただきたいんですけれども、富士銀行になることによって八百万円になった。十分の一以下というか、そういう意味でございます。ということは、今までいかにひどい状態であったかということを示している。
 ほかの特殊法人につきまして、総理の方から御報告をお願いしたいと思います。御報告というか、きのうも質問通告で申し上げておりますので、具体的にお答えいただければありがたいと思っております。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 一つ一つの特殊法人について私から答えろということでありますけれども、これは主管閣僚からお答えをさせます。

○国務大臣(小里貞利君) まず、特殊法人の債券発行業務のあり方につきましては、先ほども一部建設大臣の方から御説明ございましたように、所要の見直しが具体的にその後進んでいる、そのように承っております。
 なおまた、私どもの立場から申し上げますと、それらの所要の見直しあるいは精査の状況を見詰めながら今後対応をしていきたい。どのような対応が可能であるのか、その検討をしてまいりたい、厳粛に検討しなけりゃいかぬ、さように思っております。

○山下栄一君 総務庁長官からまとめてというか、総理、私は具体的に見直しがもう始まっておるというふうに聞いておりまして、道路公団については不祥事があったからいち早くそういう見直しが具体的に始まっておる。しかし、ほかのところも始まっておるのを聞いておりましたので具体的にお聞きしたいと思っておったわけでございます。総理の方で、この前も私の質問に対しまして、違和感を覚える、ちょっとおかしいなと思うということがございましたので、早速いろいろと総理みずから指示があったか、お調べされたかというようなこともございましたので、総理からお聞きしたいと思います。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変恐縮でありますけれども、私が一つ一つの特殊法人を訪ねてその実情を調べたわけではございません。ただ、特殊法人の新たなディスクロージャーということでありますならば、政府保証債や政府引受債などの債券の明細についても公表をいたしております。
 幾つかの特殊法人についてそれぞれの主管閣僚はお答えをいたす用意をしておりますから、必要なら順次お答えを申し上げさせます。
 今、私の手元には、公営企業金融公庫あるいは中小企業金融公庫、水資源開発公団等、調べておりますものがございますので、それぞれの閣僚からきちんと御答弁をさせます。

○山下栄一君 自治大臣から簡単にお願いします。

○国務大臣(上杉光弘君) 公営企業金融公庫の国内債についてでございますが、これまでの実績を勘案して日本興業銀行を受託会社としてきたところというのは経緯として御承知のとおりでございます。
 この受託会社の具体的な選定につきましては、現在、公庫におきまして公平な条件のもとでの参加を保証しつつ、入札等の競争原理を導入することを検討いたしておるところでございます。
 公庫は他の発行体と異なり、毎月多額の政府保証国内債を発行しておりますことから、金融機関の側で受託に伴い増大する業務に対応し得る業務処理体制などを整備する必要がございまして、競争入札というものの導入につきましてはある程度の準備期間が必要ではないか、こう考えております。
 なお、縁故債につきましては地方公務員共済組合連合会のみの引き受けでございます。
 率については事務方から答えさせます。

○政府委員(林康夫君) お答え申し上げます。
 中小企業金融公庫の国内債の発行手続の問題でございますが、従来は公庫の国内政府保証債については興銀が主幹事であり、また受託会社でありましたが、今後につきましては、引受主幹事会社について選定手続の透明性、客観性を高めるために主幹事会社選定基準あるいは選定手続等について文書により規定を制定することとしております。
 それから、総裁、副総裁、担当理事等から構成される主幹事会社選定委員会を設置する等の手続を講じることとしておりまして、受託会社の選定につきましては、既に直近に発行された本年三月債より入札方式を導入しております。
 また、国内政府引受債の受託会社につきましても、政府保証債と同様の理由でこれまで興銀としてきたところでございますけれども、既に直近に発行された本年三月債より入札方式を導入して、他の銀行にかわっております。なお、縁故債につきましては、中小企業金融公庫においてはこれまで発行の実績はございません。今後発行する予定もございません。
 受託手数料でございますが、従来より約半分という水準に下がっております。

○政府委員(齋藤博君) 水資源開発公団についてお答えいたします。
 水資源開発公団では、資金調達の透明性及び客観性を高める観点から設置した資金調達業務検討委員会において国内債の発行事務の見直しを行い、平成十年度に発行する政府引受債から受託機関を入札により選定することを決定したところであります。

○山下栄一君 特に、今の中では中小企業金融公庫が三月の政府保証債、そして政府引受債、それぞれ興銀ではない。具体的には政府保証債は富士銀行だと思います。政府引受債は第一勧銀が落札している。そして、手数料が半分になったというお話でございました。公営企業についても入札制度導入に向けて検討に入った、水資源開発公団は既にそういう入札制度を決定したというお話でございました。ということで、見直しの動きが起こっているということをお聞きいたしました。(図表掲示)
 総理大臣にちょっとお聞きしたいと思いますが、これは発行機関、一番上は国鉄清算事業団。総理に資料を渡してあります。

○国務大臣(橋本龍太郎君) ただ、一体どこを指していらっしゃるのかわからないんです。

○山下栄一君 一番上です。国鉄清算事業団を初めとして二十七機関がずっとございます。日本道路公団、中小企業金融公庫、公営企業金融公庫も入っております。
 それぞれ特殊法人は国内債として政府保証債、政府引受債、縁故債、こういう三種類の債券を発行しておる。政府保証債は、二十七機関を合計いたしますと、平成八年度分だけで約三兆、二兆九千億。政府引受債の方は、日本道路公団が大変多いわけですけれども、二十七機関で約三兆七千億。縁故債、これは不思議な言葉ですけれども、これは二十七機関で一兆一千億。総合計いたしますと、八兆円近い七兆八千億。
 政府保証債については、これは引受幹事、それから登録機関、全部日本興業銀行が独占していたということを従来は申し上げておったわけです。それに伴って受託手数料、登録手数料が全部日本興業銀行に入っていたということです。政府引受債、縁故債につきましても大半が日本興業銀行が独占的に受託していた、こういうことでございます。二カ月前の本予算委員会でこのことを総理にお話し申し上げ、ちょっとおかしいな、このように違和感があるなとおっしゃったわけでございます。

 平成八年度に二十七発行体で約八兆円の国内債を発行している。これに伴って日本興業銀行には約三十億の手数料が入っていた。ところが、ただいま報告をいただきましたごく一部の機関、中小企業金融公庫、日本道路公団が入札を実施することによって十分の一あるいは半分の手数料で済んだ、こういうことになっているわけです。日本道路公団も二十数兆円の借金を抱えている特殊法人、そこには国の税金も入り、郵便貯金を初めとする財政投融資も入っている、そういう公的な機関がある意味では非常に損をしていた、日本興業銀行が不当な利益を得ていたということに結果的になる、こういうことから見直しをするべきだ、このことを申し上げたわけでございます。

 今幾つかの報告がありまして、検討が始まっているところと、既に入札制度を実施することによって手数料が低くなったところ等の報告があったわけでございます。
 これにつきまして、私は、もちろん各所管の監督すべき大臣の問題でもあるかと思いますけれども、行政改革にかかわることでもあるという観点から、総理大臣にこのことについて、多分掌握されていると思うんですけれども、この問題につきまして、今どういう状況で、総理大臣はどうとらえられておるかということをお聞きしたい。違和感を覚えるということはこの前お聞きいたしました。

○国務大臣(橋本龍太郎君) だから、先ほども申し上げましたように、議員から御指摘を受けた一月二十九日、私は確かに首をひねって、これはおかしい、何か違和感を覚えるという答弁を申し上げました。そして、議員から「反省は何もしないということになる。」という御指摘を受けて、「私は発行体と金融機関の間で決めるべき問題だという整理が本来のものだろうと思います。しかし、その上で監督当局が仮にその金融機関の業務運営の中に適正さを欠くものがあると認められた場合、法令にのっとって適切に処理することが必要である、」「その上で、私自身が今拝見をし、確かに非常に不思議な感じを持つぐらいすべての、」という答弁を申し上げました。そして今、それぞれの省庁がその指示を受けて、御報告を申し上げたような措置をとっております。
 必要であればほかの特殊法人も全部呼ばなきゃいけないのかもしれませんが、それぞれの所管閣僚のところで今申し上げたようにそれぞれが努力をいたしておりますし、新たなディスクロージャーにつきまして政府保証債あるいは政府引受債など債券の明細についても公表しておるという状況でありまして、債券発行業務の見直しは現在進行中であるということをもう一度繰り返して御答弁申し上げます。

○山下栄一君 本来は不祥事が起こってからとかじゃなくて、四十年以上続いてきた癒着の極めて厳しい慣行であったというふうに私は強く確信いたしますので、総理にこのことを申し上げているわけです。もう見直しが始まったからいいじゃないかという問題じゃない。もっときちっとこういうことは早く気がついてやるべきだったということだと思います。

 今、総理も発行条件等含めて発行主体と金融機関との関係の中で決めるべきというお話がございましたが、この発行条件には実は大蔵省理財局が具体的にかかわっているということを、私は自分の調査でございますけれども、お聞きしておるわけでございます。

 発行主体は、発行条件、例えば債券の利回りを決めるところに具体的にほとんどかかわれなくて、大蔵省理財局と日本興業銀行が具体的に決めているという実質的な実態があるというふうに聞いておるわけでございますけれども、この点、確認をしたいと思います。

○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 委員御承知のように、政府保証債の発行につきましては、大きく分けまして発行の手続と政府保証の手続があるわけでございます。発行につきましては、これは各発行体がそれぞれの主務大臣の認可を受けて発行するわけでございまして、今、総理も御答弁されましたように、その発行手続については努力をされているところでございます。
 問題は、私ども理財局は保証の手続の方をやっております。これは、国が債務を負担する保証契約に関する事務ということを行っておりまして、具体的にはどういう観点から審査しているかといいますと、わかりやすく言いますと三点でございます。
 第一の点は、この債券の額面総額が国会で議決をいただきました各年度の一般会計の予算総則に規定されている保証限度額の範囲内かどうかということでございます。これは範囲を超えて保証するわけにはまいりません。
 それから二番目は、財政上の観点から、例えば政府保証の信用度とか、また高い利率でございますと、結局はこれは国民負担につながるおそれがあるものですから、その債券の利率及び価格が政府保証を付すものとして妥当な水準かどうか、できればより低いものがいいわけでございますが、そういう観点から審査しております。
 三番目は、いろんな条項がございまして、その他の条項の中で急に国の保証債務がどんと来るような条項があってはいかぬものですから、そういう影響するような条項があるかないかどうかの審査を行っております。そういう立場から保証の審査を行っておるのが理財局でございまして、先ほど先生が言われました発行そのものの条件は、これは各発行体が発行手続に基づいて決めているということでございますので、御理解いただきたいと思います。

○山下栄一君 事実はそうじゃないということを私は申し上げておきます。
 「ファイナンス」という雑誌がございます。この雑誌の一九八八年、十年前ですけれども、十二月号、八九年十一月号、ここで大蔵省理財局総務課長補佐寺田稔という人です、現在官房広報室長。松田学さん、現在大蔵省大臣官房企画官が「政府保証債について」という論文を書いておられるわけです。その中でおっしゃっているのは、今発行条件には大蔵省はかかわっていないとおっしゃいましたけれども、発行条件の交渉は実質的に理財局総務課と日本興業銀行との間で行われている、このように明確におっしゃっております。
 今の答弁と全然違いますけれども、これはでたらめな雑誌なんでしょうか。

○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 発行体が発行するに当たって、これは政府保証を付すのに妥当なものかどうかという内々の照会があります。いろんな照会がある中で、先ほど言いましたような観点から、政府保証を付す立場から、発行予定の債券の利率とか価格につきまして、一体保証を付す立場からどう考えているかということを事前に聞かれる場合もございます。そういう場合は、それなりに金利動向を踏まえまして、現実に実績は私ども政府保証債のクーポンは国債のクーポンと並びか、せいぜい最近は〇・一上乗せぐらいのところでございますが、そういうような意味で、政府保証を付すに相当な条件かどうかということについて意見を申し述べていることはございます。
 しかしながら、それは発行条件そのものを決めているわけではございません。あくまで政府保証をつける立場からの意見を申し上げているというところでございます。

○山下栄一君 保証をつける場合の相談に乗るとかそういうことを今おっしゃっておったわけでございますけれども、それは結局かかわっていないのじゃなくてかかわっていて、ここの論文では実質的に理財局総務課と日本興業銀行との間で行われている、こういうふうにおっしゃっているわけですよ。今、局長がおっしゃっていることは、先ほどは明確にかかわっていないと言われながら、今またちょっと違って答弁されましたけれども、いろいろ指導、相談に乗る場合もあるというようなことをおっしゃっております。だから、ここの論文は極めてストレートに具体的にわかりやすくおっしゃってくださっている。それを巧妙に粉飾するような言い方を局長がおっしゃっていると、そういうふうにとらざるを得ない。

 いかにしても非常に不透明な形で発行主体と金融機関との間で、金融機関といっても日本興業銀行です、政府保証債は日本興業銀行が一たん受けて、そして多くの金融機関にそれをまた、引受幹事会社が興業銀行であるわけですから、そこからまたシンジケート団会議というのをやって、そこで具体的にどれだけ引き受けるかということを決めていく手続になっているけれども、実質は日本興業銀行が大蔵省と話し合いで決めているという疑いが極めて濃いということ、譲って申し上げてもそういうふうに言えるのではないか。
 「ファイナンス」という雑誌で具体的に担当されている理財局の総務課長補佐さんがおっしゃっているわけでございますから、そういう非常に不透明なものを私は感じるわけですよ、大蔵省とのかかわり。

 もう一点申し上げます。
 これは総理にお聞きいたしますけれども、各年度の予算案を決定する直前に、政府保証債の年度発行額の決定のために国債発行等懇談会という大蔵大臣が出席されて意見を聞く場がある。例えば平成九年でしたら十二月十九日に開催されているわけですけれども、国債発行等懇談会に日本銀行総裁、財政制度審議会会長、金融制度調査会会長、証券取引審議会会長、全国銀行協会連合会会長、日本証券業協会会長代行が出席されているわけです。ここにはもちろん日本銀行、大蔵大臣が出席されるわけですけれども、その正規のメンバーの中に日本興業銀行が入っている、頭取さんが。
 毎年度行われる国債発行等懇談会、政府保証債も含めての懇談会があるそうでございますけれども、なぜこういうことになっているのかということも極めて不透明だなと。日本興業銀行が特別扱いされて頭取が出席されている、こういうことはもうやめるべきではないか。どうでしょうか。

○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 毎年度発行いたします国債の発行量が膨大になってまいりますと、国債発行当局といたしましては、これらの国債を確実かつ円滑にできるだけ低コストで消化する必要がございまして、そういう意味で、国債発行計画の策定に当たりましては、国債発行懇というのを開かせていただきまして、民間の方々の御意見も聞きながら円滑に進めてまいりたい。それによりまして、市場関係者の意見等を踏まえて、市場のニーズを十分勘案しながら、償還年限別とか消化方式別に適切な発行計画を立てているという事情でございますので、その点を御理解いただきたいと思います。

○山下栄一君 いや、理解できない。旧来の悪い慣行の中で行われてきた、日本興業銀行頭取が出席するのは政府保証債を独占的に引き受けているからそうなってきただけの話だと思うんです。
 今、見直しが始まっています。だから、日本興業銀行がなぜ毎回出席する必要があるのかということから考えても、こんな悪い慣例はやめるべきだ。大蔵大臣、どうですか。総理でも構いませんが。

○国務大臣(松永光君) 先ほど総理のお答えの中にもあったと思いますが、どういう金融機関が国内債の引き受けをするのか、こういったことは、発行体と金融機関との間で決めるべき問題なのでありまして、先ほど委員が御指摘になりました昨年の分までですか、そういった点について独占をしておったなどという事態があるとすれば、それは金融機関の業務の公共性、こういった点からいって問題がなしとは言えないなと、そういう感じを私も受けました。
 したがって、監督当局としては、仮に今申したような金融機関の業務運営の中に適正さを欠くようなことが認められるとすれば、法令にのっとり適正に適切に対処しなきゃならぬ問題だというふうに思うわけであります。
 いずれにしても、金融機関の業務の健全性を確保するために、引き続き適切な監督に努めてまいりたい、こう思います。

○山下栄一君 だから、今こういう金融不祥事が続いて金融機関に対する不信感が物すごくあるわけですよ、金融行政そのものに対して。健全性を確保するために考えてきたというものじゃなくて、非常に不透明な形でこういうことが行われてきた。その見直しが今始まっているにもかかわらず、大事な国債発行等懇談会、政府保証債の年度発行額を決定する会議に、今まで独占をずっとしてきたから日本興業銀行が出席していただけであって、見直しが始まって、具体的に入札も始まっているわけですから、何の出席する理由がない。このことも含めてちょっと総理大臣に最後にお聞きしたい。

 これはお手元に資料があるものでございますけれども、(資料を示す)二十七機関にわたる特殊法人の国内債、政府保証債はもう全部です、政府引受債、縁故債も一つの銀行が全部独占してきた。昭和三十二年以来の話ですからね。こういう非常に不透明なものがあって、一律手数料、発行主体に関係なく全部同じ手数料、同じ利率の手数料でというようなことで今見直しが始まっているわけであります。二十七の発行主体がそれぞれあるのに、全部同じ手数料で決まっていたと。極めて不健全であるし、大問題だと思うわけでございます。
 それぞれの公団、事業団が公募で本来やるべき主幹事、引受銀行を日本興業銀行がずっと四十数年独占してきた、極めて不健全であるというようなことを考えましたときに、抜本的な、こういう悪い慣例はやめるということを言わないと、もう金融行政の問題点というのは私は国民の不信感からぬぐえない、そのことを最後にまとめてお聞きしたいと思いますし、先ほど申し上げた国債発行等懇談会の中に日本興業銀行が今まで入っていたということについてもやめるべきだということについても総理のお考えをお聞きしたい。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、先ほども一月二十九日の議事録に目をもう一度通し、それを引用しながら、おかしいと素直に思ったという答弁をし、そしてその上で透明さを必要とするということも踏み込んで申し上げているということも過去の答弁を踏まえて申し上げました。
 そして、今見直しが進められておりますということも御報告をし、ディスクローズの状況も御報告をし、例示で関係閣僚並びに政府委員に呼んでいただいておりました幾つかの機関について具体的な御報告もさせました。そして、見直しを進めていますということを繰り返し御答弁申し上げております。その懇談会になぜ興銀がいたのか、私もわかりません、今初めて伺いましたから。それは調べてみます。そして、不必要なものならやめてもらいますし、その存在の理由が必要であるということでありましたなら、それはそのまま当然仕事をしてもらいます。
 いずれにしても、調べてみたいと思います。

○山下栄一君 次の問題に移ります。
 日本銀行の役員人事についてでございます。
 日本銀行幹部の不祥事によりまして日本銀行総裁が交代されました。新体制になって改めて役員の顔ぶれを見ましたら、総裁、副総裁、理事、監事──監事が三人いらっしゃいます。この中に矢崎さんという元会計検査院長が入っておられるわけです。これは平成九年、昨年から始まりまして平成十二年までの任期、今途中でございます。

 日本銀行というのは会計検査院の検査対象機関になっているわけです。この矢崎さんという方は大蔵省出身でございます。そして、防衛事務次官もおやりになって、検査官のトップである検査院長になられた人物でございます。その方が、よく事情はわかりませんけれども、日本銀行の役員の中の監事ということでいらっしゃる。これは会計検査院も対象機関である日本銀行を非常に調べにくいという状況が出てしまうとも思いますし、会計検査院そのものの使命が今非常に国民から期待されていることから考えましても、権威を守るためにもこういう人事はやめるべきだ、見直すべきだと。大蔵大臣、どうですか。

○国務大臣(松永光君) 本日から新しい日本銀行法が施行されることになったわけでございまして、日本銀行の役員についてあれこれ言う権限は大蔵省にはなくなった、そういうふうに日本銀行の独立性が非常に強くなった法律下にきょうからあるということを御理解願いたいと思います。

○山下栄一君 だから、国政の観点から、全体の観点から私は申し上げているんですよ。会計検査院の使命、これほど厳しい財政状況なので、執行状況というのを極めて厳格にチェックしなきゃいかぬ、国民の立場に立って会計検査院の使命は重大である。その会計検査院の院長を経験された方が日本銀行の役員として、日本銀行は会計検査院の検査対象機関だと、こういう状況というのは基本的におかしいと考えて当たり前ではないか。総理の御感想をお聞きします。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、法律的には大蔵大臣が御答弁申し上げましたとおり、本日から新日銀法が動き始めております。そうした中におきまして、私は、日本銀行は新生日銀としてふさわしい陣容を整えるべく努力をし、そのような陣容でスタートをしたと考えております。

○山下栄一君 そういう、何というか、白々しい答弁はやめてくださいよ。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 白々しいって、実際にできないじゃないですか。

○山下栄一君 これ別に何とも、おかしいと思いませんか。会計検査の対象の日本銀行に会計検査院長をやっておられた方がいらっしゃって、まともな検査が行われますか、国民から見て。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今、議員が疑問を投げかけておられる人物が防衛事務次官としても、またその前の在職先でありました大蔵省におきましても、会計検査院長としても、その職を汚すような行動はなかった人間だと信じております。
 また、会計検査院は、その院の先輩が監事として就任しているいないにかかわらず、果たすべき役割はきちんと果たすと信じております。

○山下栄一君 信じておりますと言うのは勝手ですけれども、会計検査院の権威は守れませんよ、こんなのじゃ。国民への使命を果たせませんよ。

○国務大臣(橋本龍太郎君) そんなことない。

○山下栄一君 そんなことないことない。
 時間がもうなくなってまいりましたけれども、運輸大臣、今から申し上げる問題は運輸大臣が非常に積極的に発言されている問題でございます、前向きに。
 これは、運輸省の職員が出張する際の航空券を民間航空会社よりただで、公務出張なんですけれども、無料航空券をもらって出張している。これはガバメントオーダーという国際的な仕組みだそうでございますけれども、この問題について、藤井大臣は、現在の日本の情勢から考えて、こういう悪い例はもう見直すべきだと発言されました。このことについて、今もそのように思っておられるかどうかも含めてお願いします。

○国務大臣(藤井孝男君) お答え申し上げます。
 航空行政を遂行するに当たりまして、この分野につきましては国の内外を問わず、大変出張する機会が多うございます。これまでも、ガバメントオーダーという制度を活用しながらこれら航空業務を遂行するに対処してきたところでございます。
 委員御承知のとおりだと思いますが、このガバメントオーダーというのは国際的にも認められた慣行でございまして、運輸省といたしまして、これまでも厳正な運用に努めながら、また一方では件数の抑制を図ってきたところでございます。
 しかしながら、今御質問にございましたように、最近の官と民との関係が厳しく問われておるこういった社会環境、あるいは航空会社を取り巻く経営環境は大変厳しいという状況を勘案しますと、やはりこうしたガバメントオーダーをこのまま続けていくというのはいたずらな誤解を招くということも私、大臣として認識をいたしまして、今後このガバメントオーダーにつきましては廃止をするという方向で取り組むことが必要ということで、先般記者会見等におきましても意見を申し上げたところであります。
 今後とも、この廃止に向けて一層の縮減を図り、またこの件数を厳正に取り扱うことも大変重要なのでございますけれども、ただこれは予算を伴うことでございますので、すぐに廃止というわけにはなかなかまいりません。こういった状況を十分踏まえて廃止に向けて一層これから努力をしていきたい、このように考えているところでございます。

○山下栄一君 予算を伴う問題か知りませんけれども、これが平成八年度、二年前の実績でございます。(図表掲示)一、二、三、四、五、六、七社、JALから始まりまして一番下は琉球エアーコミューターまで。本省関係、地方の役人。本省関係三百六十五件、地方二千七百三十六件。これは、要するに無料航空券で何をやっているかというと、検査に行くわけです。ただで乗っていって航空機や乗員等の検査をする。ということは、検査の日程までわかるはずですね。
 こういう無料航空券を発行してもらおうと思うと、航空会社はどういう無料航空券なのかということを調べなあきませんから、何日にその役人がうちの会社に来るのか、検査に来るのか必然的に全部わかってしまう。こういうのがそのために行われている。ほかにもありますよ、もちろん。会議、業務打ち合わせという名のもとに七百件近い、何の打ち合わせをしているのかわかりませんけれども。

 もっと問題なのは、例えばJTA、日本トランスオーシャンは国内線の十三路線しか持たない小さい会社でございます。この会社が物すごく多く三百九十五件。鹿児島県を中心とする地域航空会社でございます。鹿児島、沖縄、何でこんなに沖縄だけの会議が非常に多いのか。何のためにこういうことになるのか。運輸官僚の方で沖縄が好きな方がいらっしゃるのかもわかりませんけれども、これが公務と言えるかというふうな非常に不透明な部分があるということでございます。

 今、航空会社は大変な赤字経営を強いられている中で、二億数千万円のお金をただでこんなに乗って予算に計上しないということはとんでもないということでございます。もちろん、運輸大臣は見直すとおっしゃっておるわけですけれども、これは即刻全廃すべき問題なわけです。金がないというふうな問題じゃない、これは。まともな検査が行われるかという航空行政そのものが問われる問題だというふうに思うわけです。
 大臣は見直しをする方向でとおっしゃいましたけれども、私、総理にちょっとお聞きしたいんです。こういう慣行が残っていて、まだそういう問題点が、今具体的に申し上げましたけれども、非常に不透明なことを感じる。このことについての総理の御感想をお聞きしたい。

○国務大臣(藤井孝男君) お答え申し上げます。
 今、例示を挙げていろいろ御意見をお述べになられました。ただ、委員ぜひ御理解いただきたいのは、航空行政にいたしましても、鉄道行政にいたしましても、海運行政にいたしましても、運輸省の行政の基本は安全の確保でございます。このことはもう御理解をいただいているところであります。
 したがいまして、航空行政におきましても、安全を確保するため、航空保安施設の保守の巡回あるいは空港の検査、多数の現場での検査等々の業務がございます。しかも、御質問の中にありましたように、我が国は大変な数の離島空港を持っております。そういったところの航路というのは今例示を挙げられた航空会社が運航している。そういう状況の中で、迅速な対応も必要でございますので、中小航空企業のガバメントオーダーによる利用も多くならざるを得ないというのが現況でございます。
 ただ、先ほども答弁申し上げましたように、こういうことが現状でありますけれども、また財政状況厳しい折でありますけれども、こうした大手航空企業におきましても、あるいは中小航空企業におきましても大変厳しい状況にもありますし、また業務遂行に当たって官と民との関係等々を考えますと、やはりこういったことはもう改めた方がいいという私、運輸大臣としての決断をいたしまして、その方向で今後とも進めてまいりたいということをぜひ御理解いただきたいと思います。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、運輸大臣が最後にまとめて申し上げましたように、こうした慣行、確かに私も今見ておりまして、国際的にもこの慣行があるということなので首をひねっておりましたけれども、こうしたものは最終的に廃止に向けて努力をしていくべきものであろう、そのように思います。

○山下栄一君 関連をお願いします。

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