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国会質問

142国会 文教・科学委員会会議録 1998年04月23日

○山下栄一君 何点かポイントだけ質問させていただきたいと思います。
 今、文部省におかれましても心の教育の問題が緊急の課題になっております。学校、地域、家庭。そういうときに今回のこの法案、すぐれた芸術作品、美術品に触れる機会をふやすという非常に大事な趣旨であろうというふうに思います。単に子供だけじゃなくて大人にとっても大事だと。物が豊かになればなるほどかえって心が貧しくなるという、物の豊かさとともに心の豊かさが叫ばれ、求められている時代だからこそ今回の法案の趣旨はすばらしいと思うわけでございます。

 学校五日制の検討、また実施の段階で、こういう博物館、また美術館に対する児童生徒の、特に土曜日、日曜日の過ごし方の中でチャンスをふやすという意味で、受け皿をつくるという意味で美術館、博物館の入場無料公開ということが行われてきたわけですけれども、私、こういう法律を機会に、こういう子供の鑑賞機会を拡大するということをもう一歩進めるべきであろうというふうに思うわけであります。

 現在、国立美術館それから博物館の無料観覧日、特に美術館の場合常設展のみと限っておりますけれども、小中学生に限られているわけですけれども、これを私は高校生にも拡大したらどうかなと。と同時に、東京国立博物館は第二土曜日だけで第四土曜日は開放されていない、無料観覧日になっていないという。これもこの機会に、この法案の趣旨から対象を拡大したらどうかというふうに考えておりますけれども、御見解をお願いしたい。

○政府委員(遠藤昭雄君) 御指摘のように、児童生徒の心を豊かにはぐくむ、そういう環境を醸成していくという観点、あるいは学校週五日制にどう対応していくかという一つの方法として、こういった美術館や博物館で美術品や文化財に親しんでいただく、そういう機会をふやすということは大変大事なことであるというふうに思っております。国立の美術館、博物館につきましては、これは館によりまして若干開設状況がいろんなやり方をとっておるわけですが、例えば第二・第四土曜日、あるいは文化の日、成人の日、敬老の日の常設展、そういったものを無料観覧できるというふうにしておりまして、これは多くの場合、小中学生だけじゃなくて一般の方を対象に無料にしております。
 ただ、一部、京都博物館とか奈良博物館では小中学生のみを対象にしているというところもあるわけでございます。こういったところにつきましては、その趣旨から考えまして、私どもとしてもおいおい積極的に対応していく必要があるというので、今後検討をしていきたいというふうに考えております。

○山下栄一君 東京国立博物館。

○政府委員(遠藤昭雄君) 東京国立博物館は、今第二土曜日しかやっておりません。それと成人の日、敬老の日ですから、第四土曜日についても検討していきたいというふうに考えております。

○山下栄一君 それと、ちょっと時間が余りありませんので、留学生についても私は入場の無料化の対象にしたらどうかなというふうに思っております。せっかく日本に来られて何年か過ごされて日本のことを学ぶ機会もあると思うんですけれども、日本の文化がどれだけ理解されているか日本の国のことを理解されているか海外で余り理解の程度が進んでいないということをよく聞くわけです。せっかく来られている留学生に対して入場の無料化の拡大、留学生のためのこういう配慮をこの機会にしたらどうかなというふうに考えておりますけれども、御見解をお願いします。

○政府委員(遠藤昭雄君) 海外から来られている留学生の方々に日本の文化に対する理解を深めていただくということは大変いい機会で、意義の深いことだというふうに考えております。
 国立の美術館、博物館につきましては各館で無料開放を実施しておりまして、それは先ほど申し上げましたように、一部ちょっと違うところはありますが、一般の方に一定の日に無料開放しております。また、地方公共団体を見ましても、例えば大阪府とか市など幾つかの県、市におきましては留学生支援事業の一環として、留学生がそういう文化施設等をごらんになる場合には入場料を免除している、そういう美術館、博物館があるというふうに考えております。
 それをもう少し広げていったらどうかということでございますが、これについては各館のそれぞれの考えもあることですから、留学生を対象に一律に一遍に無料開放していくということは、なかなかいろんな課題等もあるのではないかというふうに思いますけれども、日本文化に対する理解を促進していただくせっかくの機会であるという面もございますので、今後さまざまな機会をとらえて、無料観覧の促進ということにできるだけ努力をしていきたいというふうに考えております。

○山下栄一君 もちろん、美術館等で子供だけじゃなく大人の方も全部含めて、したがって留学生も入ると思うんです。常設展の場合に無料開放をやると思うんですけれども、留学生の方々にこの日は無料開放しますよという、例えば記念の日を選んで、終戦記念日でもいいですし、また戦後の駐留が終わった後の独立記念日でも結構ですし、そういうふうな形で留学生の方々にという配慮を示すような、そういうわかりやすい日を設けて無料開放日としたらどうかなという提案ですので、御検討をお願いしたいと思います。

 それから、子供たちの体験学習としての、こういう博物館、美術館の移動教室、また鑑賞教室ということ、ミュージアムプランでしたか文化庁でございますけれども、これについてもどの程度実施されているのかも含めまして、やはり私は積極的にこういうことをやることが心の教育にもつながるという観点から非常に重要なことではないかなと思いますので、力の入れぐあいをちょっとお聞きしたいというふうに思うんです。簡単で結構ですので、お願いしたいと思います。

○政府委員(遠藤昭雄君) お答えします。
 子供たちに大きな感動を与える、あるいは生きる喜びや誇りを持つということから、文化の側面というのはかなりな役割を果たすだろうというふうに私ども考えていまして、教育改革プログラムを一月に策定しておりますが、その中でも文化の享受の機会の充実というものを取り上げて積極的にやろうというふうに考えております。
 簡単にということですから一つだけ例を挙げますと、いろいろやっているんですが、舞台芸術ふれあい教室というものを現在やっておりまして、これは小中学校、高等学校の学校の体育館に行っていろんなプロの方たちが演劇等、バレエとかオペラとかいろいろやっておるわけですが、子供たちとじかに触れて参加させて見てもらうという企画でございまして、これは大変好評でございます。十年度におきましても、わずかですが八千万ばかり増額をいたしまして、今回八十四カ所でやりたいというふうに考えておるわけです。それ以外にもいろんな事業をやっておりますので、そういった形で少しでも子供たちにいろんな文化に接する面をふやしていきたいというふうに考えておるわけでございます。

○山下栄一君 今おっしゃったことも大変重要な観点だと思いますけれども、僕は美術館に教室を移動して鑑賞教室、移動教室をやるということの推進をもう少し活発化したらどうかなというお話をさせていただきましたので、また御検討ください。

 最後に、税の優遇措置の話ですけれども、この美術品登録制度を申請した方に対して物納優先順位を第一番にするという。それともう一つ、物納という形ではなくて、所有権は相続人がお父さんからなり受け継ぐけれども、この制度を促進する意味で、この登録美術品の制度を採用された相続人については相続税を軽減すると、こういうふうなこと。
 先ほどバブル絵画の話がありましたけれども、銀行の倉庫にたくさん今眠っている、差し押さえ物件もたくさんあると。これについては今、銀行に公的資金も投入して税金を投入しているわけですから、特に投入された銀行については、うちの差し押さえにこういうものがあるということを公開して、そして寄附を推進するとか、その寄附の場合は法人税を軽減するとかというふうなことも、ちょっとこれは大蔵省に聞かなきゃいかぬわけですけれども、そんなこともこれから、これは五年後の見直しがあるわけですから、積極的に大蔵省にも働きかけたらどうかなと思っておりますけれども、大臣のお考えをお聞きして終わりたいと思います。

○国務大臣(町村信孝君) 税の話の前に、先ほどの東京国立博物館の第四土曜日、確かに委員御指摘のように、ここだけまだ無料になっていないというのはいささかの手落ちじゃないかなと思いますので、これは早急に対応するようにしたいと思います。平成十四年からは私ども完全週五日制にしたいと、こう思っておりますので、当然すべての土曜日が無料といった方向でそれぞれ博物館等々で対応してもらいたいなと、こう考えているところであります。
 今御指摘の、文化財の所有者に対する国としての経済的負担の軽減と対応ということでございます。
 文化財の修理とかあるいは管理、これに対する国庫補助制度というのを既にやっておりますし、また税の面でも所得税、相続税、固定資産税等々で今いろいろな対応策をとっております。平成十年度税制改正におきましても、例えば岐阜県白川村の合掌づくりの建っているその敷地については二分の一までの固定資産税の軽減を市町村でやってもいいですよといったような対策も、今年度の税制改正で先般改正をしていただいたところでございまして、今回の御提案もまたその一環であるというふうに御理解をいただければと思っております。
 今幾つか具体的な御提案がありましたので、よく検討させていただきたいと、こう思っておりますが、ちょっとどこまでできるか。いささかバブルで悪乗りした企業にそこまで税金を、仮に軽減をするということが国民的な目から見ていいのか悪いのか。ただ、別途、おっしゃるような美術品の公開促進という目標もあるかもしれない。その辺どこまで公益のバランスがとれるかという問題もあろうかと思いますので、御提言でございますので少しく受けとめさせていただきたいし、また今御提言のあったことも含めて、さらに税制の面、その他の面で文化財所有者の負担軽減のために私どもとして何ができるか、まだまだやる余地もあるようでございますので、引き続き検討させていただきたいと考えております。

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