145国会 行財政改革・税制等に関する特別委員会会議録 1999年06月29日
○山下栄一君 私は、きょうは野中官房長官にもぜひ御質問したいと思いましたもので、またまたお昼の本会議に私の質問時間が当たるということで官房長官が来られないということでございましたので、本委員会の理事会等で御検討いただきまして、質問の順番をかえていただきまして官房長官に質問させていただくようにしていただきましたこと、委員長初め理事の皆様方に御礼を申し上げたいと思います。
まず最初に取り上げさせていただきたいのは、機関委任事務の廃止に伴って国から自治体に対する包括的指揮監督権がなくなる、したがって通達行政もなくなっていくんだ、こういうふうになっておるわけでございますけれども、実態は本当にそうなっていくのか、そういう基本的な心配といいますか疑問がございまして、その観点から最初に質問させていただきたいというふうに思います。
まず最初に具体的な例から入りたいと思うんですけれども、私は、平成九年十一月だったと思いますが、質問主意書を厚生省に出させていただきました。これは介護保険にも関係してきますけれども、老人ホームの入所措置、入所にかかわることでございます。入所申請に当たって健康診断書が必要だという実態があるわけです。その健康診断書が必要であるという根拠はどこから来ておるのかということが非常に疑問になるわけでございますけれども、これが実は法律によらずに、まさに通知とかそういう法律の根拠によらないものからきておったということがわかってきたわけでございます。
厚生省にお聞きいたしますけれども、老人ホームの入所申請に当たって健康診断書が必要である。これがまた非常に地域によっては高いわけでございまして、入られるお年寄りにとっては大変な経済的負担になっておるということから私疑問を持ったわけでございますが、入所申請に当たって健康診断が必要であるというこの根拠、これは国で示しておられると思いますけれども、それをお示し願いたいことと、それが今回の機関委任事務の廃止に伴ってどうなるのかということを教えていただきたいと思います。
○政府委員(近藤純五郎君) 特別養護老人ホームに入りますときに、いろいろ要件はあるわけでございますけれども、このときに著しい神経障害がない方、こういうふうな要件があるわけでございます。あるいは伝染性の疾患にかかっているかどうか、こういうふうなのを確認する必要があるわけでございまして、そのときの一つの方法として、一種の助言的なものでございますけれども、医師あるいは精神科医の診断書をお願いしていた、こういうことでございまして、今回の法律の改正によりまして、今までは団体委任事務であったわけでございますが、今回は自治事務に変わるわけでございます。
ただ、先生御承知のとおり、来年の四月からは介護保険制度ができるわけでございますので、それによりまして措置制度そのものがなくなるわけでございます。この特別養護老人ホームの措置制度がなくなるわけでございまして、したがいまして、御指摘のような指針とかマニュアル、こういったものについては特別養護老人ホームに関しましては基本的に不要になる、こういうふうに解しております。
○山下栄一君 だから私は、特別養護老人ホームというふうに言っていないからね。養護老人ホームの場合は続くはずだから、その通知とかマニュアルというのを具体的に言ってください。どういう通知でどういうマニュアルかということ、正式な名前。国で決めているんでしょう、それは。
○政府委員(近藤純五郎君) 正確に申し上げますと、「老人ホームへの入所措置等の指針について」というものと、それから「入所措置事務マニュアル」というものでございます。
○山下栄一君 続いていくものはどういうふうになるんですか、特別養護老人ホームじゃない方。
○政府委員(近藤純五郎君) 養護老人ホームの関係でございますけれども、これにつきましては見直しを当然するわけでございますが、これは法律関係は今までどおりといいますか、自治事務ということでございますので、その辺も踏まえた上で検討したい、こういうふうに思っております。
○山下栄一君 したがいまして、機関委任事務ではない事務、今団体事務とおっしゃいましたけれども、要するに今回自治事務になるわけですけれども、そういう事務にかかわる通知が実際出ているわけですね。つまり社会局長通知で、詳しく言ってくれないからあれなんだけれども、そこに健康診断が必要だと、マニュアルにはこういう病気、例えば伝染病、赤痢とか、そういうことまで書いてあるわけです。それはだから、機関委任事務じゃないものについても現在も非常に拘束力があるような形で実質は自治体事務を縛っているということになっているわけです、現実は。それが今回自治事務になるわけですけれども、それがどう変わっていくのかということなんです。これは厚生大臣、どうですか。
○国務大臣(宮下創平君) 今お話しの点は、団体委任事務に六十一年改正でなったわけですが、これは今までの利用方式は原則として市町村の措置ということでございます。今回、いろいろこの利用方針が変わりまして、契約へ移行するということになります。したがって、御指摘の入所措置マニュアルの特別養護老人ホームに関する部分は、基本的に不要になるというのは局長の言ったとおりでございます。
しかしながら、養護老人ホームへの入所措置等の事務の取り扱いを引き続き示すことが必要でございますし、介護保険制度における特別養護老人ホームにつきましても、例外的に市町村が老人福祉法の規定に基づく措置をとる仕組みが存続することもございますので、その取り扱いを新たに示すことが必要でございます。
したがって、御指摘の今の局長通達であります「老人ホームへの入所措置等の指針について」あるいは「入所措置事務マニュアル」につきまして、介護保険制度の導入に向けまして見直しをする必要があるというように考えておるところでございます。
○山下栄一君 見直しがどうなるのかということなんです。養護老人ホームについては、「老人ホームへの入所措置等の指針について」という、これは機関委任事務じゃない事務なわけです。だから、これが今回の法改正によってどう変わるのか。「入所措置等の指針について」という局長通知です。これは、実際に入所判定委員会をつくって、こういうメンバーで判定しなさいと書いてあるわけです。そして、そこには伝染性疾患を有し、他の入所者に伝染させるおそれがないようにしなさいというふうに書いてあり、別に今度は「入所措置事務マニュアル」というのがあって、そこでは、「伝染性の疾患の保有の有無を確認しなければならない。赤痢菌検査、梅毒検査、胸部レントゲン検査」、こういうふうに具体的に書いてあるわけです。
だから、それは具体的に自治体を縛っておるし、入所する方々はほかに高いお金を払って、定期健康診断とは別の健康診断書をこのためにわざわざお金を払って、そして手続をとらないと入れないというこの仕組みは、今回、自治事務になるわけだけれども、これがどう変わるんだと。この入所措置等の指針というのは今現在生きているわけですけれども、先ほど申しましたように、判定委員会をつくってこうしなさいと書いてあるわけだけれども、それはどういう扱いになるのかということです。これは本当になくすんですか、どうですか。
○国務大臣(宮下創平君) 一言で申しますと、従来の措置制度の場合における指針であるというように御理解をいただきたいと思うんですが、今度は契約制度になりまして完全な自治事務になります。したがって、入所措置の性格が違ってまいります。しかし、今申しましたように、養護老人ホームの入所措置等は引き続きこの措置業務という範疇に属します。それからまた、介護保険制度における特別養護老人ホームでも、例外的にと先ほど申しましたが、これは痴呆性その他の理由によりまして意思能力が乏しくかつ本人を代理する家族がない場合などには、事業者との契約による介護サービスの利用やその前提になる市町村に対する要介護認定の申請を期待しがたいやむを得ない事情があるときは、例外的に老人福祉法の規定に基づく措置ということが残されておりますので、この措置にまつわるものとして残されているというように私どもは理解しております。
ただ、その内容については、おのずから背景、性格を異にしてまいってきておりますので、必要に応じ見直しが必要であるという認識を申し上げたところでございます。
○山下栄一君 だから、今までも機関委任事務ではなくても実際団体事務でも、今回自治事務に変わるものについても、包括的指揮監督権に基づく指示のような形で実際は現実に入所者や自治体を縛るような形でこの通知とか入所マニュアルとか機能していたということを私は指摘したいわけでございます。
こういうことが今度はまた自治事務にも助言、勧告というのが出てくるわけだから、その観点でまた同じような形で続いていくのではないかという基本的な疑問がありますもので、はっきり答えられないのでもう押し問答しても仕方がないので、見直すといっても実際はこれは続いていくとしか私は考えられないわけでございます。
それで、この機関委任事務以外の行政事務というか自治体の事務でも、実際はこれ指揮監督のような形でやっておったということは、これは現在でも地方自治法違反ではないかと、このように思うんですけれども、どうでしょうか。つけ加えますと、実際は機関委任事務と同じ扱いみたいな形で機能しておったということなんですね。それはだから法律違反にならないのかということを私は申し上げているわけです。厚生大臣。
○国務大臣(宮下創平君) それは、法律違反ではないという前提でそのような指導をしてまいっておるところでございます。
○山下栄一君 まあ、そういうことでしょう。
それで、これはちょっと大蔵大臣とか官房長官にもお聞きしたいんですけれども、「老人福祉関係法令通知集」というのが、法令六法の話もありましたけれども、こういう本があるわけです。法律とか政令にかかわるもの以外が大半なんです、これ。法令通知集と書いてあるけれども、八割は通知集なんです。通知は、機関委任事務に基づく通達なのか、それ以外のいわゆる自治体固有事務、団体事務も含めてそれにかかわる通知集なのかというようなことがはっきり、どっちとも区別しないままに通知集という形でこれだけたくさんあって、だから先ほど申し上げた入所指針なんかもこういうところに入っているわけです。だから、これは法令通知集だから縛られるのかなと、こういう錯覚に陥るみたくなっているわけです。これに基づいて実際は事務をされておるわけです。実質上縛るような形で、まさに包括的指揮監督権に基づく形の自治体行政が行われているというふうにとらざるを得ないわけですね。
これが今後どう変わるんだということなんです。これは各省庁全部いろんな形であるわけですけれども、法令通知集といいながらほとんど通知集。通知集の中身は、機関委任事務に基づく通達なのかそれ以外なのかということがよくわからぬという形になっている。これが私は極めて問題だと思うんですけれども、これが今度自治事務には関与の形として助言、勧告というのがある。そういう形で、結局こういう本は法律改正後も変わらないままに生きていくんじゃないか、こういうことを心配しているわけです。
だから、先ほどの入所指針というのは廃止してしまうのか、それとも助言、勧告に基づいて生きていくのかということをお聞きしたいわけです。ところが、実態がほとんど変わらないままに拘束されるのかというふうに自治体は受けとめるということになっていくわけですね。
機関委任事務の廃止に伴って何ら変わらないということになるのではないかということを、一生懸命そういうことを言いたいんですけれども、自治大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(野田毅君) 何も変わらないんじゃないかという御指摘ですが、それでは困るんです。それを変えなくてはならぬのです。
通達ということについて言えば、今御指摘ありましたように、機関委任事務についての指揮監督権、これに基づいて上級官庁が下級官庁として扱っている地方自治体に対して命令を発する、こういうのを大体通達と言っているわけです。上級官庁から下級官庁に命令して行うのが一般的に通達である。そういう意味で、機関委任事務という位置づけの中で根拠があったわけです、これは先ほど来御指摘のとおり。
その機関委任事務が廃止されて、その包括的な指揮監督権を規定しております第百五十条、これもなくなっていく、こういうことになります。そうなると、これから国から地方公共団体に対する通達という概念はなくなるのである、こういうことなんです。
それに対して通知とは、ある一定の事実、処分または意思を特定の相手方に知らせること一般を指すものであるわけですから、指揮監督権に基づく通達というのとは区別される概念である。例えば、改正後の地方自治法第二百四十五条の四の規定に基づく助言、勧告が通知という形で行われることもありますけれども、これは法的な拘束力を生じるものではないということであります。
なお、現行制度のもとにおいても、国が地方公共団体に対して行う助言や勧告が通知という形で行われているものも多いわけでございます。そこで、これまではそうしたものを含めて特に厳密に意識することなく通達と呼ばれたこともあったと思うわけですが、今後は、くどいようですが、地方公共団体に対する通達という概念はなくなるというふうに考えております。
○山下栄一君 それはよくわかっているんですけれども、では自治事務に基づく助言または勧告というのはどういう形で文書の形としてはやるのか。
通知という言葉をおっしゃいましたけれども、全国一律に何かこういう文書が行くとまたこういうのが出てくる、こういう形でまとめられていくんではないかなと僕は思うんです。だから、そういう形じゃなく、もし出すんでしたら個別に事後的なものに限って出すべきであって、全国統一的な文書みたいなものを出すとまたこういう形にまとめられていく可能性があるので、何となく拘束されるのかという、結局区別がわからなくなってしまうということを心配するわけです。
だから、新しい考え方に基づいて指揮監督権がなくなる、機関委任事務が廃止されるということであるならば、この自治事務の助言または勧告ということをどういう形で文書でやるのかということを工夫していただきたい。そうしないと、現場では拘束されると同じ実態になって余り変わらぬというふうになってしまう、こういうことを私は申し上げているわけです。
○国務大臣(野田毅君) 従来の通達の内容のうちで、今御指摘がありましたように、なお拘束力を維持する必要があるというようなものについては、自治事務という分野については法律またはこれに基づく政令などで定めてもらわなければいけないということでありますし、法定受託事務については、これらに加えて、新しい自治法に基づく処理基準として定めるということはあり得るということで考えております。そういう仕分けを各省がしてもらわなければいけないということになるわけです。
○山下栄一君 だから、先ほど申し上げたように、自治事務の方の助言または勧告の仕方、文書によるんでしょう。そのやり方を今までと同じようなやり方でやると実態は何も変わらないので、文書の出し方を工夫していただきたいということ。
次に行きます。
法定受託事務においては、施行と同時にこれはもう処理基準がないとまずいと思うんですけれども、そういう形になるんですか。
○国務大臣(野田毅君) 今申しましたように、法定受託事務については法律または政令など、あるいは処理基準によって行われるということを申し上げたとおりであります。
なお、機関委任事務については、国の包括的な指揮監督権があって、くどいようですがもう一遍申しますと、事務の管理執行全般にわたって通達の形で一般的に定めることも、それから具体の事例について個別に指示するということも可能であったわけです。また、一定の事項について国との協議や承認を義務づけるということも可能であった。これは今までの機関委任事務についての問題で、通達の問題であります。
今後どうなるかということですが、法定受託事務に係る処理基準はあくまで一般的な基準として定めるものである、その内容も目的を達成するために必要な最小限度のものに限られる、また国の承認や国への協議などのような関与をそこで定めるということはできないということであります。
○山下栄一君 では、機関委任事務から法定受託事務に変わった事務については、今までの通知は全部やめる、そういう文書自身は消えるということですか。
○国務大臣(野田毅君) 先ほど答弁で申し上げましたとおり、関係省庁において従来の通達についてそれぞれ交通整理をしていただかなければならないということになりますということを申し上げたわけです。
交通整理というのは、先ほど申し上げたとおり、なお拘束力を持たせなければならないものはそういう扱いのきちんとした処理をしていただかなければなりませんということであります。
○山下栄一君 では、この法律が施行した後は、この処理基準というのは、法改正がない限り、処理基準の改定とか新たな処理基準の策定とか、そういうことはないという理解でよろしいですか。
○国務大臣(野田毅君) ちょっと御質問の趣旨をつかみ損ねたかもしれませんが、今申し上げましたとおり、現在出ている通達については、いわゆる国から地方自治体に対する通達というものはなくなるわけであります。したがって、なお拘束力を必要とするものについてはそれなりに必要な法的な手当てなり、あるいは政令で定めるなり、あるいは法定受託事務であれば処理基準というものをきちんと定めてもらうという形に切りかえてもらわなければならないということを申し上げておるわけです。
○山下栄一君 もう一回言います。
処理基準というのをつくりますよね。途中でそれを改定したいという事態が起こってきたという場合は法律を改正しないと処理基準の改定はあり得ないという理解でよろしいですかと言っているんです。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。
処理基準は、法定受託事務につきまして、各大臣は法定受託事務の処理について都道府県が法定受託事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができるということでございまして、この事務処理をするに当たりよるべき基準というものは各大臣が定める、したがいまして改定の必要がある場合には改定できる、こういうことでございます。
○山下栄一君 答えてくれへんから困るな。
処理基準というのは具体的に定められるのかどうか知りませんけれども、では今度は法定受託事務に伴う助言または勧告というのがありますね、関与の仕方として。法定受託事務の一番軽い関与が助言または勧告でしょう。それもまた文書でされますよね。事務をフォローしたり補足するためにまた助言とか勧告という形で文書が出る。それと処理基準というのは区別がつくのかなと。法定受託事務の処理基準が出されるわけだけれども、処理基準と助言とか勧告という形がまた通知とかにされると結局余り今までと変わらないような形になってしまうのじゃないかという危惧があってこういう質問をしているんですけれどもね。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。
処理基準は、新しい自治法の二百四十五条の九で、今ほど申し上げました規定になっているわけでございますので、今後各省において事務処理を進める場合において、一般的にはこの法律の根拠を示して、処理基準であるということを示して地方団体に示されると根拠がはっきりすると思います。
通知によって助言、勧告を行うということもございますけれども、それもでき得ればそういう趣旨が明らかになるということで示していただくと円滑な行政に資するものと考えております。
○山下栄一君 処理基準は、法律が施行されるに伴ってあらかじめつくられると、処理基準というのは。そうですよね。事務ができないから処理の基準をやはり考えて出すと思うんですけれども。
この質問やめます。もうちょっと時間がなくなってきました。
官房長官に質問しますけれども、いろいろ朝日新聞の報道に伴って、さまざまな六法、法令集の印税をもらっていたという話が報道されております。こういう役所が、厚生省とか何とか省という名前、また何とか研究会と、実質的にはその役所の方々がかかわられてつくられているこのさまざまな文書、法令集もあれば、民間の方々に対して、例えば「医療用具製造申請の手引」という、これ民間の方々が買うものですけれども、これもだれがつくっているかというと厚生省の薬務局がつくっていると。
こういうさまざまな文書たくさんあると思うんですけれども、これ調査していただいて、どうなっているんだということをやるということを新聞で読んだんですけれども、これどうなっていくんでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) 今御指摘の、各省庁が編集なりまたは監修にかかわっております法令集作成の実態につきましては、五日前に御指摘をいただきまして、現在調査を行って内閣参事官室で取りまとめを行いつつあるところでございます。各省庁から集まりました実態を見まして、この後の取り運びを考えてまいりたいと存じております。
○山下栄一君 官房長官、繰り返しになりますが、確認させていただきます。新聞記事では法令集だけのような感じがあったんですけれども、そうじゃなくて、各省庁で、役所がかかわっているさまざまな、今申し上げましたように自治体のみならず民間にまでマニュアル、手引という形で編集されている本があるわけですけれども、それも含めて調査していただくということですか。
○国務大臣(野中広務君) 各省庁が編集または監修の六法等法令集全体について、出版物件とかあるいは編集または監修の別、及びその機関名、発行回数あるいは発行部数、単価、買い上げ数、作業実態、編集または監修等の総額の使途等について今調査をかけておるところでございます。
○山下栄一君 私は、質問させていただきましたので、ぜひこの委員会で報告していただけたらありがたいなと思うんです。よろしいですか。
官房長官、もう結構でございます。ありがとうございました。
大蔵大臣にお聞きしたいんです。
今と同じ話なんですけれども、こういう本は大蔵省が一番多いんじゃないかという話があるんですが、私は、こういうものは配付のされ方が非常にいびつな形で今されているというふうに思うんですね、一生懸命役所でつくるんでしょうけれども、こういうさまざまなものを。それを出版する方法が民間の場合もあるでしょうし大蔵省印刷局を通す場合もあるでしょうけれども、それが役所全体の収入にならないで、携わった方々の印税という形とか編集協力費ですか、そういう形で収入としてされている実態があるということなんです。そういう形でしか民間の方々に役所の法令に関するさまざまな解説、それが触れられないような形になっておる。それが非常に情報公開という面からも、一般市民、さまざまな関係者に対する通知の仕方としてちょっと何かおかしなやり方をやっているなというふうに感じるんです。それを改革するお考えがないのかなというふうに思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 無論、役所がしているわけでなくて、その法令なんかに携わっている経験者が、仕事の時間にやってはいけませんが、そうでない時間にやって、そして編集の手伝いをする。それから、仮にそれに対して書籍の価格の何%であるとか、それは印税になりますが、あるいは原稿用紙で一枚幾らとか、そういうような正当の報酬を受けている。実際は、半分は役所自身の事務に使われるわけですけれども、半分は民間の方々がいろいろ使われるので、一種のアウトソーシングというふうに考えるのではないかと思いますけれども、何かその間に、それはいつもどこの本屋が決まってもうけるとか、何か印税が大変高いじゃないかとかいったようなことになると、これはどうも余りよろしくないなと。
官房長官からお達しがありまして、そういうことをちゃんと調べてみろということでございますので、今調べております。その結果がまた内閣から資料としてお手元に届くように、何かの形で申し上げることになるだろう、こう思っております。
○山下栄一君 僕は、これを民間の方々の要請に基づいて、例えば出版社の要請に基づいて役所が受け身でそれを一生懸命編集するという形じゃなくて、もっと主体的にこういう法令集とか法令集の解説、そういうものは役所として国民に対して積極的にやるべきことじゃないか。出版という形もあるでしょうし、通信を通してのサービスといいますか、インターネットでそういうものがわかるとかというふうな形をもっともっとやるべきではないか、それがやはり行政に対する理解を広げることにもなるんではないかなというふうに思うんですね。
それは、だから主体的に広報宣伝活動というか、そうじゃない形で出版社の要請に基づいて役所の方々が部分的に一部の方がかかわってやるから、こういういびつな印税とかいう形になっていくんじゃないかなというふうに思うんですけれども、総務庁長官、どうでしょうか。
○国務大臣(太田誠一君) 勤務時間外のことでございますので、そこはいろんな考えようがあろうかと思いますが、今御指摘のその前段の、余り細かいことについて行政指導のようなことをすることがそういう仕事に結びついてくるという御指摘は、我々も考えておかなくちゃいかぬと思うのであります。
○山下栄一君 自治大臣、例えば先ほどの処理基準もそうなんですけれども、処理基準をつくられたと。それを積極的に国民の側に向かって、こういう形じゃなくてもっと宣伝していくというか広めていくというか、そういうふうな方法を考えた方がいいんじゃないか、そういうことがないからこういうふうないびつな形の編集ということになってしまうんじゃないかなと思うんです。そういうことを申し上げているんですけれども、どうですか。
○国務大臣(野田毅君) それが直接関係あるかどうかわかりませんが、先ほど来の本の監修の云々という話の問題とこの問題、ちょっと次元が違う話ではないかというふうな思いがしています。
ただ、言うなら、法定受託事務に関する処理基準というのは、事務を処理するに当たり、よるべき基準であるわけですから、例えば法令の解釈とか許認可の際の審査基準とか調査の様式とかその種のことは、やはり事前に国民に向かっても客観的に透明度高くきちんとどこかで知らせるべきである。だから、法律でどこまで規定すべきなのか、政令でどこまで規定すべきなのかということをどう交通整理するかという世界の話であって、今までは通達という名前でいろんなものがごった煮みたいになっていたものをそういう意味で整理していただかなければならないようになったということで御理解をいただきたいと思います。
○山下栄一君 人事院総裁にお伺いしますけれども、この印税収入、法的に問題はないかということを人事院総裁の立場で御答弁をお願いします。
○政府委員(中島忠能君) 今、官房長官初め各大臣から御答弁がございましたが、実態を調べて、そしてその結果、適切な対応をしていかなきゃならないということでございます。
私たち、まだ全部調べ切っておりませんけれども、さまざまな態様があるようでございます。その態様に応じて、どのように考えていけば皆さん方の納得が得られるのかということをこれから考えていきたいというふうに思います。
ただ、その場合に幾つかの着眼点というのがあるだろうというふうに思いますが、そういうのを関係各者が集まっていろいろ相談して、適切な対応がとれるように考えていきます。
○山下栄一君 質問を変えます。
国と地方の人事交流、先ほどからも御質問がございました。対等な交流ということで、交流する場合、役職が国から地方へ行くときには一つ上にランクが上がるという、対等の交流になっていない。課長という本省の役職の方は都道府県では部長という形になっておるというのが通例だと思います。また、人数も非常にアンバランスという面があるわけですけれども、この対等の交流ということについての見直しをすべきではないか、役職も含めて。自治大臣、お願いします。
○国務大臣(野田毅君) 特に、国家公務員と地方公務員の交流に関して、やはり人材育成というか研修というか、交流のそれぞれの目的があると思います。ただ単に同格ポストだけを交互に入れかえるということであるなら、一体どういう意味があるのか。やはり、それぞれの仕事の質に伴って当然任命権者の方から、どこでもいいから人をよこせという話では私はないと思います。そういう意味で、特定の責任ある仕事について国から人が欲しいということであったり、あるいは逆に、地方自治体から国の方に出向なりなんなりで来る場合には、国の事務を研修といいますか、勉強しに来るというケースが非常に多いわけであります。
そういう点で、できるだけ相互に対等の関係を頭に置いて、押しつけがましいそういうようなやり方は絶対に国からはしてはならぬと思っていますが、任命権者との協議を十分にした上で、できるならば、より管理職に近い形で国の方で引き取ることができるなら、それはそれで結構なことだと思います。
いずれにせよ、その職務の遂行に関する任命権者の意思ということがやはり優先されておるということであると思っています。
○山下栄一君 出向という形の交流は身分が変わるわけですけれども、それ以外に、地方公務員の方が身分が変わらないままで中央省庁で実務研修という名のもとに一年とか二年とか長期にわたって業務をされているという例があるわけですけれども、中央の官庁からはそういう例はない。だけれども、地方公務員の方は中央に行って、自治体持ちで研修という形で、身分を変えないで派遣されているけれども、それも数週間とか数カ月じゃなくて一年二年という、こういうのが行われていること自身も非常にこれは不自然であると思うんですけれども、実態と改善についてお願いしたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) 各省庁における地方公務員の一年以上の研修の受け入れ状況については、自治省としてはトータルな把握はしておりません。
ただ、自治省におきましては、自治省設置法に基づいて地方公共団体の任命権者の要請を受けて、自治省の行政の実務に参画させることなどによりまして地方自治に関する各種の制度等の企画立案、そして運営の実務を習熟させるということと同時に、地方自治行政の発展を担う地方公務員としての意識を涵養することを目的として一年間の研修を実施しているところであります。平成十一年度の受け入れ人数は百八人であります。
国家公務員につきましても、その能力開発、啓発の推進を図ることが重要であることは言うまでもありませんが、そのための具体的な手法はそれぞれ各任命権者において判断されるべき事柄であると考えております。
○山下栄一君 文部大臣、済みません、遅くなりまして。
今回の法改正で、例えば地教行法も改正されるわけですけれども、学習指導要領等の教育課程の基準を大綱化し、弾力化する。そして、総合学習時間という時間の導入も念頭にあると思うんですけれども、できるだけ現場、例えば学校または市町村教育委員会で独自に教材を編集したり、教育内容を考えることのできるようにしてあげようという趣旨が今回の法改正ではないかと思うんです。
それと、長年続いてまいりました教科書検定制度、これがちょっと相入れないのではないか。特に、総合学習時間という、教科書もない、そして授業時間も弾力的に考えることができるというふうな導入の拡大を図るならば、もっと自主的な教材編成を含めた教育内容の決定権を現場に譲るという方向なんでしょうけれども、それと教科書中心の授業、また教科書を国で検定するというあり方、これはちょっと矛盾するのではないかというふうに思いますし、それも見直しをするということをやはり考えるべきではないかと、検定制度の見直しですね、いかがでしょうか。
○国務大臣(有馬朗人君) 二面あると思うんです。今御指摘のように、総合的な学習を導入する、これは本当に各学校にお任せするという方針をとっているわけでございますけれども、一方では国全体として全国的にある一定の教育水準は確保していかなければならない。ですから、教育の機会均等を自主的に保障するということがやはり要請されていると思います。それと同時に、先ほど御指摘のように、創意工夫を生かした特色ある教育を展開することが求められている。こういう二面はあると思います。そういう意味で、教育課程の基準の弾力化を大いに図ろうとしたところでございます。
教科書でございますけれども、主な教材として学校教育に重要な役割を果たしております。その内容については、やはり客観的で公正であるということが非常に重要でありますし、教育的な配慮というものが施されていなければならないというようなことで、教科用図書検定調査審議会による学術的で教育的に専門的な見地からの審議を踏まえる必要があるということから、適切な教育内容の確保を図るため、引き続き国において適切に検定を実施することはやはり必要であると考えております。
しかしながら、教科書の検定に当たりましては、著作・編集者のより一層の創意工夫を生かして個性豊かで多様な教科書が発行されることを旨とし、より一層簡素かつ透明な検定制度を目指して検定の手順や基準の改善を行ったところでございます。私も、何冊か教科書を書いた経験から、やはりこういう創意工夫が生かされることが望ましいと思いますけれども、そういう意味で、一層簡素でかつ透明な検定制度を目指したいと思っております。
具体的にはどういうことかと申しますと、検定済み図書の訂正申請の要件を緩和する、そして軽微なものの届け出化を図り、著作・編集者が社会の変化などにより弾力的に対応していくことができるようにいたしました。それから、検定の透明性を一層高める観点から、文書により検定意見の趣旨を示すことにいたしました。
こういうふうにいたしまして、文部省としては、この新しい検定制度のもとで適切に検定を行うとともに、よりよい教科書が作成されることに努めてまいりたいと思います。やはりすぐれた教科書をつくっていかなければならないと思っております。
○山下栄一君 最後の質問です。
教育委員会のあり方でございますけれども、教育委員と教育長の関係ですが、私は、教育委員長を中心とする教育委員が非常に形骸化しているところが多い。そうでないところももちろんあるわけですけれども。
本来、教育委員会を支える事務局、事務局長とも言うべき教育長が非常に強過ぎて、教育委員が形骸化するということが今回の特に中教審の答申の大きな趣旨であったのではないかなと思うんです。ところが実態は、教育長は教育委員を兼任するというふうな、答申と逆行するような今回の法改正になっているということは非常におかしいのではないか。
教育委員を強化して、教育長はその指揮監督のもとで事務的な仕事をするというのが本来のあり方ではないかというふうに思いまして、今回の法改正は、有馬文部大臣のもとで行われる割にはえらい後退した内容だなと感じておるんですけれども、いかがですか。済みません、時間がなくなりましたので簡単にお願いします。
○国務大臣(有馬朗人君) 教育長が教育委員の一人であるということの問題点は私はないと思っております。教育委員がやっぱりぴしっと教育長を監督するという格好になっていくわけでありますから、大丈夫だと思います。
ただ、やはりそういう点は注意していかなければならないと思っております。
教育長を教育委員のうちから選任することにいたしましても、教育委員会が委員の合議により教育行政の方針や施策などを決定し、その指揮監督のもとに教育長が執行するというこれまでの教育委員会と教育長のあり方が変わるものではないと考えております。
○山下栄一君 ありがとうございました。(拍手)