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教育基本法〜
教育基本法改正問題についての私見
2002年11月13日
1.教育基本法を廃止し、教育振興基本法制定へ
(1) 教育基本法成立の経緯の特殊性
戦後の混乱期、国家の再スタートに当たり、本来、法律規定になじまない「教育理念」を教育勅語にかわるものとして明示することが、制定の主要目的であった。
欧米先進国の大半は、教育理念を明示するような基本法はもたない。(米・独・英など)
(2) 教育行政の本来の役割の確認
・ 教育は時の政治権力に左右されてはならない、人間の精神的価値にかかわる行為である。
教育行政の役割は教育の目的を遂行するために必要な教育条件の整備確立に徹すべき(教育基本法第10条)。
・ 日本の教育行政組織のねじれ現象
中央政府においては内閣の中の文部科学省が担当、地方政府においては知事・市長部局と距離をおいた教育委員会が担当している。このねじれ解消の議論を行うべき。
(3)戦後57年経過し、市民社会が成熟した今、教育基本法の使命は終わったと言える。
教育に果たす国・地方の役割を見直した上で、国は、教育行政の本来の役割を明示するため、財政支援基本計画を中心とする教育振興基本法の制定をめざすのが妥当である。
2.義務教育制度の対する国の関与のあり方が問われている。
(1) 地方分権会議でも義務教育費国庫負担制度の見直しについて、激しい対立があった。(文部科学省と総務省の対立でもある。)
(2) 教育行政における国と地方の役割分担、教育委員会制度のあり方など、抜本的見直しの議論は政府においても、はじまったばかりである。
(3) 義務教育に対する国の関与のあり方は、学習指導要領の法的拘束力や、教科書検定制度の見直しに連動する重要テーマである。この議論こそ先行すべきである。
3.現今の「社会全体の教育力低下」の原因を国民のあらゆる分野で議論すべき
(1)学校も地域も、家庭も、企業も、あらゆる分野で教育力が弱体化している。
(2)「学力低下」の原因分析にも社会的混乱が見られる。「新しい学力観」を提案した文部科学省自身揺らいでいる。
(3)教育とは何か − ことばの定義自体、国民的コンセンサスが出来ていない。
(4)国民的コンセンサスづくりの手法に工夫が必要
・法律規定の手法は、上から下へ権力的に指示するものであり、教育の本質と対立。教育力向上につながるどころかかえって阻害するもの。
・共助的手法とも言うべき民間の自立的な実践の積み重ねが、社会全体の教育力向上につながると考える。
(5)立法府における議論の場をつくるべき。例えば両院の憲法調査会の下に教育小委員会を設置するなど。