145国会 文教・科学委員会会議録 1999年04月15日
○山下栄一君 馳委員、また本岡委員に続きまして、同じような視点だと思いますけれども、質問させていただきたいと思います。
お聞きすればするほど賛成しにくくなるような内容になっていくのですけれども、まず、貸し館業務をやめるという本館の建物、これを何で文部省のものにするのか、これは全然わかりません。これは本来民間に売却すべきだと。部屋がたくさんある、その部屋は文部省が使うということだそうですけれども、特殊法人の財産を文部省のものにするなんというようなことはまさに行革の精神に反する。特殊法人の財産を国の財産にした例なんてほかにあるのかなというようなことも含めてよくわからないので説明してください。
○政府委員(御手洗康君) 国立教育会館は、昭和三十九年に設立いたした際には、民間からの寄附金も受けましたけれども、すべて国が基本的にはこれに出資をして、土地も提供し、それから建物もつくってそれを出資するという形にしてあるわけでございます。したがいまして、特殊法人の国立教育会館が解散いたしましたら、これは原則として、出資をいたしました国にその出資に見合う財産が返ってくるということは基本的な考え方でございます。
ただ、文部省としてこの建物を使いたいというのは、たまたま文部省の隣に建物がございますし、そして、この建物は昭和三十九年に建てた建物でございまして、その後維持管理の補修はしてございますけれども、まだ十分使える期間があるということでございますので、これを国全体の立場から有効活用させていただきたいということでございます。
○山下栄一君 今申し上げましたように、特殊法人の財産を国の財産にするというのは行革の精神に反するのではないかということについて、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(有馬朗人君) 御指摘の点はよく理解をいたしておりますけれども、まず最初に、貸し借り業務などに人を相当配置しておりますので、その辺のスリム化。ただし、その人たちの職を失わさせるというふうなことはいけませんので、民間に回すというふうなことを工夫しながら、貸し借り業務というものは今後やらない、この点はたびたび繰り返して申し上げたとおりでございます。
ただ、今あります建物そのものというのは、もちろんいろんな資金があったと思いますが、国がつくったものでございまして、そういう意味では、国の財産として継承することは矛盾はしていないと考えております。
それからもう一つ、私はこの辺に住んでいてつくづく思うのですけれども、非常に会議をする場所がないんですね。霞山会館とかいろんなところを使っておりますけれども、文部省といたしましても、さまざまな会議をやったり会合をしたりするときのものとして、すぐ隣にありましたり建物は非常に有効でございますので、貴重な財産として平成十二年四月一日をもって国が承継しようかと考えております。
そういうことでございますので、御理解賜れれば幸いでございます。
○山下栄一君 途中から特殊法人の財産になりましたつくばの建物、それから国立社会教育研修所であったものを特殊法人に移した社会教育研修所、これは残して、将来、移管先にその財産を移すということだと思いますけれども、私はこの建物も必要ないというふうに思うんです。
その理由の一つに、先ほども御質問ございましたが、業務を残す教育研修業務も本来もう必要なくなってきているのではないかというふうに、これはちょっと本岡委員と重なるかもわかりませんけれども、建物を持って、そこに全国から集めて、そして研修するという時代性はもうなくなりつつある。研修そのものも地方でできるし、そして、どうしても幅広い研修内容を国として地方にも配慮したいということであるならば、それこそ先ほどの高度な情報の仕組みがあるわけですから、建物なんか必要ないというふうに思うわけでございます。と同時に、どうしても必要ならば、研修施設というのはほかにも既存のものが、特殊法人ではない国のものとして、文部省のものとしてあるじゃないか、そこを使えばいいんじゃないかというふうに思います。
研修のあり方そのものも、先ほど縮小するという話があったけれども、中央に集めてやる時代じゃない。研修業務移管と言うけれども、研修業務はやめるべきだというふうな考え方もあるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(御手洗康君) 繰り返しの答弁になって恐縮でございますが、基本的には御指摘のとおり、任命権者であります各都道府県教育委員会等がこれを実施するということでございまして、初任者の研修、あるいは新任の校長、教頭等の研修、こういったものにつきまして、全国で見ますと百万人規模で各都道府県教育委員会等任命権者が実施する研修に毎年参加しているということでございますが、国といたしましては、例えば学校教育研修所で行っております研修は、先ほど申し上げましたように、中央研修講座ということで校長先生あたりを全国で年間七、八百人、あるいは中堅の教員で一千人程度集めていく、さらには英語教育の研修ということで百人あるいは二百人程度集めていく。
さらに社会教育研修所におきましては、社会教育主事の講習会ということで、全国的なレベルでこれも二百人ないし三百人、あるいは博物館の職員の専門研修で数十人ということで、限られた人数につきまして、全国的に現在抱えております学校教育、社会教育、そういったものの課題につきまして十分御理解いただき、それをもって各都道府県や市町村におきましてリーダーとなって学校経営や社会教育の指導に当たっていただく、そういった方々を限定的に対象にしてやらせていただいているということでございます。
御指摘のとおり、私ども、基本的には各都道府県がやるものと、それから文部省として、今申し上げましたような事業につきましては今後、内容、規模等につきましても見直すという観点は必要であろうと思いますけれども、国として行うべき役割というものは、研修事業については今後ともまだあるものと、こういう考え方に立っているところでございます。
○山下栄一君 内容そのものを見直す必要はあるということをおっしゃっております。それはそうしてもらいたいと思います。ただ、先ほど申し上げたように、中央に集めて交通費も宿泊費も全部自治体が金を出すわけですから、経費節減も含めて、そういう時代じゃないのじゃないかということを私は申し上げているわけです。
と同時に、特殊法人の予算をふやした中に、国立教育会館の予算をふやした中に先ほどネットワークの話がありましたよね。これは、研修内容のネットワーク化をやって、通信による研修網というようなことを考えておられるのじゃないでしょうか。そうじゃないんですか。
○政府委員(御手洗康君) 御指摘のとおりでございまして、時代の変化に合わせまして、双方向の衛星通信のネットワークを利用して良質のプログラムを提供していき、それを各都道府県が必要なときに随時それに参加していただく、あるいは都道府県同士、あるいは大学のプログラム等も配信できるというような形で、全国の主として都道府県や指定都市の教育センター等と全国的なネットワーク網を結びたいということが基本でございますけれども、同時に、せっかくのものでございますので、文部省の各種の会議等につきましても、費用の効率化あるいは時間の効率的な利用という観点から積極的に運用していきたい、こう考えているところでございます。
○山下栄一君 すぐれたメニューを用意して、それを各地域で選択していただくとかということは、メニューを考えることはやっていただきたいと僕は思うんですけれども、だから、やり方そのものを、建物があって、つくばとか社会教育研修所とかで三カ月間も宿泊を伴ってやるというような時代じゃないと。そのためにネットワーク化を図っているのだったら、建物も必要ないし、そしてそういう中央に集めてやるというあり方そのものも、全部やめろとは言わぬけれども、極めて厳しく厳選すべき時代じゃないのかということを申し上げておるわけですけれども、どうですか、大臣。
○国務大臣(有馬朗人君) 具体的な例を申し上げて恐縮ですけれども、今、理科教育をどうするかというようなことが非常に問題になっております。
その際に、理科教育を単に観念的に伝えてもだめなので、そういうふうなものを具体的に実験を見せながらやるというふうなこととか、あるいは今おっしゃられましたインターネット等々で伝える、そのインターネットのもとになりますさまざまなソフトをどういうふうに理解し、どういうふうに使っていくか、いろんな意味での教員研修というのは今後も、費用だけではなく、全体を通じてやらなくちゃならないことがあると考えております。
また、いじめ問題ということについて考えますと、いろいろないじめの仕方があるとか、一県、一都というふうなところでは完全には把握し得ないようなものについては、情報をきちっと集めておく、そして各都道府県の先生方にお流しする、こういうふうなことで、先ほど申し上げましたように業務を精選して、本当に中央でやるべきことが何かということをよく考えた上でやらせていただきたいと思っております。
そういう意味で、先ほどから御疑問が出ております隣の建物のことでございますが、そういうことに非常に有効に使えますので、文部省で管理したいと考えている次第でございます。
○山下栄一君 もうあと三分しかございません。
次に、教育情報提供業務、これは私は大事な業務だと思うんです。ただ、僕は何でこんなものを特殊法人にさせたのかなというふうなことを思うわけですけれども、これは本来本省がやるべきことだったと。そのセンターとして、例えばこの本館を使うとかというとよくわかるんですけれども、この教育情報提供業務の必要性は私は認めたいんです。
いずれにしても、研修と教育情報を新たな移管先に移す、移管先は決まっていないけれども、少なくとも本省の業務でない方向でということだと思いますけれども、移管する前に極めて厳しく縮小して、そして移管すべきだというのが私の考え方でございます。先ほどの本岡委員の話にも重なる話でございます。
そういうことをしないと、何のための国立教育会館の解散なのかと。とにかく本省では人数も増やせないから特殊法人にという今までの流れがあった。特殊法人を解散するときには、今度は特殊法人をもとの本省に戻すわけにいかぬから、別の独立行政法人か何かに移すということでしょうけれども、全体の分量は変わらないままに補助金を投入し、またOBが仕事をするような特殊法人や財団や、また独立行政法人等に移すだけだったら、全体的には何の行革にもなっていない、このように私は思うわけです。したがいまして、業務そのものを縮小しないと意味がない、建物そのものについてもできるだけ民間に移すというふうに考えていかないと本来の行革じゃない、私はこういうことを訴えたいと思うわけでございます。
したがいまして、今回の国立教育会館の解散に関する法律は余り前進だと私は思わない。本当は反対したいぐらいですけれども、もう党の方針は決まっておりますのでそんなことはできませんけれども、何か、やっていることが国民の求めているものになっていないというふうに極めて疑問を感じるわけでございまして、そのことを表明して、もうお答えを聞いても似たようなことしか返ってこないだろうから、非常にすっきりしないままに質問を終わりたいと思います。