都道府県労働局不正経理問題に対する取り組み
2007.6.13
平成17年度決算検査報告の中で明らかになった「47都道府県労働局における不正経理問題」は47都道府県労働局すべてにおいて組織的かつ恒常的に不正経理がまかり通っていたという、前代未聞の不祥事であった。その内容はカラ出張やカラ残業、架空の物品購入などことごとく不正な会計処理を行い、その過程の中でおびただしい量の虚偽の公文書を作成していたというものです。その悪質性から見れば「再発防止策」としては、より「厳正」な処分を行うことが求められた事案でありました。しかるに全体的に刑事事件に至った件数、及び懲戒処分の状況を見ると、必ずしも厳正な処分をとったと言えるのか疑問を持つに至りました。そして決算委員会における質問及び答弁を中心に国会におけるこの問題のやりとりを精査すると、不正経理を行った公務員の責任追及について、現行法には限界があることが明らかになってまいりました。
以下、この問題に対する山下の取り組みについてまとめてみました。
4/23 決算委員会で質問
・会計検査院法第33条に基づく会計検査院の検察庁への通告について
・会計検査院法第31条に基づく懲戒処分要求の有無について
・犯罪性についての法務省の認識について
・検察当局の対応について
・厚生労働大臣のこの問題に対する認識について
5/9 決算委員会で質問
・国家公務員法第84条2項により人事院が懲戒処分を行う必要性について
・人事院の懲戒権が発動しやすいようにするための方策について
・国家公務員法第70条に基づく人事院の検察庁への通告の有無について
5/14 決算委員会で質問
・この問題に対する法務大臣の所見について
・広島地裁判決の処分不均衡の言及に対する法務大臣の所見について
・公用文毀棄罪、証拠隠滅罪の疑いに対する法務省の考え方について
・検察庁法14条に基づく法務大臣の指揮権発動について
・予算執行職員の責任に関する法律に規定される予算執行職員の責任について
・予算執行職員が国に損害を与えた金額について
・予責法に基づいた会計検査院による検定実施の有無について
5/28 決算委員会で質問
・会計関係法令の強化することについての財務大臣の見解如何
・検査院法などの懲戒規定が機能しない実態について
・内閣が責任を持って公務員の不正防止システムを構築すべきではないか
・決算委員会として検査院法、会計法令の見直しに着手することについて
6/11 決算委員会における委員長発言(泉信也委員長)
最後に、都道府県労働局における不正経理問題です。
決算検査報告によれば、物品の納入に当たり虚偽の内容の書類が作成されていたほか、庁費、謝金、超過勤務手当等の不正支出など、全国四十七都道府県労働局すべてにおいて不正経理が組織的に行われ、合計七十八億五千万円もの公金が不正、不適正に支出されていたとのことです。この不祥事に対し、厚生労働省は関係者の処分を行ってはいますが、懲戒処分の対象者はその一部にとどまっています。事の重大性からして、これでは処分が軽過ぎるのではないかというのが多くの委員に共通した認識でございます。
政府としては、このことを単に厚生労働省の問題とすることなく、政府全体として万全の措置を講じる必要があると考えます。このためには、監査体制の強化なども重要でありますが、不正経理を行った者や管理監督責任者を厳格に処分することが必要ではないでしょうか。任命権者による現行の処分方法には限界もありますことから、懲戒処分等における人事院や会計検査院などの関与の在り方、不正経理に対する刑事責任の問い方などの検討を含め、再発防止に取り組むべきだと考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
なお、国民の信頼を回復するためには、政府の対応を待つだけではなく、立法府として法改正も視野に入れ、不正経理防止機能が働くような仕組みについて検討すべきとの強い意見が本委員会にありましたことを申し添えます。
6/11(警告決議 決算委員会議決)
全国の四十七都道府県労働局すべてにおいて、物品の購入に当たり、納入されていない物品を納入されたこととして虚偽の内容の書類が作成されていたほか、多くの労働局において、庁費、謝金、旅費、超過勤務手当等の不正支出が組織的かつ恒常的に行われ、加えて国庫金の領得などの事態が引き起こされ、使途についても不明な部分があったことは、極めて遺憾である。
政府は、この大規模な不正行為を厚生労働省の特定監査で確認できなかったこと、並びに発見された不正経理の範囲が年々拡大し、三年続けて警告等を受ける事態を引き起こしたことの責任を重く受け止め、都道府県労働局に対する監査体制の一層の充実を図るとともに、他機関においてもこのような事態が二度と起こることのないよう、会計経理の適正化、倫理の徹底及び綱紀の粛正に万全を期し、不正経理の根絶を図るべきである。