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国会質問

145国会 文教・科学委員会会議録 1999年03月15日

○山下栄一君 今、人権教育の話がございましたが、私も人権の観点にかかわる質問になるだろうかと思います。
 去年の十二月の初めに参議院の本会議がございまして、これは補正予算の趣旨説明ないし質疑だったわけですけれども、その中で私は、学校施設におけるバリアフリーの取り組みの問題について、時間の関係で文部大臣には御質問できませんで、総理が答弁されたわけでございますけれども、この取り組みについて御質問したいというふうに思います。
 まず、文部行政としてこの学校施設のバリアフリー化についてどのような心構えといいますか、理念で取り組んでおられるかということをお聞きしたいというふうに思います。
 私は、きょうは予算の委嘱審査でございますが、予算計上の金額、それから取り組む部局のばらつき等考えまして、腰の据わった取り組みになっていないのではないかという印象がございますもので、まず冒頭、学校施設のバリアフリー化、この問題についての文部省の取り組む意欲というか決意というか、どういうふうにして取り組んでおられるのかということをお聞きしたいというように思います。


○国務大臣(有馬朗人君) 私も、自分が勤めておりましたところ、すなわち東京大学におきましては、身体障害の方、目の不自由な人のために随分努力をいたしました。ただ、私がこういう問題について気になることは、熱心な人がいるときはいいのですが、いなくなると続かないんですね。理化学研究所でもバリアフリーにするために食堂等々にもスロープをつくりました。東大でもつくりました。こういうふうなものは、やはり常にだれかが見守ってなきゃならないということを最初に申し上げておきましょう。
 学校施設における障害者への配慮というのは極めて望ましいことだと思います。各学校の設置者は、障害の状況、学校施設の種類等に応じて適切な手法を選択し、学校施設のバリアフリー化を進めていくべきだと考えております。
 学校施設のバリアフリー化の状況調査につきましては、バリアフリー化の手法、学校施設の種類には多種多様なものがございます。また、障害者の種類と言っていいでしょうか、足の不自由な人もいれば目の不自由な人もいる、さまざまなことがございますので、やはりそういう多種多様なものがあるということを十分認識しております。また、全国の学校施設の数は膨大な量に上っておりますために、現在すべての学校施設のバリアフリー化の状況を正確に把握することはまだ残念ながら困難でございます。しかし、努力をいたしているところでございます。
 文部省といたしましては、今後とも、各学校の設置者が行う学校施設のバリアフリー化を積極的に支援してまいりたいと思っております。


○山下栄一君 平成六年十二月に、文部省大臣官房文教施設部長のお名前で、全国の都道府県教育長、また知事さん、それから国立学校の施設、また高等教育機関に対しまして、「学校施設等における高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる建築物の建築の促進について」という通達が出ておるわけでございます。
 この通達ですけれども、この観点は、子供、また児童への配慮というよりは、学校開放せにゃいかぬから、一般の方々も学校に入ってくる、だから、図書館とか体育館とかプールとか、そういうところに対してこういう障害者の方への配慮をしなさいというふうな観点が非常に強い内容になっているんじゃないかというふうに思うんですけれども、この通達の趣旨というか理念というか、余り児童生徒の観点に立っていない通達ではないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。


○政府委員(小野元之君) 御指摘ございましたように、平成六年に文教施設部長から、各県の教育委員会教育長、知事、それから国公私立の学長等にお願いをしているわけでございます。
 お話ございましたように、この通達の趣旨は、学校施設等の整備に当たりまして、学校開放のニーズにも適切に対応した施設づくりが必要だという観点から、これは実は、平成六年にいわゆるハートビル法といいますか、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築促進に関する法律というのがございました。この趣旨を徹底する必要がある、そして大臣が先ほどお話し申し上げましたように、障害者等の円滑な利用に配慮するように学校施設をする必要があるという観点からこの通知は出したものでございます。


○山下栄一君 だから僕は、これは大人の観点が強くて、障害児に、そこで勉強している子供に対する配慮という観点が弱いというか、そういう観点じゃないのじゃないかというふうに思うんです。この通達の趣旨ですけれども、それをお聞きしているわけです。


○政府委員(小野元之君) この通達自体は、先ほども申しました法律の施行に関連をいたしまして、各教育委員会あるいは知事さんあるいは学長にお願いしているところでございますが、文部省といたしましては、従来から学校施設の整備におきまして、もちろん児童生徒が障害児でいらっしゃる方もたくさんいらっしゃるわけでございますので、そういった方々の円滑な利用に配慮するよう指導する必要があるというふうに考えておるところでございます。
 そういった観点から、私どもといたしましては、例えば障害者用のトイレの設置でございますとか、あるいはスロープの設置でございますとか、さまざまな観点から、国立学校、公立学校等につきまして、施設の改築の都度、あるいは具体的な改修の時点等々に十分配慮しながらできる限りの努力をしてきているところでございます。


○山下栄一君 ちょっと関連して質問させていただきますが、この平成六年度の通達のような形で、通達という言葉がいいのかわかりませんけれども、幼稚園から大学までハートビル法の精神を学校施設という観点からとらえ直して、精神の話を私はしているんですけれども、やっぱり障害児に対応した、配慮をしたそのような施設にするべきだという理念のもとに、文部省のお考えをすべての学校施設改善に向けて、施設設置者に対しての指導といいますか、通達でも構いませんけれども、そういうことをされたことはあるんでしょうか。


○政府委員(小野元之君) そういった観点から通達のような形でしたものはございませんが、例えば、国立学校につきましては私どもは設置者でございます。そういった観点で、例えば予算がついて新しい施設をつくるとき、あるいは従来の建物を改修するとき、そういった時々に応じましてできる限りそういった障害者の方々への配慮ができるよう努力をしてきておるところでございます。
 ちなみに、国立学校でございますが、平成九年度で約四百二十カ所、それから平成十年度で約八百七十カ所、こういったバリアフリー化のための改築等を行っているものでございます。
 それから、公立の小中学校につきましても、九年度で約五百十校、十年度におきまして約七百五十校がこういった観点からの改築等の整備を行っているところでございます。


○山下栄一君 公立の小中学校の施設に対する障害児等の学習環境を改善するための配慮といいますか、そういう補助事業がされておるわけですけれども、新しく建物をつくる、増改築するという観点からではなくて、既存の、言ったら古い学校というかそういう学校施設に対して、こういう障害者への配慮をした改築工事というか、そういうのをするときに補助してあげましょうという制度が平成八年度から始まっておると聞いております。
 これは私、非常に画期的なことだなというふうにとらえておるわけでございますが、こういう補助事業をやることになった背景を教えていただきたい。


○政府委員(御手洗康君) 御指摘のとおり、平成八年度から既設の学校につきまして、エレベーターやスロープ、障害者トイレ等、大規模改造事業というような手法で行う場合にも補助対象事業とするという形で補助事業を始めたわけでございます。
 これにつきましても、エレベーター等の補助につきましては、最初は昭和五十五年から特殊教育諸学校につきまして、その必要性等に基づきまして補助対象とし、そして平成三年度からは、一般の学校につきましても子供たちが入ってくる、さらには平成八年度からは、教職員につきましても実際に車いす等で授業をやる教職員がいる、そういうような現場の実情に合わせまして補助事業の対象を徐々に拡大してきたわけでございますけれども、既設の学校につきましても平成八年度から大規模改造という手法の中で取り入れようということにつきましては、そういった学校現場におきます実態にできるだけ補助制度の中でこたえたいという観点からでございます。


○山下栄一君 この平成八年度から始まった、公立小中学校におけるさまざまな障害児に配慮した施設改善の具体的な取り組みというのを教えてほしいんです。
 ちょっと細かい話で申しわけありませんけれども、平成十年度第三次補正の資料をいただいたんです。大規模改造、すなわち既存の施設改善についての整備状況ということで、四十一学校で、エレベーター十四、自動ドア一つ、スロープ二十四、障害者トイレ三十一、その他、その他というのは点字ブロックとかで、その他三、こういうふうな資料をもらったんです。
 この予算が一億円というふうに聞いているんですけれども、第三次補正で、四十三億のうち四十二億は新増改築。それに対して、既存のものに対しては一億円と。一億円でこんなにたくさん、四十一学校に対してエレベーター十四とか、これは本当にできているのかなと。一番新しい予算でしょう。平成十年度三次補正の中身なんですけれども、一億円で本当にできるんですか。


○政府委員(御手洗康君) あくまでも、全体の第三次補正を組みました際に、バリアフリー化を推進するであろう新増改築事業並びに大規模改造事業ということで四十三億円という積算をさせていただいたということでございまして、従来からの事業の実績に合わせまして、あるいは第三次補正の場合は具体的に事業の内容がある程度予想されるということもございまして、一応予算積算上そういう四十二億と一億に案分させていただいたということでございます。


○山下栄一君 それはいいんだけれども。だから、一億では無理じゃないかということを聞いているんです。とてもこんなのはできませんよね。だから、大ざっぱに四十二億と一億円に分けたということ、そういう感じですか。
 それで、私、本当にこれ気になってきたんですけれども、この大規模改造、要するに既存の施設への配慮ということは、新しくつくるときは、新しい建物にスロープもつくりましょうと、どんどんこれ公共事業でやりやすいと思うんですけれども、既存の施設に障害者用トイレをつくるとかスロープをつくるとかいうのは、これは今までの予算の執行の仕組みとしては非常に難しいんじゃないかなと思うわけです。
 だから、それに補助をしてあげましょうということは大事なことだと思うんですけれども、ところが実態は余り進んでいないのではないかなと、感じだけで申しわけありませんけれども思っております。
 これは平成八年度から始まって、八年、九年、十年、三年やってきたと。先ほど文部大臣もちょっと触れられましたけれども、全国の、公立でいいですよ、公立の小中学校は数万校あると思うんですけれども、どれだけ障害者用トイレがちゃんと整備され、スロープはどれだけついているかというようなことを、僕はやっぱり調べるべきじゃないかなと。
 実態を把握せずして、人権教育を行っているとか、配慮しているとか、子供の一人一人を大事にしているんだというようなことは言えないのではないかなと思っていまして、こういう公立の小中学校はちゃんと補助事業として始まっているわけですから、少なくとも今、全国の数万校の学校の現状はどうなんだということぐらいはやはり、まだ把握していないと聞きましたけれども、これは少なくとも早く把握すべきだと、こういうふうに思うんですけれども、どうでしょう。そう難しいことじゃないと思うんです、把握するのは。


○政府委員(御手洗康君) 先ほど官房長の方から、今年度七百十校でそういった事業をされたということでございますけれども、子細に見てみますと、新増改築事業につきましては、七百十校のうち五百六十八校、およそ六割の学校で主としてスロープや身障者トイレ等を中心に何らかの事業がやられているわけでございまして、これはいずれも、それぞれの学校の実態に応じて、具体的に子供が就学しているあるいは就学する予定があるというようなニーズを踏まえまして、文部省としてはこれまで補助事業を実施してきたということでございます。
 御指摘のような点につきましては、今後とも私どもといたしましても、もう少し実態を何らかの形で、また市町村等に余り負担をかけない形で適切な対応をしてまいりたいと考えております。


○山下栄一君 適切な対応をしていただきたいんですけれどもね。
 日本の国の義務教育の学校は、公立の学校は、障害のある児童生徒にどれだけ配慮しているんだ、これぐらいしていますよということをやっぱり胸を張って言えるような状況をつくる必要があるのではないかなと。先進国日本としても、進んでいなかったら手を打つとかいうようなことをすべきだと思いますし、これは都道府県の教育委員会を通してやられたらそう難しい掌握方法じゃないと思いますので、きちっと私は掌握すべきだというふうに思いますけれども、どうでしょうか。大臣、どうですか。


○国務大臣(有馬朗人君) 私はこれは随分やっていると思います。先ほど申しましたように、国立大学、国立関係のところでは、例えば車がなければだめな子供に対しては、エレベーターまでつかなくても、スロープを上がるエスカレーターみたいなものをつくったり、便所なども随分努力をいたしました。それから、御指摘の公立学校等々も、各地方地方、私が見たところでは随分やっていますので、なお今後もちろん調べてみますけれども、努力は随分していると思います。
 具体的にそういう障害の子供が来てしまいますと、何としてもこれは努力を各地方自治体としてもやってくださらなければなりませんので、なかなか今申しましたように詳細な調査というのは難しいんですけれども、どういう実態になっているかはできる限り把握をしてみたいと思います。
 私の見るところでは、各地方自治体は努力を随分しておられると思っております。


○山下栄一君 各自治体独自の取り組みとしても、市の予算、県の予算等でやっておられるというふうに私も認識しておるんですけれども、県によってばらつきが大変あるという認識を持っておりまして、大臣も調べてみたいということでございますので、民間の調査とかそういうのはあるんですけれども国の資料がないので、私はぜひそれをお願いしたいというふうに思います。
 私は、エレベーターとか自動ドアとかそういうものも大事なんですけれども、去年十二月四日の本会議でも申し上げましたように、最も切実なのはトイレなんです。これは要するに、エレベーターがなくても、スロープがなくても、人の手をかりれば何とかなる、ただトイレだけはそういうわけにいかぬということで、そういう施設がないと実質受験拒否、例えば高校とか大学であれば受験拒否になってしまう、受験すらできないと、ちょっとお手紙を紹介して本会議でも申し上げたわけです。
 だから、私は、調査していただいて、少なくとも、予算の限界がございますので、これはまさに補助事業としてあるわけですから、いまだに例えば公立の小中学校でそういう肢体不自由児の方に対する配慮ができていない、車いす用のトイレがないというところについては、重点的な政策で早急に手を打つというふうなことも、最低の保障としての障害者トイレだけは全部の学校にあるというふうな状況をやはり指導していくことも重点政策として必要ではないかなというふうなことを感じておりまして、この辺のちょっとお考えをお聞きしたい。
 総理大臣は、この前のときにはプライオリティーも考えながら研究してみたいとおっしゃっていたんですけれども、文部省、直接の御担当でございますので、取り組みをちょっとお聞きしたいというふうに思います。


○政府委員(御手洗康君) 御指摘のトイレにつきましても、本年度九百八校を新増改築事業をいたしました際、四百五十六校で実施して、相当の学校が取り組んでおられると思っております。
 いずれにいたしましても、実態を踏まえた上で、さらに現行以上の特別な対応は必要なのか、あるいは現行の大規模改造で十分対応できるのか、その点も踏まえて検討させていただきたいと思います。


○山下栄一君 公立の小中学校の話は終わりまして、次に幼稚園です。
 幼稚園の施設整備に対しても、国は市町村に対して、また学校法人に対して幼稚園の施設整備の補助事業というのはやっておられると思うんですけれども、今申し上げましたような障害を持った園児の観点からの取り組みを今まで余りやってこられなかったんじゃないかと思うんです。やるべきではないかというふうに考えているんですけれども、この点のお考えをお聞きしたいと思います。


○政府委員(小野元之君) 幼稚園の場合、私立が御承知のようにたくさんあるわけでございますけれども、私学のこういった施設につきましては、設置者である学校法人がみずからの責任と負担で整備するというのが基本でございます。
 国といたしましては、例えば大学でございますと私学振興・共済事業団等による長期低利の融資の制度がございます。こういった制度でもってそういった障害者のための施設の整備を進めてほしいということもお願いしておるわけでございますけれども、幼稚園等につきましても、これは直接には都道府県知事が所轄になるわけでございますけれども、それぞれの教育の需要に応じまして、もちろん知事といたしましても、こういったバリアフリー化を県として進めることは恐らくそれぞれの県で検討いただいていると思いますので、そういった中でぜひ御検討いただくようにお願いしたいというふうに考えているところでございます。


○山下栄一君 私も自治体の取り組みが基本だというふうに思うんです。
 ただ、この文部省予算の内容を見てみましたら、幼稚園施設の整備拡充を図るために市町村の公立幼稚園の経費の一部を補助するというふうな中身があったもので、その補助する観点の中にこういうトイレとかスロープとかいうことも配慮することを一言入れられたらどうかと思いました、市町村の公立幼稚園に対して具体的に施設整備の補助をされておりますので。だから、障害園児に対する取り組みもこの補助事業の中に入れたらどうかなというふうに思うんですけれども、これは難しいんですか。


○政府委員(小野元之君) 公立幼稚園につきましても、公立小中学校に準じて国の補助制度が一部ございます。そういった観点で、私どもといたしましても最初に御答弁申し上げましたように学校施設のバリアフリー化というのは大変大事な事柄だというふうに認識をしておりますので、私どもとしては、国立学校もそうでございますし、先ほど来お話にございます公立学校もそうでございます、幼稚園も含めて、これからもバリアフリー化の推進について積極的な指導をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。


○山下栄一君 午後の最初の世耕さんの質問の中で、情報通信の予算と教育ということで十一年度は九百億円を超える予算を取り組まれているというお話を聞きまして、国際化の観点、情報化の観点、また心の教育の観点からさまざまな予算を取り組まれてきておるわけです。
 私は、障害者に配慮した学校施設のバリアフリー化への取り組みというのは、それに劣らず柱になるべき問題ではないかなというふうに思っておりまして、幼稚園そして小学校、中学、高校、大学、さまざまな学校施設がたくさんある、その施設は基本的に障害者に配慮した、また障害がある子供たちに配慮した状況になっておるということをあらわしていくことが、学校近代化という観点、また心の教育という観点からも非常に大事な柱になるべき施策である、こういうふうに感じておるんです。
 ところが、実際に予算を見ましたら、情報化の方はもちろん近代化の一環だと思うんです。大変重要な柱であるわけですけれども、人間の心のバリアを取り除くというふうな意味でも、また個性というのはさまざまな個性があるんだということを子供たちに教えるためにも、障害児、障害者へ配慮をした施設になっておるということを実現していく施策というのは劣らず柱になるべき施策であると。金額の大小ということを言っているんじゃなくて、そういうふうな取り組みというのはこれから非常に重要ではないかというふうに思うんです。
 いろいろお聞きしましたら、施設の改善という観点からも、幼稚園は初中局で、また小中は教育助成局で、私学はどこでしたかというふうに一貫した取り組みではないわけです、それはもちろんそうだと思うんですけれども。さまざまな文部省全体の部局の中で障害者に配慮した施策を推進しようというふうなことも、ある一定期間取り組んでいこうという柱として据えるべき施策ではないかと感じておりまして、これからますます二十一世紀はそういうことを配慮しないと、何が近代化だ、何が心の教育だと言われかねないというふうに感じるんですけれども、文部大臣、ちょっとお考えをお聞きしたいと思います。


○政府委員(小野元之君) 御指摘ございますように、学校の施設は、幼稚園から小中高、大学、それぞれさまざまな施設がございます。さまざまな状況がそれぞれあるわけでございますけれども、文部省といたしましても、こういったバリアフリー化をきちんと図っていくということが心の教育を推進する上でも御指摘ございましたように大変大事なことだと思っております。
 そういう観点で、私どもではいろんな部局にまたがるわけでございますけれども、大臣官房としても各局と相談しながら、文部省全体としてそういったバリアフリー化が進むよう努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。


○山下栄一君 官房長の御答弁に尽きるかもわかりませんけれども、大臣、一言ございましたらお願いします。


○国務大臣(有馬朗人君) 先ほども申し上げましたように、私自身、自分の勤めていたところのバリアフリー問題というのは常に積極的に取り組んでまいりました。もちろん予算の問題がございまして、率直に申し上げて、ないものはない、残念ながら。ですけれども、今後もできる限り最大限の努力はさせていただきたいと思っております。


○山下栄一君 もちろん、国の費用で何でもやらにゃいかぬということはないと思います。ただ、日本の文部行政のあり方として、そういうのは大事な柱の一つなんだということをどんどん発信していくというか、そういうことも大事ではないかと思いました。
 冒頭幾つか質問しましたように、こういう観点からの通達というか御指導をされてきたのかと思いましたときに、そういう観点での指導というのは全体的にはされていないということをお聞きしましたもので、何も金を出せということを言っているんじゃなくて、そういう配慮をした教育内容であるべきだと。さまざまな初等教育、中等教育その他において、全体的に文部省の理念というか取り組み、決意を発信していただきたいと思いますもので、しつこいようですけれどもお聞きした次第でございます。
 あと、時間がございませんけれども、私は、この少子高齢化という時代における学校制度のあり方、これは二十一世紀は本当に深刻になっていくというふうに思います。
 教える先生が年をとってこられる、新規採用はほとんどない、子供の数はどんどん減っていきまして、特に高校の私学も含めた定員、大学の定員、定員はたくさんあるけれども生徒がおらないというような状況になってくるとこれは大変なことになるというふうに思っておりまして、少子高齢時代における学校制度のあり方ということは二十一世紀の大きな課題になってくるというふうに思います。
 それで、一つだけ質問させていただきますが、小学校の先生ですけれども、小学校の先生が十年たったらどうなるんだと。年齢構成の資料によりますと、これは平均でございますけれども、もう五十代の先生が四割近く占める、学校によったら六割は五十代以上である、そんな学校も出てきかねないというふうな状況になってくる。そうなると、これは活力のないと言ったら怒られますけれども、そういうふうな手本を示す先生、一緒に走ることもしにくくなるし、運動会で物を運べないという、そこまでひどくならないかもわかりませんけれども、非常に深刻な問題になっていくのではないかなというふうに思います。
 そういう意味で、先生はずっともう一生先生なんだという意識が、日本では学校とか学校の先生に対して尊敬の念が強い風土、最近はそうでもないかもわからぬけれども、そういう状況の中で、先生になったらずっと先生なんだというふうなことでは成り立たなくなるような時代を迎えていくんじゃないかなと。
 もっと前向きにとらえて、教員経験のある方の積極的な人材活用、新しい職種、新しい分野への進出、生涯学習の観点、福祉、文化の観点、これからの人材活用みたいなものも考えていかないと、学校現場は総合学習の時間とか単位制とか新しい教育課程審議会等の取り組みもたくさん出てきているわけで、それに先生の方が対応できないというふうな状況になったら大変だなというふうにも思いますので、教員の高齢化問題というのは大変な問題ではないかなというふうに思うんですけれども、これに対して文部省はどのように今、先のことを考えながら取り組まれようとしているかということをお聞きしたいというふうに思います。


○政府委員(御手洗康君) 御指摘のとおり、五十歳以下、四十代の教員ないし三十代の後半の教員が大変大きな割合を占めている、半分以上に両方合わせるとなろうかと思いますけれども、御指摘のとおりでございます。
 現在、退職者、五十代後半の教員が少ないものでございますので、全体として高齢化していくということは避けられないかと存じます。また、それ自体大変な問題であることは事実でございますけれども、残念ながら、現行の公務員法制を前提といたします際に、六十歳までの定年制という前提があるわけでございますので、私どもといたしましては、できるだけベテランの方々に今後ともしっかりと子供の教育に情熱を傾けていただくような研修や学校運営のあり方等について検討してまいりたいと思っておりますが、また逆に、五十歳下から四十代の方々が退職する段になりますと、毎年その分の採用者というものは見込めるわけでございますので、平均年齢が十年後もまた一気にそのまま進むということではなくて、今度はそこからまた十年ぐらいたちますとある程度バランスがとれてくる、それ以上は平均年齢という形では上がっていかないということにつきましては、それなりに若い方がふえてくるということは希望は持てるかと思っております。


○山下栄一君 どうもありがとうございました。

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