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月刊「かんきょう」(2005年1月号)掲載
「環境教育の10年」
参議院議員(公明党) 山下 栄一
私は平成14年8月下旬から9月上旬にかけて実施された「地球環境問題に関する世界サミット」(WSSD)に、政府代表の一員(当時環境副大臣)として参加させていただいた。南アフリカのヨハネスブルグで行われたのだが、私にとってアフリカ訪問は初めてだった。アフリカ大陸は、19世紀中ごろ、ヨーロッパ人の侵略が始まり植民地化・西欧化されて、いわゆる文明化されていくのだが、私は現地に行ってはじめて人類にとって「進歩とは何か」を深く考えさせられた。
アフリカの人達は、それまで「大自然との共生なしに人は生きていけない。」ということを生命全体で感じとっていて、食糧獲得や森林伐採等を、限度をわきまえつつ行っていた。まさに「持続可能な開発」を実践していたわけだ。文明化即進歩なのではない、自然との共生を貫いていたアフリカ方式を、現代人は学ばねばならないのではないかと思った。
WSSDの会期の終盤「持続可能な開発に関する教育の10年」が首脳会談で採択された。これは日本のSGIを中心とするNGOが提案したものを、日本政府が採用し、WSSDに提案し、それが、この10年に一度の「環境に関する世界会議」で正式に採択された意義深いものである。翌年この「環境教育の10年」は国連総会で採択され、いよいよ本年よりスタートする。地球環境の保全活動を、地についたものにするためには、人類の意識改革が不可欠である。「環境教育の10年」を何とか成果あるものにするため、もともとわが国が提案したこの取り組みを成功させたいと思う。
昨年の通常国会で「環境教育推進法」を成立させた。私が環境副大臣をさせていただいていた時、環境省と文部科学省とで、「環境教育の推進のための協議会」を、省庁越えた取り組みとしてスタートさせた。識者や市民活動団体などとの意見交換、現地視察を重ね、環境教育の取り組みの強化をはじめたことが、法制化への契機となったと確信している。この法律は、意識改革を促進する法律と言える。環境問題は、理論と実践の往復作業が大事だ。
この法律の具体化、そして「環境の10年」の人類的運動の成否の如何が、「京都議定書」の成否へと連動すると確信している。2005年を地球環境問題解決への大いなる前進の年にしたい。