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国会質問

143国会 予算委員会会議録 1998年08月21日

○山下栄一君 まず最初に、ダイオキシン類による環境汚染問題、厚生大臣、環境庁長官に御質問したいと思います。
 大阪の最北部に能勢町という町がございます。環境すばらしい地域でございますけれども、今住民が環境問題で苦しんでおります。
 昨年の能勢町の一般ごみ焼却場の問題でございますけれども、周辺から高濃度のダイオキシン汚染の問題が出てまいりました。去年の八月そして十二月、二回にわたって再調査を行いまして、本年四月に極めて高い二万を超えるピコグラム、土壌汚染でございます、これが明らかになりました。これは、日本全体にとりましてもかつてないというか、ほかにもあるのかもわかりませんけれども、明確になった問題として極めて深刻な土壌汚染にかかわる問題でございます。

 しかし、土壌にかかわるダイオキシンの環境基準はいまだにない、そしてその汚染された土をどうするんだということが問題になったまま放置されているという深刻な問題があるわけでございます。それで、どの基準で汚染された土壌を除去するのかということ、またその汚染された土壌をどこで保管するのかということ、これが国として明確にないまま町は今、動こうとしておるわけでございます。
 そして、この美化センターのすぐ近くに府立高校がございまして、その敷地内、これが園芸の授業の場所になっておるわけでございますけれども、そこも授業にかかわることでございますので、この汚染された土壌をどうするのか、学校の敷地内が汚染されていると。

 具体的に、陳情等も町から府からあったと思いますけれども、この問題に関しまして国はどのように指導されておるのか。また、この除去についても非常にお金がかかるわけですけれども、その財政負担についてもどのように考えておられるのかということをお聞きしたいと思います。

○国務大臣(宮下創平君) お答え申し上げます。
 今、委員の御指摘は、豊能郡の美化センター周辺のダイオキシンの汚染の問題でございます。
 このダイオキシン対策につきましては、現在まで何もやっていないわけではございませんで、平成二年には、ダイオキシン類の発生予防のためのガイドラインを策定いたして地方公共団体に指導いたしておりますし、また施設整備の国庫補助におきましても、このガイドラインに準じた施設を優先的に採択する等の措置を講じてきております。
 さらに昨年の一月には、科学的知見に基づきまして新しいガイドラインを設定いたしました。また同八月には、廃棄物処理法の施行規則を改正いたしましてダイオキシン対策に関する規制を強化いたしておりまして、例えばダイオキシンの排出基準で申しますと、新設の場合あるいは既設の基準の場合、緩和措置をある程度必要といたしますので、それぞれ能力に応じてこの基準等を設定してまいっております。
 豊能郡の美化センター周辺のダイオキシン汚染問題につきましては、まず原因を明らかにすることが重要と認識しておりまして、関係者からいろいろ事情を聞き取って維持管理に問題がなかったかどうかを確認いたしております。特に、このダイオキシンの処理には、焼却炉の燃焼温度が例えば八百度C以上であることが必要である、しかもその焼却された空気を集じん機に入れるわけですが、その場合は急速に二百度以下にする必要がある等々の維持管理上の問題点がなかったのかどうか等確認をいたしております。
 また、厚生省にございます生活環境審議会に専門家によりますダイオキシン対策技術専門委員会を設置いたしましていろいろ検討をいたしておりまして、施設の改善の個別の検討、あるいは必要に応じまして廃棄物処理法の基準あるいは全体を見直す必要があるかどうか等、ダイオキシン問題に取り組んでおるところでございます。
 今、委員の御指摘のように、当地の土壌から、排水の調整池の底質から出ましたのはかなり濃度が高い、これは御指摘のとおりで、これは京都大学の教授を委員長といたしまして設置した結果でございます。
 そこで、こうしたダイオキシン汚染土壌の除去をどうするのかという問題でございますけれども、今、大阪府等を中心にして汚染土壌の除去につきまして協議をしていただいておりますが、厚生省といたしましても生活環境審議会に専門委員会を設置いたしましてそれらの問題について検討いたしております。ただし、この汚染土壌の除去対象の費用等につきましては、これは公害等の場合でございますがPPP原則というのがあります、ポリューター・ペイズ・プリンシプル、汚染者の支払い原則というのがございまして、市町村の責任で対処するということが一応基本にはなっております。
 そこで、そういう立場を踏まえつつも、除去土壌の最終保管場所の確保その他は、最終的には無害化をして埋立処分することが必要でございまして、大阪府とも相談しながらその対応を今現在やりつつある、こういう状況でございます。

○国務大臣(真鍋賢二君) 山下先生のお地元の大阪の能勢町の事案でございますけれども、これまでにない環境汚染の事例でありまして、環境庁でも重く受けとめておるところであります。
 今、厚生大臣からも答弁がありましたように、大阪府が中心になって汚染土壌の除去方法をいろいろ講じておるところであります。近々、焼却炉の設置者であります豊能郡の環境施設組合が主催となりまして、土壌の除去などの工事を開始すると承っておるところであります。
 環境庁といたしましても、汚染原因者とそしてまた大阪府が中心になってこの問題には取り組んでおるところでございますけれども、厚生省も国としての援護方法を考えておるということでありましたが、環境庁としては技術的な面でどういう支援ができるか、これを検討しておるところであります。
 香川県の私の地元におきましても、豊島の産業廃棄物問題につきましてこのような対応をとっておるところでありまして、できることならマニュアルをつくって、こういう汚染箇所が出ればどういう方法をとったらいいか、これからの大きな検討課題じゃないかと思っております。
 以上でございます。

○山下栄一君 地元の大阪ということで象徴的に出てきた問題であって、これは大気を通じただけでももう今、環境庁のこの前の推定ですけれども、日本列島には北海道から沖縄まで二・五キログラムのダイオキシンが降り注いでいると。場所は土であり水であり、また食べ物の中にも入っているということを言われているわけです。
 もっと前から焼却場に埋め立てたところは全国至るところにあります。そんなことまで考えましたら、日本列島は世界一のダイオキシン汚染の国であるとも言われておるわけでございます。そして、高濃度の土壌汚染、二万三千ピコグラムという高濃度の汚染された土が明確になったと。
 この土をどうするんだという問題が去年の十二月から問われておるわけです。去年の十二月にわかって、もう一回調査して、さらにほかの場所でも土が汚染されていたということがわかってきたわけです、府立高校の敷地内が汚染されていると。これ、いつまでほっておくのかということで、もう町はほっておけないからぜひ除去しようと手段、場所まで考えて、学校の農場の敷地内に穴を掘ってそこに埋めるということを考えているわけですよ。
 ドイツでは、これはもう放射能汚染と同じように地下室にきちっとした処置をして埋めるということが行われている。放射能汚染と同じような対応をしている。

 土の汚染をどうするんだという問題、これを国のガイドラインに基づいて焼却させておいて、その周辺から起きた汚染について国は何も責任ないことはあり得ない。だから、基準もはっきりしていない、どのレベルで、どこまでの深さの土を除去したらいいんだという基準もはっきりしていない中で大阪府とか町が検討委員会をつくって一応の基準をつくって、ドイツとかのを参考にしながら除去しようとしているだけの話で、それを学校の中で保管しようとしているわけです。
 この問題どうするんですか。国は何も基準を決めていない。そして、どの範囲のどれだけの土を除去しようかということを何も指導していないということであるならば、ほかで発覚していないだけの問題かもわからない、たまたま大阪で発覚しただけの話で。こういう大変大きな問題であるわけです。いつまで放置するんだということを毎日突きつけられているわけです、町長さんは。

 きょうは、国の方に補正予算で三億円の事業にかかるから応援してほしいという財政支援の要請が来ているとお聞きしましたけれども、これそんな基準を検討しますという段階じゃないんですよ。どこに保管、一時保管さえ場所が、学校の敷地内でいいのかという問題もございますし、最終どうするんだと。まさに放射能汚染と同じような問題になってきているわけです。
 これについて、厚生省も中途半端な答弁でしたし、保管場所はどうしたらいいんですか、だれか答えてください。

○国務大臣(有馬朗人君) 高等学校に関連することが御質問に入っておりましたので、お答えを申し上げたいと思います。
 現時点では詳細な事実関係を確認しておりませんけれども、直ちに電話で大阪府に問い合わせをいたしましたところ、大阪府のダイオキシン類に関する環境対策検討委員会において汚染土壌の一時的な保管に関する議論がなされたところでありますが、大阪府としては高校の敷地内に一時保管するという決定は現時点では行われていないということでございました。
 文部省といたしましては、やはり児童生徒の健康が第一でございますので、この問題に関してさらに詳細に検討をいたしたいと思っております。事実関係のまず詳細を把握いたしまして、その上で、今後とも大阪府と密接に連絡をとりながら適切に対処していきたいと思っております。

○山下栄一君 具体的に大阪府の方から、予算のシーズンですから、どこの場所に、工事計画もあるわけですよ、農地敷地内に保管と。それも最高濃度の二万三千ピコグラムの土壌を水処理した上で固形化処理を行って敷地内に保管するという案が出てきているわけです。それに基づいて積算をして、そして予算はこれぐらいかかるから応援してほしいということを出してきているわけですね。
 これはもう緊急にかかわる問題で、少なくとも住民にとっては。高校の敷地内でなかったら、じゃ、どこに保管するんだと。美化センターの場所に、今はもう操業を停止していますからそこの一部に保管しようとかいう案もあるそうです。そういう計画もございますけれども、こういう問題について、国のガイドラインに基づいて、厚生省のガイドラインに基づいて焼却をした状況の中でこういう問題が起きてきたということについて、僕は少なくとも国は応援すべきだと、全面的に負担しろとは言いませんけれども。
 これについての明確な答弁をお願いしたいと思います。支援するのか、しないのか。

○国務大臣(宮下創平君) お答え申し上げます。
 先ほど申しましたように、こうした土壌の処理の問題につきましては、これは地方公共団体、この件の場合は大阪に責任ありとしてよく協議をしなければなりません。
 しかし、汚染者の負担原則、さっき私はPPP原則というのを申し上げましたが、これはあくまでもその廃棄物処理が本当にガイドラインに沿ったものであったのかどうか検証をいたしましたところ、やはり冷却温度が非常に高かったというような問題等々もございますようですから、それはまず是正していただくことが重要でございます。
 そして、汚染土壌の問題は、その地方自治体におきまして最も適切な判断のもとに処理していただきたいということでございまして、財政上の必要措置は、直ちに補助金で全国のものをやるというわけにもまいりませんので、地方公共団体が措置いたしますれば、何らかの交付税措置その他があるいはあり得るのかなという感じだけ私は今申し上げさせていただきます。

○山下栄一君 いずれにしましても、財政支援について明快な対応をしていただきたい。
 総理大臣、どうですか。

○国務大臣(小渕恵三君) 委員のお尋ね、また厚生大臣、環境庁長官あるいは文部大臣の答弁をお聞きいたしておりました。なかなか難しい問題のようにお聞きをいたしておりますが、何らかの意味で緊急に財政的な援助ができないかというようなことにつきましても、閣内におきまして勉強させていただきたいと思います。

○山下栄一君 冒頭、環境基準の話を申し上げましたけれども、大気についての環境基準はある、排出ガス濃度の基準はあると。それが水に落ち土に落ち、土がどれだけ汚染すれば問題なのか、また問題ないのか。子供たちが遊ぶ場所、農地はどうなんだという基準が全くない。大気の基準だけあって水質の汚染基準がなしで、土の基準もない。大気に降り注ぐと必ず水に落ち土に落ちるわけですから、セットで基準を考えないから、こういう現場は困るわけです。どこまで濃度が汚染されたら除去しなきゃならないのかと。
 今はもう一部の大阪の検討委員会のメンバーが決めて、とりあえず一千ピコグラム以上の土壌だけ除去しよう、それもどこまで深さをしたらいいんだということも明確でない状況の中で除去しようとしている。これは緊急を要する問題で、大気汚染の基準だけしかないという状況はすぐに解消しなきゃならない。
 土の基準、水の基準についてどのようにお考えになっておるのかということをお聞きしたいと思います。

○政府委員(遠藤保雄君) お答え申し上げます。
 ダイオキシン類につきます土壌汚染ないしは水汚染につきましては、科学的に未解明な部分が多いということが実態でございます。したがいまして、多くの先進国と同様、我が国におきましてガイドラインや法規制を行ってこなかったのが実情でございます。このように科学的に未解明な部分が多いという制約につき御理解を賜りたいと思います。
 しかしながら、環境庁といたしましては、現在、国内の一線級の専門家に参加いただきまして、土壌中のダイオキシン類に関する検討会を設置しまして、土壌に由来する健康影響の評価手法や汚染対策手法について鋭意検討中でございます。真鍋長官の御指示も仰ぎながら、極力早い段階においてこの対応を図ってまいりたいと思っております。

○山下栄一君 では、大阪府の今現在汚れている土は国が決めてから除去したらいいと、こういうお考えですか。長官どうでしょうか。

○国務大臣(真鍋賢二君) 先ほども申しましたように、環境庁といたしましては今のところ技術的な指導の対応しかできない状況にあるわけであります。技術的な指導につきましては、必要な経費を補正予算等で計上いたしましてそれに対応してまいろうと思っておるところであります。
 いずれにいたしましても、この地元そしてまたその被害を出した関係者、そして国ということになるわけでありますけれども、国としてもできる範囲内での応援をしてまいるその対策を講じていかなきゃならないと思っておるわけでありますけれども、なかなかその規定が定められないというのが現状でございます。(発言する者多し)いや、ですから……

○委員長(倉田寛之君) 不規則発言にお答えにならないように。

○国務大臣(真鍋賢二君) こちらの方としては、技術的な指導の対応しか今のところはできないわけでありまして、それらについては今後の問題だと思っております。

○山下栄一君 大阪府立能勢高校の農場内が今も汚染されたままになっているんです。その周辺には子供たち近寄れない、そういう状態がもう去年の十二月から続いているわけです。どうするんだと、これは。この問題をのんきに、のんきというか、もちろん厳しく検討会をして基準をつくらにゃいかぬけれども、いつまでも土壌汚染を放置しておくのか。そういう状況じゃないから、今緊急に除去しようとしているけれども、基準が何にもないから、要するに大阪府の考えた基準で今は除去しようとしていると。参考にしているのはドイツの土壌汚染環境基準ですよ。それはだから農地の基準とか、申し上げたように児童公園の土地、そして一般住宅地、土地用途別の基準をドイツは既につくっている、数年も前から。

 こういう世界最大のダイオキシン汚染と言われる国がこういう環境問題、命にかかわる問題にこれほどひどい対応をしているということは、要するに日本の国の品位にかかわる、国のレベルにかかわる話であると私は思うわけでございまして、この大阪府の能勢町の住民、そこに住んでおられる方々も考えて国は即刻、財政支援の問題、そして環境基準の問題、また土壌汚染の法制定の問題、明確に緊急に対応をお願いしたい。
 総理のリーダーシップを期待したいと思いますけれども、もう一度お願いします。

○国務大臣(小渕恵三君) お聞きをいたしておりまして、実情は大変厳しい状況と認識をいたしております。どのような対応ができるか、早急に検討させていただきます。

○山下栄一君 日本道路公団にかかわる問題について質問させていただきたいと思います。
 日本道路公団の関連会社、日本ハイカという会社がございます。これは高速道路のプリペイドカード、ハイウェイカードを日本道路公団から独占委託されておる会社でございますけれども、ここの資金回収、プリペイドカードを販売したその回収、二十七億円焦げついていたということがございまして、今月の冒頭に日本ハイカという日本道路公団の直系の関連会社が訴えました。訴えられたのは自民党の参議院議員の親族の方、奥さんが経営される会社でございます。日本ハイカという会社と委託販売契約を結んで、そして資金をちゃんと回収していなかったということが発覚したわけでございますけれども、この問題の経緯、原因、御認識を公団の総裁にお伺いしたいと思います。

○参考人(緒方信一郎君) ただいま御指摘の問題でございますけれども、日本道路公団は高速道路などの有料道路料金のプリペイドカードでありますハイウェイカードというものを発行いたしまして、ただいま御指摘のありました日本ハイカという株式会社に対しまして販売業務を委託いたしております。
 当公団からカード販売業務の委託を受けました日本ハイカは、同社において直接カードの販売も実施をいたすのでありますけれども、おおむねカード購入のアクセスポイントをより多く設けまして、カード購入希望者の利便向上を図るために二千七百のものに対しましてカードの販売を委託いたしまして、全国二万七千カ所の店舗でカードを販売しておるという実態でございます。
 今回の問題は、日本ハイカ株式会社がカードの販売委託をしておりましたものと日本ハイカとにおいてカードの代金約二十七億円の支払いが遅延をした、こういう事件でございます。
 具体的に申し上げますと、日本ハイカはケイエス・プランニングという会社とカードの販売契約を平成六年の九月に締結をいたしましてカードの販売委託をしていたわけでございますが、平成七年の九月分以降、ケイエス・プランニングから日本ハイカへのカード代金の支払いが遅延するようになったわけでございます。その後、回収について任意の交渉を進めてまいりましたが、進展を見ないことから民事調停を申し立てましたものの不調、打ち切りとなりまして、今回、日本ハイカ株式会社がケイエス・プランニング及びその連帯保証人を相手といたしましてカード代金約二十七億円の支払いを求める民事訴訟を起こした、こういうものでございます。
 どうしてこんな事件が起こったかということでございますけれども、当時、日本ハイカ株式会社の中におきまして販売促進に対する非常に強い意識があったということを背景にいたしまして、契約締結基準にあいまいさがあったというようなことと同時に、業務運営に甘さがあったということに基本的な原因があるというふうに考えております。
 この事件を契機といたしまして、日本ハイカと販売店との契約に当たりまして、まず前払い方式というものを原則とした販売委託契約に改める、それから後払い方式の場合には銀行保証を必ずつけるというような取り扱いをする、それから内部監査体制を充実するというようなことに改めたわけでございます。
 さらに、今般、この問題が訴訟というような問題になりまして、建設大臣からの御指示を踏まえまして、こういうハイウェイカードの販売店に対しますチェックシステムについても直ちに具体策を検討いたしまして実施いたしますとともに、ハイウェイカードの販売そのものにつきまして競争性を確保するというために、現行の単独販売委託契約方式を見直しまして複数販売委託契約方式等に改める、さらには手数料の引き下げを検討するというようなことで、このような事件が二度と起こらないように直ちに実施をしてまいりたいと考えておるところでございます。

○山下栄一君 建設大臣並びに公団総裁のこの問題に対する認識がどこまで深刻かということを私はちょっと確認したいと思っておるわけでございます。
 この日本ハイカという会社は、役員十二名中十一名が公団OBでございます。そして、そこだけで年間四千四百億円の仕事をしている。高速道路料金は約二兆円ぐらいだと思いますけれども、そのうちの二五%がこの会社で一手に独占的に委託を受けているわけです。その再販売契約というか再委託した会社がケイエス・プランニングだと。この会社は社員数名です。そして、わずか一年四カ月の間に二百二十億円の取引をした。そして二十七億円焦げついたという。いまだに回収されないから民事訴訟に訴えたと。だけれども、これは三年前の話なんですね。三年前にこういうことがわかっておって、日本ハイカの社長以下四人、専務も取締役も退陣した。そして、退陣した方々は責任をとって退陣したはずなのにどこに行ったのか。また、同じ道路公団の関連会社に堂々と、退職金を二千万円以上もらって再就職している。そのあっせんまで公団はかかわったという。
 こういう話でございますが、責任を感じているのか、日本ハイカは。単なる複数契約にするとかそういう問題で済むのか。公共事業の質が問われている。公共事業というのはどれだけ景気対策にかかわるのか。

 日本道路公団は二十何兆の借金抱えて、累積債務二十何兆、二兆円の財政投融資、そして補助金、国民の税金も二千六百億円を注ぎ込んでいる公団の仕事です。四千四百億円の仕事を一つの会社に任せて、その任せた会社は十二名中十一名まで公団OBだと。そして、再委託した会社には信用保証もなしに、そんな二百二十億円も一年四カ月で仕事をさせていたという、それが焦げついたという背景でございます。そして、今月初めに二十七億円回収が焦げついたから民事訴訟に訴えた、こういうことなわけですね。
 私は、この日本ハイカという会社は要らぬのじゃないかなと思うわけです。独占的に、そして次に二千七百社に再委託していると。再委託会社がどんな会社か御存じなんでしょうか、公団総裁。どういうところで委託契約結んでいるのか。ケイエス・プランニングもいいかげんだと。ほかにもいいかげんなところはないのか調べられましたか。

○参考人(緒方信一郎君) ハイウェイカードにつきましては、ただいま御指摘のように約四千八百億円の売り上げがございます。年間の料金収入は大体二兆円ございますので、金額に対しましては二二%程度の比率を占めておるというかなりな比率を占めておることは事実でございます。
 先ほど申し上げましたように、日本ハイカは約二千七百の販売店と契約しておるわけでございまして、末端はどういうところで売っているかといいますと、高速道路の中、料金所でありますとかサービスエリア、それからパーキングエリアのレストランとかガソリンスタンド、そういうようなところ、あるいは高速道路の外でありますとデパートでありますとかスーパーマーケットとかガソリンスタンドとかあるいはコンビニエンスストアとか、そういうものもまた多数二万七千店舗の中には入っているわけでございまして、いろいろなものが混在しているということでございまして、したがって詳細なリストはちょっと私、今承知しておりませんが、概括を申し上げると大体そういうことでございます。

○山下栄一君 百貨店とかパーキングエリア、サービスエリア、コンビニエンスストアじゃなくて、とにかく二千七百社の中には料亭福田家とか喫茶何とかとか、会社であるはずなのに個人の何とかさんとか、再委託販売契約を個人と結ばれている。また、神社とも契約を結んだりとか、酒屋さんももちろんあるわけですけれども。
 こういうこともほとんどノーチェックで、二十何兆というたくさんの借金を抱えて、毎年公共事業をやっている高速道路の公団ですね。そこの収入は大変貴重な収入で、高速道路料金というのは公共料金で重要な分野を占めている。そのうちの四千四百億円の仕事を一つの民間会社に、十二名中十一名も公団の天下りしている会社に任せて、そしてどういう契約が行われているのかノーチェックで、ノーチェックだからこういう後払いで信用保証もない会社と平気で結んで、三年間放置していてという問題になってきているわけです。こんなひどい実態はない、私はこのように思うわけでございます。

 こういう問題に私は本質があるということを考えましたときに、こんな天下りの方々を養うようなそんな会社をたくさん、六十六社も公団はつくっておられるそうでございますけれども、私はこの問題に対する深刻な反省点といいますか改善策を講じないと、単なる競争原理、形だけの競争原理導入とか、日本ハイカ以外にもう一つ会社をつくったらいいとか、そんなことで済まされる問題じゃないと思いますけれども、建設大臣、いかがですか。

○国務大臣(関谷勝嗣君) この事件が起こりましてからるる指示を出しておるわけでございますが、私は三つの観点からこれをきちっと是正していきたいと思っております。
 まず一つは、先生が今おっしゃられましたが、日本ハイカというのが単独で販売をしておったわけでございますから、やはりこれはもっと透明性、そして競争原理というものを入れまして、私は複数のものにしていきたいと思っておるわけでございまして、この販売委託契約の見直しを行うように指示を出しております。
 それが一つでございまして、次はその組織の形態、そしてまたその中に勤めております従業員といいましょうか、そういう役員の方々、これは確かに先生が御指摘のような流れがあるわけでございまして、こういうようなところは是正をするようにまた指示を出しております。
 今回、ハイカの社長を務めておりました大久保一男さんは、東日本ハイウェイ・パトロールの顧問に就任をいたしておりましたが、この八月十八日付で退任をしております。その他の三人の方はまだ関連の企業に勤務をいたしておりますが、この方々も今まで立派な人生を歩んできておる大人でございますから、出処進退はもうその方々にお任せをしたいと私は思っております。そういうふうに私が今ここで答弁をして、もしも退任をしないのでありましたら、私からそういう指示を出していきたいなと思っております。
 それから、最後の問題といたしまして、やはり何といいましても私は道路公団の監督・チェック機能が劣っておったと思うわけでございまして、先生御指示の、前払いで本来はやらなければならないのでございますが、それを後払いでも銀行の保証もなくして貸しておったというような、そういうこともございます。
 ですから、なお一層チェックをしていきたいと思うわけでございまして、九月の上旬から十月の上旬にかけまして、道路四公団につきまして特別の監査を行うように今指示をいたしております。
 以上でございます。

○山下栄一君 引責辞任したはずの四名の役員、社長さんは日本ハイカ創設以来ずっと社長をされていて、引責辞任されたのは三年前ですけれども、公団元理事でございますが、この方を含めて四人の方々の再就職を公団があっせんしたということは事実ですか。

○参考人(緒方信一郎君) 公団を既に退職しました者がその後さらに民間企業等に再就職をするというようなことにつきましては、基本的には本人と会社の問題であると考えておりまして、公団として再就職を依頼するというようなことはいたしません。
 本件の場合、やめられた四人の方がそれぞれ御指摘のような再就職をしておるということは事実でございますが、関係者からいろいろ事情聴取いたしましたところ、当時、やめました日本ハイカの社長が、自分はもちろん退任するんですけれども、ほかの三名の役員についても一緒に退任をするということはやむを得ないという決断をいたしまして、やめました社長自身がその三人の面倒を見たと申しますか、若干心配していろいろ話をして関係の会社が了承した、そういう経過であるというふうに聞いております。

○山下栄一君 総裁、その再就職先が問題なんです。公団のファミリー会社に全部就職しているわけですよ。社長さんも東日本ハイウェイ・パトロールという会社。あと専務さんも新日本道路サービス顧問というふうにして、そういうことが大問題である。こんなチェックもほとんど、民間会社という名のもとに、その関連会社も天下りの方が大半なわけです。そういうところに就職していらっしゃる。まさに公団があっせんしたと言ってもいいような状況になっていると私は思うわけでございます。
 そして、複数契約にしたらいいという話ですけれども、日本ハイカという会社に何で仕事を独占的にさせるのかなと。公団そのものが首都高の改革と同じように代理店と直接代理店契約を結んでやればいい、このように私は思うわけでございます。
 真ん中にファミリー会社を介するからこそむだなお金が、要するに十二名中十一名の公団OBを養わなあかんような、それだけで一億数千万も年収にかかるような、そんなシステムそのものが問題だと。どうして首都高みたいに直接代理店形式にできないのか。日本ハイカ以外に二つ三つ会社をつくっても、それは単に分担されて本当の競争にならない、このように思うわけですけれども、いかがですか。

○参考人(緒方信一郎君) 今回の事件は、日本ハイカと販売店の間の契約において生じましたハイウェイカードの未回収問題でありまして、公団自身に損失が生じているわけではないのでありますけれども、当公団が委託をいたしました販売業務に関しましてこのような事件が生じたことは大変遺憾であるというふうに存じております。二度とこんなことが起こっては大変であるということで、いろいろ努力しております。
 先ほどの御質問で、三年間何をしておったかというような御指摘があったわけで、まことに当然の御指摘だと思いますけれども、平成七年に実はハイカからそういう報告を受けまして、直ちに未収金を鋭意回収するということを指示しますとともに、ともかく全部前払い方式にしなさいと。例外的に後払いというものを当時の契約条項では認めておったわけでございますが、以後、ともかく全部原則前払い、後払いにする場合には必ず銀行等の保証をつけるということもきちんと指導いたしまして、その後こういう問題は起こっていないわけでございますが、ただやはりこういうことは絶対にあってはならないということで、種々先ほど申し上げましたような対策を講じようとしております。
 ただ、先生の御指摘では、そういうのでは非常に不十分であるという御指摘でございますけれども、日本ハイカという会社がなぜできたかという沿革にさかのぼることになりますけれども、ハイウェイカードというものができましたきっかけというものが、そもそも料金徴収の時間を短縮しようとか、あるいは個人に対する割引サービスを行おうとかというようなことでありまして、これは全国的に展開していきました関係で、やはり首都高速のように局部的に非常に集中した地域で限られた店でやっておるというものとはちょっと違うんだよというふうに存ずるわけでございます。
 実際問題としましても、よその公団のことを申し上げてなんですけれども、先ほど私どもの方は、二千七百の販売店に対しまして契約をして二万七千の販売地点で売っておるということを申し上げましたが、それに相当しますのが、例えば首都高速の場合ですと契約件数で二百五十四、販売店舗数は千三十でございまして、けたが違う。しかも、日本道路公団の場合には全国に展開しておりますものですから、これは日本道路公団が全部自分で管理しようということになりますと非常に手間と人員もかかるということでありまして、これはやはり民間のそういう形で外注するのが合理的だということでございます。
 ただ、その中身に対するチェックが非常に甘かったという反省は、これは十分いたしておりますので、今後は複数にするだけでなしに、十分チェックをしていきたいと思っております。また、現に複数にする前でも直ちにこれからいわゆるチェック体制に入っていきたいということで、日本ハイカと当公団と一緒になりまして、実際の販売店の実態をこれから厳しくチェックしていきたいと考えておるところでございます。

○山下栄一君 大臣、先ほど私が申し上げました、首都高と同じように直接委託販売方式にしたらどうだと。日本道路公団は全国に支社があるわけです。そして、日本ハイカも実は一々売りに行っているのではなくて、現金を持ってこさせて仕事をさせていると。別にそんなに人員も要らないという実態なわけです。
 日本ハイカという会社は何のためにあるんだと。それはOBを養うためにあるとしか言いようがないような実態になっているということについてもっと深刻な反省と取り組みがないと、公共事業のむだにかかわる話ですし、高速道路料金という公共料金にかかわる話ですから、中途半端な改革では済まされない。
 これは象徴的な事件が二十七億円焦げつき事件であると思いますから、建設大臣になられたばかりですけれども、新鮮な感覚で改革に立ち上がっていただきたい。どうですか。

○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生のお考え、十分に理解をいたしておりますので、通常国会の予算委員会では立派な返事ができるようにいたしたいと思います。

○山下栄一君 最後に、二〇〇八年オリンピックの問題でございますけれども、ちょうど一年前に国内候補地として大阪市が決まったわけでございます。来年、再来年、もう一年ちょっとで正式の立候補表明をしなきゃならないという状況の中で国の取り組みがまだ決まっていない、財政的支援も含めて。
 この問題について早急な対応をしないと、私は日本の国としてオリンピック招致にかかわる仕事ができないのではないかと思いますので、この辺の取り組みについてお考えをお聞きしたいと思います。

○国務大臣(有馬朗人君) オリンピックが我が国で開催されますことは、先般の長野オリンピックで見られるように、多くの国民に感動と勇気を与えるのみならず、我が国のスポーツの普及、振興、国際親善の推進、社会経済の活性化等にも非常に大きな意義を持っていると私は認識しております。したがいまして、従来より、オリンピックの我が国への招致につきましては、政府として招致に関する閣議了解などを行い、国としても支援を行ってきているところでございます。
 今回のオリンピックの大阪招致活動につきましても、その円滑な推進を図るため、政府といたしまして招致や開催に対する支援のあり方などについての閣議了解が必要であるということを存じております。このため、六月二十九日に関係省庁課長会議を開催いたしまして、大阪市からオリンピックの開催概要計画について説明を受けたところでございます。現在は競技施設整備の計画などにつきまして、大阪市及び関係省庁との間で調整作業を行っているところでございます。
 今後さらに精力的に検討を進め、早期に閣議了解が得られるよう取り組んでいきたいと思っております。

○山下栄一君 閣議了解は大体いつごろかということを総理にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(小渕恵三君) ただいま文部大臣から御答弁申し上げましたように、極めて重要なことでございますので、過去のオリンピック招致と同様、大阪への招致、開催に対する支援のあり方などにつきまして閣議了解を行うべく、文部省を初めとする関係省庁におきまして鋭意検討を進めてまいりたいと思っております。
 今後とも、大阪オリンピックの招致活動が円滑に展開できますように適切に対処してまいりたいと思います。

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